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パワハラをされた人が労災認定を得るための条件と全手順
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パワハラをされた人が労災認定を得るための条件と全手順

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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近年、ブラック企業とともによく聞くようになってきた「パワハラ」。その、時代の流れもあり、パワハラが労災と認められるようになってきました。

 

パワハラをそのまま蔓延させていることは、あなたにとってももちろん良くないですし、会社にとってもよくありません。パワハラで悩むあなたのお力に少しでもなれればと思います。

 

労働問題でお困りの方は弁護士へご相談ください!
 
労働問題は、労働者側が会社に泣き寝入りしてしまうことが多いです。しかし、法的に見てみると会社側に非があり、残業代請求や解雇無効などの方法が取れることも多くあります。当サイト【労働問題弁護士ナビ】では無料相談可能な弁護士も多く掲載しています。会社から納得いかない扱いを受けたのであれば、一度弁護士に相談してみましょう。

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 【目次】
パワハラで労災は下りる
労災認定されるためにパワハラの種類を知ろう
①身体的な攻撃:暴行・傷害
②精神的な攻撃:脅迫・名誉毀損・侮辱・暴言
③人間関係からの切り離し:隔離・仲間はずし・無視
④過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制する
⑤過小な要求:仕事を与えない等
⑥個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること
パワハラの場合適用される労災認定基準
精神障害を発症している
発症前おおむね6か月間に業務による強い心理的負荷が認められる
職場以外の心理的負荷によって発病したものではない
パワハラで労災認定されるための手順
①申請
②診断書をもらう
③書類の提出
パワハラで慰謝料請求をできる?
パワハラから身を守る方法
社外の公的機関に相談する
弁護士に相談する
上司の上司に相談する
まとめ


 

パワハラで労災は下りる

パワハラは、時代背景とともに労災として認められるようになってきました。労災といえば、工場で業務中に怪我をしてしまった。現場環境が悪く、それが病気の原因として考えられた。などと、職場の環境が原因で、体に何かしらの害が出てしまった時のイメージが有りますね。

 

では、上司の暴言や嫌がらせが原因で、精神疾患になってしまった。仕事量、労働時間が多すぎて、体調を崩してしまった。などはどうでしょうか?こちらも、職場の環境(上司や仕事量)が原因で体に害が出てしまっています。なので、労災として認められるには十分な要素があります。

 

しかし、会社からしてみれば労災は事故や怪我などの一般的なイメージが強いため、パワハラが原因で体調を崩してしまったとしても、労働者側から動かなければ、労災が下りることはほとんどありません。

 

それでは、労災と認定されるためには、どの程度の内容で、どのような基準を満たしていて、どのような手順で進めていけば良いのでしょうか?

 

労災認定されるためにパワハラの種類を知ろう

それではまず、どの程度からパワハラとして認められるのでしょうか?残念ながら、今の日本では、パワハラ行為を直接裁くための基準となる法律がないのが現状です。これでは、「どうすればパワハラとして認められるんだ」と思われるかもしれません。

 

安心してください。平成24年1月30日に厚生労働省がパワハラの定義を発表してあります。それによると、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」とあります。

 

そして、厚生労働省のワーキンググループは、パワハラの6つの類型を定義しています。

 

①身体的な攻撃:暴行・傷害

目に見えて分かるパワハラです。殴る、蹴る、胸ぐらを掴む等、怪我を負ってしまえばもちろん、怪我を負わなくても精神的な問題が生じれば労災として認められます。

 

 

②精神的な攻撃:脅迫・名誉毀損・侮辱・暴言

言葉による暴力です。精神的侵害で労災とすることができます。内容や方法によっては、名誉棄損罪、侮辱罪で訴えることができます。

 

 

③人間関係からの切り離し:隔離・仲間はずし・無視

仲間はずれにして仕事を教えてくれない、プロジェクト等から外される等あります。陰湿なやり方ですが、十分パワハラです。

 

④過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制する

会社によって判断は難しいところがありますが、周りと比べて、明らかに仕事量やノルマが多く、それが精神的、肉体的に負担になり侵害されるようであれば労災と認められます。

 

⑤過小な要求:仕事を与えない等

逆に、仕事を与えないというパワハラもあります。いわゆる、窓際族です。モチベーションの高い従業員は、自身の成長や人脈の構築の機会を奪われることで、精神的に追いやられてしまいます。このことを理由に、「会社を辞めたらどうだ?」と退職勧告をする企業もあり、不当解雇につながる場合があります。

 

⑥個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること

過度にプライベートな部分に関わってきて、上司だから断れない等、精神的負担を感じてしまえばパワハラと言えます。

 

パワハラの種類も様々です。地位を利用し、断続的に従業員を精神的、肉体的に侵害するのであれば、十分パワハラになります。では、パワハラでどの程度まで体に害が及ぼされると労災として認められるのでしょうか。

 

 

 

パワハラの場合適用される労災認定基準

労災とは、業務上の事由又は通勤途上での負傷、疾病、障害、死亡などの災害で、正式名を、「労働者災害補償保険」といい、認定されると治療費や休業補償などが支給されます。

 

 

パワハラによる労災認定には大きく3つの要件があり、それらに当てはまる必要性があります。

 

精神障害を発症している

パワハラによる労災の対象となる被害で典型的なのが、精神的な被害です。代表的な精神疾患としては、うつ病、適応障害、心因反応、心因障害、睡眠障害などがあります。

 

病気と言えないまでも、うつ状態にある、または、うつの気があるなどと診断される場合もあります。精神障害は、外部からのストレスが個人のストレスの対応力を超えてしまった場合に発症すると考えられています。

 

外部からのストレスには、仕事に関係するものと私生活に関係するものがあります。また、個人の対応力は一概には言えませんが、性格的なもの、既往症(既にかかったことのある病気)なども関係します。いずれにしても、医学的見地から慎重に判断することになっています。

 

発症前おおむね6か月間に業務による強い心理的負荷が認められる

心理的負荷による労災認定基準はとても明確で、1999年に作成された「心理的負荷評価表」に基づいて審査されてきました。発病前の6カ月間に職場で起きた出来事を全て評価表に記録し、ストレスの強い順にⅢ・Ⅱ・Ⅰの3段階で評価するというもの。

 

2009年まで、「パワハラや職場いじめ」はⅡと判断され、「退職の強要」などの出来事がⅢと判断されてきました。しかし、2009年4月、10年ぶりにこの基準が見直され、いじめや嫌がらせがⅢと判断されるようになったのです。

 

なので、パワハラによる精神疾患が労災として認定されることが多くなりました。心理的負荷は「心理的負荷評価表」を元に心理的負荷の強弱を評価し、強と評価される場合に認定要件を満たすことになります。なお、強い心理的負荷が認められるか否かは労働基準監督署の調査に基づき判断されます。

 

職場以外の心理的負荷によって発病したものではない

精神障害を発症していて、強い心理的負荷が認められていても、その要因が職場以外のものであれば、労災とは認められません。職場における心理的負荷評価表と、職場以外の心理的負荷評価表があるので、こちらも労働基準監督署の調査に基づき判断されるでしょう。

 

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パワハラで労災認定されるための手順

労災保険の給付を受けるには、申請して、労働基準監督署長に認定されることが必要となります。多くの企業では、病気とつくものは、業務災害だと意識することはないため、いつまで待っても労災申請することはありません。労働者が自ら労災申請しなければならず、会社はあてにならないものだと思ったがよいでしょう。

 

労災申請の手続きは以下のようになります。

 

①申請

本人またはその家族が自ら労働基準監督署へ行って請求を行います。労働者労働災害保険請求書(5号、7号、8号用紙があります)を労働基準監督署でもらいます。この申請書に、自分の住所や氏名、生年月日、事件の発生した状況等を記入して労働基準監督署に提出します。

 

②診断書をもらう

しかし、この申請書には、会社側の押印と労働保険番号の記入が必要になります。会社側がパワハラによる申請を受けてくれるとは考えにくいですよね。そこで、精神的な治療を受けている病院から、治療日数と医師の証明印が入った診断書をもらってきましょう。

 

書類の提出

5号用紙は病院に提出し、7号、8号用紙は「労働者労働災害保険請求書」と一緒に労働基準監督署に提出します。会社側の欄は空白にしておきます。それでも申請自体は受理されます。

 

残念ながら労災認定がなされないケースもありますが、逆に会社側が「労災隠しをしていた」と認定される場合があり、会社側が厳重な処分を受けることになります。

 

 

パワハラで慰謝料請求をできる?

では、あまりにもひどいパワハラは慰謝料を請求することができるのでしょうか?民法上の不法行為にあたれば慰謝料を請求することができます。

 

パワハラ被害が深刻であればあるほど、また、パワハラを受けた期間が長いほど慰謝料も高額になります。さらに、加害者の社会的地位や収入が高ければ高いほど慰謝料も高額になります。上で説明した、パワハラの定義労災認定基準を満たしているようであれば、慰謝料請求をできる可能性は大いにあります。

 

民事上の責任追及をする場合には、相手に内容証明を送って話合いの場を設けたり、裁判を起こしたりすることになります。精神的損害に対する慰謝料や治療費、パワハラで会社を休んでいた間の給料などを損害賠償として請求することができます。

 

しかし、パワハラでの裁判は労災認定よりハードルが高く、準備が必要になります。「いつ、どこで、誰に、どのような」パワハラを受けたのかという証拠を揃えましょう。

 

ここでは、ボイスレコーダーが非常に役に立ちます。もしも、用意できないようであれば、メモや第三者の証言を手に入れておいてもよいでしょう。また、パワハラが原因で治療を受けているようであれば、こちらも医師の診断書があると良いでしょう。

 

証拠を揃え、弁護士などの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。取れるものは、しっかり取り、今まで受けた分を反撃しましょう。

 

パワハラから身を守る方法

パワハラを訴えたばかりに余計嫌がらせを受けてしまった。そのようなことを恐れていませんか?労働者を守る仕組みはしっかり整っていて、方法もいくつでもあります。安心してください。

 

社外の公的機関に相談する

一番良い方法は、労災申請の際にもお世話になる、厚生労働省に相談することです。メンタルケアから、改善されないパワハラに対して、法的に動く事ができます。

 

弁護士に相談する

法律のプロフェッショナルに相談することです。法律を味方に、会社、パワハラと戦います。一向に改善されないようであれば、証拠を集めましょう。法律を味方につければ、会社も恐れをなして、これ以上のパワハラはできなくなるでしょう。

 

上司の上司に相談する

上2つは、会社そのものと戦う事になりますが、直属の上司だけが執拗にパワハラをしてくる場合、上司の更に上司を味方につけることができればかなり安心です。パワハラをしてくる人間は基本的に、弱きをくじき強気に媚びるタイプです。パワハラ上司は、上司を恐れればあなたには何もできないでしょう。一気に形勢逆転して、会社での居心地も良くなるでしょう。

 

まとめ

いかがでしょうか?パワハラは労災としても認められてきています。悪きは必ず裁かれるものなのです。ただし、そのためにはこちらから少しだけでもアクションを起こさなくてはなりません。パワハラで悩んでいるのであれば、一人で悩まずまずは、身の回りの人に相談をしましょう。必ず問題は解決します。
 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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