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解雇の日まで30日を切ってから告げられた、あるいは当日に「もう来なくていい」と言われたなら、会社には足りない日数分の平均賃金を払う義務があります(労働基準法20条)。宮城の一般労働者の所定内給与31万3,700円をもとにすると、予告なしの即日解雇で手当は約31万円が目安です。宮城労働局には令和7年度に解雇の相談が773件寄せられ、紛争調整委員会へのあっせん申請でも解雇は16件と2番目に多い内容です。仙台市・石巻市・大崎市・登米市・気仙沼市など県内のどこで働いていても使える申告先と相談先を、急ぐ順にまとめます。
いまの状況別・最初にすること
手当の額は、解雇日の何日前に告げられたかと、告げられる前の3か月の給与で決まります。会社は30日以上前に予告するか、30日分以上の平均賃金を払うかを選べ、両方を組み合わせることもできます。予告が30日に届かなかったなら、届かなかった日数の分が手当になります。宮城の所定内給与に当てはめた目安は次のとおりです。
| 解雇を告げられた日 | 会社が払う手当 | 宮城の所定内給与で出した目安 |
|---|---|---|
| 解雇の当日(即日解雇) | 平均賃金の30日分以上 | 約31万円 |
| 解雇日の10日前 | 平均賃金の20日分以上 | 約20万円 |
| 解雇日の20日前 | 平均賃金の10日分以上 | 約10万円 |
| 解雇日の30日以上前 | 不要 | — |
宮城労働局が公開している計算例も、この組み合わせです。6月20日に「6月30日付で解雇する」と通知した場合、予告は10日しかないため、会社は20日分を払います。月給21万円に家族手当と残業代が付いて3か月の賃金総額が72万4,900円の人なら、平均賃金は7,879円34銭で、手当は15万7,587円以上です。日数は告げられた日の翌日から暦どおりに数え、休日も1日に入ります。
出典:宮城労働局「平均賃金の計算方法」、厚生労働省「確かめよう労働条件」解雇予告の期間と手当の計算、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査(都道府県別にみた賃金)」
平均賃金は、解雇を通告された日の前日からさかのぼった3か月の賃金総額を、その期間の暦日数で割った額です(労働基準法12条)。給与の締切日があれば、直前の締切日から3か月を数えます。宮城労働局の資料は、諸手当を含め、税金や社会保険料を引く前の額で計算すると説明しています。
平均賃金の計算に入るもの・外れるもの
月給31万3,700円で計算すると、3か月分の94万1,100円を92日で割った1万229円34銭が平均賃金です。30日分では約30万6,900円になります。残業の多い月が含まれていれば額は上がるので、給与明細と勤怠の記録を会社のシステムから画面ごと保存してください。
パートやアルバイトで働く日が少ない人は、最低保障額のほうが高くなることがあります。宮城県の最低賃金は令和8年10月1日から1,098円です(9月30日までは1,038円)。時給1,098円・1日5時間で3か月に40日働いた人の場合、暦日で割ると1日約2,387円ですが、最低保障額は3,294円なので、30日分の手当は9万8,820円です。
出典:宮城労働局「平均賃金の計算方法」、e-Gov法令検索「労働基準法」(第12条・第20条〜第22条・第104条・第114条・第115条・第119条・第120条・附則第143条)、宮城労働局「宮城県最低賃金の改正が決定しました~令和8年10月1日から時間額は1,098円に~」
予告も手当もなく辞めさせることが認められる場面は、法律上2つに限られます。どちらも、会社が解雇の前に労働基準監督署長の除外認定を受けていなければ使えません。
| 除外の理由 | 認定されうる例 | 認定されにくい例 |
|---|---|---|
| 天災事変などやむを得ない事情で事業を続けられない | 地震や津波、火災で工場や店舗が使えなくなり、再開の見通しが立たない | 売上の減少、取引先からの契約打ち切り、資金繰りの悪化 |
| 労働者の責めに帰すべき事由 | 30日前の予告で保護する必要がないほど重く、悪質な落ち度がある | 営業成績の不振、数回の遅刻、業務上の不注意によるミス |
本人の落ち度を理由にした申請では、行政の通達が次の6つを認定の例に挙げています。職責や勤続年数、勤務の状況もあわせて判断され、就業規則に書かれた懲戒解雇事由に当たるかどうかとは切り離して見られます。
通達が除外認定の例に挙げる行為
宮城労働局は、本人の落ち度を理由に予告も手当もなく即時解雇するときは、会社が解雇予告除外認定申請書(労働基準法施行規則様式第3号)を作り、監督署に前もって申請する手続きだと一覧表で案内しています。解雇を言い渡したあとで「認定を取るつもりだった」と言われても、手当を払わなくてよい理由にはなりません。社内で懲戒解雇と決めただけの段階なら、手当は払われるべきお金として請求してください。
無断欠勤を理由にされたなら、休んでいる間に出勤を促す連絡があったかを着信履歴とメールで見返し、督促がなかったことを書き留めて監督署に伝えましょう。
労働基準法21条は次の4つを予告の対象から外していますが、期間を超えて働いた人には予告か手当が要ります。
| 働き方 | 予告なしで辞めさせられる範囲 | 予告か手当が必要になるとき |
|---|---|---|
| 日々雇い入れられる人 | 1か月まで | 1か月を超えて続けて使われた |
| 2か月以内の期間を決めて雇われた人 | 決めた期間の中 | 決めた期間を超えて使われた |
| 季節的な仕事で4か月以内の期間を決めて雇われた人 | 決めた期間の中 | 決めた期間を超えて使われた |
| 試用期間中の人 | 入社から14日まで | 14日を超えて使われた |
試用期間が3か月と決められていても、入社15日目以降に本採用を見送られたなら、予告か30日分以上の手当の対象です。入社日と、本採用をしないと告げられた日を、雇用契約書と一緒に手元に残してください。
出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」解雇予告の除外、宮城労働局「労働条件・労働契約関係の手続(一覧表)」、e-Gov法令検索「労働基準法」(第12条・第20条〜第22条・第104条・第114条・第115条・第119条・第120条・附則第143条)
宮城で解雇をめぐって労働局や裁判所に持ち込まれた件数は次のとおりです。
| 宮城の受付先 | 件数 | 内訳・位置づけ |
|---|---|---|
| 宮城労働局への解雇の紛争相談(令和7年度) | 773件 | 民事上の個別労働紛争の延べ7,923件の9.8% |
| 宮城労働局のあっせん申請のうち解雇 | 16件 | 延べ77件の20.8%で2番目。最多は「その他の労働条件」18件 |
| 宮城県労働委員会のあっせん(令和7年) | 9件 | 求めた事項は解雇などの経営・人事が6件で最多。5件が解決 |
| 仙台地裁の労働審判の新受(令和7年) | 76件 | 県内の労働審判はすべて青葉区片平の本庁で受付 |
出典:宮城労働局「『令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況』を公表します」、宮城県労働委員会「個別労使紛争のあっせん事件の取扱状況」、宮城県労働委員会「宮城県労働委員会年報(令和7年)」、最高裁判所「司法統計年報(民事・行政編)」
労働基準法違反を労働基準監督署に訴える申告は、宮城県内の監督署で令和7年に618件(速報値)が処理され、令和3年の493件から増えています。予告手当の不払いは申告の対象ですが、解雇そのものが有効かどうかは民事の争いなので、あっせんや仙台地裁の労働審判で扱われます。
宮城労働局の紛争調整委員会が令和7年度に手続きを終えた69件のうち、36件(52.2%)は相手方が参加せずに打ち切りになっています。双方がそろった33件に限れば23件(69.7%)がまとまり、合意率33.3%は全国の27.0%を上回ります。電話にもメールにも返事がない会社なら、あっせんを待たずに監督署への申告か労働審判を選びましょう。
出典:宮城労働局「『令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況』を公表します」
予告手当の不払いを申告する先は、住まいの近くの署ではなく、働いていた事業所を受け持つ労働基準監督署です。宮城県内の監督署は5署で、会社が除外認定を申請する先も同じ署になります。
| 労働基準監督署 | 受け持つ市町村 | 解雇・賃金未払いなどの相談 |
|---|---|---|
| 仙台(仙台市宮城野区鉄砲町・仙台第四合同庁舎) | 仙台市、塩竈市、名取市、岩沼市、多賀城市、富谷市、亘理町、山元町、松島町、七ヶ浜町、利府町 | 022-299-9075 |
| 石巻(石巻市泉町) | 石巻市、東松島市、女川町、気仙沼市、南三陸町 |
0225-22-3366 気仙沼臨時窓口 0226-25-6921 |
| 古川(大崎市古川駅南) | 大崎市、加美町、色麻町、涌谷町、美里町、大和町、大郷町、大衡村 | 0229-22-2112 |
| 大河原(柴田郡大河原町) | 白石市、角田市、蔵王町、七ヶ宿町、川崎町、村田町、大河原町、柴田町、丸森町 | 0224-53-2154 |
| 瀬峰(栗原市瀬峰) | 登米市、栗原市 | 0228-38-3131 |
登米市には監督署がなく、登米と栗原の会社は瀬峰署が受け持ちます。大和町・大郷町・大衡村の黒川郡は、裁判所の管轄では仙台地裁本庁に入りますが、監督署は古川署です。気仙沼市と南三陸町は石巻署の担当で、気仙沼駅前プラザ2階の臨時窓口でも相談を受け付けています。
各署は平日8時30分から17時15分まで開いていて、申告に費用はかかりません。申告したことを理由に解雇や不利益な扱いをすることは、労働基準法104条2項で禁じられています。解雇を告げられたときのメールやメモ、直近3か月の給与明細、勤怠の記録をそろえて窓口へ行きましょう。
出典:宮城労働局「労働基準監督署のご案内」、宮城労働局「窓口案内(相談内容から探す)」、宮城労働局「平均賃金の計算方法」、e-Gov法令検索「労働基準法」(第12条・第20条〜第22条・第104条・第114条・第115条・第119条・第120条・附則第143条)
会社が手当を払わないときは、費用のかからない手段から順に使えます。どれを選ぶ場合でも、最初に配達証明付きの内容証明郵便で請求しておけば、請求した日付をめぐって争いになりません。
| 手段 | 期待できること | 限界 |
|---|---|---|
| 勤め先を受け持つ監督署への申告 | 20条違反を調べ、会社に支払いを求める。違反には6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金がある(119条1号) | 本人の代わりに交渉したり、取り立てたりはしない |
| 宮城県労働委員会のあっせん | 公益・労働者・使用者の委員3人が間に入り、原則1回の話し合いで支払いの額と時期をまとめる。申請から40日程度・無料 | 監督署の指導が進んでいる紛争は扱わない。会社が欠席すれば打ち切り |
| 簡易裁判所の少額訴訟 | 60万円以下の請求を原則1回の審理で終える。仙台簡易裁判所は地裁本庁と同じ片平の敷地で、訴訟受付係は022-745-6082 | その日に調べられる証拠しか出せない |
| 弁護士による請求と労働審判・訴訟 | 内容証明で請求し、応じなければ仙台地裁本庁に労働審判を申し立てる。訴訟では未払額と同じ額の付加金も求められる | 着手金や報酬金がかかる |
出典:e-Gov法令検索「労働基準法」(第12条・第20条〜第22条・第104条・第114条・第115条・第119条・第120条・附則第143条)、宮城県労働委員会「Q&A個別労使紛争のあっせん(個人の労働者向け)」、宮城県労働委員会「個別労使紛争のあっせん対象とならない紛争」、宮城労働局「『令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況』を公表します」、裁判所「少額訴訟」、仙台地方裁判所「窓口案内」
宮城県労働委員会は、予告手当を含む賃金や解雇の争いをあっせんの対象にしていて、労働基準法違反の争いだからといって一律に断るわけではありません。ただし、監督署などが法令に基づく指導を進めている紛争と、その指導で解決した紛争は扱わないと定めています。宮城労働局のあっせんが進んでいる紛争や、そこで解決した紛争も同じく対象外です。
手当を払わせることだけが目的なら、監督署への申告が近道です。解雇の撤回や解決金まで含めて話し合いたいなら、申告より先に、宮城県労働委員会の調整班(022-211-3787)か総合労働相談コーナーにあっせんの進め方を相談してください。県の労働相談窓口と県労働委員会のあっせんは同じ課が受け持っているので、県庁17階の窓口で相談すれば、そのまま申請まで進められます。
出典:宮城県労働委員会「個別労使紛争のあっせん対象とならない紛争」、宮城県労働委員会「個別労使紛争のあっせん」、宮城県「宮城県労働相談窓口のご案内」
労働基準法114条により、裁判所は予告手当を払わなかった会社に、未払額と同じ額の付加金を命じることができます。宮城の所定内給与で出した即日解雇の手当約31万円なら、付加金と合わせて約61万円です。付加金を求められるのは違反のあった時から3年以内です(附則143条2項)。労働審判の申立書で付加金も請求しておくと、審判に異議が出て訴訟に移った場合、申立ての日に訴えを起こしたものとして扱われます(労働審判法22条1項)。
労働基準法115条は、賃金の請求権を5年(当分の間は3年)、災害補償その他の請求権を2年と分けています。解雇予告手当は働いた分の対価とは性質が異なるため、「その他の請求権」として2年と解されています。2年以内に請求すれば、どちらの解釈をとっても間に合います。期限が迫っているなら内容証明郵便を送って時効の完成を6か月延ばし(民法150条)、その間に仙台地裁本庁へ申し立ててください。
出典:e-Gov法令検索「労働基準法」(第12条・第20条〜第22条・第104条・第114条・第115条・第119条・第120条・附則第143条)、e-Gov法令検索「労働審判法」(第2条・第22条)、e-Gov法令検索「民法」(第150条)
予告手当は、解雇が有効でも無効でも会社が払わなければならないお金です。辞めること自体に納得しているなら、手当の回収に絞って進めてかまいません。解雇の理由に納得できないなら、手当を受け取る時点から争う余地を残しておきましょう。
解雇を争う道を残したまま手当を受け取る手順
解雇が解雇無効と判断されれば、労働契約法16条により辞めさせられた日から解決までの賃金をバックペイとして請求できます。宮城労働局のあっせんでは、雇用契約書も労働条件通知書も交わさずに働いていた人が、担当していた案件から外れたいと申し出た途端に雇用を打ち切られた事案で、100万円の支払いによる合意が成立しています。全国の労働審判で支払われた解決金の中央値は150万円です。
解雇を争うなら、ベンナビ労働問題の宮城県の不当解雇に強い弁護士一覧から、仙台や石巻で解雇事件を扱う事務所を探せます。
労働基準法22条2項により、解雇を予告された日から退職日までの間でも、労働者が求めれば会社は解雇の理由を書いた証明書を遅れずに出さなければなりません。宮城労働局の手続き一覧も、この証明書を「できるだけ早めに」交付する手続きとして載せています。交付しない会社には120条1号で30万円以下の罰金が科されます。理由が文書になれば、仙台地裁での手続きで会社が後から別の理由を持ち出しにくくなるので、退職日より前にメールで請求してください。
出典:e-Gov法令検索「労働契約法」(第16条)、宮城労働局「『令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況』を公表します」、労働政策研究・研修機構「労働審判及び裁判上の和解における雇用終了事案の比較分析」、宮城県労働委員会「個別労使紛争のあっせん」、宮城労働局「労働条件・労働契約関係の手続(一覧表)」、e-Gov法令検索「労働基準法」(第12条・第20条〜第22条・第104条・第114条・第115条・第119条・第120条・附則第143条)
解雇予告手当は、税金の扱いでは給与ではなく退職所得になります。退職所得控除は少なくとも80万円あるので、ほかに退職金を受け取っていなければ、約31万円の手当に所得税はかかりません。「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出さずに20.42%を源泉徴収されたなら、翌年に確定申告をして取り戻しましょう。
出典:国税庁「No.2736 解雇予告手当や未払賃金立替払制度に基づき国が弁済する未払賃金を受け取ったとき」、国税庁「No.2732 退職手当等に対する源泉徴収」、国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」
失業給付の手続きをする先は、勤め先ではなく住所を受け持つハローワークで、宮城県内には10か所あります。仙台市・名取市はハローワーク仙台、富谷市・大和町はハローワーク大和、栗原市は築館、登米市は迫の担当です。監督署とは区割りが違い、大和町の会社に勤めて富谷市に住む人なら、手当の申告先は古川署、失業給付の手続きはハローワーク大和になります。
解雇で離職した人は特定受給資格者にあたり、7日間の待期のあと給付制限なしで基本手当を受け取れます。本人の重大な落ち度による重責解雇とされた場合は、給付制限が3か月です。会社都合の解雇なのに離職票の理由が自己都合と書かれていたら、手続きの窓口で異議を申し出てください。
出典:宮城労働局「ハローワークのご案内」、ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」、厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
手当だけの請求なら、監督署の指導を受けて会社がすぐに払うこともあります。弁護士に任せる意味が大きいのは、懲戒解雇で除外事由に当たるかどうかが争いになる場合と、解雇の効力そのものを問う場合です。仙台弁護士会には497人の弁護士が所属しています(2026年10月1日現在)。
請求できる額を1枚にまとめてもらえる
給与明細から平均賃金を出し、手当、付加金、解雇が無効になった場合のバックペイまでを並べた請求書を作ります。
除外認定の有無を会社に問いただしてもらえる
「懲戒解雇だから払わない」と言われた事案では、解雇の前に認定を受けたのかを会社に回答させます。
仙台地裁本庁の期日に同席してもらえる
県内の労働審判はすべて青葉区片平の本庁で開かれます。気仙沼や登米、白石から通う人も、本人が出向くのは事情を聞かれる期日に絞れます。
会社とのやり取りを任せられる
受任を知らせる通知が会社に届いたあとは、会社からの電話やメールは弁護士あてになり、辞めさせた相手と一人で向き合う場面がなくなります。
出典:日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」(2026年10月1日現在)、宮城労働局「労働条件・労働契約関係の手続(一覧表)」
解雇の効力まで争うなら、裁判所の手続きまで視野に入れて段取りを組んでください。
異議をメールや書面で会社に送り、あわせて解雇理由証明書を請求します。
不払いが手当だけなら、監督署の指導で会社が払うこともあります。解雇の撤回まで求めるなら、代理人名の内容証明から始めます。
手当と付加金の扱い、解雇を取り消すのか解決金で終えるのかを詰めます。
裁判官1人と労使の専門家2人が、原則3回までの期日で判断を示します。全国では申立てから平均96.7日で終わり、65.6%が調停で決着しています。
審判に異議が出れば訴訟に移ります。付加金の支払いが命じられるのは、訴訟の判決です。
| 裁判所 | 扱う手続き・所在地 | 対象 |
|---|---|---|
| 仙台地方裁判所 本庁 | 労働審判、労働関係の民事訴訟、民事保全(仙台市青葉区片平1-6-1) 民事訟廷事務室 事件係 022-745-6056 |
県内のすべての労働審判 |
| 仙台地方裁判所 大河原・古川・登米・石巻・気仙沼の各支部 | 民事訴訟と民事保全は扱うが、労働審判は扱わない | 白石市・大崎市・栗原市・登米市・石巻市・気仙沼市などに勤めていた人も、労働審判は仙台市青葉区片平の本庁へ申し立てる |
出典:裁判所「労働審判手続」、裁判所「仙台地方裁判所及び管内の支部 申立書提出先一覧」、仙台地方裁判所「窓口案内」
宮城県内で労働審判を受け付けるのは、仙台市青葉区片平1-6-1の仙台地方裁判所本庁だけです。申立ての窓口は本庁1階の民事訟廷事務室事件係(022-745-6056)です。令和7年に本庁が受け付けた労働審判は76件で、大河原・古川・登米・石巻・気仙沼の5支部では労働審判を扱いません。付加金を求める訴訟や少額訴訟なら、支部や簡易裁判所にも起こせます。
本社が東京にある会社でも、仙台の支店や名取・多賀城の工場、石巻の営業所で働いていたなら、仙台地裁に申し立てられます。労働審判法2条が、会社の本店や営業所の所在地を受け持つ地方裁判所に加えて、労働者が最後に働いていた事業所の所在地を受け持つ地方裁判所への申立ても認めているからです。宮城に住んでいても、働いていたのが東京の事業所で本社も東京なら、申立先は原則として東京地裁です。
出典:裁判所「労働審判手続」、最高裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第11回)」、裁判所「仙台地方裁判所及び管内の支部 申立書提出先一覧」、仙台地方裁判所「管内の裁判所の所在地」、仙台地方裁判所「窓口案内」、最高裁判所「司法統計年報(民事・行政編)」、e-Gov法令検索「労働審判法」(第2条・第22条)
費用は、手当だけを請求するのか、解雇無効まで争うのかで大きく変わります。仙台弁護士会は「労働と生活保護に関する無料法律相談」として労働者の労働相談を無料で受け、労働事件を扱う弁護士を紹介しているので、どこまで請求するかの見立ては費用をかけずに聞けます。
| 費用の種類 | 目安 | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| 法律相談料 | 労働者の労働問題の相談は無料(仙台弁護士会「労働と生活保護に関する無料法律相談」) | 一般の法律相談は原則30分5,500円。仙台では月・木曜の夜間と土曜、古川は土曜、石巻は日曜にも相談枠がある。日弁連アンケートでは相談料「1万円」56%・「5,000円」36% |
| 着手金 | 20万〜30万円、または請求見込み額の約8%。着手金無料の事務所もある | 日弁連アンケートの労働事件の設例で20万円が45%・30万円が31%。金銭請求は回収額で報酬が決まる形も多い |
| 報酬金 | 30万〜50万円、または回収額の16〜25% | 日弁連アンケートの設例で30万円が36%・50万円が31%。付加金を回収したときにも同じ割合を掛けるかは、依頼の前に書面で取り決める |
| 裁判所への手数料 | 労働審判は請求100万円で5,000円、300万円で10,000円 | 金額を算定できない請求は160万円とみなして6,500円。50万円なら2,500円、200万円なら7,500円 |
| 裁判所への予納郵便切手 | 労働審判は4,000円分 | 仙台地方裁判所は本庁・支部とも同じ一覧で、内訳は500円4枚・100円15枚・50円5枚・20円8枚・10円9枚。相手方の人数にかかわらず一律で、郵送費用を現金・電子納付する場合も4,000円 |
出典:日本弁護士連合会「市民のための弁護士報酬ガイド(2008年度アンケート結果版)」、裁判所「手数料額早見表(労働審判用)」、仙台地方裁判所「仙台地方裁判所本庁・管内支部 郵便切手及び予納金一覧」、仙台弁護士会「労働と生活保護に関する無料法律相談」、仙台弁護士会「法律相談のご案内」
宮城の所定内給与で出した即日解雇の手当は約31万円で、監督署の指導を受けて会社が払えば費用はかかりません。着手金なし・報酬金25%の事務所に回収だけを任せると、費用は約8万円で、手元には約23万円が残ります。付加金まで求めるか、解雇の効力まで争うかは、仙台弁護士会の無料相談で見通しを聞いてから決めましょう。
着手金を用意できないなら、法テラスの立替制度を使ってください。収入と資産が基準以下なら、同じ問題について3回まで無料で法律相談を受けられ、弁護士費用を立て替えてもらえます。窓口は仙台市青葉区一番町の法テラス宮城(0570-078369)です。
宮城県で生活保護の一級地にあたるのは仙台市だけで、仙台市に住む人の収入基準は次の枠で判断されます。
| 家族人数 | 手取り月収の基準(仙台市) | 現金・預貯金の基準 |
|---|---|---|
| 単身 | 200,200円以下 | 180万円以下 |
| 2人家族 | 276,100円以下 | 250万円以下 |
| 3人家族 | 299,200円以下 | 270万円以下 |
| 4人家族 | 328,900円以下 | 300万円以下 |
仙台市は生活保護の一級地にあたるため、収入基準はこの枠で見ます。石巻市や大崎市、名取市、塩竈市、登米市、栗原市など県内のほかの市町村に住む人の基準は単身182,000円・2人251,000円・3人272,000円・4人299,000円です。家賃や住宅ローンを負担している場合は単身41,000円・2人53,000円・3人66,000円・4人以上71,000円まで加算できます。宮城県内の窓口は法テラス宮城(0570-078369)の1か所です。
出典:法テラス「民事法律扶助のしおり」(2026年3月現在)、厚生労働省「級地一覧」、法テラス「法テラス宮城」
仙台弁護士会は仙台のほか、古川・石巻・気仙沼・登米・県南(大河原町)に法律相談センターを置いています。初回の相談で次の5つを尋ねてください。
宮城で解雇予告の事件を任せる事務所の条件
手当の請求は2年、付加金は3年で期限が来ます。解雇を争う場合は、時間がたつほど解雇を受け入れていたと見られやすくなります。ベンナビ労働問題では、初回相談無料の宮城の事務所、休日に相談できる事務所、オンライン面談ができる事務所を条件で絞り込めます。気仙沼や登米、白石など仙台から離れた地域に住む人は、オンラインの条件から探してください。
初回の相談料、着手金の有無、休日やオンラインへの対応は事務所ごとに違います。仙台市・石巻市・大崎市・名取市・登米市・気仙沼市のどこに住んでいても、条件に合う宮城県の事務所を探せます。
手当の不払いは監督署、解雇が有効かどうかの見立ては県の窓口や仙台弁護士会が受け持ちます。県の窓口は電話が平日17時までですが、電子申請なら時間を問わず相談を送れます。
| 窓口 | できること・受付 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 労働基準監督署(県内5署+石巻署の気仙沼臨時窓口) | 予告手当の不払いの申告と、除外認定の有無についての相談先。申告先は勤め先の所在地で決まる。登米市・栗原市は瀬峰署、黒川郡は古川署、気仙沼市・南三陸町は石巻署。平日8:30〜17:15 | 各署の総合労働相談コーナー |
| 宮城県労働相談窓口(仙台市青葉区本町3-8-1 宮城県庁17階 宮城県労働委員会事務局) | 賃金・労働時間などの労働条件、解雇、退職など労働問題全般の相談を受け、制度の説明や適切な相談先の案内をする。平日8:30〜17:00(祝日・年末年始を除く)。面談は事前の電話予約がおすすめ。電子申請でも相談でき、受付時間外も送れる(回答まで2週間程度かかることがある)。無料・秘密厳守。県に監督権限はないため、会社への調査・指導はしない | 022-214-1450(専用ダイヤル) |
| 宮城県労働委員会(宮城県庁17階) | 公益・労働者・使用者の委員3人が間に入る無料のあっせん。解雇・賃金の引下げ・残業代の不払いなどが対象で、申請から開催まで40日程度、原則1回で終わる。県内で働く(働いていた)人ならパート・アルバイトも申請できる。募集・採用に関する紛争は対象外。書面のほか電子申請も可 | 022-211-3787(審査調整課 調整班) |
| 宮城労働局 総合労働相談コーナー(県内7か所) | 宮城労働局(仙台市宮城野区鉄砲町1 仙台第4合同庁舎)と、仙台・石巻・古川・大河原・瀬峰の労働基準監督署、気仙沼駅前プラザ2階に設置。平日9:00〜16:30(古川は9:30〜17:00、大河原は9:15〜16:45、気仙沼は9:00〜16:00)。管轄はなく最寄りのコーナーで相談できる。労働局長の助言・指導や、紛争調整委員会のあっせんの申請もここで受ける | 022-299-8834(宮城労働局) |
| 労働条件相談ほっとライン(厚生労働省) | 県・労働局の窓口が閉まっている平日17:00〜22:00と土日祝9:00〜21:00に電話で受ける国の無料相談 | 0120-811-610 |
| 仙台弁護士会 労働と生活保護に関する無料法律相談 | 解雇・雇止めに限らず賃金・労働時間・パワハラ・セクハラなどすべての労働相談を無料で受け、労働事件を扱う登録弁護士を紹介する。正社員・非正規を問わずすべての労働者が対象。弁護士に依頼するときの費用も相談者の経済事情に配慮する決まりがある。まず仙台弁護士会館(仙台市青葉区一番町2-9-18)内の法律相談センターへ | 022-223-2383 |
| 仙台弁護士会 法律相談センター(仙台・古川・石巻・気仙沼・登米・県南) | 一般の法律相談は原則30分5,500円・事前予約制。仙台は平日のほか月・木曜の夜間18:00〜20:00と土曜9:30〜12:30、古川は土曜10:30〜15:30、石巻は日曜10:30〜16:30にも相談できる。気仙沼(月・水)・登米(水・金)・県南=大河原町(火・木)は平日のみ。予約は平日9:00〜17:00 | 022-223-2383(予約・各センター共通) |
| 法テラス宮城(仙台市青葉区一番町3-6-1 一番町平和ビル6階) | 収入・資産が基準以下の人向けの無料法律相談と費用立替。相談は面談か電話で、予約制(WEB予約も可)。相談内容の例に労働問題も挙がっている。仙台弁護士会の法律相談センターや法テラスと契約する弁護士の事務所でも、この制度で無料相談を受けられる。受付は平日9:00〜17:00 | 0570-078369 |
出典:宮城県「宮城県労働相談窓口のご案内」、宮城県労働委員会「個別労使紛争のあっせん」、宮城県労働委員会「Q&A個別労使紛争のあっせん(個人の労働者向け)」、宮城労働局「窓口案内(相談内容から探す)」、厚生労働省「労働条件相談『ほっとライン』」、仙台弁護士会「労働と生活保護に関する無料法律相談」、仙台弁護士会「法律相談のご案内」、仙台弁護士会「夜間法律相談実施中」、仙台弁護士会「土曜・日曜法律相談実施中」、法テラス「法テラス宮城」
宮城県には労働基準法上の監督権限がないため、県の窓口は会社を調べたり指導したりはしません。支払わせる段階に進むなら監督署への申告を、話し合いで解決したいなら同じ課が受け持つ県労働委員会のあっせんを選んでください。
出典:宮城県「宮城県労働相談窓口のご案内」、宮城県「解雇されたとき」(労働相談Q&A)、宮城労働局「労働基準監督署のご案内」、仙台弁護士会「夜間法律相談実施中」、仙台弁護士会「土曜・日曜法律相談実施中」、厚生労働省「労働条件相談『ほっとライン』」
平均賃金の30日分以上で、宮城の一般労働者の所定内給与31万3,700円をもとにすると約31万円です。残業代や通勤手当も平均賃金の計算に入るので、実際の額はこれより上がることがあります。即日解雇の手当は通告と同時に払うのが決まりなので、その日のうちにメールで支払いを求めてください。
登米市と栗原市の会社は瀬峰労働基準監督署(0228-38-3131)、大和町・大郷町・大衡村の会社は古川労働基準監督署(0229-22-2112)が受け持ちます。どちらも勤め先の所在地で決まるので、住んでいる市町村と取り違えないようにしましょう。
気仙沼市と南三陸町は石巻労働基準監督署の担当ですが、気仙沼駅前プラザ2階に臨時窓口があります(0226-25-6921)。まず臨時窓口に電話して、申告の進め方を聞いてください。
はい。宮城県内で労働審判を扱うのは仙台地方裁判所の本庁(仙台市青葉区片平)だけで、古川・石巻を含む5つの支部では受け付けていません。代理人を立てれば、本人が仙台まで出向くのは事情を聞かれる期日に絞れます。
宮城県内の事業所で働いていたなら申し立てられます。労働審判法2条は、労働者が最後に働いていた事業所の所在地を受け持つ地方裁判所への申立てを認めています。仙台の支店や石巻の営業所に勤めていた人は、仙台地裁本庁を申立先に選んでください。
監督署の指導が進んでいる間と、その指導で解決したあとは使えません。宮城県労働委員会は、法令に基づいて監督署などが行政指導をする事項の紛争のうち、係属中のものと解決したものをあっせんの対象から外しています。解決金まで話し合いたいなら、申告の前に調整班(022-211-3787)に相談してください。
電話と面談は平日8時30分から17時までで、夜間と土日の電話枠はありません(022-214-1450)。電子申請の相談フォームなら時間外や休日でも送れますが、回答まで2週間程度かかることがあります。急ぐときは、土日祝も21時まで受け付ける労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)にかけましょう。
労働者の労働相談は無料です。仙台弁護士会は「労働と生活保護に関する無料法律相談」として、雇用形態を問わず労働の相談を受け、労働事件を扱う弁護士を紹介しています。法律相談センター(022-223-2383)に問い合わせてください。夜間や土日の枠は一般の法律相談(30分5,500円)として案内されているので、料金は予約のときに聞きましょう。
仙台市に住む単身者なら手取り月収20万200円以下が目安です。宮城県で生活保護の一級地にあたるのは仙台市だけなので、石巻市や大崎市、名取市などに住む単身者は18万2,000円以下で判断されます。窓口は法テラス宮城(0570-078369)です。
手当なしで辞めさせるには、会社が解雇の前に労働基準監督署長の除外認定を受けていなければなりません。宮城労働局も、この申請は監督署に前もって行う手続きだと案内しています。認定をいつ受けたのかを会社に書面で尋ね、答えがなければ勤め先を受け持つ監督署に申告してください。
雇われてから14日を超えていれば、試用期間中でも予告か30日分以上の手当の対象です。試用期間を3か月や半年と定めていても、この扱いは変わりません。雇用契約書と、本採用をしないと告げられた日のメモをそろえて監督署に持っていきましょう。
宮城県の最低賃金は令和8年10月1日から1,098円です。時給1,098円で1日5時間、3か月に40日働いた場合、働いた日数で割って6割を掛けた最低保障額3,294円を使い、30日分の手当は9万8,820円になります。給与明細3か月分をそろえて、監督署か仙台弁護士会の無料相談に持っていきましょう。
解雇予告手当は労働基準法115条の「その他の請求権」として2年と解されていて、賃金と同じ3年とみる考え方もあります。2年以内に請求すれば、どちらの解釈でも間に合います。期限が近いなら内容証明郵便で請求し、6か月のうちに仙台地裁本庁へ労働審判を申し立ててください。
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