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ホーム > 労働問題コラム > 不当解雇 > 退職勧奨とは|退職勧奨の手口と不当な対応をされた場合の対処法

退職勧奨とは|退職勧奨の手口と不当な対応をされた場合の対処法

更新日:2021年10月13日
飯田橋法律事務所
中野雅也 弁護士
このコラムを監修
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退職勧奨(たいしょくかんしょう)とは、会社が従業員を退職させるために退職を勧めることです。退職勧奨をされても、最終的に会社をやめるかどうかの判断は、労働者が判断するので、一方的に労働契約を終了させる解雇とは全く違います。

 

会社が従業員を解雇するには、厳しい条件があります。

ですので、会社は退職勧奨という実に巧妙な手口を使い、従業員自ら退職するように仕向け、従業員の人員調整やコスト削減を行ったりするのです。

 

今回は、退職勧奨の手口や対処法を解説します。

 

会社が退職勧奨をする目的とは

退職勧奨の3つの手口

労働者は退職を拒む権利がある

過度な退職勧奨は損害賠償の対象になる

「自己都合退社」は『会社都合』に変更可能

退職勧奨に対する対処法は?

退職勧奨を超えた『退職強要』とは?

 
退職勧奨は強制ではありません‼会社が退職を誘導してきたら弁護士に相談を

会社から退職勧奨されて対応がわからない場合、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談すると以下のようなメリットを得られます。

  • 不当な解雇を避けられる
  • パワハラなどに損害賠償を請求できる
  • 自分で会社と交渉せずに済む

弁護士に依頼すれば、交渉や不正の指摘によって退職勧奨を取り消すことができるかもしれません。話し合いによって平和的に解決したい方は、ぜひ弁護士の初回無料相談をご利用ください。

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この記事に記載の情報は2021年10月13日時点のものです

退職勧奨は辞職で退職させようとすること

冒頭でもご説明しましたが、退職勧奨を使い会社は従業員が自ら退職を選択させようとします。退職の種類はおおまかに2種類です。

 

会社が解雇通知を渡して一方的に従業員を解雇する解雇(会社都合退職)と、従業員が自らの意思で会社に辞表を提出して辞める辞職(自己都合退職)です。

 

なぜ会社は辞職にしたいのか?

辞職(自己都合退職)は基本的に労働者の自由ですが、会社が労働者を解雇(会社都合退職)するには様々な法律上の制限があります。会社が簡単に従業員を解雇することはできません。

 

仮に、解雇したとしても客観的に合理的な理由がなければ、後々トラブルにも発展することになります。

そこで、従業員を自らの意思で辞職(「自己都合退職」)させるために、会社は退職勧奨をしてくるのです。

 

それも、「辞めろ!」や「来なくていい」といったあからさまな態度ではなく、「君のためを思っている」といった雰囲気で自らの意思で辞職するよう働きかけることもあります。

 

解雇をするには客観的で合理的な理由が必要

本来、会社は簡単に従業員を解雇することはできません。「仕事ができないから」「人員が充足したから」「売上が悪いから」と、会社の都合で簡単に解雇にすることはできないのです。解雇に関しては「不当解雇の判断基準」をご覧ください。

 

 

会社が退職勧奨で使ってくる3つの手口

退職勧奨の細かい手口は様々あります。大きく3つに分けて例を説明します。

 

本記事では、独自に、直接退職を迫ってくる直接誘導型と、従業員に「辞めたい」と思わせるパワハラ型と、大手企業が社外の機関と連携し退職を誘導する外部型に分けてみました。

 

直接誘導してくる

退職勧奨の典型的なパターンです。「辞めたらどうだ」「仕事に向いていないんじゃないか」と従業員を咎める方法から、

 

  1. 「環境を変えてみたらどうだ?」
  2. 「クビより自分で辞めたほうが見栄えもいいだろ?」

 

といったように、あたかも従業員のことを思って自主的に退職するよう働きかけてくることがあります

 

最終的に、退職届にサインするよう誘導していきます。確かに、このようなことを言われたら「この会社にはもういなくていい・いたくない」と思い、転職を意識してしまうこともうなずけます。

 

パワハラを利用してくる

従業員が会社を辞めたくなるように、あえて厳しく当たるような手口を使ってくる場合もあります。急にノルマを増やしたり、暴言を吐いいたり、反対に全く仕事を与えなかったり、プロジェクトから外したりすることが考えられます。

 

大手企業には、退職させようとしている従業員を集め、極端に仕事が無かったり、逆に達成不可能なノルマがある「追い出し部屋」なる部署もあると言う話も聞きます。

 

大手が社外の機関を使ってくる

大手の場合、外部の機関を使い、更にやり方が巧妙になってきます。

 

具体例として、大手企業に属する産業医(病院に属せず企業に選任されている医師)と共謀し、休業を打診したり、精神疾患にして、解雇の理由に当てはめようとした事例も過去にはありました。

 

傷害致死の公訴事実で起訴されて起訴休職中であった原告につき、起訴休職期間の上限を2年とする就業規則には合理性があり、起訴休職期間満了後に「雇用関係を維持しがたい場合」に当たるとしてされた原告に対する解雇は有効であるとして、原告の地位確認及び賃金等の請求が棄却され、当事者間に再雇用の合意があったとも認められないとして、原告の予備的な損害賠償請求も棄却された事例

 

裁判年月日 平成30年 4月19日

裁判所名 大阪高裁 裁判区分 判決
事件番号 平29(ネ)2559号
事件名 地位確認等請求控訴事件
裁判結果 棄却

引用元:判例検索westlawjapan|文献番号2018WLJPCA04196010

 

また、人材紹介会社と共謀し、退職勧奨をしてくる方法もあるようです

 

簡単に説明すると、スキルアップの名目で人材紹介会社に出向させ、そこで人材紹介会社の職員に「別業界で適正がある」と診断させます。そして、会社に戻ってくると、上司から「へえ~、スキルアップのために転職してみても良いんじゃないか。ウチはなんとかなるよ」と言った感じで転職を勧めてきます。

 

非常に手の込んだ方法ですが、このよう人材紹介会社を使った巧妙な方法も新たに出てきているようです。

 

人材紹介会社へ丸投げ「新リストラ方法」とは?
「追い出し部屋」から新しい展開、驚愕のリストラ方法が登場


リストラとは、企業が環境の変化に柔軟に対応し、事業を効果的に再構築することをいいます。しかし、「会社をリストラされた」「リストラが怖い」といった声を耳にすることがあるように、「労働者の首を切る」という意味合いが世間では浸透しています。
 

社員の自主的退職を促す「追い出し部屋」など、あの手この手のさまざまなリストラの方法が講じられる中、新しいリストラ方法が登場しました。それが、「人材紹介会社へ丸投げリストラ法」です。
引用元:人材紹介会社へ丸投げ「新リストラ方法」とは? │asQmii[解決!アスクミー] JIJICO

 

 

退職勧奨は労働者に拒む権利がある

このように、様々な方法がある退職勧奨。「辞めたらどうだ」と分かりやすく面と言われても、拒む権利があります。巧妙に退職勧奨されても自分で先のことを考えて腑に落ちなければ応じないようにして下さい。

 

会社から勧められたからといって、それに従う義務はありません。理不尽に思えば拒んで、退職を勧めた理由を聞いて下さい。本当に今の会社で働き続けたいのであれば、惑わされないようにしましょう。

 

退職勧奨によって、退職届にサインをしてしまうと、書面上あなたの方から退職を願い出た辞職(「自己都合」での退職)になります。

 

退職勧奨されたからといって、簡単に退職届にサインをしないようにして下さい。

 

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退職勧奨が繰り返されると退職強要になる

しかし、悪質な会社は拒んでも一筋縄では行きません。

 

退職勧奨を拒んだことを理由に、会社がしびれを切らして解雇されたり、余計パワハラがひどくなったり、不当に部署異動されたりすることも考えられます。

 

損害賠償を請求できる場合がある

退職勧奨は、会社が不当(違法)に従業員を解雇しないよう辞職を勧める手法ですが、会社がしびれを切らして不当な扱いをしてくると、いよいよ法に反した行為が考えられます。退職勧奨を繰り返し行う行為は、退職強要になり不法行為であると評価されることがあります

 

この場合、損害賠償や、不当に受けた扱いの撤回を求めることができます。状況を詳しくまとめたうえで(ボイスレコーダーなどの証拠があると強力です)、労働問題を得意とする弁護士に相談されてみてください。

 

ひどい場合は強要罪にもなる

あまりにもひどい場合、退職を強要しているとして、強要罪という犯罪になる可能性もあります。

 

こちらも証拠を集めた上で、弁護士に相談して下さい。ただ、このような場合、このまま会社に残ることも気持ちいいものではありません。退職を検討の上、会社と本格的に対峙することになるでしょう。

 

拒み続けると解雇されるケースがある

労働者が、会社からの退職勧奨を拒み続けると、会社から不当に解雇されてしまう事態が生じることがあります。会社が解雇するまでの理由がないことから退職勧奨をしていた経緯なのであれば、退職勧奨を拒否をしたら突如として解雇をされた場合は、不当解雇である可能性が高いと言っていいでしょう。

 

もし、退職勧奨を受けている場合は「不当解雇の判断基準と3つの対処法」を詳しくご覧の上、弁護士に相談して下さい。

 

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退職勧奨での自己都合退職から会社都合退職に出来ないのか?

しかし、既に退職勧奨で、既に退職してしまった方や、退職届にサインをしてしまった人もいらっしゃると思います。そのような方に現状を少しでもよくできるためのヒントをお伝えします。

 

自己都合退職よりも会社都合退職が今後有利になる

既に述べましたが、退職の理由は2種類に分かれます。自己都合退職と会社都合退社です。再就職の際、履歴書にもこのことは記載しますが、その際、どちらかに有利不利というものはありません。

 

ただ、退職後に失業手当を受け取る場合に大きな違いが出てきます。結論を言えば、完全に会社都合退社が有利になります。

 

例えば、給付期間が違ったり、自己都合退社では、支払開始日が遅くなり、それまでの生活が厳しくなることも往々にしてあります。

 

 

会社都合退社

自己都合退社

給付制限

なし

あり

給付日数

90~330日

90~150日

支給開始日数

7日後

2ヶ月後(

国民健康保険料

最大2年間軽減

通常納付

最大支給額

約260万円

約118万円

令和2年10月1日以降に離職された方は、正当な理由がない自己都合により退職 した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月となります。 詳しくは、お近くのハローワークや、都道府県労働局までお問い合わせください。 ※ 令和2年9月30日までに正当な理由がない自己都合によりで退職された方は、給付制限期間が3か月となります ※ 自己の責めに帰すべき重大な理由で退職された方の給付制限期間はこれまでどおり3か月となります

【引用】厚生労働省|失業等給付を受給される皆さまへ

退職届にサインをしてしまったら会社都合退社に変えることは難しい

簡単に退職届にサインをしないで下さい」とお伝えしましたが、退職届にサインをしてしまえば、自己都合退社となり、簡単に変更することは難しくなります。

 

変更できる場合は、退職届の記入を強要されたり、退職届と本人の認識の無いままサインをしてしまった場合などです。

 

ここでも重要になるものは、やはり証拠です。

 

例えば、「これにサインしろ!」と言われている状況を録音したレコーダーや、繰り返し行なわれた退職勧奨の状況(パワハラや部署転換など)をメモしたもの(メールや書面があればより強力)などです。

【関連記事】退職届を拒否されたら|退職に関する労働者有利な権利と具体的な解決方法

 

自己都合退社を会社都合に変える方法

自己都合退社を会社都合に変更するには、ハローワークに申請します。

 

あなたが集めた証拠を元(証拠が少ないとなかなか動いてくれません)にハローワークが会社に事実確認を行ないます。報告内容と、事実が一致した場合、自己都合退社から会社都合退社に変更されるでしょう。

 

また、

 

  • 「事務職で入社したのに、営業に回された」
  • 「60時間残業したら残業代が払われなくなった」

 

などの会社の場合も、一部変更を認められる場合がありますので、失業手当の手続きの際にハローワークに証拠を持って相談しましょう

 

まとめ

退職勧奨は、簡単に解雇できない会社が従業員を削減するために使ってくる手口です。簡単には応じず、自身が働き続ける意志があれば、拒み続けて下さい。
 
もし、拒んだことにより、パワハラや不当解雇、不当部署異動などが行なわれた際は、可能なかぎりの証拠を集め「労働問題を得意とする弁護士」にまずは無料相談されてみてください。

 

 

退職に追い込まれそう...とお悩みの方は
弁護士に相談することで解決する事もあります

従業員を解雇するには『客観的・合理的理由があり、社会通念上相当である』と、認めるに足りる理由が必要です。会社は「退職してくれませんか」とお願いをしているに過ぎませんので、あなたが『嫌だ』と断れば大丈夫です。しかし、何度も呼び出し執拗に繰り返す『過度な退職勧奨は不法行為として損害賠償の対象』になります。

ひとりでは解決できないときは、弁護士に相談しても良いでしょう。あなたの代理人となり、会社に対して違法な退職勧奨を辞めるように通知、場合によっては損害賠償の請求も行います。

実際に依頼するかは別として、現在直面している問題に対して、どのような対応が適切なのか、具体的に相談してみることをおすすめします。電話相談可能、相談料無料の弁護士も多数おります。

 

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この記事の監修者
飯田橋法律事務所
中野雅也 弁護士 (東京弁護士会)
大江忠・田中豊法律事務所を経て飯田橋法律事務所を設立。中小企業法務(契約、労務、債権回収、顧問弁護士等)を中心とし一般民事、労働(解雇)及び家事(相続)事件等のリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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その際請求が出来るのは、解雇されたことにより受け取れなかった期待賃金になります。
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退職するよう会社から圧力をかけられています。拒否することは出来ないのでしょうか。

不当解雇を防ぐために自己都合退職を迫る、「退職勧奨」の手口です。
会社から退職を勧められたとしても、それに従う必要はありません。今の会社に残りたいと考えるならば、拒み続けても問題ありませんので、安易に退職届にサインをするのは控えましょう。
それでもパワハラなどを絡めて退職を強要してきた場合には、損害賠償を請求できる可能性が生じますので弁護士に相談するのも一つの手です。

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一方的にリストラを通知され、明日から来なくていいと言われましたが、リストラだからと言って急に辞めされることは合法なのでしょうか。

リストラ(整理解雇)を行うためには、選定の合理的理由や、解雇回避努力の履行など、企業側が満たすべき要件が複数あります。
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懲戒解雇を言い渡されましたが、納得がいきません。懲戒解雇が妥当になるのはどのような場合でしょうか。

就業規則に明記されていない限り、会社が何らかの事由によって懲戒解雇処分を通知することは出来ません。まずは会社の就業規則を確認しましょう。
また、重大な犯罪行為や重大な経歴詐称など、著しく重要な問題に抵触しない限り懲戒解雇を受けることはありません。
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試用期間中に解雇を言い渡されましたが、違法性を主張することは出来ますか。

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