「解雇として扱う」ことで合意したが・・・

労働問題
労働審判

勤続5年のパートの主夫です。

・職種:弁当の配達、回収
・出勤日:月曜~金曜(シフト制)
・休日:土、日、祝日
・勤務時間:午前 8:30~12:30(実働4時間)
      午後 13:00~15:30(実働2時間30分)
・時給:¥900
・単純計算で一日の賃金は¥5850
・入社時にいわゆる年収130万ライン内での勤務を希望。会社側は了解。
・こちらから早退を申請しない限り1日6時間30分の勤務を希望し、実際働いてきたが、
 最近は「客が減って配達コースを整理したので人が余っている」等の理由で、
 午後の業務を与えられないことが慢性的に(週に1~4日)あった。
・シフトの作成は一週間毎。

3月22日に会社から
「ワークシェアのお願い」として、
「過去数年に渡り落札していた入札方式の受注(期間1年、年度ごとに入札)を、来年度は落札受注できなかった。
 理由は入札価格の大幅な下落で、競合他社が落札した。

その結果、売り上げが大幅に減るので今までどおりに働いてもらえない。勤務時間は1/5くらいになるが我慢してもらってみんなで頑張っていこう」
(休業手当の支払い等の提案の記述は一切なし)
という内容のプリントがパート全員に配られ、その後数日に渡り、一人ずつ別室に呼ばれ、社長と部長との面談を持ちました。

あまりの馬鹿げた内容に、「とても了解できません。今までどおり働かせてください」と言ったところ

「そう言われてもどうしようもない。しょうがないじゃないか」との返答。
(ここでも休業手当の支払い等の提案は一切なし)

なので、
「要は人件費を減らしたいのでしょう?辞めさせたいんですよね?
 だったらちゃんとクビにしてください。自分から「やめる」とは絶対に言いませんよ」
と伝えました。

最終的に3月31日に、口頭で「即日解雇として扱う」ことを確認し、

・解雇通知の発行
・解雇予告手当て1か月分の支払い
 (2回分割にしてほしいと言われたので、4月、5月の給料日に振り込むことで了承しました。)
・離職理由を会社都合とした離職票の発行

を口頭で約束し、つまり「即日解雇として扱われる事」を大前提、絶対条件として離職しました。
退職届の提出を求められましたが、拒否しました。

ところが翌日になって社長がメールで「解雇はしていない」と言ってきました。

6月6日現在、上記の約束はすべて履行されておらず、
(解雇通知は出されず、解雇予告手当ては未払い、離職票は離職理由が「一身上の都合」とされた物が届きました。)

解雇はしていないといいながら、4月1日以降、労務の提供も、出勤要請もありません。
(シフト表は一週間毎。ちなみに離職日に掲示されていた4月3日(月)からのシフト表に私の名前はありませんでした。)

労基に申し立てたところ、担当した労働基準監督官の見解は、
「会社側が解雇していないと主張している以上、労基法上での解雇予告手当ての支払い指導はできない」というものでした。

支払いを約束したことは監督官との面談で認めたそうですが、とにかく「解雇はしていない」の一点張りだったそうです。

そうなると解雇予告手当ての支払い請求以外に、

・最初に「自分からやめるとは絶対に言わない」と伝え、その後も自ら退職の意思を示したことはない。
・3月31日に件の約束が守られることを大前提に離職したが、その大前提は会社側から一方的に破られている。
・退職届は提出していない。
・自己都合にされた離職票には署名捺印していないし、もちろん職安にも行っていない。
・社長は「解雇はしていない」と監督官の調査でも主張証言している
(さらには解雇予告手当を支払う約束をしたことまでも証言している)。

以上のことから、そもそも現時点では労働契約の解除がされていない状態であり、

こちらにこれまでどおりの就労の意思と用意があることを伝えた上で、
今まで以上に確実厳格に、雇用契約に基いた労務の提供を求めるとともに、
4月1日以降、労務が提供されなかった勤務日(平日)については
民法536条2項に基き賃金(日額¥5850)の支払いを求める。

という選択肢が出てきました。
正直、社長の行動や主張にツッコミどころが多過ぎて、逆に攻めあぐねている状態です。


それで今回質問させていただきたいのは

①上記の主張で離職の無効は法的に認められるか?

②小額訴訟を起こした場合、労基法26条ではなく民法536条2項が適用されるか?


の二点です。

正直、労基法が適用されるのであれば、勝ったとしても金額は少なく、また就労復帰したとしても会社の現状を考えれば、
休業手当が支払われたとしても、今まで並の収入を確保できないので、もめた会社に居続けるメリットはあまりありません。

逆に民法が適用され、就労復帰後、労務が提供されない日にも日額¥5850(もしくはそれに近い額)が確保できるならば、
会社に戻り、働き続けるメリットがあります。会社がこれを嫌って解雇なり退職勧奨を持ちかけてくるならば、
今回の教訓を生かして交渉に当たれますし。

私としては訴訟を起こすことにためらいはありませんが、
どの選択肢がベストかを判断する知識も経験値も足りません。
是非、弁護士の方の豊富な経験に基いたご助言を賜りたく、質問させていただきました。
よろしくお願い致します。


<追記>
手持ちの資料、証拠

・雇用契約書
・就業規則(いずれも休業手当の規定なし)
・過去すべての給与明細および源泉徴収票
・自己都合の離職票(未署名未捺印)
・シフト票の画像
(3月最終週は平日すべて勤務=32時間30分:残業含まず
 4月最初の週は午後のみ2日=5時間
 その後改訂され、離職日に掲示されていたものには私の名前は無かった)
・社長とのメールのやり取りすべて(スマホの画面を印刷)
・社長の携帯電話への発信履歴(着信無視10回以上)
・社長との通話の録音音声
 (即日解雇については「よくわかってなくてそう(約束)しちゃったんだよね」と発言
・「ワークシェアのお願い」プリント

ちなみに過去の実績として
総年収÷総勤務日数は¥5631です。
法的な「平均賃金」でないことは理解しておりますが、ご参考までに。

その後、社長は一貫してこちらからの連絡を無視しており、会社にも短時間しか居ないようで捕まりません。

なので一度会社に行き(社長以下、会社幹部は不在)、こちらの要求を書いた「要求覚書」を社長のデスクに届けたところ(動画あり)、「今後君の出入りを禁止する」とのメールが届きました。「要求覚書」は送り返す、とのことでしたが、まだ送り返されていません。シフト担当の係長に連絡を取り、こちらに働き続ける意思があることを伝え、会社幹部に伝えてもらうよう頼みましたが、本日の時点で回答はありません。

この場合、
③内容証明郵便を出したほうが良いか?
についてもご助言お願いいたします。

相談者(ID:)さん

2017年06月07日

弁護士の回答一覧

藤川 久昭
弁護士(クラウンズ法律事務所)

結論としては、法的責任をきちんと追及されたい場合には、労働法にかなり詳しく、解雇権濫用法理にも...

結論としては、法的責任をきちんと追及されたい場合には、労働法にかなり詳しく、解雇権濫用法理にも通じた弁護士に相談に行かれて、法的に正確に分析してもらい、今後の対応を検討するべきです。

解雇は、使用者の一方的意思表示ですから、解雇をすることに合意する、ということが、原則ありえないのです。解雇をすることに合意するというのは、労働契約の合意解約、場合によっては、解雇の承認=解雇の事実と効力に異を唱えない、などと判断されてしまうことが多いのです。なお、「解雇はしていないといいながら、4月1日以降、労務の提供も、出勤要請もありません」という点ですが、解雇してなくても、合意解約あるいは辞職であっても、労務提供、出勤要請はないことになります。

ネットでは限界がありますし、ここは、簡単なアドバイスが原則です。是非、弁護士を探して、直接相談に行かれて下さいね!

簡単に回答しておきますと、①解雇だと判断されることが前提です、②解雇の場合であって、無効の場合には、民法536条2項の請求が通常です。③送る方が通常です。

以上負けないで頑張って下さい!!
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回答した弁護士のご紹介
藤川 久昭
弁護士(クラウンズ法律事務所)
住所東京都新宿区四谷4-28-20パレ・エテルネル205A
対応地域全国

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