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パワハラはどこに相談すべき?状況別の無料相談窓口13選と相談後の流れを解説

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佐藤 香織
弁護士
パワハラはどこに相談すべき?状況別の無料相談窓口13選と相談後の流れを解説
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職場でパワハラに悩んでいるとき、「どこに相談すればいいのかわからない」と感じる方は少なくありません。

パワハラの相談窓口は、無料で利用できるものも多く、法的解決からメンタルケアまで目的に応じて使い分けられます。ただし、窓口ごとに対応できる範囲や特徴が異なるため、自分の状況に合った選択が重要です。

本記事では、無料で使えるパワハラ相談窓口を13か所紹介するとともに、相談後の流れや事前準備のステップも詳しく解説します。どの窓口に相談すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

そもそもパワハラとは?法律上の定義と6つの類型

パワハラとは、職場での優越的な立場を背景に、業務の適正な範囲を超えて相手に精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為です。

厚生労働省は6つの類型を以下のとおり示しています。

類型 具体例
身体的な攻撃 殴る、蹴る、ものを投げつける
精神的な攻撃 人格を否定する発言、激しい叱責
人間関係からの切り離し 無視、仕事から排除する
過大な要求 達成不可能な業務の強制、長時間残業の強要
過小な要求 能力と不釣り合いな単純作業のみを命じる
個の侵害 私生活への過度な立ち入り

また、2020年6月に施行されたパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)により、事業主にはハラスメント防止のための措置が義務付けられました。中小企業も2022年4月から対象となり、現在は全ての企業で対策が求められています。

パワハラの相談件数は13年連続で最多

2024年度、全国の労働局に設置されている総合労働相談コーナーに寄せられた相談内容の内訳をみると、「職場でのいじめ・嫌がらせ」が54,987件と、13年連続で最多となっています。

厚生労働省 「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します

引用元:厚生労働省 「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します

「自己都合退職」が41,502件、「解雇」が32,059件であることを考えると、パワハラに悩んでいる人がいかに多いかがわかる結果です。

【状況・悩み別】職場パワハラの無料相談窓口13選

パワハラの相談窓口は社内外に多数あり、無料で利用できるものも豊富です。どの窓口を選ぶかは、解決したい内容によって異なります。

以下の表を参考に、自分の状況に合った窓口を選んでください。なお、いずれの窓口も守秘義務があるため、安心して相談できます。

相談窓口 分類 こんな人に向いている
弁護士・法律事務所 専門家 慰謝料請求など法的に解決したい
法テラス 公的機関 費用を抑えて弁護士に相談したい
会社の相談窓口 社内 社内で穏便に解決したい
総合労働相談コーナー 公的機関 中立な助言がほしい
労働基準監督署 公的機関 明確な法律違反も伴う
都道府県の労働委員会 公的機関 公的に調整してほしい
みんなの人権110番 公的機関 人権侵害として相談したい
労働条件相談ほっとライン 公的機関 夜間・休日に相談したい
NPO法人の労働組合相談センター 民間 労働者の立場でサポートを受けたい
全労連の労働相談ホットライン 民間 労働組合に相談して解決を目指したい
ハローワーク 公的機関 失業保険の離職理由を変更したい
警察 行政機関 暴力・脅迫など犯罪性がある
こころの耳 公的機関 メンタルケアが必要

弁護士・法律事務所 | 慰謝料請求など法的に解決したいなら

慰謝料請求を希望するなら、弁護士の法律事務所が最適です。

弁護士は、代理人として会社や加害者との交渉から労働審判、訴訟まで一任できる唯一の専門家。慰謝料の請求、懲戒処分の要求、安全配慮義務違反の追及など法的な手段を駆使して具体的な解決を目指せます。

交渉窓口を全て弁護士に任せられるため、精神的・時間的な負担を大幅に軽減できる点も大きなメリットです。特に、会社が誠実に対応してくれない場合や、パワハラの内容が深刻な場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

初回無料相談を実施している事務所が多いため、まずは見通しだけ聞いてみるのも有効です。

ベンナビ労働問題【24時間受付・初回相談無料も多数】

ベンナビ労働問題は、労働問題に注力する弁護士を地域や相談内容から探せるポータルサイトです。

全国の弁護士・法律事務所が登録されており、初回相談無料や土日祝日に対応している事務所を絞り込んで検索できます。さらにパワハラ被害者向けのコラムなど、情報収集に役立つコンテンツも充実しています。

問い合わせから相談までの流れは、サイト上で事務所を探し、電話またはメールで予約するだけです。24時間受付や初回相談を無料で受け付けている事務所も多いため、気軽に活用してみてください。

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法テラス | 費用を抑えて弁護士に相談したいなら

法テラス(日本司法支援センター)は、経済的に余裕のない方でも弁護士に相談できる公的機関。無料で法律相談を受けたり、弁護士・司法書士費用を立て替えてもらったりできます。

ただし、利用には収入・資産が一定額以下という資力要件があり、誰でも利用できるわけではありません。

家族人数 収入基準 資産基準
生活保護の基準に定める一級地 そのほか 地域共通
一人 200,200円以下 182,000円以下 180万円以下
二人 276,100円以下 251,000円以下 250万円以下
三人 299,200円以下 272,000円以下 270万円以下
四人 328,900円以下 299,000円以下 300万円以下

※生活保護の基準に定める一級地:東京都特別区・大阪市など
※家賃や医療費などを支払っていれば要件を満たしていなくても利用できる場合あり

なお、法テラスから直接申し込んで相談すると、担当弁護士を自分で選べません。パワハラや労働問題の解決実績がない弁護士が割り当てられる可能性もあります。

特定の弁護士に依頼したい場合は、自分で法テラスと契約している弁護士を探し、法テラスの利用を申し出ましょう。

相談方法 対面
※電話・メールでは法律制度や窓口案内のみ
受付時間 センターによって異なる
公式ホームページ 法テラス

会社の相談窓口 | 社内で穏便に解決したいなら

あまり大ごとにしたくない方は、まず会社に設置されているコンプライアンス部門や人事部の相談窓口を利用しましょう。パワハラ防止法により、事業主には相談体制の整備が義務付けられています。

相談後は、事実調査・加害者への注意や指導・配置転換など、迅速な対応が期待できます。相談内容はプライバシーとして保護されるべきものであり、みだりに第三者へ漏らすことは許されません。

ただし、会社によっては十分な対応がなされないリスクもあります。相談日時・相手・内容・会社の対応を必ず記録しておくことで、のちの手続きに役立てられます。

厚生労働省の総合労働相談コーナー | 中立な助言がほしいなら

厚生労働省の総合労働相談コーナーは各都道府県の労働局に設置されている公的な相談窓口で、専門の相談員が無料で対応してくれます。中立な立場で助言を得られるでしょう。

予約不要・無料で、面談または電話での相談が可能です。匿名での相談にも対応しており、身元を明かさずに状況を説明することもできます。解決策のアドバイスや関係法令・判例の情報提供を受けられるため、まず法的な基礎知識を得たい場合に有効です。

ただし総合労働相談コーナーでは、問題を直接解決したり、法的措置の対応をおこなってくれるわけではありません。法的解決をのぞむなら、最初から弁護士への相談がおすすめです。

相談方法 対面・電話
受付時間 相談コーナーによって異なる
公式ホームページ 厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内

労働基準監督署 | 明確な法律違反も伴うなら

労働基準監督署は、労働基準法などの法律違反がある場合に会社への立入調査や是正勧告といった強制力をもつ行政機関です。

パワハラの結果として賃金未払いや違法な時間外労働が発生している場合、あるいは暴力行為によってけがをした場合(労働災害)などに有効な相談先です。

一方、パワハラ行為そのものが直ちに労働基準法違反になるわけではないため、人間関係のトラブルのみでは対応が難しいケースもあります。相談の際は、給与明細やタイムカードなど法律違反を証明できる証拠を持参すると手続きがスムーズに進むでしょう。

相談方法 対面
受付時間 平日9時00分~17時00分
※各労働基準監督署によって異なる
公式ホームページ 厚生労働省 全国労働基準監督署の所在案内

都道府県の労働委員会 | 会社とのトラブルを公的に調整したいなら

都道府県の労働委員会は、労働者と使用者の間の紛争を中立・公正な立場で迅速に解決するための公的機関です。あっせんにより話し合いによる解決をサポートしてくれるため、「穏便に済ませたいが、社内相談窓口では聞き入れてもらえなかった」という人に向いています。

具体的には、あっせん員と呼ばれる労働問題の専門家が委員として双方の主張を聞き、解決案を提示する流れです。費用は無料で、手続きは非公開のためプライバシーも守られます。

各都道府県労働委員会で制度の内容や対応は異なるので、下記サイトから確認してみてください。

相談方法 対面
受付時間 各労働委員会によって異なる
公式ホームページ 個別労働関係紛争のあっせん
都道府県の個別労働紛争お問い合わせ先一覧

法務省のみんなの人権110番 | 人権侵害として相談したいなら

「お前は使えない」「存在価値がない」など人権を侵害するようなパワハラがある場合、みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)も選択肢のひとつです。

パワハラだけでなく差別や虐待といった人権問題に関する相談を受け付けている法務省の相談窓口で、法務局の職員や人権擁護委員が対応します。

単なるアドバイスにとどまらず、人権侵害の疑いがある場合は法務局が調査をおこない、関係者への説示や調整・勧告といった救済措置が講じられることもあります。

電話の受付時間は平日午前8時30分から午後5時15分までと限られており、土日は対応不可な点に注意してください。

相談方法 電話
電話番号 0570-003-110
受付時間 平日午前8時30分~午後5時15分
公式ホームページ 法務省 みんなの人権110番

労働条件相談「ほっとライン」 | 労働条件や対応のアドバイスがほしいなら

「ほっとライン」は、違法な時間外労働や賃金不払いなど労働条件に関する問題について、相談員に電話で相談できる窓口です。

平日夜間や土日の相談に対応しており、日中忙しい方でも利用しやすいでしょう。匿名での相談も可能で、相談内容に応じて関係法令・判例、専門の相談機関を紹介してもらえます。

ただし、労働基準法に違反した会社に指導・是正勧告をおこなう対応はできません。

相談方法 電話
電話番号 0120-811-610
受付時間 月~金:17時~22時
土・日・祝日:9時~21時
※12月29日~1月3日を除く
公式ホームページ 労働条件相談「ほっとライン」

NPO法人の労働組合相談センター | 労働者の立場でサポートを受けたいなら

NPO法人などが運営する、個人でも加入できる労働組合(ユニオン)も無料相談ができる窓口です。経営者側の相談は一切受け付けておらず、労働者の立場から会社との交渉をサポートしてくれます。

専門の相談員が対応し、団体交渉などを通じて問題解決を目指します。会社に労働組合がない、あるいはあっても機能していないケースにおいて特に力を発揮する相談先です。

相談方法 対面・電話・メール
電話番号 03-3604-1294
受付時間 月~金:9時~17時
※メールは常時受付け
公式ホームページ 労働組合相談センター

全労連の労働相談ホットライン | 労働組合に相談して解決を目指したいなら

全国労働組合総連合でも電話相談窓口を設置しています。フリーダイヤルで気軽に相談でき、経験豊富な相談員が対応してくれます。

必要に応じて地域の労働組合(ユニオン)を紹介してもらい、加入後に団体交渉をおこなうことも可能です。団体交渉権を背景に会社に対して対等な立場で交渉を進められるため、会社との力関係に不安を感じている方に向いている相談先といえます。

相談方法 電話・メール
電話番号 0120-378-060
受付時間 月曜~金曜:10時から17時
公式ホームページ 労働相談ホットライン

ハローワーク | 退職に離職理由を変更したいなら

ハローワーク(公共職業安定所)は、パワハラを理由にすでに退職した方が、離職理由を「自己都合退職」から「会社都合退職(特定受給資格者)」へ変更したい場合に有効な相談窓口です。

自分から退職すると原則として自己都合退職扱いになりますが、パワハラが原因であれば会社都合退職(特定受給資格者)へ変更できる可能性があります。

自己都合退職と会社都合退職(特定受給資格者)では、失業給付の受給開始時期や給付期間に大きな差が生じるため、ハローワークに相談してみましょう。

ただし、ハローワークは就職支援がメインの機関であり、現在進行中のパワハラを解決する窓口ではありません。在職中のパワハラ被害は、労働基準監督署や弁護士など別の窓口へ相談してください。

相談方法 対面
受付時間 ハローワークによる
公式ホームページ ハローワーク

警察 | 暴力・脅迫など犯罪性があるなら

パワハラ行為が暴行、傷害、脅迫、名誉毀損など刑法に触れる犯罪に該当する場合は、警察への相談が有効です。緊急性がある場合はためらわずに110番通報してください。

相談は最寄りの警察署の生活安全課などで受け付けており、相談専用ダイヤル「#9110」も利用できます。被害届や告訴状を提出すれば、警察が捜査を開始し、加害者が逮捕・起訴される可能性があります。

診断書、暴行の証拠写真、脅迫の録音など、犯罪行為を証明する証拠が重要になるため、手元に残しておきましょう。

相談方法 電話
電話番号 緊急時:#110
相談専用ダイヤル:#9110
受付時間 24時間
公式ホームページ 都道府県警察本部リンク

こころの耳 | メンタルケアが必要なら

まずはメンタルケアを優先したい方には、厚生労働省が運営する、働く人のメンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」がおすすめです。パワハラによって精神的に追い詰められている場合に、電話やSNSで専門家に相談できます。

こころの耳では、産業カウンセラーなどの専門家が対応し、心理的なサポートを受けられます。夜間や休日も相談を受け付けており、無料で利用できる点が特徴です。

法的な解決を直接おこなう機関ではありませんが、まず辛い気持ちを吐き出したい方には重要な窓口です。

相談方法 電話・メール・SNS
電話番号 0120-565-455
受付時間 月曜日~金曜日:17時~22時(受付は21時50分まで)
土曜日・日曜日:10時~16時(受付は15時50分まで)
公式ホームページ 厚生労働省 こころの耳

パワハラを相談したらどうなる?その後の流れ

相談先によって、相談後の流れや対応内容は大きく異なります。どこに相談するかを決める前に、それぞれの窓口でどのようなプロセスを経て解決を目指すのかを把握しておきましょう。

以下では「社内窓口」「公的機関」「弁護士」の3つのルートについて、解決までの流れを解説します。

社内窓口に相談した場合

  対応 詳細
ステップ1 担当者によるヒアリング いつ・どこで・誰に・何をされたか、具体的な状況を詳細に確認される
ステップ2 会社による事実調査 加害者や第三者へのヒアリング、証拠の確認などがおこなわれる
ステップ3 措置の決定・実施 加害者への懲戒処分、配置転換、再発防止策の策定などが実施される

社内窓口ではまず担当者によるヒアリングがおこなわれ、そのあと、会社が事実調査を実施します。パワハラが事実と認定されれば、加害者への懲戒処分、配置転換、再発防止策の策定などが実施されるのが一般的です。

会社の対応が不十分な場合は、記録を残したうえで外部機関への相談に切り替えることを検討してください。

公的機関に相談した場合

  対応 詳細
ステップ1 相談員によるカウンセリング 関係法令の説明や解決策の提示がおこなわれる
ステップ2 会社への助言・指導 労働局が会社に改善を促す
ステップ3 あっせん 加害者への懲戒処分、配置転換、再発防止策の策定などが実施される

総合労働相談コーナーなどの公的機関では相談員が助言をおこなったあと、労働局が会社に改善を促します。強制力はないものの、会社に対して公的機関からのアプローチが可能です。

当事者間での解決が難しい場合には、あっせんとして専門家が間に入り、話し合いによる解決を目指します。費用は無料で、手続きは非公開です。

弁護士に相談した場合

  対応 詳細
ステップ1 法律相談 事実関係の整理、法的な見通しや解決策を提示される
ステップ2 交渉 内容証明郵便の送付などによる慰謝料請求や謝罪要求をおこなう
ステップ3 法的措置 労働審判や民事訴訟を提起する

弁護士に相談・依頼した場合、最終的には労働審判や民事訴訟といった法的手続による解決を目指します。ただし、いきなり裁判に進むのではなく、まずは弁護士が代理人として会社や加害者と交渉し、慰謝料請求や謝罪要求をおこなうのが一般的です。

交渉で合意に至れば、その時点で解決となります。一方、交渉が決裂した場合には、労働審判や民事訴訟へ移行し、法的手続によって解決を図ります。

手続きには弁護士費用や訴訟費用がかかりますが、より強制力のある方法で解決を目指したい場合に有効です。

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パワハラ相談を有利に進めるための準備3ステップ

パワハラ相談を有利に進めるための準備3ステップ

相談窓口に行く前に、パワハラの事実を客観的に証明できる準備をしておくと、相談がスムーズに進み、より有利な解決につながります。

感情的に訴えるだけではパワハラの事実認定が難しくなるケースも多くあるため、無理のない範囲でできることから着手してください。以下の準備は、どの相談窓口を利用する場合にも共通して重要です。

Step1. パワハラの証拠を集める

パワハラの事実を客観的に示す証拠は、交渉や法的手続で極めて重要な役割を果たします。可能な限り多くの証拠を確保しておきましょう。

有効な証拠の例
  • 暴言・脅迫の録音データ
  • 侮辱的な内容のメール・LINEのスクリーンショット
  • 医師の診断書
  • 被害の状況を記録した業務日誌やメモ など

証拠集めでは、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識して記録することが大切です。日付がわかる形で残しておくと、のちの手続きで活用しやすくなります。

同僚の証言も有効な証拠となり得るため、可能であれば協力をお願いすることも検討してみてください。

Step2. 事実関係と要求を時系列でまとめる

いつからパワハラが始まり、どのような行為がどのくらいの頻度でおこなわれたかを時系列で整理したメモを作成しておきましょう。相談時に状況を的確に伝えられます。

パワハラの事実だけでなく、それによって受けた精神的・身体的な影響(不眠、通院など)も合わせて記録しておくと、被害の深刻さを伝えやすくなります。

また、最終的にどうしたいのかという要求(謝罪してほしい・慰謝料がほしい・異動したいなど)を明確にしておくことも重要です。要求によって適切な窓口も異なるため、自分の中で考えをまとめておきましょう。

Step3. 相談内容の録音を検討する

社内窓口などに相談する際、「言った・言わない」のトラブルを防ぐために、担当者との面談内容を録音しておくことも有効な自己防衛策です。

相談したにもかかわらず会社が誠実に対応しない場合、相談の事実を証明する証拠になります。

自己防衛目的での録音は、基本的に問題ないとされるケースが多いですが、可能であれば録音する旨を事前に伝えておくと安心です。録音はスマートフォンのアプリで手軽におこなえます。

職場のパワハラを相談するときの注意点

パワハラを相談した結果、今よりも不利益な立場に立たされると困ります。以下の注意点を踏まえ、事前にリスクや注意点を理解して冷静に行動しましょう。

相談後に不利益な取り扱いをされる可能性がある

パワハラ防止法では、相談を理由とする不利益な取り扱い(解雇・降格など)は法律で明確に禁止されています。しかし実務上、不利益な扱いをされたり嫌な思いをしたりする可能性はあるでしょう。

万が一に備え、相談日時・相手・内容・会社の対応を詳細に記録しておくのがおすすめです。記録があると、不当な対応を受けた際の証拠として活用できます。

もし実際に不利益な取り扱いを受けた場合は違法行為に該当するため、すぐに弁護士などの専門家へ相談するのがおすすめです。

相談しても必ず解決するとは限らない

相談しても会社が適切に対応しなかったり、問題が解決しなかったりするケースもあります。具体的な理由は以下のとおりです。

  • 会社が問題を軽視している
  • 証拠が不十分で事実認定できない
  • 加害者が事実を認めない

社内窓口で解決しない場合は、労働局の「あっせん」を利用したり、弁護士に相談して外部からのアプローチに切り替えることを検討してください。ひとつの窓口で諦めず、複数の選択肢を視野に入れると解決できる可能性が高まります。

パワハラは弁護士に相談すべき理由

パワハラ問題を解決したいなら、弁護士への相談は極めて有効です。

弁護士なら精神的負担の大きい会社との交渉を代理人として一任できるため、自分で直接やり取りする必要がありません。また、法的な根拠に基づいて慰謝料請求などの権利を適切に主張できる点も大きなメリットです。

さらに交渉で解決しない場合でも、労働審判や訴訟といった法的手続にスムーズに移行し、一貫したサポートを受けられます。

ほかの相談窓口は助言や調整にとどまることが多いのに対し、弁護士は代理人として交渉から法的手続きまで対応できるのが特徴です。会社が誠実に対応しない場合や、被害が深刻な場合ほど、早めに弁護士へ相談しましょう。

パワハラの相談に関するよくある質問

パワハラの相談に関してよく寄せられる疑問に、Q&A形式で回答します。個別の事情によって結論が異なる場合もあるため、具体的な状況については弁護士への相談を検討してください。

Q1. 相談は匿名でもできますか?

はい、多くの公的機関では匿名での相談が可能です。ただし、会社への具体的な対応(調査・指導など)を求める場合は、氏名を明かす必要があります。

総合労働相談コーナーや「みんなの人権110番」などは、匿名での電話相談に対応しています。匿名相談は身元がばれる心配なく気軽に話せる一方、具体的な解決につながりにくいという側面もあります。

まずは匿名で状況を伝え、そのあとの対応を考える流れも有効です。

Q2. 無料で24時間相談できる電話窓口はありますか?

24時間電話でパワハラ問題を無料相談できる窓口は多くありません。

ただ、夜間や土日相談に対応している窓口はあります。例えば労働条件相談「ほっとライン」は平日は22時まで、休日は21時まで対応可能です。

電話番号 0120-811-610
受付時間 月~金:17:00~22:00
土・日・祝日:9:00~21:00
(12月29日~1月3日を除く)

また全国の弁護士を探せるベンナビ労働問題なら、平日・土日祝日ともに21時以降でも無料相談を受け付けている法律事務所が多数掲載しています。またメールやLINEであれば、24時間問い合わせ可能です。

Q3. 会社を辞めずにパワハラを解決することは可能ですか?

はい、可能です。社内窓口や労働組合、弁護士を通じて会社と交渉し、加害者の異動や職場環境の改善を求めることで、在職したまま解決を目指せます。

解決には会社の協力が不可欠であり、誠実な対応をしてもらえるかどうかが重要な要素です。会社が対応しない場合は、労働審判などで職場環境配慮義務違反を問い、改善を求める方法もあります。

ただし、解決後も同じ職場で働き続けるには精神的な負担も伴うため、心身の状態を最優先に考えて判断してください。

まとめ|パワハラで悩んだら、一人で抱え込まず専門家へ相談を

パワハラの相談窓口は複数あるので、自分に合った窓口を選びましょう。

相談窓口 分類 こんな人に向いている
弁護士・法律事務所 専門家 慰謝料請求など法的に解決したい
法テラス 公的機関 費用を抑えて弁護士に相談したい
会社の相談窓口 社内 社内で穏便に解決したい
総合労働相談コーナー 公的機関 中立な助言がほしい
労働基準監督署 公的機関 明確な法律違反も伴う
都道府県の労働委員会 公的機関 公的に調整してほしい
みんなの人権110番 公的機関 人権侵害として相談したい
労働条件相談ほっとライン 公的機関 夜間・休日に相談したい
NPO法人の労働組合相談センター 民間 労働者の立場でサポートを受けたい
全労連の労働相談ホットライン 民間 労働組合に相談して解決を目指したい
ハローワーク 公的機関 失業保険の離職理由を変更したい
警察 行政機関 暴力・脅迫など犯罪性がある
こころの耳 公的機関 メンタルケアが必要

どの相談先が適切か迷う場合や、会社が誠実に対応しない場合は、弁護士への相談が最も有効な手段です。慰謝料請求から法的手続まで一貫して対応でき、精神的な負担を大きく軽減できます。

多くの法律事務所が初回無料相談を実施しているため、まずは専門家の意見を聞くことから始めてみてください。

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本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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ご退職後3年以上経過されているため、
残念ながら残業代請求をするのは難しいと思われます。

残業代請求の時効は 3 です。

今後、残業代の請求をされたい場合には、
お早めに請求手続きを始めることをおすすめいたします。

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