契約の更新が拒否され、会社から156万円の和解金を得られたケース
【相談前】のご依頼者の状況
相談者Tさんは親族が経営する会社で勤務していましたが、有期雇用であることを理由に契約更新を拒否されました。 Tさんは契約更新を会社に求めましたが、却下されました。 突然の失職に直面したTさんは、会社の言い分に対して何か反論する方法はないかと考え、当事務所に相談することにされました。
【相談後】のご依頼者の状況
有期雇用の従業員は「期間の定めのある従業員」として、契約期間が終了すると同時に従業員としての地位を失うのが基本です。 しかし、更新が繰り返され、期間の定めが形骸化している場合や、従業員が契約更新を期待する合理的理由がある場合、雇用主が一方的に契約を終了するのはあまりに酷だといわざるをえません。
このため、労働契約法第19条は、雇用主が有期雇用者に対して雇止め(雇用主の雇用契約終了の意思表示)を行うことを制限し、有期雇用の労働者を保護しています。 Tさんは長期間会社で働いていたため、契約が何度も更新されていました(なお、Tさんは高齢であり、無期転換ルールの適用対象外でした)。
そこで担当弁護士は、法律が定める雇止めの制限についてTさんに説明し、交渉の依頼を受けました。 まず、弁護士は会社に対し、法律事務所リーガルスマートがTさんの代理人として就任したこと、会社はTさんを雇止めできないこと、そしてTさんが契約更新を求めていることを内容証明で通知しました。
これに対し、会社はTさんを再雇用することはできないと主張しましたが、問題解決のために一定の解決金を支払うことは可能だと回答しました。 その結果、解決金の交渉が行われ、会社がTさんに対し、約1年分の給与に相当する156万円を支払うことで合意に至りました。
弁護士からのコメント
本件では、当事務所の弁護士が法律や判例に精通しており、会社が雇止めを行えないことを適切に指摘できた点が重要でした。 解雇や雇止めなどで雇用契約が一方的に終了された場合、会社に復職する意思がなくても、本件のように金銭的な請求が可能なケースが多くあります。 このような請求は、労働者個人では相手にされなくても、専門知識を持つ弁護士が介入することで、請求が認められる可能性が高まります。お困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。