ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ) > 労働問題マガジン > 残業代請求 > 社員の残業した証拠を会社が揉み消した…罪に問える?
労働問題マガジン
公開日:2018.5.25 更新日:2022.3.14 弁護士監修記事

社員の残業した証拠を会社が揉み消した…罪に問える?

「残業したのに残業代がもらえない…。」

給料明細を確認してみると労働時間が改ざんされていた…なんて経験がある人もいるのではないでしょうか。

 

せっかく朝早く出社して定時前から業務に就く or 夜遅くまで残り頑張って働いたのに、残業した事実を揉み消されたら納得できませんよね。

 

労働時間を改ざんされた場合は会社を罪に問えるのでしょうか。それとも泣き寝入りするしかないのでしょうか。疑問を紐解いていきます。

あなたにも起こるかもしれないハラスメント被害|万が一のとき弁護士費用の補償が受けられる保険『ベンナビ弁護士保険』

令和元年、労働局への相談は約118万件のうち、労動問題の紛争に関するものが約28万件、そのうち、職場のいじめや嫌がらせの件数が約9万件にも登り、働く人の45人に1人が何かしらの労動問題を抱えています。

続きを開く

 

ベンナビ弁護士保険は「上司からの理不尽な暴言や暴力がひどい」「セクハラやパワハラでうつ病になった」など、一人では解決できず、弁護士に依頼した際に役立ちます。今まさに起こっている問題には対処できませんが、これから起こるリスクに備えることで、あなたの『生活と安全』を守ることができます。

 

詳しい資料の請求、よくある質問は下記よりご覧ください。
保険料は1日約96円!実は、一つの保険契約でご家族が被害に遭われた場合でも利用可能な日本で初めての単独型の保険です。

 

労働問題は弁護士に相談することで、それまで悩んでいたことがすぐに解決できる可能性も高いです。【ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)】では、着手金無料・土日祝日・夜間対応可能な弁護士も多数おりますので、まずは無料相談をおすすめします。

KL2020・OD・099

労働時間を改ざんされたら罪に問える可能性がある

会社に労働時間を勝手に改ざんされた場合は、私文書偽造罪(刑法第159条)、電磁的記録不正作出(刑法第161条の2)の刑事罰に問える可能性はあります。

 

【罪の内容】

  • 私文書偽造罪:1年以下の懲役 又は10万円以下の罰金
  • 電磁的記録不正作出:5年以下の懲役または50万円以下の罰金

 

また上記のような罪にならない場合でも、労働基準法の時間外、休日および深夜の割増賃金(労働基準法第37条)を支払っていないということになるので、これに違反しているということになります。そのため、6ヶ月の懲役または30万円以下の罰金に問えるかもしれません。

 

ただし、労働時間を改ざんされていた証拠が必要です。

 

証拠がなければ「給料に反映されなかった残業代を要求する!」と言っても、会社側は聞く耳をもちませんので注意しましょう。

 

 

残業代を要求するのに必要な証拠一覧

現在はタイムカードではなく、勤怠システムを使う企業が少なくありません。システム管理で労働時間の改ざんをされた際には、以下のような証拠を集めて証明しましょう。

 

  • 社員証の出退勤システム
  • パソコンを起動したときの履歴やメールの送信履歴
  • 交通系ICカードの利用履歴
  • 携帯の位置情報(業者に依頼した場合)
  • 家族などに送った帰宅の連絡メールやLINE
  • 自分で書いた出勤・退勤時間のメモ

 

 

証拠が集まったら労働基準監督署などに行く

上記のような証拠を集めたら、会社に対して未払残業代を請求しましょう。

 

しかし、素直に支払ってくれないのであれば、労働基準監督署に相談するのも一つの手です。労働基準監督署は直接回収作業をしてくれるわけではありませんが、残業代未払いは労働基準法違反となるので、会社へ足を運んだり、呼び出したりして違法性がないか確認し、違反があれば是正勧告などを出してくれます。

 

ただし、労働基準監督署は未払い残業代の回収を強制できるわけではないので、それを知っている会社は、無視し続けるところもあります。

 

労働基準監督署に相談しても残業代の支払いを回収できないときは労働審判をしましょう。労働審判(裁判)なら法律の力を借りて未払いの残業代を取り戻すことが可能です。

 

残業したことを揉み消すと罪になる

社員に残業した時間を改ざんされた場合は、私文書偽造罪または電磁的記録不正作出の刑事罰に問える可能性は高いでしょう。

 

もしくは時間外、休日および深夜の割増賃金の労働基準法の罰則に問うができるかもしれません。

 

ただし、労働時間を改ざれた証拠が必要です。

 

もし残業時間の改ざんをされていたのなら、社員証の出退勤システムや交通系ICカードの利用履歴などの時間と乖離(かいり)されている証拠を持って労働基準監督署に相談に行きましょう。

 

労働基準監督署でも解決できない場合は、弁護士に依頼することも検討してみましょう。

 

この記事の監修者
法律事務所アルシエン
清水陽平 弁護士 (東京弁護士会)
インターネット上での誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。
弁護士費用保険のススメ

パワハラ・セクハラ・未払い残業代・過重労働・リストラなどの労働トラブルが起こった際に、専門家に相談したくても費用がネックになり、相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。

そんな方々を、いざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。
労働トラブルに限らず、交通事故や離婚トラブル、子供のいじめなど様々な法律トラブルでも利用可能です。

無料で資料ダウンロード
弁護士費用を負担してくれる
弁護士保険で法律トラブルに備える
弁護士保険に関する資料のお届け先
氏名
必須
フリガナ
必須
電話番号
必須
メールアドレス
必須
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

残業代請求に関する新着マガジン

残業代請求に関する人気のマガジン


残業代請求マガジン一覧へ戻る
キーワードからマガジンを探す
弁護士・司法書士の方はこちら