リストラについて - 労働問題に関する基礎知識

基礎知識から落とし穴まで

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リストラについて

リストラについて

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リストラとは

会社側が経営上の理由、経済上の事情により人員削減の手段として行う解雇を、リストラ(整理解雇)といいます。普通解雇の一種です。 整理解雇を有効に行うためには、通常の解雇の場合と同様、客観的合理性があり、社会通念上相当なものである必要がありますが、整理解雇の場合、次の4要件を充足する必要があるとされています。

リストラの種類

勤めている会社の人員削減によって、解雇された場合のみ「リストラ」と考える方が大多数ではありますが、実際は「リストラ」には転籍や転属、賃金のカット、減給、降格などを含む場合もあります。また、希望退職者を募るなどして、従業員を自主退職へと導くことによって、解雇よりも少ないコストで、人員を削減することもリストラに含まれています。

大前提として、会社側からの一方的な雇用契約打ち切りを解雇といって、被雇用者側から打ち切りの申し出を退職といいます。すなわち解雇通告以外の次のような通告もその後の自主退職に繋がることによって、リストラとみなされます。

  • ・退職勧奨

    いわゆる「肩たたき」と呼ばれる、直接的では無く間接的な表現での打診。

  • ・賃金やボーナスのカット

    正当な理由のない給料の減額やボーナスカットなど。また、職場で職歴が同等な従業員と比較した場合の極端な減額、または急に減額された場合。

  • ・配置転換

    キャリアアップなどの妥当性が考えられにくい部署への配置転換等。

  • ・降格

    降格による精神的な打撃はその後の自主退職へと繋がる事由となります。

  • ・転籍

    親会社に籍をおいたまま子会社に勤務する「出向」とは違い、親会社から子会社へと完全に籍を移すことで親会社へ戻ることは非常に難しくなります。

整理解雇の4要件とは

整理解雇を有効に行うためには、通常の解雇の場合と同様、客観的合理性があり、社会通念上相当なものである必要がありますが、整理解雇の場合、次の4要件を充足する必要があるとされています。

  • 1. 人員整理の必要性

    企業の維持存続のため、人員削減の必要性があることです。 どの程度の必要性があるかについては必ずしも確実な基準はありませんが、客観的にみて企業が高度の経営危機にあり、解雇による人員削減以外に打開の方途がないと認められる場合などといわれています。

  • 2. 解雇回避努力義務の履行

    会社が経営危機にあっても直ちに整理解雇に踏み切ることは許されず、解雇以外の方策により経営改善を図っていることが必要となります。 具体的には、残業の削減、新規・中途採用の削減・中止、配転・出向・転籍、希望退職者の募集などが挙げられます。

  • 3. 非解雇者選定の合理性

    整理解雇の対象となる労働者の選定方法に客観的合理性があることが必要となります。 過去の勤務成績や会社への貢献といった要素を考慮して選定を行えば、比較的、合理性が肯定されやすいといえます。

  • 4. 手続の妥当性

    整理解雇について、労働協約に解雇協議条項や解雇同意条項などがある場合には、それによる必要があります。また、これらがない場合であっても、整理解雇の必要性、時期、方法について十分な説明、協議をせずに整理解雇に踏み切った場合、手続の妥当性が否定され、解雇が無効となる可能性があります。

1~3までは整理解雇を行うことへの「合理的な理由」が存在するのかどうかが問題にされています。実際にリストラによる解雇を行うにあたり4の「手続の妥当性」が、非常に重要です。ほかの三つの案件が揃っていても、労働者の納得を得るための手順を踏まずにいきなり解雇通告することは絶対にできません。

レイオフとは

レイオフとは再雇用を条件とした一時的な解雇のことを言います。

企業の業績が悪化した際に人件費を抑えるため、リストラによる人員の削減とともに、レイオフを行い一時的に人員を削減する雇用調整が行われます。 レイオフによる解雇は業績が回復し人員を採用する際に優先的に再雇用されることが前提になっていることから、「一時的」な解雇といわれています。 アメリカやカナダでは、独特の雇用慣行として、「先任権」という制度(先任権制度)が広く認められています。

解雇や再雇用だけでなく、配置転換や昇進、休職などが行われる場合にも、勤務期間の長さによって優先的に扱われるという制度で、「古参権」と呼ばれることもあります ある企業でレイオフが実施されると、先任権の低い(勤続期間の短い)従業員から順にレイオフされ、レイオフ終了時には、レイオフ中の従業員のなかでも先任権の高い者から再雇用されます。

現在では、レイオフもリストラ同様、単に大規模な解雇を意味し、再雇用は想定されないといったケースも見受けられるようになってきました。

最近では、東南アジア諸国や中国においても、雇用調整の一つの方策としてレイオフが行われるようになりましたが日本の企業では一般的ではありません。

日本での雇用調整は、早期自主退職制度や新規採用者を控えるといった方法で行われます。