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残業時間の平均は47時間|残業代がつり合わない時の対処法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
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残業時間が長いと気になってくることがあります。「あれ?うちの会社ってブラック企業じゃ・・・」と。業務上、毎日定時で帰れるものでもないですが、一般的な残業時間の平均は何時間になっているのでしょうか。
 
あなたの会社の業界は残業時間が長いのが当たり前なのでしょうか。残業時間が長いのであれば、それを解消する方法はないのでしょうか。また、残業時間は長いのに残業代が少ない方は、会社が違法に残業代を払っていない可能性もあります。
 
今回は、残業時間の平均。長い残業時間への対処法。残業代が少ない方への残業代を取り返す方法などをご説明していきます。

 

 

残業代の平均っていくらなの?

世間ではどのくらい残業が行われていて、どの程度の残業代が支払われているのでしょうか?業界や年代別の残業代の平均金額、残業代の計算方法、残業代を適正に払ってもらえていない場合の請求方法をご説明します。
▶︎【2020年最新版】残業代の平均はいくら?年代・業界別に詳しく比較

 

 

今の会社の残業時間に耐えられない場合…

遅くまで残業に付き合わされるのはもう嫌だ。

この記事にたどり着いた方の中には、上記の悩みを抱えている方もいらっしゃるでしょう。

今の会社に給与や労働環境の改善を期待しても、積極的に対応してくれない場合が多く、結局無駄な時間を過ごしてしまうケースが良く見られます。

 

このような悩みの場合、次の就職先を見つけることが、一番早い解決策になります。まずは以下の『転職エージェント診断ツール』を利用して、あなたにピッタリな転職エージェントを利用しながら、今よりもホワイトな企業への転職活動を始めてみてはいかがでしょうか?

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働き過ぎ?残業の平均時間は47時間

平均残業時間に興味のあるのは労働者だけでなく、就職・転職支援情報を取り扱う各企業も月の平均残業時間を調査の結果が多くありました。その中で一番調査人数も多く、資料として非常に参考となった「Vorkers」のデータによると
 

1ヶ月の平均残業時間 アンケート結果
引用:「調査レポートVol.4|Vorkers


月の平均時間として最も多く回答されたのが30時間の14.5%でした。しかし、図を見ていただければ分かるように、これは30時間前後だけがダントツで飛び抜けているわけでは無く、残業時間が30時間以上と答えている労働者が50%以上いるのです。
 
これら回答を平均すると、平均残業時間47時間という結果が出ました。月に8~10日休みの月20~22日出勤と考えると、毎日2時間以上残業しているという結果になります。

 

例えば9時出社したとして、1時間休憩を入れると退社が20時以降になるというようなイメージです。通勤時間も入れると、家に着くのは21時頃になるでしょうか。

 

 

平均残業時間の長い業種・短い業種

それでは、各業界・職種ごとでどの業界・職種の残業時間を見てみましょう。といっても、業界・職種の種類も何十とあるため、特に残業時間の短い業界・職種、残業時間の長い業界・職種を見ていきます。
 

残業時間の短い業種

残業時間の短い回答で多かったものが、下記の業種です。

医療関係:薬局・病院・医療器メーカーなど
金融関係:信販・投資顧問など
サービス関係:ホテル・スポーツなど
 
企業によって異なる可能性はありますが、平均残業時間が10時間を超えない業種も見受けられました。
 

残業時間の長い業種

逆に残業時間の長い回答で多かったものは下記の業種です。

メディア関係:広告・新聞など
IT関係:コンサルティング・ポータルなど
小売・外食産業:コンビニ・レストランなど
 
特に、小売・外食業は年間休日数も少なく、一年を通して労働時間が長くなっています。
 

残業時間の短い職種

残業時間が少ない職種は圧倒的に、事務・アシスタント系です。事務・アシスタントが女性に人気の職種であるのもこのためかもしれません。
 

残業時間の長い職種

一方、残業時間の長い職種は、圧倒的にクリエイティブ系の職種のようです。その他、建築専門職・コンサル系が多いようです。やはり、物を作るとなると納期も決まってきますので、それに比例して残業時間も増えるのでしょうか。
 

 

残業時間と年齢と給料の関係性

Vorkers」には面白いデータも有り、年代と年収別でどの程度の残業時間があるのかが調査されていました。

 

年齢・年収別の平均残業時間
引用:「調査レポートVol.4|Vorkers


こちらによると、35~39歳の平均残業時間が一番多くなっており、その後年齢が上がるにつれ残業時間が減っていく傾向がありました。また、年収に比例して残業時間の方も増えており、働いた分だけ給料が増えるというのはデータを見る限り証明されています。
 
しかし、転職サイト「DODA」(※調査元が違うので数値も違っています)によると、建築、不動産業、小売・外食業は残業時間が多いにも関わらず、残業代がそこまでもらえず収入が上がっていないという実態もあるようです。

 

 

労基法での残業時間のボーダーラインは原則45時間

残業が増えることで収入が増えることはある意味メリットですが、プライベートとのバランスも大事です。働き過ぎて体を壊してしまったら元も子もありませんし、労働者に無理をさせないと経営が回らないような会社は健全とはいえないでしょう。
 

本来の法定労働時間

労働基準法では労働者を働かせる事ができる時間は1日8時間週40時間とされています(法定労働時間)
 

残業をさせるには協定を結ぶ必要がある

法定労働時間を超えて労働をさせることは労働基準法違反であり「6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」というペナルティも定められています。
 
しかし、労働基準法36条は、使用者が労働組合(労働組合がない場合は労働者の過半数代表者)との間で書面による協定を締結し、届け出ることで、法定労働時間を超えて労働させることができると定めています。この書面による協定を実務上は36(サブロク)協定といいます。
 
したがって、36協定を締結・届出することなく法定労働時間を超えて労働させることは、いかなる場合であっても違法です。ただ、現実問題として、中小企業(特に零細の企業)にはこの36協定を締結・届出していない企業が多数あります。
 

36協定を結べばどれだけ残業させてもいいのか?

36協定は、無制限の残業を許すものではありません。時間外労働(残業)の上限時間は法律で以下のとおり決められています。この上限時間を超える場合は36協定があっても原則として労働基準法違反となります。

36協定の上限時間

 

サブロク協定の上限は、1ヶ月単位で管理している会社が多く、残業時間が月に45時間超えないように上司から言われている方も多いのではないのでしょうか。

 

しかし、一部36協定の上限が免除されることも 

例えば、残業時間が月に45時間超えないように上司から言われている方も多いのではないのでしょうか。
 

しかし、一定の場合には上記の上限は免除されます。一例を挙げますので参考にしてみてください。
 

工作物の建設等の事業

土木、建築、解体などが該当します。建築関係の残業時間が長いのもそのためです。
 

自動車の運転業務

トラック、バス、タクシーなどの運転業務が該当します。運搬業に長時間残業が多いのもそのためです。ただし、自動車運転業務に従事する者については、別途、拘束時間規制があります。
 

新技術、商品開発等の研究開発業務

専門的な知識や技術で新技術・新商品を開発する場合は労働者と使用者で自主的に協定を結んでいいとされています。クリエイティブ系の残業が多いのもこのためかもしれません。
 

季節的要因で事業活動の量の変化が激しい労働基準監督署に指定された業務

郵便配達や造船業のように時期によって繁忙期のある業種はこちらに当てはまります。ただし、年間上限の360時間は適用されます。※ただし、労働基準監督署の指定を受はごく一部に限られていて、繁忙期があるからといって、小売やサービス業程度では認められません。
 

特別条項付36協定を結んである

多くの会社では36協に特別条項として、例外的に上限時間を超えて業務をさせることができる規定を定めています。このような特別条項を締結し、この範囲で運用する場合には、上限を延長することができます。
 

【関連記事】【弁護士監修】特別条項付き36協定とは

 

 

残業時間を減らす5つのコツ

ちょっとここまで、法律関係の内容が多くて堅苦しかったかもしれません。ここで残業時間を少しだけでも減らすために意識していたほうが良いことをご説明します。
 

出社したらその日のタイムスケジュールを立てる

目標なしに仕事をしていたら、次から次へと仕事が増えていき全然終わらない、などという状況に陥りかねません。出社したら、なるべく残業しない無理のない範囲で、その日のタイムスケジュールを立てましょう。
 
「具体的に何時までに◯◯は終わらして、◯◯は重要ではないので後に回す。」など、慣れてくると自分のペースが掴めるようになります。
 

次の日でもできるような仕事は次の日に回す

別にその日に終わらせる必要のない仕事については無理に残業する必要もないように思います。その場合は支障のない程度にきっぱり次の日に回しましょう。
 

自分の仕事が終わったら早く帰る

上司がまだ残っているからとりあえず会社に残ってしまう、という人もいるかと思います。上司から仕事を手伝ってくれとお願いされている場合は別ですが、ただ、相手に気を使って居残るのは無意味です。

 

自分の仕事が終わり、他に手伝うこともないのであれば、「お先に失礼します」と挨拶をしてきっぱり帰りましょう。
 
上司や同僚が非常に多忙であり、自分は手が空いている、というのであれば率先してこれを手伝うことは、評価にも繋がりますし、感謝されて職場の関係も良好になります。

 

しかし、そのような状況ではないのであれば、「自分の仕事は終わっているのでお先に失礼します。」と帰ることに問題はないと思います。
 

仕事以外の楽しみを持つ

「仕事が終わると帰って寝るだけ」の悪いサイクルに入ると、仕事にも力が入らずダラダラ働きがちになってしまいます。仕事後の楽しみを持っていると早く帰りたい気持ちが働き意外と仕事にも身が入ります。
 
家族との時間を作るでもいいですし、海外ドラマのDVDを見るでもいいと思います。仕事が終わったらやりたいことを作りましょう。
 

作業を分担する

自分の仕事量が多い場合は、同僚や部下と上手に分担することも検討してみましょう。自分の仕事を他人に丸投げするのは相手に失礼ですし、関係も悪くなるため控えるべきですが、分担すべき業務は公平に分担するのが適切です。もし一人で抱え切れない仕事があるならば、正直に上司や同僚に協力を求めてみてはいかがでしょうか。
 

残業時間が長いのに残業代が少ないことは、違法の可能性あり

労働時間に見合った残業代が支給されていない場合、会社が適法に残業代を支給していない可能性があります。

 

例えば、以下の様なことはないでしょうか?もしもこれらに当てはまるようでしたら、労働基準法違反の可能性があり、残業代の未払いが生じているかもしれません。
 

うちは定時が10時間労働だから残業は少ない

今となっては少ないでしょうが、雇用される際、このようなことが言われたり、契約書に書かれたりしていなかったでしょうか。法定労働時間は1日8時間までと決められています。それを超えるようであれば残業代を払わなくてはいけません。
 
会社との合意により法定労働時間を増やすことはできません。労働時間が8時間を超える場合は基本的に残業代が発生します。ただし、会社が変形労働時間制フレックスタイム制を導入している場合は特別な計算が必要です。
 

45時間を超えたら残業できないから、超えたら自己責任だ

36協定で時間外労働を月45時間と決めること自体は間違っていませんし、45時間を超えないように会社も努めていると思います。しかし、業務によりやむを得ずこの上限を超えたことについて「超えても自己責任だ」と残業と認めない行為は労働基準法違反です。
 
会社が45時間を超える場合は労働させないというのであれば別ですが、現実に労働をさせておいて「自己責任」は理由になりません。
 

管理職は残業代が出ない

少し前に話題になりました「名ばかり管理職」の問題です。もともと残業時間の長い小売や外食産業に多く、店長やエリアマネージャーなどの肩書をもらい「管理職」扱いにするのです。しかし、会社での立場は一般企業の班長や係長などと変わらず管理職といえるのか、疑問なケースもあります。
 
これは労働基準法が「管理若しくは監督の地位にある者」(管理監督者)には残業代を支給しなくてよいと定めていることを理由とするものです。

 

しかし、管理監督者とは「経営者と一体的立場にある者」を意味しており、

 

  • 「経営に参画する権限の有無」
  • 「業務時間・業務量へのコントロールの有無」
  • 「部門内での人事権限の有無」
  • 「その地位にふさわしい待遇の有無」

 

という観点から総合的に判断されます。
 
そのため、今まで管理職を理由に残業代が全く払われていないような場合でも、「経営者と一体的立場」といえないような場合は残業代は支給されなければならないということになります。
 

うちは残業代が固定で出されている

こちらは、「みなし残業・固定残業」というものです。本来、固定残業は一定の残業時間を見込んであらかじめ残業代を定額で支払う制度であり、それ自体は許容されています。

 

しかし、固定残業代を超える残業代が発生する場合は、その超過分は支給されなければなりません。
 
定額で払われているから残業代は払われていると誤解しがちですが、明らかに固定残業代ではカバーできないような長時間残業をしても残業代が支給されない場合、残業代が一部未払いとなっている可能性があります。
 
固定残業代については「固定残業代(みなし残業)の仕組み|適正な残業代の計算方法​」の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
 

 

今まで払われていなかった残業代を取り戻す方法

ここまで読んでみて「あれ?残業代返ってくるんじゃ・・・」と思われた方もおられるでしょう。しかし、なかなか残業代を取り返す行動を起こす踏ん切りが付かない人も多いのではないかと思います。
 

残業代の時効は2年間

「会社を辞めるときに一緒に請求しよう。」そう思っている方もいると思います。

 

しかし、労働基準法115条は「賃金や災害補償その他の請求権は2年間」と短期の消滅時効を定めています。後でやろうと思っているうちに、残業代の請求権が時効消滅してしまったということもあり得ます。

 

【関連記事】残業代請求の時効は2年間|時効の例外と中断させる方法

 

言えば返してくれる世間の風潮

「とは言え残業代を請求しづらい・・・」と思っている方も多いと思います。ちょっと古いデータですが、平成23年4月から平成24年3月までの1年間の労働基準監督署の指導により
 
100万円以上の未払い残業代を払った企業数は1312社
残業代を受け取った労働者数は117002名
未払い残業代の合計金額145億9957万円となっています。
 
その後のデータは見つかりませんでしたが、未払い残業代への世間の目は時代とともに厳しくなっています。
 
もし、少しでも「残業代が取り返せるかも」という気持ちが出てきたのであれば、未払い残業代を取り返す方法が「未払い残業代のある人が知っておくべき残業代請求の全手順」に細かく書かれていますので参考にしてみてください。
 

 

まとめ

いかがでしょうか。残業時間の平均を見てみても47時間と決して短いものではありません。しかしながらその残業に見合う残業代が適切に支給されているケースは多いとは言えないのではないでしょうか。

もしも、実際の残業時間に比して残業代が少ないと感じたら、会社が残業代を適切に支給していないのかもしれません。泣き寝入りをしてしまうとその分の残業代は返ってきませんが、行動を起こせば十分返ってくる可能性があります。
 

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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残業代請求に対する企業からの報復行為は、そのほとんどが違法とみなされているため積極的にされることはありません。
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