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うつ病で退職|傷病手当の受給条件と自立支援制度
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うつ病で退職|傷病手当の受給条件と自立支援制度

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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うつ病になったとき、治療や精神的、体力的負担などによって退職を考える方もいるのではないでしょうか。2014年に行われた厚生労働省の調査では、うつ病などのメンタルヘルスを理由に退職した方は対象の労働者のうちの0.2%と発表されています。

 

引用元:厚生労働省|平成27年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況

 

うつ病で退職を考えたとき、退職までの流れや退職後の生活費が気になるのではないでしょうか? うつ病で退職する際、治療費や生活費は労災保険や雇用保険を申請することで補償されることがあります

 

この記事では、うつ病で退職する場合の流れや補償について、わかりやすくご紹介します。

 

今の会社でうつ病になった場合に考えるべきこと

今の会社で働くうちに、うつ病もしくはうつに近い症状を発症した場合、たとえ休職後に復職したとしても快方に向かう可能性は高くありません。

自分自身を守るために最も大事なことは、休職中により良い労働環境を見つけることです。きちんと休んだ後は、その後の自分の明るい未来のために、次の就職先を見つけることをおすすめします。

 

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うつ病発症後から退職までの流れ

もしうつ病を発症してしまい、仕事を続けるのが難しくなったとき、どのような流れで退職するのでしょうか。

 

この項目では、退職の流れと退職理由などについてご紹介します。

 

退職の意思を会社に表明する

退職の手続きは就業規則で退職1ヶ月前までに届け出ると定められているケースが多いです。

 

一方、正社員のように期間の定めのない雇用契約では、労働者が退職の意思を表明して2週間が経過すれば、退職の効力が生じます。

 

当事者が雇用期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用:民法627

 

そのため、法律上は必ずしも1ヶ月以上の期間が必要というわけではありません

 

労働者(正社員)が退職したい場合、会社に対して退職の意思を明確に伝えればそれでよいのです。

 

このような退職の意思表明は、郵送でもメールでもOKです。ただし、退職意思を明確にしたことが後々証明できるよう、内容証明郵便またはメールなど記録に残る方法で行っておくのが無難でしょう。

 

自己都合退職・会社都合退職の違い

退職には、2つの種類があります。

 

自己都合退職

一般的に怪我や病気などの私傷病を理由に退職する場合は自己都合退職となります。そのため、業務外の理由でうつ病を発症し、就労困難となったという場合は自己都合退職とするのが通常です。

 

おすすめ記事:自己都合退職と会社都合退職の大きな違いは失業手当にあった

 

会社都合退職

長時間労働やパワハラなど、会社に帰責すべき事由によってうつ病を発症したという場合、退職理由が会社都合退職となることがあります。

 

会社都合退職は、自己都合退職に比べ失業保険(基本手当)などの給付日数が長い、給付までの待機期間が短く済むなどのメリットもあります。

 

ただ、この場合、会社が退職理由を争う可能性がありますので、会社都合退職であることを主張するための証拠は準備しておいた方がよいでしょう。会社と退職理由を争う場合、最終的には労働局やハローワークで退職理由の判断を行います。

 

おすすめ記事:労働保険の労災保険と雇用保険|制度と加入手続き

 

退職後に考える保険手続き

退職した場合、以下の保険の変更手続きが必要になります。

 

  • 健康保険
  • 雇用保険
  • 厚生年金

 

この3つは特に重要なので、詳しく説明していきます。

 

健康保険の手続き

会社を退職するとそれまでの健康保険が使えなくなります。健康保険の変更手続きは以下の3つのうちから選びます。

 

  • 国民健康保険に加入する
  • 社会保険を任意継続する
  • 家族の健康保険の扶養者になる

 

注意点として、社会保険の任意継続を希望する場合は退職日から20日以内に申請しなければならないので、退職する前に確認しておきましょう。

 

関連リンク:全国健康保険協会|任意継続とは

 

雇用保険(基本手当)の手続き

退職後、再就職の意思があるのにもかかわらず就職先が見つからない場合は、雇用保険の失業手当を申請することができます。

 

「うつ病のためすぐに就職はできないけど就職先があれば働きたい。」という場合は、病気などの諸事情ですぐに働けない旨を申請しておくと、受給期間を延長できるケースもあります。

 

おすすめ記事:雇用保険の失業等給付を解説|給付金額・申請まで

 

厚生年金の手続き

定年後に支給される年金は、厚生年金と国民年金があります。会社に所属しているときは、厚生年金が給与から差し引かれていたはずです。そのため退職すると厚生年金ではなく、国民年金に切り替える必要があります

 

厚生年金から国民年金への切替えは、お住まいの市区町村役所の国民年金担当窓口で行うことができます。

 

関連リンク:日本年金機構|国民年金への変更手続きはお済みですか?

 

 

うつ病で退職する人ばかりじゃない|仕事に対してのストレス統計

うつ病は、いつ誰がなってもおかしくない病気です。

 

厚生労働省が発表した統計によると、仕事に対して強いストレスを感じている人は決して少なくないことが明らかにされています。

 

引用元:厚生労働省|【労働者調査】仕事や職業生活における不安やストレスに関する事項

 

これらの負担が積み重なることで、うつ病を発症してしまうことがあります。

 

うつ病で退職することは、決して悪いことではなく、誰にでも起こり得ることです。

 

うつ病で退職する前に確認したい傷病手当の受給条件

以下の要件を満たす場合、健康保険の傷病手当が受給できます。

 

  • 業務外の病気やケガで療養中であること
  • 療養のための労務不能であること
  • 4日以上仕事を休んでいること
  • 給与の支払いがないこと

 

業務外の理由でうつ病となり就労困難ということであれば、傷病手当を受給できるかもしれません。原則として標準報酬月額の約67%の金額が支給されます。

 

関連リンク:全国健康保険協会|病気やケガで会社を休んだとき

 

傷病手当を申請するときの注意点

傷病手当金は一定の要件を満たす場合には退職後も受給可能です。具体的には以下のとおりです。

 

  • 被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間があること
  • 資格喪失時に傷病手当金を受けているか、または受ける要件を満たしていること

 

おすすめ記事:協会けんぽ|傷病手当金よくある質問集

 

うつ病からの復帰に向けて利用したい支援制度

この項目では、うつ病からの復帰に向けて利用できる支援制度についてご紹介します。

 

自立支援医療

うつ病の治療で気になるのは医療費の負担ですよね。そこで利用したいのが、医療費の負担を軽減できる自立支援医療という制度です。

 

自立支援医療は、以下の精神疾患によって治療を続ける必要がある方が利用できます。

 

  • うつ病などの気分障害
  • 統合失調症
  • 不安障害
  • 薬物を始めとした依存症
  • 知的障害
  • 精神病質
  • てんかん

参考: 厚生労働省|みんなのメンタルヘルス総合サイト

 

条件を満たすと、医療費の負担を通常の3割から1割に軽減することができます。

 

生活福祉資金貸付制度

うつ病で退職した後、どうしても生活に困窮した場合、生活福祉資金貸付制度があります。制度の利用条件は、以下のとおりです。

 

  • 必要な資金を他から借りることができない低所得者
  • 障害者手帳等の交付を受けた障碍者
  • 65歳以上の高齢者 など

参考:厚生労働省|生活福祉資金貸付制度

 

生活保護

最後に、生活保護制度についてです。生活保護を受けるためには、さまざまな要件が課せられています。その要件とは、以下のとおりです

 

  • 援助してくれる身内や親類がいない
  • 不動産や自動車など資産をまったく持っていない
  • 病気や怪我で働くことができない

参考:厚生労働省|生活保護制度

 

生活保護は、国民が最低限、文化的な生活を送るためのセーフティーネットであり、最後の手段と考えてください。また、申請許可には厳しい審査もあるため、詳しくはお住まいの都道府県に設置された社会福祉事務所に問い合わせましょう。

 

関連リンク:厚生労働省|福祉事務所一覧

 

うつ病で退職するときに考えたい労働問題

この項目では、労災やパワハラ、残業代請求などの労働問題についてご紹介します。

 

うつ病の原因が業務の場合は労災申請

うつ病の原因が長時間労働やパワハラなどの場合は、労災申請をすることを検討してもよいでしょう。

 

労働基準監督署によって傷病が業務に起因するものと認定された場合、治療費や休業補償を受けることができます。うつ病は時間が経ってから発症することもあるため、退職後に申請することも可能です。

 

おすすめ記事:パワハラをされた人が労災認定を得るための条件と全手順

 

会社に対する補償請求

うつ病が業務に起因し、かつ会社に安全配慮義務違反がある場合、会社に対してうつ病により被った損害の賠償請求をすることもできます。

 

もし、うつ病について労災認定を受けていれば、会社に対する請求も比較的認められやすくなります。

 

おすすめ記事:パワハラ上司の訴えかた|パワハラで訴える時に考える5つのこと

 

退職時に確認しておきたい残業代請求

会社を退職する際に、確認しておきたいのが残業代です。もしもサービス残業などで未払いの残業代がある場合は、会社に支払請求をすることができます。

 

おすすめ記事:残業代請求によって未払い残業代を獲得する手順と注意点

 

 

うつ病はしっかり休養することが重要

うつ病は『心の風邪』ともいいますが、風邪のように簡単に回復できない病気です。退職後、療養期間を十分に取らないで再就職してしまうと、症状の悪化や再発の可能性もあります。

 

しっかり治して健康になれば、働くことはいつでもできます。決して焦らずに、身体を最優先して休んでください。

 

この記事で、うつ病で退職される方の疑問が解消されれば幸いです。

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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