パワハラ・セクハラ・未払い残業代・過重労働・リストラなどの労働トラブルが起こった際に、専門家に相談したくても費用がネックになり、相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。
そんな方々を、いざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。
労働トラブルに限らず、交通事故や離婚トラブル、子供のいじめなど様々な法律トラブルでも利用可能です。
弁護士保険で法律トラブルに備える
会社を解雇された方の中には「どこに相談すればいい?」「ハローワークではどんな相談ができる?」と疑問や不安を抱えている方もいるでしょう。
ハローワークは就職活動や失業保険の相談窓口であるため、不当解雇に関する相談はできません。
そのため、不当解雇に関する悩みは弁護士などに適切な相談をしましょう。
本記事では、不当解雇をされた場合の相談先を紹介するとともに、ハローワークではどのような相談ができるのか、詳しく解説していきます。
労働契約法には、不当解雇について、以下のように記載されています。
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
合理的な理由や社会的相当性がないのに突然解雇されたような場合は不当解雇に該当し、法的に無効となります。
不当解雇の事例は、以下をご覧ください。
【不当解雇の事例】
会社から上記のような理由で解雇されたとしても、残念ながらハローワークでは相談を受け付けてくれません。
ハローワークではどのような相談ができるのかについて解説していきます。
ハローワークは不当解雇について相談する窓口ではなく、解雇されたあとに、新たな勤務先や、仕事が見つかるまでの保険などについて相談する窓口です。
解雇そのものの違法性や妥当性について審査する機関ではないため、ハローワークには不当解雇に関する相談はできません。
警察についても、民事不介入の原則があり、不当解雇は刑法罪でもないため、相談した際、話は聞いてもらえるかもしれませんが、問題解決のための対応をしてもらうことは難しいでしょう。
さらに、不当解雇された場合、適切な相談先に不当解雇の相談をせず、ハローワークに行くことにはリスクもあります。
解雇後に会社から受け取る離職票には、不当解雇の場合「自己都合」と記載されている可能性があるからです。
もしあなたが「自己都合」と記載された離職票をハローワークへ提出すると、自己都合退職のまま失業保険の申請が進んでしまいます。
自己都合退職で失業保険を受給した場合、会社都合での退職時よりも、保険金の給付時期や金額が不利になるため注意が必要です。
不当解雇であるにもかかわらず、離職票に「自己都合」と記載されていた場合には、ハローワークに異議申立書を提出することで、会社都合での退職に変更される可能性があります。
離職票以外の観点でも、適切な相談先を見つけることで、より良い方法で解決を目指せる可能性があるため、不当解雇された場合には、最初にハローワークへ行くのではなく、まずは適切な相談先へ相談しましょう。
ハローワークで相談できる内容は主に次の3つです。
就職活動 |
・求人の紹介 ・面接のサポート ・紹介状の発行 |
職業訓練 |
職業訓練の紹介 |
失業保険 |
失業手当の受給手続 |
ハローワークの業務は主に、会社を退職した方や解雇された方に対し、再就職をしたり技能やスキルを身に付けたりするためのサポートをすることです。
具体的には、求人の紹介や面接対策などの相談にのってくれるほか、失業中に仕事に役立つスキルを磨いたり、資格を取ったりしたい方に、職業訓練の紹介もしています。
失業保険の手続きもハローワークが担当しており、住所地を管轄するハローワークに求職申込みをしてから、離職票を提出することで、失業保険受給の申請ができます。
このようにハローワークは仕事を失った方などに対して、仕事に就くための支援をする場所ですので、解雇が不当であったことを相談する窓口ではありません。
不当解雇に関する相談は、別の窓口へしましょう。
不当解雇について相談できる主な窓口は、次の3つです。
この中で最もおすすめなのは弁護士です。
弁護士であれば会社へ不当解雇を認めさせ、解雇の取り消しや解決金の支払いの交渉が可能です。
労働組合や労働基準監督署も相談できますが、弁護士に相談するほどの効果を得ることは難しいでしょう。
それぞれの相談先でどのような相談ができ、どんな効果が期待できるのか、詳しく解説していきます。
弁護士は会社との交渉を代理してくれるため、不当解雇をされた際に最もおすすめの相談先といえます。
不当解雇された際、「会社と交渉したくない」と考える方は珍しくありません。
そういった状況では、あなたの代わりに会社と交渉してくれる弁護士に魅力を感じられるでしょう。
また、交渉によって解決できない場合には法的措置も検討しなければなりませんが、弁護士を頼れば、具体的にどのような方法で解決を目指すのかについても相談できます。
また、未払の賃金や残業代があるときは解雇の撤回とともに支払いを請求できるため、弁護士へ相談すれば、さまざまな問題に対し、まとめて対策を講じてもらえる点もおすすめポイントです。
勤務先に労働組合があれば労働組合に不当解雇を訴えて解決を目指す方法があります。
労働組合には会社との団体交渉権があり、会社は基本的に団体交渉を拒否できないため、交渉の結果、会社が解雇を撤回するかもしれません。
しかし労働組合が会社に交渉してくれるとは限らず、また交渉してくれたとしても、必ず不当解雇に関する問題を解決できるとはいえないため、注意が必要です。
なお、会社に労働組合がない場合、合同労働組合へ相談する方法もあります。
合同労働組合とは、複数の企業の従業員で構成される労働組合で、一人からでも加入可能です。
合同労働組合に所属している場合、会社と交渉してくれる可能性があるため、不当解雇された場合の相談先として検討する余地があります。
労働基準監督署にも不当解雇の相談ができます。
労働基準監督署とは、労働基準法違反について監督する、厚生労働省の出先機関です。
労働基準監督署には総合労働相談コーナーという、労働に関するさまざまな相談ができる窓口があり、不当解雇の相談をすることで、助言やそのほかの相談先を案内してくれる可能性があります。
例えば解雇予告手当の不払いや、産前産後休業・労災明けの解雇などは労働基準法に違反する不当解雇であるため、労働基準監督署から会社に指導してもらえるかもしれません。
その一方、労働基準監督署は基本的に労働基準法違反がないかどうかを監督する機関であるため、労働契約法に基づく解雇に関しては、積極的に対応してもらえない可能性があります。
不当解雇について相談する場合、弁護士がおすすめです。
労働組合や労働基準監督署へ相談しても、解決に向けた対応をしてくれるとは限らない一方、弁護士に相談することには、以下のメリットがあるからです。
【弁護士に不当解雇に関する相談をするメリット】
弁護士に相談すれば、依頼前などの早い段階で交渉の問題解決のプロセスとゴールを提示してもらえるうえ、最終手段として訴えを起こせる状態であることを会社に示せるため、個人的に不当解雇の取消を請求するより、会社から真摯に対応してもらえる可能性があります。
次の項目から、不当解雇の解決方法として弁護士への相談が適している5つの理由を、詳しく解説していきます。
法律の専門家として「不当解雇にあたるのかどうか」を判断してもらえて、現状をより適切に把握できるところが弁護士への相談をおすすめする理由です。
自分で「不当解雇では?」と考えていても、法的には不当解雇といえない可能性があるため、誤った判断によって取消請求を求め、貴重な時間や労力を無駄にしてしまうかもしれません。
しかし、労働問題に詳しい弁護士に相談すれば、法的な解釈に加えこれまでの事例などを参考に不当解雇かどうかを客観的に判断してもらえます。
不当解雇であれば時間とお金をかけて会社に訴えるメリットがある一方、不当解雇でないなら早期に「不当解雇の訴えを求めない」という選択ができるため、弁護士への相談時に不当解雇かどうかを判断してもらえることはメリットがあるといえます。
不当解雇された状況をふまえ、どのような方法で解決を目指すのが最適なのかを提案してもらえる点も、弁護士への相談をおすすめ理由です。
不当解雇の解決策は、主に以下の2点です。
【不当解雇の解決策】
弁護士へ相談すれば、あなたの状況や希望を伝えたうえで解決策を提案してもらえます。
具体的には、「解雇を取り消して再雇用してもらいたい」「解決金を受け取って退職したい」など、あなたの希望に応じた対処法を提案してもらえるため、弁護士への相談をおすすめします。
一般の方が最適な解決策を導き出すことは困難ですが、雇用問題に詳しい弁護士なら解決までの具体的な手順・方法も提案してくれるでしょう。
弁護士に相談をして不当解雇が法的に成立すると判断された場合、会社側としては「裁判になると勝てる見込みが薄い」と考える可能性があるため、話し合いで解決しやすくなります。
あなたにとっても、裁判をするより話し合いで解決した方が、時間や手間暇がかからないため、弁護士に相談するメリットを感じられるでしょう。
不当解雇された場合、どのように対処すればよいのかわからなかったり、会社に相手にされなかったりという状況から、泣き寝入りする方は少なくありません。
しかし弁護士に交渉してもらうことであなたの意思の強さが伝わり、会社が真摯に対応してくれることがあるため、解雇の取消や解決金の支払いなどの要求を受け入れてもらいやすくなる可能性もあります。
弁護士へ依頼すると、不当解雇への対処は、基本的に以下の流れで進められます。
【不当解雇に関する問題を解決するまでの流れ】
弁護士へ依頼すれば、上記4点を全て任せられます。
例えば、労働審判や訴訟は裁判所への手続きでは、提出書類の準備などをしなければなりません。
また、労働審判は数カ月、労働裁判は数カ月~1年以上かかることがあります。
このような点から一般の方が労働審判や労働裁判の対応をすることは難しいですが、弁護士へ依頼すれば、会社との交渉を含めて円滑かつ有利に進めてくれるため、力を借りることをおすすめします。
弁護士へ依頼すると、会社に対して、ほかに請求できるものがあるかどうかなどのアドバイスをもらえます。
不当解雇をされた場合、以下の請求ができる可能性があります。
上記の手当などを払わずに不当解雇をする会社があるため、自力で問題を解決しようとすると、本来受け取れるはずの金銭を見落とす可能性があります。
しかし弁護士へ相談すれば、ほかに請求できるものがないかを調べてもらえるうえ、請求できるものがあれば、弁護士に手続きをしてもらえます。
このように不当解雇問題の解決だけでなく、その他の本来受け取れる利益を見落とすことなく請求でき、手続きの代行もしてもらえるところが弁護士へ不当解雇に関する相談をするメリットです。
不当解雇の問題を弁護士へ相談する前には、以下の準備をしておくことをおすすめします。
【不当解雇の問題を相談する前の準備事項】
上記の準備をしておくと、会社との交渉を有利に進められるため、次の項目から、不当解雇の問題を相談する前の準備事項を確認していきましょう。
会社から解雇だと言われても、同意せずに仕事を続ける意思があることを伝えておきましょう。
なぜなら、会社から解雇されることを告げられた際に同意をすると「自己都合退職」と判断される証拠になり、後々、不当解雇に関する交渉や法的手続きの段階で不利になることがあるためです。
会社から「解雇だ」と言われた場合、「わかりました」と答えたり、解雇に関する書類にサインをしたりせずに、働く意思があることを明確に伝えましょう。
不当解雇の問題を相談する際は、解雇に至るまでの経緯を明確に説明できるようにしておきましょう。
労働契約法には「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効」と記されているため、労働審判や裁判になった場合、どのような経緯でなぜ解雇に至ったのかが「合理的な理由かどうか」を判断するための材料となります。
そのため、弁護士へ相談する際には、以下の6点をノートなどにまとめておきましょう。
【弁護士への相談前にまとめておくこと】
上記6点以外にも、未払いの賃金があったり、退職金が支給されなかったりなど、気になる点がある場合にはノートなどにまとめて、迅速に説明できるよう準備しておくことをおすすめします。
解雇の理由やプロセスが就業規則に違反していることがあるため、退職前に会社の就業規則を確認しておきましょう。
また「会社から就業規則違反」を理由に解雇される可能性があるため、その際には就業規則のどの部分に違反しているかの確認も重要です。
できれば、手元に書類として残し、弁護士が就業規則をすぐに確認できるように準備しておくとよいでしょう。
団体交渉や訴訟などで争う場合、不当解雇された事実を客観的に証明できる証拠を集めることが重要です。
「解雇の理由が正しいか」「一方的に会社が解雇を言い渡したのか」を証明できないと、弁護士が不当解雇の相談を受け入れてくれない可能性があるためです。
そのため、弁護士へ相談する際には以下のような証拠を集めておきましょう。
上記の中から提出できる証拠があれば、できる限り多く用意して弁護士へ相談しましょう。
弁護士などに相談する際には、不当解雇と認められた場合に、何を勤務先に求めるのかを決めておくことが重要です。
会社が不当解雇を認めた場合、労働者は以下のいずれかを選択するケースが多いです。
【労働者が会社に要求することの例】
どの方法を希望するのかによって、弁護士の戦略は異なります。
法律事務所の相談窓口に電話をすると「どうしたいのか」を聞かれることが多いため、会社に何を求めたいのかを明確にしておきましょう。
なお、どの方法が最適なのかは、詳細は経緯や状況をヒアリングのうえ、弁護士からアドバイスをもらえるため、どうしたいのか決めかねている場合は、その旨を相談すればよいでしょう。
解雇の相談でよくある質問を紹介していきます。
不当解雇をされたにも関わらず会社から受け取って離職票に「自己都合」と書かれていた場合、そのままハローワークへ提出すると、自己都合退職として失業保険の申請が進められてしまうため、支給時期が遅れる、受給金額が低くなるなど、会社都合での退職よりも損をしてしまいます。
不当解雇なのに「自己都合」と離職票に記載されていた場合には、「異議申立書」を作成して、離職票とともにハローワークへ提出するとハローワークに退職理由を審査してもらうことができ、「会社都合」と審査で認められれば会社都合扱いに変更できます。
異議申立書には、不当解雇された旨や現在係争中であることを記載して、会社都合退職であることを主張しましょう。
審査に通過しやすい異議申立書を作成するためには、会社都合退職であることを示す客観的な資料が必要です。
自力での対応が不安な方は、弁護士へ相談しましょう。
弁護士が作成できるため、不当解雇であるにも関わらず自己都合と離職票に書かれていた場合には弁護士への相談をおすすめします。
退職勧奨とは会社が従業員に退職を促すことです。
あくまでも促しているだけですので、そのまま働き続けたい場合には退職勧奨に応じる義務はありません。
退職したくない場合には、その旨を会社に伝えましょう。
なお、何度も退職勧奨をおこなうことは従業員に対して精神的な苦痛を与えることになるため、慰謝料の対象になることもあります。
また、退職勧奨する理由として従業員に解雇理由がある場合には、退職勧奨を断った場合には解雇される可能性があります。
ほかにも退職勧奨を拒否したあと、会社でのパワハラがひどくなったり、不当に部署異動させられたりした場合には、退職の強要に該当し、違法になる可能性があるため、弁護士へ相談することをおすすめします。
解雇には時効がないため、不当解雇されてから何年経っても会社を訴えることは可能です。
しかし以下の理由から、不当解雇を訴えるのは早いほうがよいでしょう。
【不当解雇の訴えは早いほうがよい理由】
不当解雇を訴えることはできても、慰謝料請求ができなくなったり、不当解雇の訴えをした際に不利になったり可能性があります。
このような理由から不当解雇された場合、早めに弁護士へ相談しましょう。
基本的には法律事務所の営業時間内しか解雇の相談をすることはできません。
しかし、仕事が終わるのが遅い場合には、営業時間中に電話相談などをすることが難しいケースもあるでしょう。
このような場合には、24時間のメール相談受付をしている法律事務所を探すことをおすすめします。
不当解雇をされてしまったら弁護士へ相談するのがおすすめです。
不当解雇の相談は労働組合や労基署でも可能ですが、金銭的な解決などに至るケースはそれほど多くありません。
しかし弁護士であれば、会社は誠実に対応せざるを得ませんし、仮に労働審判や訴訟になっても法律の専門家である弁護士であれば、適切に対応できます。
弁護士への相談は電話でも可能ですが、仕事が忙しい会社員の方はメールで問い合わせるのがおすすめです。
ベンナビ労働問題を使えば、電話だけでなく、メール相談も可能で、なおかつあなたの希望に合う法律事務所を効率良く探せるため、不当解雇についてお悩みの場合には、ぜひご活用ください。
弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます
労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。
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不法な解雇により労働者に不利益が生じた場合、労働者は企業相手に慰謝料請求を行うことが出来ます。
その際請求が出来るのは、解雇されたことにより受け取れなかった期待賃金になります。
ただし、解雇の不当性は弁護士を通じて正しく立証する必要があります。
不当解雇を防ぐために自己都合退職を迫る、「退職勧奨」の手口です。
会社から退職を勧められたとしても、それに従う必要はありません。今の会社に残りたいと考えるならば、拒み続けても問題ありませんので、安易に退職届にサインをするのは控えましょう。
それでもパワハラなどを絡めて退職を強要してきた場合には、損害賠償を請求できる可能性が生じますので弁護士に相談するのも一つの手です。
リストラ(整理解雇)を行うためには、選定の合理的理由や、解雇回避努力の履行など、企業側が満たすべき要件が複数あります。
上層部の私情によるものや、勤務態度や成績に依存しないリストラは認められないと定められています。
就業規則に明記されていない限り、会社が何らかの事由によって懲戒解雇処分を通知することは出来ません。まずは会社の就業規則を確認しましょう。
また、重大な犯罪行為や重大な経歴詐称など、著しく重要な問題に抵触しない限り懲戒解雇を受けることはありません。
会社の裁量基準に納得がいかず、撤回を求めたい方は早急に弁護士に相談しましょう。
前提として、企業は求職者を採用する際に長期契約を念頭において雇用契約を結ぶため、試用期間を設けられたとしても「向いてなさそうだから…」や「なんか気にくわない…」という理由で一方的に解雇することは出来ません。
もし解雇に妥当性がないと言い張る場合は、解雇の撤回を要求するか、解雇されなかった場合に受け取れるであろう期待未払い賃金の請求が可能です。