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ホーム > 労働問題コラム > 不当解雇 > 誓約書に関する労働トラブル|法的効果がある場合とない場合

誓約書に関する労働トラブル|法的効果がある場合とない場合

更新日:2021年05月14日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
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会社で働く上で提出を求められる誓約書の中には、法的効力を持つもの・持たないものがあります。よく内容を理解しないままサインしてしまったことから、「残業代や退職金の請求ができない」「仕事中にうっかり壊した備品を弁償させられた」というトラブルに巻き込まれた方もいるのではないでしょうか。

労働者にとって不利益な内容を強制させる誓約書には法的効力はありません。また、過失での損害賠償や残業代請求権の放棄をさせることは法律で禁止されています。

この記事では、具体的にどのような誓約書に効力があるのか、また無効になる可能性がある制約内容についてご紹介します。

会社との誓約書トラブルは弁護士にお任せください!
 
労働者に一方的に不利な内容の誓約書にサインしてしまったからといって諦めないでください!弁護士に相談することによって、誓約書が無効になる可能性が高まります。まずは弁護士事務所の無料相談を活用して、取るべき対応をアドバイスしてもらいましょう。

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労働するときの誓約書って?|誓約書が持つ効力

労働する際に誓約書にサインを求める会社があります。この誓約書とはいったいどのような効果を持っているのでしょうか。こちらでは誓約書が持つ効果についてご説明します。
 

誓約書と契約書の違い

会社からサインを求められる書類に、誓約書と似たものに契約書がありますね。まずはこの2つの書類の違いからお伝えしていきましょう。
 

誓約書とは

誓約書とは、言い換えると「念書」とも呼ばれますが、これらは会社からの要求を一方的に求められることが多いのですが、結論を言うと絶対的な法的効力を持つものではありません。
 
余りにも労働者に不利な内容がかかれている誓約書は、そもそも法的効力を持たないものが多いのです。どのような内容が法的に認められ、一方で認められないかについては後述にて詳しく解説します。
 

契約書とは

一方契約書は、入社時に記入することとなる書類になり「雇用契約書」とも呼ばれます。同じく、入社時にサインする書類に「就業規則」がありますが、法的な力を表すと【就業規則>雇用契約書】となります。こちらは、会社と労働者間のルールを定める書類です。
 
そして、この就業規則は10名以上の労働者を雇っている企業には作成義務があり、作成時に労働基準監督署への提出が必要になります。ですので、会社が一方的に有利な条件での内容にすることはできなくなっています。
 

誓約書が持つ効力

上記でも触れましたが、労働において誓約書は法的に特別な力を持つわけではありません。あくまでも誓約書は「会社と労働者で合意した約束を残しただけの書面」となります。そして、誓約書の内容が効力を発揮するのは、書かれている内容が合法できちんと両者間で合意している場合のみになります。
 

誓約書の提出義務は絶対ではない

誓約書はあくまで労働者が会社に対して、ルールを守ることなどを表明するもので、一方的に会社側からサインを求めるような義務はありません。

 

こちらも、法的に反している誓約書にはサインする必要はありませんし、サインしたからと言って絶対的な法的効力を持っていないとは、上記でお伝えした通りです。


一方で、誓約書に書かれている内容が合法で、さらに就業規則に誓約書の提出の必要性が明記されていれば提出の義務も生じてきます。

 

 

誓約書に書いても良いこととダメなこと

それでは、非常に気になる誓約書に書かれていても合法になり法的効果のある内容と法的効果を持たない内容のそれぞれを解説していきます。
 

誓約書に書ける内容|効力がある内容

まずは、誓約書に書ける内容で合法とみなされる内容です。ご覧いただけると分かるかと思うのですが、かなり簡易的な内容までしか誓約させることはできないのです。
 

服務規程の遵守

会社の従業員として、就業規則に書かれている内容を守る事を誓約させることは問題ありません。
 

秘密保持

機密性の高い専門職などは、外部に対して絶対に情報を漏らさないと誓約させる内容も問題ありません。
 

人事異動

あらかじめ必要に応じて、転勤や配置転換がある事を了承させることは問題ありません。
 

個人情報の提出

業務遂行にあたって、個人情報が必要な場合は提出を求めることを了承させることが可能です。
 

競業避止義務

主に退職時になりますが、同業他社などへ転職・独立を制限する競業避止義務というものがあります。ただ、労働者には職業選択の自由があるため、この競業避止義務が認められる条件は厳しくなっています。
 

誓約書に書けない内容|効力がない内容

一方で、以下のような誓約書の内容は法に反している可能性が高いため、無効とされることが多いです。
 

損害賠償の請求

従業員に非がない場合にまでも、会社が従業員に対して損害賠償請求をすることは禁止されていますので、誓約書に具体的に記載することは原則できません。例えば

 

  • 理由を問わず遅刻したら罰金
  • 売れ残ったら自腹
  • 軽微な過失で破損させたものの損害賠償

 
等は違法ですので無効になります。一方で、故意や重過失によって損害を与えたようなケースで損害賠償を請求するといった内容は認められるケースがあります。

 

残業の指示に必ず従う誓約

服務規程の遵守を誓約させることは可能と上記でお伝えしましたが、指示に全て従うように制限することはできません。誓約書でよくある内容として、「残業の指示には絶対従う」「休日でも指示があれば出勤する」などの誓約は違法ですので無効になります。
 

残業代請求の禁止

残業代を不当に払っていない会社は、後から残業代請求をされることを防ぐ為に、残業代請求の禁止を誓約させることがあります。そもそも残業代をきちんと支払っていない事すら違法なのに、それに対する請求を禁止することはできません。
 
残業代請求をしないと言った内容の誓約書にサインをしてしまっても、未払い残業代があれば請求できる可能性が非常に高いと言えます。以下のコラムもご覧になった上で弁護士に相談してみることをおすすめします。
 
▶「残業代請求によって未払い残業代を獲得する手順と注意点
 

業務命令に反したら解雇されても文句を言わない

会社が労働者を解雇するには非常に厳しい条件があります。仮に上司の命令に反して失敗を起こして解雇されてしまって、そのことを誓約書にサインしていたとしても、その誓約書は無効とみなされ不当解雇であると考えられるケースがあります。
 
▶「解雇と不当解雇の判断基準|不当解雇にあった場合の対処法
 

遅刻した日の罰則・無給

上記で損害賠償の誓約はさせることができないとお伝えしましたが、遅刻したからと言って、その日の給料を無給にすることはできません。
 

同業他社への転職・独立禁止(競業避止義務)

合法とも認められると述べた競業避止義務ですが、無効になることが多いです。
 

 

 

誓約書に関するトラブル事例

それでは、上記と被る部分もありますが、実際に起きた誓約書を巡るトラブルをいくつかご紹介していきましょう。誓約書を各タイミングですが、誓約書の提出をさせている企業の中の約8割が入社時に書くことになります。
 
しかし、実際にトラブルに発展することが圧倒的に多いのが退職時です。退職時に労働者が労働者の権利(残業代請求・退職願)などを行使しようとすると、会社側から「あの時誓約書にサインしたじゃないか!」と、トラブルになることがほとんどです。では、実際に寄せられた質問を見ていきましょう。
 

近隣で2年間働けないと会社から言われる

質問者の方は、退職時に競業避止義務の観点から、同じ仕事ではこの近隣で2年間働くことはできないと言われました。しかし、契約書・誓約書にはこのような記載はないとのことです。
 

弁護士の回答

まず、就業規則に規定がなければ競業避止義務の根拠はありません。就業規則に規定があれば根拠になり得ますが、あったとしても規定通りに拘束されるわけではなく、一部無効もしくは全部無効になる可能性もあります。
▶「競業避止義務のQ&A
 

残業代請求と1年間退職できないという誓約書

職場だけでは仕事が終わらず、家に仕事を持ち帰って、夜中までの作業。肉体的にもつらいため、退職も考えたが、「いかなる理由があっても1年間は退職しない」という旨の誓約書があったため退職できずにいる。と相談者の方は言います。
 

弁護士の回答

まず、残業代に関しては、持ち帰った仕事も含め請求できる可能性は高いです。残業代請求するためにはメモ書きや発言の録音などの証拠が重要です。

 

誓約書に関しては、詳しい内容にもよりますが、弁護士にお願いすることで退職を認めさせることも可能でしょう。
▶「残業代請求のQ&A
 

残業代請求をしようとしたが誓約書に署名していた

過去の残業代を請求しようとしたのですが、残業代請求をしないという誓約書と退職後は競合職に就かないという旨の誓約書にサインしてしまったとのご質問です。
 

弁護士の回答

誓約書に対する署名捺印が無効であると主張することは可能です。労働者の真の合意がなければ無効とされることも多いです。それにより、残業代請求が可能になり、競業避止義務も無効になる可能性が高いです。
 
▶「残業代請求したら、誓約書に署名させられた
 

退職時に競業避止の誓約書にサインしないと退職金が支払われない

退職時に近隣の競合他社への就職を2年間しないという誓約書を求められました。誓約書にサインした場合のみ退職金を受け取るという内容の書類です。会社に競業避止義務ではないと伝えても聞く耳を持たれません。
 

弁護士の回答

退職金を受け取るような支援も可能ですが、審判や訴訟も考えたほうが良いです。詳しい内容が分からないのではっきりとは言えないのですが、退職金の請求や合意の無効などを主張できる可能性は十分にあります。
 
▶「退職時の競業避止の誓約書
 

在職中に誓約書へのサインへ強要

部下として新しく入社してきた人が3人中3人が退職する事態になりました。その全責任を質問の方が受けて、そこから社長や課長の上司に責め立てられ続けました。いわゆるパワハラです。
 
更に、「今後このような問題が発生したら即刻解雇」というような内容の誓約書の強要もされました。サインをして解雇されてしまうことは避けたいです。とのご質問です。
 

弁護士の回答

「問題を起こしたら即刻解雇」などの誓約書への署名の強要は、違法の可能性が非常に高いです。サインをする義務もありませんし、サインをすると不利益が生じる可能性が高いので絶対に断ってください。また、パワハラを含めた告発も考えてください。
 
▶「誓約書にサインできません
 


誓約書に関するトラブルは、このように様々な種類があります。少しでも疑問があった場合は、弁護士に直接相談してみましょう。当サイト【労働問題弁護士ナビ】で、無料で質問が投稿でき、弁護士から直接回答がもらえます。【完全無料】【匿名可能】ですので、以下から疑問を相談してみましょう。
 


▶▶労働問題相談Q&Aご相談投稿
 

 

 

誓約書トラブルに対する対処法

いかがでしょうか。このように労働問題では誓約書に関するトラブルも多くあります。なるべくは避けたい問題ですね。以下の対処法を取ることで誓約書トラブルを未然に防げる可能性が高まります。
 

自身が労働法に詳しくなる

まず、上記でもお伝えしましたが、誓約書には絶対的な法的効力はありません。では、なぜ会社が誓約書を用意するかというと、労働者をある程度制限するためです。労働者の中には会社から言われたことを鵜呑みにしてしまうことも多いです。
 
誓約書が用意されていたらなおさらでしょう。会社内で疑問に思うことがあっても、会社の言い分は「あの時誓約書にサインしただろう」です。
 
そこで、労働者側であるあなたが、ある程度の労働問題について知っておくことで、「これはおかしい」と判断することができていきます。このコラムの一番下に考えられる労働問題のコラムを一覧しましたので、一度そちらもご覧になることをおすすめします。
 

誓約書に簡単にサインはしない

会社からサインを求められた誓約書には、きちんと同意できていなければサインをしないようにしましょう。「よくわからないままサインをしてしまった」「会社にサインを半ば強要された」というような話を度々聞きますが、納得できていないのであれば、簡単にサインをせずに弁護士に相談するようにしましょう。
 

弁護士に相談する

実際に誓約書にサインをしてしまいすでにトラブルになっているような方は、弁護士に相談してみて下さい。一方的に労働者が不利になるような誓約書は無効になることも考えられます。
 
また、誓約書でトラブルになっているということは、未払い賃金・不当解雇・損害賠償問題などの他の問題を抱えている可能性も考えられます。状況をまとめて弁護士に相談してみましょう。
 


労働に関するトラブルはいち早く弁護士に相談してみましょう。以下のリンクからは労働問題が得意な弁護士を探して直接相談することができます。無料相談が可能な事務所も多いので、今抱えている問題を解決させるためにも弁護士に相談しましょう。
 

 

 

まとめ

いかがでしょうか。労働問題での誓約書に関するトラブルは意外に多くなっています。会社での請求書に少し疑問があった場合は、労働問題が得意な弁護士に相談してみましょう。また、上記でも触れましたが、あなた自身が労働問題について調べてみると、対策も練りやすくなります。気になる記事があれば以下のコラムも見てみましょう。

出典元一覧

 

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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