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労災隠しの実態と違法性とは|労災隠しされた場合の対処法3つ
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労災隠しの実態と違法性とは|労災隠しされた場合の対処法3つ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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労災隠しとは、労災(労働災害)が発生した際に会社が労働基準監督署への報告を怠る、又は虚偽の報告をすることです。本来、労災の報告は義務とされていますが、手続きが面倒であったり、会社側の無知などの理由で労災隠しが起きてしまいます。
 
今回は、労災隠しの被害にあっている方、労災隠しの疑いがある方へ、労災の報告義務の意味を理解してもらい、労災隠しであった場合の対処法を解説していきます。

 

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労災には3つの種類がある

そもそも、労災とはどのような場合認定されるのでしょうか。「工場内で、機械で怪我をした」と言うような場合は分かりやすいですが、労災は分かりやすいケースばかりではありません。労災の種類には大きく3つのケースが有ります。以下の状況で労災の手続きがされていない場合、労災隠しの疑いがあります。
 

業務上の災害

ここちらは、一番分かりやすい労災の種類ですね。「作業中に機械に挟まれ怪我をしてしまった。」「周囲の人にぶつかり骨折してしまった。」など労災と聞けば、まずこのようなケースを思い浮かべるでしょう。
 
更には、「外回りの営業の最中に事故に巻き込まれた。」このようなケースは会社の管理下ではありませんが、仕事中に起きた事故であれば労災と考えられます。
 
一方、「昼休みなどにふざけて遊んでいたら怪我をした。」ようなケースは、業務中でも会社管理下にもないため、労災とは認められないでしょう。
 

通勤途中の災害

知られていない場合も多いのですが、通勤途中の事故も労災(通勤災害)と認定されます。ただ、通勤災害と認められるのは、通勤のために合理的な経路と方法を取っている必要に限られます。
 
ですので、「会社から通勤手当として、定期代をもらっていたのにこっそりバイク出勤をし、『合理的ではない経路を選択していた通勤中』の事故」や、「私用で寄り道をした後の事故」などは、原則として労災と認められません。
 

業務上の疾病

労災であるかの判断が難しいケースとして、業務上の疾病があります。代表的な例で行くと一昔前に問題となったアスベスト問題。また、過労死や過労自殺、精神疾患などがあります。これらも、疾病発症と業務との間に因果関係があれば、労災として認定されます。

過労死に関しては、「過労死ライン」というものが設けられており、残業時間が増えるに連れ、過労死との関連性が高まるという基準時間です。また、パワハラでの精神疾患・自殺なども労災と認定される事があります。
 
詳しくは
過労死ラインは80時間|労働時間の減らし方と労災認定の基準
パワハラをされた人が労災認定を受ける条件と全手順
をご覧ください。
 

労災隠しが行なわれる理由

労災隠しとは、上記の通り、労働災害が起きた際に、労基署に法定の報告を行わないことです。これが行なわれる理由は、以下のようなことが考えられます。
 

労災の保険料が上がる

労災隠しの理由の一つに「労災保険を使うと保険料が上がる」というものがあります。こちらは、半分正解で半分誤解と言えます。どういうことかというと労災保険にはメリット制というものがあり、簡単に言うと事業内容・事業規模によって、労災保険使用後の保険料の増額に違いがあるという内容です。
 
そして、同制度の下ではそもそも従業員20名以下の事業所は保険料に変わりがありませんので、零細企業では保険料の増減を心配する必要がありません。
 

手続きが面倒

手続きが面倒で労災隠しが行なわれているという理由も挙げられます。工場や工事現場・運搬などの労災が起こり得る可能性も想定される業種では、労災時の対処法マニュアルが作成されていることも多いでしょう。
 
しかし、デスクワークが主の会社ではなかなか労災が起きるという感覚も低いと思われます。いざ労災が起きてしまった際に、どういう手続をすれば良いのか分からず、会社と被災者従業員間で完結させて労災隠しとなるケースも考えられます。
 

企業のイメージ低下

労災が起きたことで、世間のイメージ低下を恐れ、労災隠しが行なわれるケースも考えられます。大企業は労災事故を起こしてしまうと、印象が悪くなりますし、現場の上司の昇進などにも響きます。
 
一方、小さい企業でも労災を起こしたことで会社のイメージが悪くなり契約を切られる可能性も出てきます。そのようなことを恐れ労災隠しが行なわれます。労災隠しが行なわれる理由としてはイメージ低下を防ぎたいというのが最も多いと考えられます。
 

労働基準監督署の監査が入る恐れがある

イメージ低下と似た内容ですが、短期間で複数の労災が起きていると、労働基準監督署の印象も悪くなり、監査が入る可能性が高まります。そのことを恐れ、労災隠しをする会社もあります。
 

労災未加入の可能性

労災保険に未加入であり、その発覚をおそれて労災隠しを行なうケースも考えられます。そもそも労災保険の未加入は非常に悪質で、それ自体が問題と言えるでしょう。
 
また、「アルバイトだから、契約社員だから労災は降りないよ。」という言い分は通用せず、アルバイト・契約社員・派遣社員も労災保険の加入義務があります。詳しくは「雇用保険と社会保険の加入は義務|未加入時の相談先」をご覧ください。

このような場合、労災隠しかもしれない・・・

それでは、実際にありえる労災隠しの口実をご説明します。
 

「治療費は会社が負担するから内緒にしといて」

会社から「治療費は会社が負担するから」「とりあえず健康保険で治療を受けてきて」と言われたら労災隠しの疑いがあります。被災者からしてみれば、費用は会社が負担してくれているからまあいいか。と思いますが、不正行為に加担してしまう可能性が有ります。
 
特に、労災を健康保険で負担することは出来ず、本来保障されるべきではない労災を健康保険で受給したということで、詐欺行為に加担してしまう可能性もあります。
 

「労災が降りるのは正社員だけ」

この言い分は、全くの嘘です。上記でもお伝えしましたが、労災保険の加入義務は、パートやアルバイトの全従業員に対してあり、パート・アルバイトなどを理由に労災と認められないようなことはありません。
 

「うちは従業員が少ないから労災に加入していない」

上記と同じく、従業員が少ないから労災保険に加入していないという言い分は通用しません。会社は従業員を1名でも雇用していれば、労災保険に加入する義務があります。仮に、本当に労災保険に加入していなければ、その事自体が問題ですし、加入していないからといって労災の報告義務がないわけではありません。
 

「こんなの労災とは認められないよ」

労災とは会社独自で認定するものではありません。会社の判断で労災であるかどうかを決め、それを従業員が鵜呑みにしてしまうケースが有ります。その場合、まずは労働基準監督署に相談して下さい。
 

労災隠しは犯罪です

労災隠しが発覚すると厳重な刑罰が用意されています。労災隠しは労働安全衛生法違反で50万円以下の罰金となります。罰金自体はそこまで大きな額ではないかもしれません。しかし、労災隠しの場合、書類送検されることがほとんどですが、そのことで一気に会社のイメージがダウンすることが大きいでしょう。
 
上記の、労災隠しが行なわれる理由でご説明した「会社のイメージがダウン」という理由がありましたが、労災隠しが発覚した場合、更なる会社のイメージダウンは甚大なものです。
 

労災隠しにあった場合の対処法

実際に労災隠しの疑いがある、会社が労災と認めてくれないという方は以下の点に注意して下さい。大きく注意する点は3つですので、必ず抑えておきましょう。
 

労災の診察・治療は労災保険認定病院で

こちらは必ずではありませんが、労災に関する怪我・疾病の診察・治療は労災保険認定病院で行なうようにしましょう。病院側に労災であることを伝えれば、その場で費用を立て替えずに済みます。全国の労災保険認定病院は、コチラから検索ができます。
 

労災で健康保険は絶対に使わない

何度かお伝えしていますが、労災で健康保険は絶対に使わないようにしましょう。労災での健康保険は使えず、保障されるのは労災保険でのみです。例え、会社に指示されていてもです。これは、本来の方法とは反した方法で金銭を負担した詐欺行為と言えます。
 

まずは所轄の労働基準監督署に相談する

労災隠しの疑いがある場合は、「事故状況・怪我の状況・会社の対応など」伝えられる部分をまとめ労働基準監督署に相談・報告を行なうようにしましょう。全国の労働基準監督署の連絡先はコチラからお探し下さい。
 

まとめ

いかがでしょうか。労災隠しは立派な犯罪です。会社が言っていることを鵜呑みにせず、少しでも「おかしい」と感じたら、労働基準監督署に相談をしてみてください。また、精神疾患などの問題は労災認定も難しいケースが有りますが、状況によっては慰謝料問題などにも発展していきます。状況に応じて、弁護士への問い合わせも検討されることをオススメします。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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