フレックスタイム制の仕組みと実態|残業代が発生するケース

~いざという時の備えに~労働問題コラム

 > 
 > 
 > 
フレックスタイム制の仕組みと実態|残業代が発生するケース
キーワードからコラムを探す
労働問題 無料相談Q&A

過去の「質問と回答」から検索する


労働問題に関する相談を匿名で投稿する

Btn-post ※専門家からの回答は
 約2営業日前後で投稿されます
労働問題コラム
2016.10.24

フレックスタイム制の仕組みと実態|残業代が発生するケース

%e3%83%95%e3%83%ac%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%a0%e5%88%b6%e7%94%bb%e5%83%8f

フレックスタイム制とは、定められた労働時間の中であれば、労働者自身が出社時間と退社時間を決めることのできる、変形時間労働制のうちの一つです。

 

出退勤時間に自由度が出てきて、労働者も効率良く仕事が行える取り組みとして、主に労働者側にメリットの見られる制度として、従業員満足度の為にフレックスタイム制を取り入れる企業も増えてきています。

 

しかし、フレックスタイム制という特殊な勤務体系を悪用する企業によって様々な問題が出ているのも現状です。今回は、フレックスタイム制の仕組みと、それに関連したメリット・デメリットを解説していきます。
 

労働問題でお困りの方は弁護士へご相談ください!
 
労働問題は、労働者側が会社に泣き寝入りしてしまうことが多いです。しかし、法的に見てみると会社側に非があり、残業代請求や解雇取消などの方法が取れることも多くあります。当サイト【厳選労働問題弁護士ナビ】では無料相談可能な弁護士も多く掲載しています。会社から納得いかない扱いを受けたのであれば、一度弁護士に相談してみましょう。

地域から労働問題を得意とする弁護士を探す

関東

 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木

関西

 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山

北海道・東北

 北海道青森岩手宮城秋田山形福島

北陸・甲信越

 山梨新潟長野富山石川福井

東海

 愛知岐阜静岡三重

中国・四国

 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知

九州・沖縄

 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄


【目次】

フレックスタイム制とは|フレックスタイム制の仕組み
フレックスタイム制導入のポイント

フレックスタイム制のメリット

フレックスタイム制のデメリット
フレックスタイム制導入の実態

フレックスタイム制でも残業代は出る

まとめ

 

フレックスタイム制とは|フレックスタイム制の仕組み

冒頭でもご説明しましたが、フレックスタイム制とは、出退勤時間に自由度が出てくる働き方です。自由と言っても、社内での打ち合わせや、管理問題等もありますので、1日に必ず出勤していないといけない時間(コアタイム)も存在します。

 

一方、コアタイムの前後にあたる、出社時間と退社時間に自由度(フレキシブルタイム)が出てきます。このように、自由度が出てくると規制がしづらくなり問題も出てくることがあります。

 

フレックスタイム制は、時間の自由度が出てくるのですが、通常の働き方のように労働時間が定められています。もちろん、この定められた時間を超えれば、残業代が発生しますし、少なかった場合は、会社に不利益が被るので何かしらの対策が打てます。
 

フレックスタイム制の一日の見本

 

 

まず、フレックスタイム制には、2種類の時間の定義がありますのでそちらがフレックスタイム制の特徴になります。

 

・コアタイム

フレックスタイム制の中で必ず出勤していないといけない時間です。通常の働き方で言う、定時のことで、始めの時間にいなければ遅刻になりますし、コアタイムの途中で帰ると早退になります。

 

会議や外部とのやり取りなどがある場合は、通常このコアタイムに設けます。また、コアタイムは必ず設ける必要性はありません。

 

・フレキシブルタイム

コアタイムの前後に、設けるものがフレキシブルタイムになり、この時間には、いつでも出退勤が可能です。フレキシブルタイムはコアタイムの前後に設ける必要があり、前後どちらか片方に設けることは出来ません。

 

フレックスタイム制の労働時間の管理方法

フレックスタイム制は、日毎で労働時間が変動し、長い日と短い日の差が出てきます。ですので、週ごともしくは月ごとの労働時間を設定します。

 

週ごと、月ごとに労働時間の設定をする期間を清算期間と言い、フレックスタイム制を取り入れている会社は、清算期間での総労働時間が通常の働き方の定時のような基準となります。

 

清算期間から総労働時間の計算方法

この総労働時間は、社内で設定することが可能ですが、上限があります。これは、通常の働き方での基準になっている法定労働時間(いわゆる定時)内に収まるようにしなければなりません。

 

聞いたことはないでしょうか?1日8時間以内、1週間40時間と定められているものです。ですので、フレックスタイム制の会社は、40時間もしくは月に◯時間以内に総労働時間を定めなくてはなりません。月の法廷労働時間は月ごとの日数で変わりますので、以下のようになります。

 

28日

160.0時間

29日

165.7時間

30日

171.4時間

31日

177.1時間

 

計算式としては

 

総労働時間 ≦ 清算期間(日数) ÷ 7日 × 40時間

 

が成り立ちます。

 

特例措置対処事業場は週の法定労働時間が44時間になる

一部、週の法定労働時間が長くなる「特例措置」というものがあり、この場合、週の法定労働時間が44時間になります。対象になる事業場は、以下のような業種で、常時労働者の人数が10名未満の事業場に限ります。

 

業種

主な内容

商業

卸売・小売・不動産管理・出版などの商業

映画・演劇業

映画の映写・演劇などの興業

保険・衛生業

病院・診療所・保育園・老人ホームなどの社会福祉施設

接客・娯楽業

旅館・飲食店・理美容・遊園地などの接客娯楽

 

清算期間の総労働時間を出す計算も、上記の式の「40時間」を「44時間」に変えて計算します。

 

総労働時間を超えれば残業代が発生する

総労働時間に関して、ご理解いただけたでしょうか。簡単に説明すると、この総労働時間を超えれば、それは残業となり、残業代が支払われなければなりません。詳しくは下記の「フレックスタイム制でも残業代は出る」で言及します。

 

総労働時間に満たなかった場合は賃金カット、もしくは翌月へ労働時間を繰越できる

フレックスタイム制を取り入れていると、極端に労働時間が少ない労働者も出てきます。極端な例を上げれば、コアタイムしか出勤せず、毎日5時間で働くような労働者です。

 

その場合、総労働時間に不足した労働時間を翌月に繰り越したり、不足分の賃金をカットすることが出来ます。

 

 

 

会社全体でフレックスタイム制を取り入れる必要はない

また、フレックスタイム制には、向き不向きがあります。例えば、従業員数が揃わないと作業が進められないようだと、コアタイムでしか作業が進みませんし、お客様対応が主な業務だと、フレキシブルタイムに担当者不在が起きてしまいます。

 

同じ会社でも、企画をする部署から、制作、営業と様々あります。フレックスタイム制は、社内全体で設けなくても、部署ごと、もしくは個人で設けることが出来ます。
 

 

フレックスタイム制導入のポイント

いかがでしょうか。フレックスタイム制についておおよそご理解いただけたでしょうか。補足にはなりますが、フレックスタイム制導入にあたっての注意点がありますので、簡単にご確認ください。従業員の方は以下の内容にきちんと合致しているかを確認しましょう。
 

適用される従業員がフレックスタイム制を周知していること

まず、フレックスタイム制を導入するにあたって会社は対象の従業員にフレックスタイム制について周知する必要があります。ここで言う周知とは、口頭で伝えるのではなく、就業規則やそれに準ずるもので周知させる必要があります。
 
【就業規則の例】

(適用労働者の範囲)
第○条 第○条の規定にかかわらず、企画部に所属する従業員にフレックスタイム制を適用する。
第○条 フレックスタイム制が適用される従業員の始業および終業の時刻については、従業員の自主的決
定に委ねるものとする。ただし、始業時刻につき従業員の自主的決定に委ねる時間帯は、午前6時
から午前 10 時まで、終業時刻につき従業員の自主的決定に委ねる時間帯は、午後3時から午後7
時までの間とする。
  ② 午前 10 時から午後3時までの間(正午から午後1時までの休憩時間を除く。)については、所属
長の承認のないかぎり、所定の労働に従事しなければならない。  
(清算期間及び総労働時間)
第○条 清算期間は1箇月間とし、毎月 26 日を起算日とする。   
  ② 清算期間中に労働すべき総労働時間は、 154 時間とする。  
(標準労働時間)
第○条 標準となる1日の労働時間は、7時間とする。  
(その他)
第○条 前条に掲げる事項以外については労使で協議する。
参照:東京労働局

 

コアタイムの前後にフレキシブタイムが設けられていること

上記で簡単に触れましたが、コアタイムの前後には必ずフレキシブルタイムを設ける必要があります。言い換えると、フレックスタイム制では、出退勤時間はフレキシブルでないといけません。
 

18歳未満にはフレックスタイム制は導入できない

満18歳未満の年少者は、労働基準法第60条の規定によって、フレックスタイム制を導入することはできません。
 

フレックスタイム制にも休憩時間は必要

フレックスタイム制でも休憩時間を設ける必要があります。原則的に休憩時間はコアタイム中に設けます。
 

フレックスタイム制のメリット

フレックスタイム制は、本来労働者にメリットの多い制度になっています。

 

個人が効率的に働くことで、無駄な残業が減る

毎日定時の時間が決まっていても、仕事が多い日と少ない日に差が出てきます。そうなると、仕事が少ない日は、定時まで時間を潰して、多い日は遅くまで残って、という風にどうしても無駄が出てきます。

 

フレックスタイム制は、仕事が少ない日にサッと帰って、多い日に時間を回すような効率的な働き方が出来ます。

 

ライフワークバランスが整い、生産性が上がる可能性がある

定時での働き方だと、前日遅くまで残業して、次の日早くに出勤する負担のある働き方が出てきます。フレックスタイム制は、前日遅くまで働いたのであれば、個人の判断で出勤を遅らせ、無理のない働き方が出来ます。

 

フレックスタイム制は労働者にも依然人気で求人が集まる

フレックスタイム制は、依然人気で、求人をするにあたって、一つのアピールポイントになります。フレックスタイム制を有効に活用できるような、自己管理のできる人材を採用できれば、会社の生産性も格段に上がります。

 

フレックスタイム制のデメリット

ある程度の自由度があるからこそ問題も発生してきます。

 

社員同士の情報共有が取りづらい

フレックスタイム制は、社員が同時にそれって仕事を始め、同時に終わることが無いため、社員同士の連携が希薄になりがちです。各々が業務をこなし、それぞれで連動できれば非常に良い形ですが、バラバラになってしまうと、相違が起こりトラブルの元になります。

 

取引先・外部との連携が取りづらい

フレックスタイム制は、各個人が必ず社内にいる時間が限られてくるので、外部との連絡が多い業務には向いていません。

 

フレキシブルな働き方に甘えてしまう労働者が出てきてしまう

フレックスタイム制では、ある程度の自由度はありますが、やはりその自由に甘えてしまう人は出てきてしまいます。極端に仕事も終わらせず、すぐ帰るようでしたら、上記のように総労働時間の繰り越しや、賃金カットもできます。

 

これは、フレックスタイム制に限ったことではありませんが、メリハリの無い働き方をしてしまう人がいます。
 

 

フレックスタイム制導入の実態

このように、比較的に会社にも労働者にもメリットの多いフレックスタイム制ですが、実際のところどれほどの企業がフレックスタイム制を導入しているのでしょうか。厚生労働省の「就労状況総合調査結果」によると、以下の調査結果が出ています。
 

フレックスタイム制導入企業の割合と推移

フレックスタイム制導入の推移
フレックスタイム制を導入する企業は、上の図ように5%前後を推移しています。少しづつですが減少傾向にあり、人気があるとは言え、導入している企業が減っていっているということが事実として考えられます。
 
平成20年が大幅に下がった理由としては、世界金融危機により、フレックスタイム制を導入する余裕がない企業が増えたことが背景として考えられます(あくまで憶測です。)
 

フレックスタイム制は従業員数が多いほど導入している割合が多い

従業員数

導入率

1,000人以上

21.7%

300~999人

13.2%

100~299人

6.9%

30~99人

2.2%

参照:「H27年就労概況時間制度|厚生労働省

 

また、従業員数によるフレックスタイム制を導入している企業の割合ですが、平成27年の調査委によると、上記のように従業員数が多い企業ほどフレックスタイム制を導入している傾向にあります。
 
これは、上記でもお伝えしたように、事業規模が大きくなるほど部署も複数に増え、その一部の部署でフレックスタイム制が導入されていると考えられます。
 

フレックスタイム制導入が多い業種と少ない業種

順位

業種

導入率

TOP1

情報通信業

17.0%

TOP2

複合サービス事業

14.4%

TOP3

学術研究、専門・技術サービス業

13.7%

WORST3

建設業/医療、福祉

2.0%

WORST2

教育、学習支援業

1.9%

WORST1

生活関連サービス業、娯楽業

0.6%

参照:「H27年就労概況時間制度|厚生労働省
 
また、業種別にフレックスタイム制の導入が多い業種、少ない業種を見てみると、以上の結果になりました。特に、フレックスタイム制を多く取り入れている情報通信業(IT)は、比較的新しい企業も多く、積極的にフレックスタイム制を取り入れていると考えられます。
 
下位になった業種の傾向としては、1日の稼働時間も多く、土日関係なく働くことも多い業種とも言えます。ただ、専門的もしくは対人的な業務内容が多いので、出退勤時間が決まっていないフレックスタイム制ではなく、変形労働時間制(シフト制に近い)で対応している企業が多くなっています。
 
【関連記事】
変形労働時間制を詳しく解説|定時と残業時間の正しい求め方

フレックスタイム制でも残業代は出る

上記でも説明したとおり、フレックスタイム制の労働時間の基準は、清算期間による総労働時間になります。これを、週で設けている会社もあれば、月で設けている会社もあります。この総労働時間を超えると、フレックスタイム制でも残業代は発生します。

 

1日の労働時間は基準にならない

フレックスタイム制では、例え1日12時間働いていても、月(週)トータルで総労働時間内に収まれば残業をしたことにはなりません。例として、1周間の総労働時間を40時間としていたとします。すると、以下のような働き方でも、40時間を超えていないので、残業代は発生しません。

清算期間での総労働時間を超えると残業代が発生する

ですので、何度も繰り返しますが、会社で決めてある清算期間での総労働時間を超えた場合に残業代が発生します。確かに、1日12時間働いても残業代が発生しないこともありますが、フレックスタイム制で残業代が出ないことはありません。

 

残業時間の経緯算方法は簡単ですね。実労働時間-清算期間での総労働時間になります。

 

残業時間は繰越できない

総労働時間に満たなかった場合、翌月に繰越できると上記でも触れました。フレックスタイム制で、総労働時間を超えた(残業)月があれば、翌月の総労働時間を減らして、残業代を払わないということが考えられますが、これは禁止されています。

 

言い方を変えると、総労働時間の前月繰越ですが、禁止です。もし、その月に総労働時間を超えたのであれば、その月に必ず残業代を払わなくてはなりません。

 

 

このようにフレックスタイム制でも残業代が発生することがあります。【労働問題弁護士ナビ】では、労働問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。弁護士に相談することにより、現在抱えている労働問題の改善アドバイスをもらえるかもしれません。以下のリンクから弁護士を探して相談してみましょう。
 

 

まとめ

いかがでしょうか、フレックスタイム制の仕組みを理解していただけたでしょうか。フレックスタイム制は、変則的な働き方で、労働者にもメリットのある制度です。フレックスタイム制の導入を考えておられる方は、フレックスタイム制で生じる問題の対策を考えなくてはなりません。

 

一方、フレックスタイム制で働く労働者は、フレックスタイム制だからといって残業代が出ないようなことはありません。もしも、フレックスタイム制でも「仕事量が多く、長時間労働になりがちで、でも残業代が出ていない」

 

そのような方は、不当に残業代が支払われていない可能性が非常に高いです。実労働時間から、雇用契約書等に書かれている「清算期間による総労働時間」を引いて出てきた残業代を元に「残業代請求を得意とする弁護士一覧」から相談してみてください。
 

弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます


労働問題に関する専門知識もつ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
・給料未払い問題を解決したい

など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

残業代請求に関する新着コラム

残業代請求に関する人気のコラム

労働問題相談の「質問と回答」から検索/労働問題に関する相談を投稿

過去に他の方から投稿された労働問題相談の「質問と回答」から検索する


労働問題に関する相談を匿名で投稿する ※専門家からの回答は約2営業日前後で投稿されます

Btn-post

残業代請求コラム一覧へ戻る