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正確な残業代を計算する5つのステップ
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2019.1.31

正確な残業代を計算する5つのステップ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
Unnamed_(2)
「残業代請求」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
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残業代の正しい計算方法をご存知でしょうか?

 

残業代は『時間外労働時間 × 1時間あたりの基礎賃金 × 割増率』の計算式で算出しますが、「みなし残業制(固定残業制)」「変形労働時間制(シフト制)」「裁量労働制」など、労働の仕方や深夜残業の有無、休日労働の有無、時間帯によって変わる割増率で変動してきます。

 

就業規則で決められた『法定労働時間』を超えて働いた場合、『残業代(割増賃金)を支払わなければならない』と労働基準法で決められており、本来は1分単位で残業代は計算されるのが望ましいです。

 

また、【1時間あたりの基礎賃金】には、役職手当や資格手当は含むものの、家族手当や通勤手当、住宅手当・賞与・子女教育手当は含めないとされています。

※一律支給の手当は、名称に関わらず割増賃金の基礎部分から除外できない。

 

もしも、会社の勘違いやサービス残業で未払いになっている残業代は「残業代請求」として会社に請求することもできます。

 

今回は、残業代の正しい計算方法を労働制度や時間帯別にご紹介します。

 

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【弁護士に聞いてみた】残業代請求について弁護士に無料相談するとどうなる?

 

目次

ひとめでわかる!残業代の計算に必要な情報まとめ

残業代の計算式

時間外労働時間 × 1時間あたりの基礎賃金 × 割増率

1時間あたりの基礎賃金

【月給】÷【1ヶ月あたりの平均所定労働時間】

  • 時給の場合
    • 時給1,000円であれば1,000円が基礎部分
  • 日給の場合
    • 日給8,000円の場合(8時間労働とする)
    • 日給額÷1日の所定労働時間
    • =8,000円÷8時間=1,000円
  • 月給の場合
    • 1ヶ月あたりの所定労働時間で割った額
    • (月給24万円、1ヶ月の所定労働時間160時間の場合)
    • 24万円÷160時間=1,500円
  • 1ヶ月あたりの所定労働時間で変動する場合
    • (年間労働時間を12で割る)
    • 年間労働時間:2,052時間の場合
    • 24万円÷(2,052時間÷12ヶ月)=1404円

月給(基礎部分)に含めないもの

通勤手当、別居手当、

子女教育手当(扶養している子供の教育に対する手当)

臨時の賃金、結婚手当、ボーナス、住宅手当

割増率

  • 時間外労働(法内残業):なし
    • 1日8時間、週40時間以内
  • 時間外労働(法外残業):1.25倍
    • ∟ 1日8時間、週40時間超
  • 法定休日労働:1.35倍
  • 深夜労働:1.25倍
    • ∟原則22:00~5:00の労働
  • 時間外労働(限度時間内) +深夜残業:1.5倍
    • ∟時間外労働が深夜まで及んだ場合
  • 法定休日労働 + 深夜労働:1.6倍
    • ∟休日労働が深夜まで及んだ場合
  • 1ヶ月に60時間超:1.25倍
    • ∟大企業の場合は1.75倍

計算例

時間外労働時間:75時間

基本給:24万円

1時間あたりの基礎賃金(1ヶ月あたりの所定労働時間で割った額)

= 24万円÷160時間=1,500円

割増率:1.25

75時間×1,500円×1.25=140,625円

 

 

1:残業代計算の基本|正しい残業時間を把握する

まずは、残業時間とはなにかいつから残業が発生しなにから計算されるのかからご説明していきます。残業代を計算する上で、実際にどれほど残業をしているかを知ることが第一歩になりますからね。

 

残業代を計算する上で

 

労働時間について詳しくは「時間外労働(残業時間)の明確な定義と割増賃金」もご覧いただくことをおすすめします。

 

法定労働時間|原則は1日8時間・週40時間

こちらは認識されている方も多いと思いますが、『1日8時間、1週間に40時間』が労働基準法で定められた『法定労働時間』になります(労働基準法第32条)。

 

この法定労働時間を超えて働いた場合が『時間外労働』となり、法律上の『残業』に該当します。

 

原則は労働基準法第32条で1週間40時間、1日8時間と決まっています。また、一定の条件を満たした場合には1ヶ月を平均して1週40時間にする制度(1ヶ月単位の変形労働制)や1年の労働時間を平均して1週40時間にする制度(1年単位の変形労働制)があり、これを超える労働を法定時間外労働と言い、いわゆる残業ということになります。

引用元:厚生労働省|勤務時間の上限は法律で決まっていますか。

【関連記事】労働基準法での労働時間と長時間労働の対処法

 

所定労働時間|会社との労働契約や就業規則で定められた勤務時間

所定労働時間(しょていろうどうじかん)とは、法定労働時間の範囲内で会社の労働契約書や就業規則ごとに決めることができる労働時間のことです。

 

例えば、1日8時間を超えて働かせる場合は1時間以上の休憩を入れる決まりです(労働基準法第34条)ので、お昼休み(例:12時〜13時)を1時間設けている会社がほとんどだと思います。

 

9時出社の場合は18時までが法定労働時間であり、それ以降の労働時間は残業時間(時間外労働)になります。

よく見落としがちなものが、「仕事が終わらないなら早く来てやれ」と言われたり、「掃除、朝礼のために1時間早く来なさい」というような早出勤務も、1日8時間の範囲を超えた『勤務時間』に該当する場合は、それは時間外労働に該当し、『残業』の対象になります。

 

【関連記事】労働時間とは|準備体操・仮眠・待機時間の扱い

 

注意点

所定労働時間を超えて労働した場合は会社的には残業ですが、所定労働時間は法定労働時間(1日8時間、週40時間)の範囲内であれば柔軟に設定することができ、法律上の時間外労働ではないので、割増賃金(残業代)を支払う義務はありません。

 

もし会社の労働契約書や就業規則で『所定労働時間を超えて勤務した場合は残業代を支払います』と明記してあれば、法定内労働時間であってとしても残業代の支払いを請求することはできますが、割増賃金の対象にはならないことに注意です。(別途割増率について明記があれば有効)

 

休日の労働|原則1週間40時間以上なら時間外労働

休日の労働に関して、労働基準法では『毎週少なくとも1回の休日または4周間を通じて4日以上の休日を与えなければならない』と規定しており、これを『法定休日』と言います。

 

(休日)
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
○2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
引用元:労働基準法第35条

原則は上記の通りですが、会社毎に定めている『就業規則』によって『この日は休日です』と定める『所定休日』がありますので、必ずしも『法定休日』と一致するわけではないことに注意です。

 

 

わかりにくいのは『法定休日労働だったのか、所定休日だったのか?』という問題ですが、『土曜は隔週休みで日曜のみ完全休みと決まっていた場合でも、週に40時間以上働いている場合』は法定時間外労働となり、規定の割増率に応じた割増賃金が発生します。

 

 

 

労働時間が変則的な会社では、月~金を7時間労働に抑えて土曜日に5時間だけ働いてもらうような会社もあります(使用者と労働者の代表が協定を結んでいる必要があります)。

 

その場合は下図のようになり、たとえ1日8時間労働であっても残業をしている場合があります。

 

 

 

変形労働時間制|月ごとで法定労働時間がかわる

土日休みの会社は(8時間×5日間)ということで分かりやすいのですが、小売・飲食・サービスや1年中稼働中の工場などでは、土日休みではなくシフト制を取り入れている会社がほとんどです。

 

また、24時間対応の看護師や24時間フル稼働の工場などは、1日10数時間働いて、2日休みといった変則的なシフトを設定している場合があります。この場合、日ごと、週ごとの残業代での計算は難しくなりますので、労働基準法の1ヶ月ごとの変形労働時間制を判断基準にしてみてください。

 

1ヶ月ごとの変形労働時間制とは

1ヵ月以内の一定期間を平均して、1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて労働させることができる制度のことです。

 

31日の月

177.1時間以内

30日の月

171.4時間以内

29日の月

165.7時間以内

28日の月

160.0時間以内

 

上記の表が月で決められた法定労働時間です。よって、単純に上の表の時間を超えた時間は時間外労働になります。これには祝日は関与していませんので、祝日が多い月も、無い月もこちらで算出することになります。

 

1ヶ月ごとの変形労働時間制

 

また、法定労働時間は一律で決まっていますので、先月労働時間が少なかったからと言って翌月の法定労働時間が増えるということはありません。

 

これら法定労働時間からはみ出した時間は全て時間外労働時間になりますので、残業代を計算するために必要になります。

 

【関連記事】「変形時間労働制の概要と実態|隠された残業代の追求方法

 

 

2:1時間あたりの基礎賃金を算出

会社の規則等で若干の変動はあるものの、上記の内容で残業時間は導き出すことができると思います。こちらの項目で実際に計算式に当てはめてみて残業代の金額を求めていきましょう。

 

時間外労働時間は割増率1.25倍で請求できますので、残業代の計算方法は

 

残業代=【時間外労働の時間】×【1時間あたりの賃金】×【割増率(1.25)

 

になります。時間外労働の時間は前の項目の内容を元に導き出してください。

 

1時間あたりの基礎賃金を算出する計算式

1時間あたりの賃金を求めるには

 

1時間あたりの基礎賃金=【月給】÷【1ヶ月あたりの平均所定労働時間】

 

の計算式が成り立ちます。これがすなわち時間単価(時給)になります。
 

基礎部分(月給)から除外する手当の例

ここで言う月給は、家族手当・通勤手当・住宅手当、残業手当等、法律上除外すべき手当を除いてください。

 

通勤手当

通勤にかかる費用に対する手当

別居手当

通勤などで家族と離れて生活し、生活費増加に対する手当

子女教育手当

扶養している子供の教育に対する手当

臨時の賃金

結婚手当など

ボーナス

―――

住宅手当

住宅費の負担を軽減するための手当

 

【関連記事】残業代を計算する際の基本給(基礎賃金)に関する正しい知識

 

1時間あたりの基礎賃金(基礎部分)の算出方法

1ヶ月あたりの定時労働時間は、会社の定める所定労働時間の年間合計値を12で割って算定して下さい。だいたい160~190時間になるかと思います。

 

時給の場合

時給1,000円であれば1,000円が基礎部分

日給の場合

日給8,000円の場合(8時間労働とする)

日給額÷1日の所定労働時間

=8,000円÷8時間=1,000円

月給の場合

1ヶ月あたりの所定労働時間で割った額

月給24万円、1ヶ月の所定労働時間160時間の場合

24万円÷160時間=1,500円

1ヶ月あたりの所定労働時間で変動する場合:年間労働時間を12で割る

年間労働時間:2,052時間の場合

24万円÷(2,052時間÷12ヶ月)=1404円

 

 

3:割増賃金の算出

最後に割増率を算出します。ここまで割増率は『1.25倍』と表記してきましたが、正確にいうと働き方によって割増率は変動します。

 

割増率の早見表

 労働時間

時間

割増率

時間外労働(法内残業)
※就業規則上の所定労働時間は超えているが法定労働時間は超えない

 1日8時間、週40時間以内

なし

時間外労働(法外残業)
※法定労働時間を超える残業

 1日8時間、週40時間超

 1.25倍

 法定休日労働

 すべての時間

 1.35倍

深夜労働

 原則22:00~5:00の労働

1.25倍

時間外労働(限度時間内) +深夜残業

時間外労働が深夜まで及んだ場合

1.5倍

 法定休日労働 + 深夜労働

休日労働が深夜まで及んだ場合

1.6倍

 1ヶ月に60時間超

 1.25倍

 1.75倍以上

(大企業の場合)

 

法定外残業の割増賃金は1日8時間、1週間に40時間を超えて働いたときに発生し、割増し率は1.25倍です。

 

月60時間以上の場合

2010年の労働基準法改正により、一定の規模以上の大企業では、月60時間以上の残業について、60時間を超える残業の割増率が1.5倍となりました。大企業かどうかの基準は業種によって異なり、資本金や従業員数によって判断されます。

 

月60時間以上の場合に適用される割増率の増加は、中小企業では現在は猶予期間中です。現在は適用されませんが、2023年4月以降はこの猶予が廃止され、中小企業を含むすべての企業が対象になる予定です。

 

休日労働の場合

休日労働の場合、その休日が法定休日の場合、全てが残業と見なされます。休日労働をした場合に適用される割増率は1.35倍です。

 

しかし、法定外休日の場合には通常の勤務となるので、割り増しにはなりません。その勤務が法定労働時間である1日8時間、週40時間を超えていれば残業とみなされ、その分は通常の割増率である1.25倍が適用されます。

 

 

4:端数処理の扱いに関して

残業代の計算式に従って残業代を計算すると端数が出る場合があります。この端数の処理についても、労働基準法で定められているため、それに従わなければいけません。

 

時間計算や賃金計算において端数が出た場合、どのように端数処理を行うのか解説します。

 

原則1時間未満の切り捨てはNG

1日あたりの残業時間は、1分単位で請求することが可能です。この場合、1カ月の残業時間を合計すると1時間に満たない端数が出ることがあります。

 

1カ月間のトータルの残業時間において1時間に満たない端数が出た場合には、30分未満の残業時間を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる処理が可能です。

 

ただし、これは1カ月トータルの残業時間のみに許されている処理である点に、注意しなければいけません。1日の残業時間において1時間に満たない端数があっても、切り捨てなどの処理をすることは違法です。

 

1円に満たない端数は切り捨て

1時間あたりの基礎賃金や、残業による割増賃金を計算した際、1円に満たない端数が出ることがあります。この時は、50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げて処理をすることが可能です。

 

また、残業代を含め1カ月の総賃金を計算した際に、100円未満の端数が生じた場合には、50円未満を切り捨て、50円以上を100円に切り上げて支払うことができます。

 

端数は翌月への繰り越しが可能

賃金の支払いにおいては、端数を翌月に繰り越すこともできます。これは残業による割増賃金だけではなく、1カ月の総賃金が対象です。

 

1カ月の総賃金において1000円未満の端数が生じた場合に、それを翌月に繰り越すことが許されています。

 

例えば、1カ月の賃金が25万5312円の場合、1000円以下の312円を翌月に繰り越し、今月分を25万5000円として支払って問題ありません。

 

5:就業形態の違いによる残業代の計算手順

以上の内容を含めて、月の残業代の計算方法は
 

 

【月給(円)】÷【月の平均所定労働時間(時間)】×【1.25】×【時間外労働時間(時間)

 

 

という計算式が成り立ちます。

 

厳密に調べたい方や、特殊な労働規約を結んでいる方は、大まかな計算をしたうえで弁護士等の法的専門家に相談してみてもいいかもしれません。

 

固定残業(みなし残業)の場合

特に、最近の雇用形態でよく見られるものに、「固定残業代」というものがあります。これは、残業をすることをあらかじめ見込んで、基本給に残業代の一部を既に入れているような雇用形態です。
 
例えば「基本給25万円(45時間分の残業代を含む)」というような形で雇用契約書に記載されています。 しかし、

 

  • ・基本給部分と固定残業代部分の区別が困難
  • ・45時間以上の残業をしても追加の残業代が支払われない
  • ・固定残業代の支払いに関する明確な規定がない

 

このような場合は、固定残業代を残業代の支払いと評価することはできず、違法に残業代が支払われていない可能性も高いでしょう。

 

変形労働時間制の場合

『変形労働時間制』とは、労働時間の運用を柔軟に行い、月単位または年単位などで調整する方法です。24時間の稼働をしていなければならない工場など、交代勤務が必要な職場で特に活用されています。

 

変形労働時間制は、日によって、または時期によって、所定労働時間が異なる勤務形態です。

 

この場合、所定労働時間が6時間の日に7時間働けば1時間分は残業になります。しかし、もともと10時間勤務の日に10時間働いても残業にはなりません。ただし、週40時間を超えていれば、その分は残業としてカウントされます。

 

月単位の変形労働時間制の場合は、月の法定労働時間、年単位の変形労働時間制の場合は、年の法定労働時間を超えているかどうかが、残業の判断基準です。

 

フレックスタイム制の場合

『フレックスタイム制』とは、労働者が1日の労働時間や、出退勤の時間を決定できる制度です。通勤ラッシュを避けて出勤したりなど、労働者の都合にあわせて働く時間を変えられるというメリットがあります。

 

フレックスタイム制での残業代の算出には、『清算期間』と『総労働時間』の確認が必要です。清算期間とは、1カ月単位など、労働時間の基準を設定するための期間です。

 

総労働時間とは、清算期間における労働時間の合計です。フレックスタイム制では、清算期間のなかで、定められた総労働時間を超えた分が残業とみなされます。

 

日給制の場合

『日給制』の場合、1時間あたりの基礎賃金は、日給を1日の所定労働時間で割って求めます。

 

なお、日給にもさまざまな形があるため、日によって所定労働時間が異なるケースもあるでしょう。その場合、1週間の所定労働時間の合計を、1週間の所定労働日数で割り、平均所定労働時間を算出します。

 

そして、算出した平均所定労働時間で日給を割り、1時間あたりの基礎賃金を求めましょう。なお、割り増しが適用される残業時間は1日8時間、週40時間を超えた分で計算します。


固定残業代の計算方法は少し長いので、「固定残業代(みなし残業)の仕組み|適正な残業代の計算方法」に記載しました。固定残業代の契約がされている心あたりがある方は、こちらのコラムも一度ご覧ください。

 

残業代が少ない!残業代を請求する5つのステップ

 

実際に払われるべき残業代が分かった方は、「なんとかしたい」くらいの金額が出てきた方もおられるのではないでしょうか。実際残業代を請求するには、まず請求する際の「証拠」をあつめましょう。

 

残業代の証拠を集める|有効な証拠となる3つのもの

残業代の計算には具体的な数字を求めるために必要となるものがあります。「大体毎月このくらい残業してるよな~」と、どんぶり勘定的な残業代の計算方法も可能ですが、実際に残業代請求も考えている方は、どんぶり勘定では通用しません。

ここでは絶対に必要になってくるもの3つをお伝えします。これは、後に残業代を請求する際の証拠にもなってきますのでしっかり用意しましょう。
 

「タイムカード」などの働いた時間が分かるもの

残業時間を計算したいのに何時間働いたのか分からなければ始まりません。「なんとなく」でも計算はできますが、実際、残業代を請求する際に「なんとなく」では通用しません。
 
タイムカードが無くても、

 

  • 会社で使用したメールの時間
  • メモ
  • 帳簿
  • ビルの退館記録
  • オフィスの入退室記録等

 

実際の勤務時間が分かるものをしっかり用意しましょう。
 

「雇用契約書・労務規約書」

雇用契約書や就業規則には残業代の支払いに関する規定があるのが通常です。人事部や担当者・本部にお願いすれば、提示をしてくれるはずです。
 

実際に支払われた金額が分かる「給与明細」

こちらも、実際にいくらが月給でいくらまでは残業代として払われているのかが分からないと計算ができません。給与明細は会社にお願いすればだいたいは再発行をしてくれますが、再発行の義務はありません。
 
もし、失くしてしまったのであればその月の計算が曖昧になってしまいます。本気で請求を考えておられる方は、給与明細はしっかり残しておくようにして下さい。

 

会社と交渉する

一番簡単な方法で、早期解決が見込める方法ではあります。最近、未払い残業代の返還も「言えば返ってくる」ようになりつつあります。しかし、法的強制力はなく、シラを切られる可能性もあります。口頭での請求ではなく、しっかり書面でやり取りすべきでしょう。

 

労働基準監督署に申告する

外部の機関に申告することで、会社に圧力を与えながら請求をすることができます。法的な知識もあり、残業代の細かい計算にも応じてくれますので相談しても良いかと思います。

 

しかし、確実に問題を解決する義務は無いので、残業代の請求までこぎつけなかったり、証拠が乏しいとして動いてくれないようなこともあります。

 

通常訴訟で請求する

裁判で戦うという方法です。決定権に法的力はありますが、非常に労力と期間を要します。また、争うことになるので現職の会社相手はハードルが高くなります。訴訟を行う場合は弁護士に依頼したほうが良いでしょう。

 

労働審判で請求する

通常訴訟より簡易に行える労働審判というものがあります。労力や期間も軽減され個人で行うことも可能です。裁判所による判断が出るので、会社に直接請求しても相手にされなくても強制的に話し合いの場を設けることができます。

 

詳しくは「労働審判を考えている人が知っておくべき全てのこと」を御覧ください。

 

以上4つが残業代を請求する方法ですが、もっとしっかり検討したい方は「未払い残業代のある人が知っておくべき残業代請求の全手順」を御覧ください。

 

 

こんな場合はどうなるの?見落としがちな残業時間と契約内容13選

残業時間とは思っていなかった」と見落としがちな残業時間をお伝えします。時間外労働時間が増えればそれに比例して残業代も増えるので、見落とさずに残業時間に加えましょう。
 

社内では当たり前のように残業代が出ていなくても、法的には残業代を支払う義務のある労働時間が数多くあります。

 

1日数分程度なら、会社との信頼関係で甘んじても良いかもしれませんが、毎日1時間以上のサービス残業があるような方は、年間10万円以上の未払い残業代が発生していることもありますので、早急に改善するように働きかけましょう。
 

早朝の朝礼・清掃、早朝残業

「仕事が終わらないなら早く来てやれ」と言われ働いた、早出勤務や出勤前の清掃・朝礼も残業時間になり得ます。ここで気をつけて欲しいのが、強制・半強制的に行ったということです。

 

「早く来て終わらせよう」と自主的に早く来たのであれば、残業とは認められにくいので気をつけましょう。

 

仕事を家に持ち帰る・課題

こちらは判断が難しいところですが、仕事量が多く時間内で終わらず「明日の朝までに終わらせてこい」や「明日の朝までに会議資料を作るように」と指示された場合は、帰ってからも仕事に費やした時間の残業代を請求することができます。

 

時間を把握することが難しいので、しっかりとメモなどに作業時間を残しておくと良いでしょう。こちらも自主的に行った分は認められにくくなっています。

 

タイムカードを押した後でも働いた時間

タイムカードを押した後もトラブル等で仕事をしたり、2時間残業したらタイムカードを切らないといけないような勝手な会社の決まりでタイムカードを押しても、その後働いたのであればきっちりと残業代を請求することができます。

 

タイムカードが絶対ではないのでメモ等で働いた時間となる証拠を残しましょう。

 

強制参加の研修

例えば、第2週の土曜日は強制参加の研修がある会社では、その研修時間も労働時間に含まれます。ここで気をつけて欲しいのが「強制」ということです。参加するかしないか選べる「任意」の研修は労働時間には入りません。

 

接待・会食の時間

仕事後の取引先との接待・会食も残業時間と認めら得る場合があります。残業時間と認められる要件は義務性(上司の命令・断れない)、業務性(会社の業務に関係している・接待・会食)、指揮監督性(上司の監督下に置かれている・メールや後日の報告等も)の3つを満たしていることになります。

 

端数の時間を切り捨てた時間

本来、残業期間は1分単位で計算しなくてはいけません。よく30分単位でタイムカードを計算している会社も多いのですが、いままでの切り捨てられた端数の時間の合計も計算して請求することが可能です。

 

電話番・お客様対応の時間

例えば、休憩時間にお客さんが来て対応をしたり、電話が鳴るからオフィスから出られないようであればそれは休憩時間ではなく労働時間とみなすことができます。

 

深夜割増賃金

深夜22時以降から翌5時までの時間帯は、深夜割増料金として通常の時間外労働に加え、さらに0.25倍を足して賃金を請求することができます。

 

管理職だから残業代が出ない『名ばかり管理職』

一昔前に飲食業界を中心に話題になりました「名ばかり管理職」。店長やエリアマネージャーを管理職に見立てて、一切の残業代を支払わないという方法です。本来労働基準法で管理職というものは「管理監督者」というものになり管理監督者には3つの要件があります。

 

  • 人事・労務管理について権限がある(経営方針や採用・解雇等に言及できる)
  • 経営について一定の参画をしている(経営方針を決める重要な会議に出席する権限がある)
  • 労働時間の制約がない(いつ来てもいいし、いつ帰ってもいい)
  • それ相応の待遇がなされている(一般社員との時間帯賃金差が明確にある)

 

これらが当てはまらず「管理職」ということで残業代が支払われていないようでしたら、未払い残業代の可能性が十分にあります。詳しくは「管理職になった途端残業代が出なくなる原因と今からできること」をご覧ください。
 

年俸制で残業代が出ない

年俸制というと、裁量で決まり残業代は関係ない、と認識している方も多いのではないでしょうか。しかし、年俸制と言っても、月給制と変わらず、法定労働時間を超えて働けば、残業代が発生します。
 
もし、年俸制だからといって、残業代が出ていない方は、一度、残業代の計算をしてみましょう。「年俸制で残業代が出ないのは一部だけ|見分け方と請求方法」もご覧ください。
 

フレックスタイム制で残業代が出ない

フレックスタイム制は、労働者の裁量で出退勤時間が自由に決められます。そのため残業時間も労働者によって、コントロール出来るのですが、

 

  • 「どう頑張っても残業しないと終わらない仕事量」
  • 「決まった時間に出勤するような風潮」

 

がある場合、残業代が発生することも十分に考えられます。 もちろん、発生した残業代は請求することも可能です。詳しくは「フレックスタイム制でも残業代はでる|仕組みと問題点」をご覧ください。
 

変形労働時間制で残業代が出ない

変形労働時間制とは、1日8時間労働の法定労働時間を崩し、月・年単位で労働時間を計算する雇用形態です。定時時間が長いことが当たり前のようになる事もありますが、月・年単位で法定労働時間を超えて働いていれば、残業代も発生します。
 
変形時間労働制の概要と実態|隠された残業代の追求方法」をご覧の上、残業代の計算をされてみてください。
 

試用期間中は残業代が出ない

度々、「試用期間だから残業代は出ていない」と、さも当たり前かのように言っている方がいますが、試用期間でも残業をしたのであれば、正社員と同じく残業代をもらう権利があります。
                  
 試用期間中なので、請求するほどの金額ではないかもしれませんが、会社側にその旨を伝えてみても良いでしょう。試用期間中のトラブルは「試用期間に起こり得る5つのトラブル」をご覧ください。

 

 

注意!残業代請求できるのは過去2年間まで

ご説明のように、

 

  • 残業時間を求める
  • 残業代を計算する
  • 証拠を集めておく

 

この3つを行うことで残業代請求もかなり現実的になってくるでしょう。しかし、1点気をつけてほしいことがあります。それは、残業代請求の時効です。中には「退職時に残業代請求しよう」と考えている方もいるかもしれませんが、過去2年間分までしか請求できません。

 

労働基準法115条に「賃金(退職金を除く)や災害補償その他の請求権は2年間」と決められています。そのため、「後から請求しよう」では、過去の未払い残業代の請求権が時効を迎えてしまうことが考えられます。

 

実際に未払い残業代の計算をした上で、あまりにも未払い残業代が多いようでしたら、退職も検討して残業代請求を行うことも考えましょう。

 

【関連記事】「残業代請求の時効は2年間|時効の例外と中断させる方法

 

 

残業代請求を考えている場合は弁護士に相談する

不当に支払われていない残業代を会社に請求したい場合は、弁護士に相談しましょう。

 

残業代請求を弁護士に相談すると、正確な請求金額の計算や会社との交渉で心強い味方となってくれます。また、「特殊な雇用契約を結んでいる」「隠れ未払い残業代が疑われる」という場合も弁護士に相談することで、自分で計算した際に気づかなかった労働賃金を請求することも可能です。
 
弁護士事務所によっては無料相談が可能な場合もありますので、相談しようか迷っているという方は以下のリンクからお近くの弁護士を探して相談してみましょう。

 

 

まとめ

いかがでしょうか。以上が残業代の計算方法ですが、何百万円と未払いになっている方もいたかと思います。残業代を払わない行為は違法ではありますが、現段階ではそれを取り締まる決定的な決まりがありません。

 

労働者から動き出さなければそのまま見過ごされてしまうことがほとんどです。未払い残業代の金額が分かり、「取り返したい」と思った方は、まず残業代を計算してみることから始めましょう。

 

 

残業代の正しい計算・未払い分の請求したい方は
労働問題が得意な弁護士へご相談ください

残業代の請求期限は2年です。残業代が支払われていない、明らかに少ないなど、納得いかないことがあれば弁護士にご相談ください。不当な賃金計算が行なわれている可能性も考えられます。相談料無料、着手金無料の事務所も多いので、まずはご相談から始めてください。

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【弁護士に聞いてみた】残業代請求について弁護士に無料相談するとどうなる?

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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