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サービス残業は当たり前?残業時間の実態と未払い残業代の請求方法
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サービス残業は当たり前?残業時間の実態と未払い残業代の請求方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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サービス残業とは、法定労働時間を超えて仕事をしたにも関わらず、会社側から割増賃金が支給されない状態を指します。

 

このようなサービス残業は、伝統的に行われており、どの会社にもあるものとして半ばあきらめて受け入れている労働者も多いと思われます。

 

しかし、サービス残業として残業代が支払われていないような場合は、未払い残業代の請求をする法律上の権利が労働者にあります

 

残業について正しい知識を身につけて、不正な未払いに対応していきましょう。この記事では、

 

  1. サービス残業の実態や
  2. 残業代の種類や残業代請求方法
  3. 残業代請求が適用にならない条件 など

 

幅広くお届けします。

 

 

 

 

サービス残業の実態|就業形態・業界別のサービス残業事情

サービス残業はどの企業でも当たり前に行われているものなのでしょうか?

 

日本労働組合連合会が2015年に実施した調査によると、約4割強の労働者が「不払い残業をせざるを得ないことがある」と回答。

 

就業形態別の平均サービス残業時間

図:賃金不払い残業(サービス残業)をせざるを得ないことがあるか、ないか

参考:日本労働組合連合会|労働時間に関する調査

 

残業時間の平均は一般社員で月18.6時間でしたが、不払い残業が蔓延している実態が明らかになる結果となったそうです。

 

残業時間は、「10 時間未満:59.7%」、「10 時間~20 時間未満:16.8%」となり、平均時間は16.7 時間となりました。

 

参考:日本労働組合連合会|労働時間に関する調査

 

【関連記事】残業時間の平均は47時間|残業代がつり合わない時の対処法

 

サービス残業についての典型例5つ

定時以降の就業時間を記録させない

タイムカードは労働者の労働時間を管理・把握するための重要な資料です。

 

そのため、定時以降にタイムカードの記録があった場合、会社は残業代の支払義務があると認定されやすくなってしまいます。

 

そこで、このような残業代請求を回避するための手口として、定時にタイムカードを打刻させ、タイムカードの記録が残らない方法で就労させるという行為が過去に横行したことがありました。

 

現在はこのようなあからさまな運用をしている会社は少ないと思われますが、それでもゼロにはなっていないという話もあります。

 

未だこのようなタイムカードの不正打刻を求められることがあれば、それは違法なサービス残業を行わせているということです。

 

早朝残業をさせる

残業(法定時間外労働)は1日8時間を超える労働を意味しますので、始業時刻より前に働く場合も、残業(早出残業)となります。

 

そのため、「仕事が終わらないなら早く来てやる」や「始業30分前に掃除や朝礼がある」からと出勤前に作業した場合に、これに対して残業代が払われていないようであれば、これもサービス残業です。

 

仕事を持ち帰らせる

自宅での勤務が労働時間となるかどうかは、会社の指揮命令下に置かれていたかどうかがポイントとなり、判断が難しいところではあります。

 

ただ、自宅にいても会社からの拘束が及んでいたという評価がされるような場合であれば、自宅に持ち帰って仕事をした時間も残業時間と認められる可能性が十分あります

 

このような場合に、自宅で働いた分について残業代が支払われていないようであれば、サービス残業として残業代請求をすることは対応としてあり得ます。

 

みなし残業の適切な処理がされていない

企業の中には固定割増賃金制度を実施して、毎月一定額の固定給を支払い、これを残業代の支払いに当てているケースがあります。

 

このようなケースでは、「残業代は固定残業代として払われている」という整理の下で、残業代が支払われないことがあります。

 

しかし、この場合でも固定割増賃金制度について適法な処理がされていないことがあり、固定給が残業代の支払いとして認められないことがあります。

 

また、仮に固定給が残業代の支払いとして認められたとしても、当該支払分をこえる残業代が発生している場合は、超過分は別途精算する必要があります

 

このような精算が行われていない場合も、未精算分についてはサービス残業となっている可能性がありますので注意が必要です。

 

詳しくは「固定残業代(みなし残業)の仕組み|適正な残業代の計算方法」をご覧ください。

 

15分・30分単位で切り捨てている

賃金計算は、各労働者の労働時間を集計したうえで行われますが、本来的には日々の労働時間は1分単位でこれを集計しなければなりません

 

しかし、企業の中には労働時間を15分、30分などの一定単位で計算し、端数となる時間を一方的にカットしてその分の賃金を支給しないということがあります

 

このような端数分については、根拠なくこれを労働時間と認定せずに残業代を支払っていないことになるため、サービス残業になるのが原則です。

 

もっとも、このような集計した1ヶ月分の労働時間について、一定の単位(15分、30分)を設け、単位未満の端数について四捨五入的な処理をすること(例えば、30分単位で計算するケースで15分未満は切り捨て、15分以上は30分に切り上げるような処理をすること)は例外的に許容されていますので、注意しましょう。

 

【関連記事】サービス残業の悪質な7つの手口と労働者が対抗できる3つ方法

 

1) 時間外労働・休日労働に関する労使協定の締結の有無(表7)

「労使協定を締結している」とした事業場は 55.2%(平成 17 年度 37.4%)、「時間外労働・休日労働に関する労使協定を締結している」とした事業場は 49.7%(同27.2%)、「時間外労働に関する労使協定のみを締結している」とした事業場は 5.4%(同 9.9%)、「休日労働に関する労使協定のみを締結している」とした事業場は0.1%(同 0.2%)、「時間外労働・休日労働に関する労使協定をいずれも締結していない」とした事業場は 44.8%(同 62.6%)となっている。

※「労使協定を締結している」大企業は 94.0%、中小企業は 43.4%となってい

る。

 

「時間外労働・休日労働に関する労使協定をいずれも締結していない」事業場のうち、時間外労働・休日労働に関する労使協定を締結していない理由(複数回答)については、「時間外労働・休日労働がない」が 43.0%、「時間外労働・休日労働に関する労使協定の存在を知らなかった」が 35.2%、「時間外労働・休日労働に関する労使協定の締結・届出を失念した」が 14.0%となっている。

引用元:厚生労働省|平成25年度労働時間等総合実態調査結果

 

サービス残業が多い業界ランキングが発表される

『PRESIDENT Online』に掲載された、パーソル総合研究所の調査結果によると、サービス残業時間が多い職種は

 

1位:医療系営業(MR、医療機器など)

2位:講師・インストラクター(学習塾など)

3位:ドライバー

4位:幼稚園教諭・保育士

5位:クリエイティブ系全般

 

となっており、人と関わる仕事やサービス業において、サービス残業が発生していることが伺えます。

 

引用元:業種・職種別「サービス残業ランキング」

 

残業に耐えきれない方へ

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サービス残業は労働基準法違反の違法行為|請求できる残業代はいくら?

そもそも残業(時間外労働)とはどのような仕組みで発生するのかを知る必要があります。

 

法定労働時間を超えて働いた場合は原則残業代がつく

法定労働時間とは、労働基準法第32条に明記されている「1日8時間、週40時間の労働」を指します。(例外的に1週間の労働時間の上限が44時間になる場合もあり)

 

これら法定労働時間を超えた労働をする場合は、「割増賃金」の支払いが義務づけられています。そしてこの割増賃金こそが、「残業代」と言われるものです。

 

使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

引用:労働基準法第32条

 

【関連記事】

法定労働時間と所定労働時間で変わる残業代の割増率

所定労働時間とは|労働時間の定義と法定労働時間との違い

 

時間外労働をしたのに残業代が支払われない(サービス残業)は労基違反

時間外労働(残業)については、労働基準法第37条を参考にすると良いでしょう。

 

使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

引用:労働基準法第37条

 

法定労働時間を超えたサービス残業は、労働基準法第37条に違反したことになり、『6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金』が使用者に対して課せられます。(労働基準法第119条)

 

請求可能な残業代の種類は3つ

先に述べた1日8時間、週40時間を超える割増賃金のことを「法定時間外割増賃金」と言います。

 

表:働き方で違う割増率

 労働時間

時間

割増率

時間外労働(法内残業)
※就業規則上の所定労働時間は超えているが法定労働時間は超えない

 1日8時間、週40時間以内

1倍(割増なし)

時間外労働(法外残業)
※法定労働時間を超える残業

 1日8時間、週40時間超

 1.25倍

 1ヶ月に60時間超

 月60時間を超える時間外労働

 1.5倍

 法定休日労働

 法定休日の労働時間

 1.35倍

深夜労働

22:00~5:00の労働時間

0.25倍

時間外労働(限度時間内) +深夜残業

時間外労働+深夜労働の時間

1.5倍

 法定休日労働 + 深夜労働

休日労働+深夜労働の時間

1.6倍

参考:残業代の割増賃金とは|割増率の計算方法などもわかりやすく解説

 

一般的に適用となる割増賃金の種類です。それでは、代表的なものを詳しくみていきましょう。

 

法定時間外割増賃金

法定時間外労働の割増賃金は、さきほども述べた通り1日8時間、週40時間を超える労働の際に発生する残業代です。

 

残業代には、その類型ごとに一定以上の割増率を支払わなければならない旨の規律がありますが、「法定時間外労働割増賃金」の場合は、1.25倍以上の割増賃金を支給をしなければなりません。

 

例)通常1時間あたり1,000円で働く労働者の場合、1,250円以上の割増賃金支払いとなります。

 

深夜割増賃金

深夜割増賃金とは、深夜または早朝(午後10時〜午前5時)の間に働いたときに支給しなければならない割増賃金のこと。加算割合は、0.25倍となります。

 

法定休日割増賃金

法定休日労働の割増賃金は、週に1回以上与えられなければならないとされる休日に勤務した場合に発生する残業代のことです。この場合の割増率は1.35倍以上とされています。

 

残業代の計算方法

残業代の計算方法については、1時間あたりの賃金単価を算定するところからスタートします。具体的な計算方法としては、1ヶ月の給与(法律上控除可能な手当を除く)を1ヶ月の平均労働時間で割ることで賃金単価の算出が可能です。

 

<時間給の計算式>
例)基準賃金が20万円で、1ヶ月の平均労働時間が180時間の場合
基準賃金20万円÷平均労働時間180時間=約1,111円

 

上記のように計算をすることで、1時間あたりの賃金単価を求めることができます。

 

残業代の支給対象時間

次に、残業代の支給対象となる労働時間についてですが、法定時間外労働は1日8時間を超える労働を意味します。

 

例えば、定時が9時〜18時(休憩1時間)という会社を想定した場合、定時を超えて21時まで労働したとすれば、1日の労働時間は11時間ということになります。

 

そのため、11時間-8時間=3時間の法定時間外労働をしたことになります。この3時間について、1.25倍以上の割増賃金を支払う必要があります。

 

具体的には、この日については、時間給1,111円×割増賃金加算1.25倍×残業3時間=4,166円を残業代として支給しなければならないということになります。

 

深夜労働の場合は0.25倍以上が加算

上記は1.25倍の「法定時間外労働割増賃金」の計算ですが、仮に労働する時間帯が午後10時を超えるような場合には、別途、「深夜労働割増賃金」として0.25倍が加算されることになります。

 

他方、平日ではなく、法定休日に出勤をしたという場合には、「法定休日労働割増賃金」として、労働した時間全体について1.35倍以上の割増賃金を支払う必要があるということも併せて覚えておきましょう。

 

【関連記事】正確な残業代を計算する5つのステップ

 

 

 

残業代未払い請求には時効がある

基本的に未払いの残業代がある場合には、従業員は会社に対して未払い分を請求できますが、実は残業代を求める権利には「消滅時効」が定められています。

 

具体的には、このような残業代請求権は、支払期日から2年間で消滅時効となるとされています

 

そのため、未払いの残業代があることを2年以上放置してしまうと、2年が経過した部分については随時権利が消滅していってしまうので、注意が必要です。

 

【関連記事】残業代請求の時効は2年間|時効の例外と中断させる方法

 

 

残業代請求が認められないケースもある

通常は、実労働時間に対応する割増賃金が支払われていなければ、未払分の残業代請求をすることが可能です。

 

しかし、会社の労働時間制度によっては、必ずしも実労働時間をそのまま適用して残業代請求をすることができない場合もあります。ここでは、このような通常の残業代請求が困難となる労働時間制度について簡単にご説明します。

 

管理職の場合

労働基準法は、「監督もしくは管理の地位にある者」(管理監督者)について、時間外・休日労働の割増賃金の支払対象外と定めています。

 

具体的には労働基準法第41条です。

 

この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者

二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

引用元:労働基準法 第41条

 

しかし、従業員が管理監督者に該当するかどうかの判断は明確ではなく、諸般の事情を考慮して経営者と一体的立場にあるかどうか、により判断されます。

 

具体的には以下のような事情を総合的に考慮して判断されます。一般的にはこの判断は非常に厳格であり、管理監督者と認められるハードルはかなり高いです。

 

  1. 従業員に対する一定の人事権限を持っているかどうか
  2. 会社の意思決定に関与することができるかどうか。
  3. 業務量や業務時間についてある程度自由な裁量があるかどうか。
  4. 一般従業員と比較し管理職としてふさわしい給料が支給されているか

 

上記判断で、管理監督者であると認められない場合には、たとえ会社内で管理職として取り扱われていても、非管理職と同様に時間外・休日労働の割増賃金を支払う必要がありますので、未払分の残業代があれば、これを請求可能です。

 

【関連記事】名ばかり管理職は違法性が高い|管理監督者との見分け方

 

働き方改革法案により規制は厳しくなった

会社は36協定を締結することで時間外・休日労働を命じることができるとされていますが、原則的には月45時間以上の時間外労働を命じることはできないとされています。

 

しかし、36協定に特別条項を置くことで、例外的に上限なく時間外労働を行わせることが可能であるのが現行法です。

 

しかし、長時間労働を是正するための「働き方改革法案」が成立し、2019年4月(中小事業主は2020年4月1日)から特別条項によっても延長できない上限時間として、単月で100時間、2〜6ヶ月の月平均で80時間とすること、月45時間を超過する時間外労働については年間6回までとすることなどが定められました。

 

年俸制の場合

年俸制であることは、直ちに残業代を支払わない理由とはなりません。

 

年棒制とされていたとしても、時間外・休日労働をしていれば残業代請求の請求が可能であるのが通常です。

 

この点はよく誤解されますが、年俸制は単に年間の通常勤務に係る給与額が決まっているという意味に過ぎず、残業代を支払う・支払わないとは関係がありません

 

ただ、年俸制とは別に、裁量労働制や固定割増賃金制度が適用されているというケースでは別途残業代請求が可能かどうかについて検討が必要になりますので、注意しましょう。

 

【関連記事】年俸制で残業代が出ないのは一部だけ|見分け方と請求方法

 

固定の残業手当が支給されている場合

上記で固定割増賃金制度について言及しましたが、会社は毎月一定の固定給を割増賃金に替えて支払うことが可能です。この制度が正しく運用されている場合には、当該支払分について割増賃金は精算済みとされます。

 

しかし、同制度のもとで精算済みとなるのはあくまで支払われた固定給部分を限度とするものであり、本来支払うべき割増賃金が固定給額を超過する場合には、当該超過分は別途精算する必要があります。

 

また、同制度は通常賃金部分と割増賃金部分が雇用契約上明確に区別されているかどうか、固定給が時間外・休日労働等の対価として支給されているといえるかどうかという観点から厳しく審査されます。

 

仮に同審査の結果、正しく運用されていない場合、そもそも固定給が割増賃金の支払いと認められない可能性がありますので、この点も注意しましょう。

 

【関連記事】

時間外手当(残業手当)の正しい計算方法とは|未払い時の請求方法も解説

 

フレックスタイム制の場合

フレックスタイム制は労使協定を締結することで導入可能です。

 

フレックスタイム制度は、日々の始業・終業時刻を労働者側の判断に委ねた上で、対象者の労働時間を1ヶ月以内の期間内(通常は1ヶ月)単位で集計し、月単位で割増賃金を精算する制度です。

 

フレックスタイム制度の場合、割増賃金精算はあくまで月単位の労働時間に基づいて行われますので、1日8時間、週40時間を超える労働をしても直ちに割増賃金が発生することにはなりません。

 

あくまで月トータルの労働時間は月の法定労働時間(総労働時間)を超える場合に限り、割増賃金を請求できるということになります。

 

【関連記事】

フレックスタイム制の仕組みと実態から見る残業代が発生した場合の対策

 

裁量労働制の場合

裁量労働制は、現行法では専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の2つがあります。

 

これら制度の導入には法定の手続を履践する必要がありますが、同制度の適用を受ける場合、労働者の労働時間は実労働時間の多寡に拘わらず、一定のみなし労働時間で集計されます。

 

したがって、実労働時間が法定労働時間を超過してもしなくても、みなし労働時間が法定労働時間を超えない限り、時間外労働の割増賃金請求はできません。

 

もっとも、裁量労働制も休日・深夜労働には規律が及びませんので、制度対象者が休日・深夜に労働した場合には、別途、当該労働の時間に基づく割増賃金の精算が必要となります。

 

【関連記事】裁量労働制でも残業代は請求可能|正しい計算方法と請求手順

 

 

未払い残業代の請求方法ご紹介

ここでは、未払い残業代の実際の請求方法についてご紹介します。未払い残業代を請求するにはどのような手順を踏めば良いのか、ぜひ参考にしてください。

 

残業代請求の意思表示を行う

未払い残業代の権利には、上記のとおり「2年間」の消滅時効があります。

 

未払い残業代を請求する人の中には、会社を辞めてから請求する方もいらっしゃいますが、まず請求する残業代が、時効により消滅していないかは確かめておきましょう。

 

そして、時効にかかっていない未払の残業代がある場合、会社に対して労働時間に基づいて計算した残業代の請求を行うことになります。この請求は口頭でも可能ですが、具体的な金額計算が必要であることを踏まえると、メールや書面で行うのが適切でしょう。

 

なお、残業代について時効にかかりそうなものがある場合、このような請求を行うことで、消滅時効の完成を6ヶ月停止することができますので、有効に活用したいところです。

 

労働時間の証拠を集める

未払い分の残業代を請求するためには、労働者側で労働時間を立証する必要があります。

 

そのため、労働時間認定のためのタイムカードや勤務簿が必要です。

 

このような資料がない場合には、会社にこれを請求しつつ、自分の手元に別の資料(PCのログイン・ログオフ時間の記録、日々の労働時間を記録した手控え、通勤に用いる交通ICカードの時間記録等)を確保しておきましょう。

 

未払いの残業代を計算する

労働時間の集計が可能な場合、集計した時間に基づいて未払い分の残業代を計算します。

 

未払い分の残業代の計算は、自分で行う方法もありますが、残業代未払い問題に詳しい弁護士に依頼すると、「残業代計算ソフト」を使用して計算してもらえることが多いです。

 

誤りがあるといけませんから、専門家へ依頼した方が良いかもしれません。

 

会社側と交渉する

未払いの残業代を計算し、請求額が決定した場合は、これに基づいて会社側と交渉することになります。

 

交渉により未払い残業代を支払ってくれる場合は良いのですが、支払いの拒否をされたり、少額のみの支払いを提案されることもあるでしょう

 

その場合には、弁護士とも相談のもと裁判所で手続きを進めるのが妥当です。

 

労働審判や訴訟に移行する

会社側と残業代未払いについて交渉しても対応してもらえなかった場合は、裁判所にて労働審判か訴訟を起こすことを検討せざるを得ません。

 

労働審判とは、労働審判官(裁判官)1人と労働関係に関して専門的な知識や経験のある労働審判員2人で構成された労働審判委員会が、未払い請求の当事者双方より事情を聞き、話し合いの解決を模索し、協議がまとまらない場合は、裁判所の判断で一定の裁定を下す法的手続です。

 

訴訟は、裁判所に主張と証拠を提出して審理を求め、裁判所が認定した事実に基づいて権利法律関係を確定する法的手続です。

 

労働審判と訴訟に先後関係や優劣関係はありませんので、労働審判を先に申し立てなければならないということはありません。いきなり訴訟提起ということも可能ですし、実務的にもよくあります。

 

【関連記事】労働審判の弁護士費用相場と費用を無駄なく抑える方法

 

 

サービス残業は当たり前ではない!まずは弁護士に相談しよう

「サービス残業」という言葉から、特に問題ないとの誤解があるのかもしれませんが、サービス残業は違法行為です。残業をさせた場合、会社は当然割増賃金を支払う義務があります。

 

ただ、一定の場合には、会社において割増賃金の支払をしないという処理も可能です。

 

もし残業しているのに残業代が支払われていないという場合、事実関係を正しく整理した上で、早めに弁護士等の専門家に相談すべきでしょう。

 

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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