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公開日:2019.12.13 更新日:2022.7.8 弁護士監修記事

そこまで言う⁉忘年会での上司による説教に法的な問題はないのか弁護士に聞いてみた

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2019年も残り一月を切りました。あともう少しで仕事から解放されると思う一方で、忘年会があるのを考えると憂鬱ですよね。

 

「口うるさい嫌味な上司とお酒なんか飲みたくない!」って方も多いのではないでしょうか。

 

普段から口うるさいのに、お酒が入るとさらに説教じみた小言を延々と言われ、ヒートアップしてくると罵倒じみた暴言を吐かれたことも…。

 

そもそも、他の社員もいる前で説教ましては暴言を吐くことに、問題はないのでしょうか。

他の社員がいる前で公開説教!法的な問題はないの?

一般的に、人前で部下を叱ることは、他の社員や叱られた本人のモチベーションなどを考えると、望ましくないと言われています。

 

にもかかわらず、忘年会という他の部署の人達も集まる場所で、説教することに問題はないのでしょうか?

 

銀座さいとう法律事務所の齋藤健博弁護士にお話を伺いました。

 

一刻も早く今の職場から逃げ出したい場合は…

仕事は人生の大部分を占め、職場での精神的苦痛は、うつ病にかかってしまうリスクを引き起こします。

いざという時会社は守ってくれません。自分の身は自分で守りましょう。

今の職場にどうしても耐えられない場合は新しい職場を見つけることも解決策の一つです。

新しい職場を見つけていれば、お金の心配や、退職を言い出しにくい状況からも自ずと解放されます。

 

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Q.人前で説教をすること自体には法的な問題はない?

【齋藤健博弁護士の回答】

パワハラは構成要素として、

 

  • 優越的な関係に基づくこと
  • 業務の適正な範囲を超えていること、
  • 身体的精神的に苦痛を与えるまたは就業環境を害すること

 

があげられます。

 

6類型としてさらに細分化すると、精神的な攻撃・過大な要求・残酷な要求はいずれもパワハラの典型なのです。

 

宴会の席での叱責は、本来不要な行為であり、個人の人格権を侵害するとみることは可能でしょう。

 

もっとも、これらは偶発的におきるものではなく、いじめ・パワハラのプロセスのうち、不和の段階から攻撃の段階、に至ったことを意味しています。

 

当該行為の以前から、対象者に対して不満を抱えていたはずであると成立することは可能です。

 

Q.説教に相手の人格を否定するような発言、侮辱するような発言が含まれていた場合

【齋藤健博弁護士の回答】

明確に不法行為が成立するでしょう

 

先に紹介した6要素は、実は厚生労働省が2018年3月に公表した「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書」というものに基づいています。

 

侮辱行為は、身体的な攻撃こそないものの、精神的な攻撃といえます

 

また、人格を否定する行為は別に職場内で行われなかったとしても、人格権侵害を理由とした不法行為責任を伴うものです。

 

Q.説教が長時間に及んだ場合

【齋藤健博弁護士の回答】

不法行為の悪質性が向上するでしょう。

 

また、その内容によっては過大な要求が含まれていることでしょうから、パワハラには疑いがありません

 

Q.忘年会での発言だけで相手を名誉毀損等で訴えることは現実的に可能ですか?

【齋藤健博弁護士の回答】

立証の問題はあるにせよ、ありえるでしょう。

 

ただちに、名誉棄損罪の成立をめぐって刑事責任を追及するというよりは、内容次第で、法人側に対する使用者責任を追及する余地もあるでしょう。

 

忘年会といえども、純粋な私人としてではなく、法人の構成員として参加をある意味で強制された形での忘年会はありえますし、裁判例の多くもパワハラが成立する局面であると整理しています。

 

まとめ

お酒の席とはいえ、忘年会での説教も度が過ぎればパワハラ?となるかもしれません。

 

説教した本人は次の日にはきれいさっぱり忘れていても、された方は簡単に忘れることができないですよね。

 

せっかくの忘年会が上司の説教で終わってしまうのはもったいないので、席が近くなってしまった方は、頃合いを見て逃げましょう。

 

【法律監修】

銀座さいとう法律事務所 齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)


女性のセクハラ被害解決を得意とする弁護士。慰謝料請求や退職を余儀なくされた際の逸失利益の獲得に注力。泣き寝入りしがちなセクハラ問題、職場の女性問題に親身に対応し、丁寧かつ迅速な解決を心がけている。

一刻も早く今の職場から逃げ出したい場合は…

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いざという時会社は守ってくれません。自分の身は自分で守りましょう。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
女性のセクハラ被害解決を得意とする弁護士。慰謝料請求や退職を余儀なくされた際の逸失利益の獲得に注力。泣き寝入りしがちなセクハラ問題、職場の女性問題に親身に対応し、丁寧かつ迅速な解決を心がけている。
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編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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