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公開日:2018.7.2  弁護士監修記事

有給ってどんな理由でも休みをとれるの!?

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「なんとなく気分が乗らないので有給もらっていいっすか?」

 

身勝手なのはわかってる。だけど、今日はどうしても帰らなければいけないんだ…。

 

そんなときは、どんな理由であっても有給をとることはできるのでしょうか?

 

理由によっては拒否されてしまうこともあるのでしょうか…?

 

有給休暇の基本ルール

有給休暇の取得には、

 

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

引用元:労働基準法第39条

 

という法律に定められた明確なルールがあります。

 

つまり、有給休暇は一定の基準を超えた労働者に与えられる権利だということです。

 

与えられる日数については、こちらの表のとおりです。

 

引用元:厚生労働省

 

 

有給休暇取得に原則理由はいらない

有給休暇取得には、原則として理由はいりません。労働者に与えられた権利なので、どんな理由であれ、それを行使することは可能です。

 

しかし…、

 

体調不良で会社を休めば、

 

「体調管理も仕事のうちだろ!」

 

と私生活にまで首を突っ込まれ、有給休暇を取得するときに

 

「体調管理のためです」

 

と言えば、

 

「そんな理由で休めるかっ!」

 

と怒鳴られる。

 

これはかなり理不尽ですね…?

 

著者であれば『どっちやねん』という感情が抑えられません。

 

いかにも日本の会社らしい事例ですが、実際にこういったことは頻繁に起こっているそうで…。

 

引用元:livedoorニュース

 

この結果からもわかるように、有給休暇を取得できない理由の第1位は、やはり『職場に休める空気がないから』という、これまた日本人特有のものでした。

 

こういったことがあるからこそ、なんとなく有給休暇を取得するのは申し訳ないと考えてしまう人が多いのでしょう。

 

しかし、もう一度言いますと、有給休暇を取得するために理由は関係ありません。そんなことで体を壊したら元も子もありませんし、労働者に与えられた権利を堂々と行使しましょう!

 

ちなみに…、

 

「土曜日ゲームの大会なので、前日の金曜日は調整のためにお休みいただきます」

 

という理由で有給休暇を取得できたという強者が、筆者の知人には実在します…。

 

うそのような本当の話ですが、このことからもわかるように、有給休暇の申請を拒否することは、基本的にはできません。

 

つまり、「なんとなく気分が乗らないので有給もらっていいっすか?」という提案は、ルール上は認めてもらえるということですね。

 

 

有給休暇申請でのトラブルを避けるために

有給休暇取得の際にトラブルになるのは、そもそも普段の人間関係が影響していると思われます。

 

普段からしっかりとコミュニケーションをとっていれば、私用で休むことがあっても代わりに仕事をしてもらえたり、体調を気遣って休むよう促してくれたりと、トラブルになることは考えにくいです。

 

先ほどのゲームの件で申請が承認されたのも、そんな良好な人間関係があったのでしょう。

 

しかし、普段からコミュニケーションがまったくない状態で、突然「なんとなく気が乗らないので休みます」と言われたら、果たして上司はどう思うでしょうか?

 

休みにくい雰囲気を作っているのは会社側ではなく、もしかしたら自分にあるのかもしれません。より良い人間関係が築けていれば、社員の体調が悪いのに無理やり出勤させることなどしないはずですから…。

 

それに、もしも上司とより良い人間関係が築けていたとしたら、そもそも会社に迷惑をかけるような休み方はしないでしょう。

 

有給休暇を取得する際にトラブルになってしまうのは、どちらかに問題があるのではなく、どちらにも同じく責任があるはずです。

 

有給を取得するときだけ会話をするのではなく、普段から円滑なコミュニケーションをとるよう意識して、会社に通ってみるのはいかがでしょうか。

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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