長距離トラック運転手が残業代を請求し、労働審判を通じて900万円を回収した事例

相談前

相談者は、長距離トラックの運転手として、週に数回しか自宅に戻れない生活を送っていました。
しかし、固定残業代（みなし残業手当）が支給されていたため、いくら働いても給料には変化がありませんでした。
相談者はこの状況に疑問を感じ、退職を機に弁護士に依頼して残業代の請求をすることに決めました。

相談後

残業代を算出し、会社に内容証明郵便を送ったところ、固定残業代を支払っているため残業代は支払えないとの返答がありました。
そこで、交渉による解決は難しいと判断し、労働審判手続きを申立てました。
会社側は抵抗しましたが、最終的には固定残業代が無効であることを前提に解決が図られ、900万円の残業代が支払われることになりました。

弁護士からのコメント

固定残業代が支給されている場合、労働者は一見、適切な残業代が支払われていると錯覚しやすいです。
しかし、固定残業代が正しく導入されていないケースが多く、適切な主張を行うことでその効力を覆すことができる場合もあります。

ただし、この問題には様々な理論的な課題があり、多くの裁判例も存在します。
そのため、専門的な知識を持つ弁護士でなければ、適切な主張を構築するのは難しいです。
固定残業代（「営業手当」などの名目で支払われる場合を含む）がある場合でも、残業代の請求を諦めず、この問題に強い弁護士に相談することが重要です。