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プログラマーの残業代事情|残業代の未払いが違法な理由と請求手順

プログラマーの残業代事情|残業代の未払いが違法な理由と請求手順

更新日:2019年11月18日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
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  • 「朝から終電近くまで働いても残業代が一切支払われない」
  • 「みなし残業時間以上働いても支払われる残業代は一緒」

 

近年、企業の需要が高いプログラマーやエンジニアですが、残業代が支払われないような劣悪な環境で働いている方は少なくありません。

 

ただでさえ手取りが少ないのに、残業代も支払われないとあっては、「生活もままならない」と悩まれるのも当然のことです。

 

もし今の職場を退職しようと考えている方は、これまで未払いであった残業代を合わせて請求してみてはいかがでしょうか。

 

残業をしたのであれば、残業代を請求するのは当然の権利であり、泣き寝入りをしてしまうのはもったいないです。

 

この記事では、プログラマーの残業が多い理由と残業が少ない企業の見つけ方、未払い残業代を取り戻す手順などについて解説します。

 

 

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プログラマーの残業時間・残業代の実態

 

プログラマーの労働環境は過酷なイメージがありますが、「定時で上がれる」という声も聞かれます。この項目では、プログラマーの残業における実態を紹介します。

 

プログラマーの平均残業時間

『パーソル総合研究所』が公表した会社員の残業実態調査の資料によれば、残業が多いとされる業界は以下の通りです。

 

残業が多い業界

業界

30時間以上の残業割合

月平均残業時間

繫忙期平均残業時間

1位

運輸業・郵便業

37.7%

29.26時間

39.33時間

2位

情報通信業

32.1%

24.81時間

41.50時間

3位

電気・ガス・熱供給・水道業

32.1%

24.98時間

38.78時間

参考:パーソル総合研究所×東京大学 中原淳准教授 「希望の残業学プロジェクト」 会社員6,000人を対象とした残業実態調査の結果を発表

 

プログラマーは業界の垣根を超え、さまざまな場所に活躍の場がありますが、多くの方は情報通信業の企業で働いていることでしょう。

 

情報通信業は30時間以上の残業割合が全体の2番目。繁忙期の残業時間平均は最も長くなっています

 

また、同資料では職種別の情報もまとめられており、プログラマーを含む「IT技術・クリエイティブ職」は、3番目に残業が多いことがわかります。

 

残業が多い職種

職種

30時間以上の残業割合

月平均残業時間

繫忙期平均残業時間

1位

配送・物流

46.8%

35.39時間

46.07時間

2位

商品開発・研究

41.5%

26.62時間

38.97時間

3位 

IT技術・クリエイティブ職

39.0%

25.68時間

46.44時間

参考:パーソル総合研究所×東京大学 中原淳准教授 「希望の残業学プロジェクト」 会社員6,000人を対象とした残業実態調査の結果を発表

 

そして、繁忙期の残業時間平均は、各業界を抑えて最も高い数値となっています。このデータを踏まえると、プログラマーは他業種に比べて、残業が多い・長いといえるでしょう。

 

プログラマーの平均残業代

プログラマーの平均残業代は、厚生労働省が公表している『毎月勤労統計調査』で、大まかにですが確認できます。

 

表:業種別の残業代平均額

産業

現金給与総額(円)

所定外給与(円)

所定外労働時間

鉱業,採石業等

324,411

26,648

14.9

建設業

361,258

29,589

16.4

製造業

346,196

39,356

18.5

電気・ガス業

465,697

63,803

17.2

情報通信業

417,087

33,560

14.7

運輸業,郵便業

350,088

50,560

27

卸売業,小売業

354,082

18,672

11.5

金融業,保険業

409,787

23,836

11.9

不動産・物品賃貸業

366,140

22,133

14.1

学術研究等

445,608

29,434

15.4

飲食サービス業等

265,958

22,094

15.8

生活関連サービス等

284,935

17,034

10.9

教育,学習支援業

400,265

8,743

15.6

医療,福祉

317,069

18,877

6.9

複合サービス事業

348,667

19,944

10.4

その他のサービス業

286,723

25,834

15.2

平均

358,998

28,132

14.8

参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査-平成30年10月分結果速報

 

また、パーソル総合研究所によれば、情報通信業のサービス残業は、全体の中では低い部類に入ります。

 

産業

サービス残業時間月平均

1位 教育、学習支援業

12.26

2位 不動産・物品賃貸業

11.54

3位 生活関連サービス・娯楽業

8.86

4位 宿泊 飲食サービス業

8.00

5位 運輸業,郵便業

7.91

6位 卸売業,小売業

7.44

7位 電気・ガス・熱供給・水道業

7.43

8位 建設業

7.00

9位 その他のサービス業

6.49

10位 情報通信業

6.36

11位 学術研究、専門技術サービス業

6.19

12位 金融業,保険業

5.96

13位 医療,福祉支援業

5.51

14位 製造業

4.16

参考: 業種・職種別残業実態マップ──どの業種が、どのくらい働いているのか|パーソル総合研究所

 

このことから、プログラマーの残業時間は長いものの、残業代はしっかり支払われているといえるでしょう。

 

 

ただし、すべての企業で残業代が全額きっちり支払われているかどうかは別の話です。詳しくは後述する「ブラックIT企業が残業代を支払わない際に使う言い訳」で解説します。

 

プログラマーに残業が長くなりがちな理由

経験が浅いプログラマーは別として、過度な残業が発生してしまう原因の多くは企業側にあるといえます。プログラマーの残業が長くなりがちな理由を解説します。

 

下請けの中小企業が多い

中小IT企業の多くは自社サービスの開発を行っているのではなく、下請けとして開発を担っていることがほとんどです。

 

下請けの場合、クライアントの要望に応えることが第一。相手側が求める品質、細かな規格変更に対応するために残業をせざるを得ません。

 

納期までの締切が厳しい

仕事がスケジュール通りに進むということはあまりなく、プログラマーはそのあおりによる影響を受けやすいです。

 

製作途中での設計変更や仕様追加により、工数が増え、どんどん締切までのスケジューリングが厳しくなってしまいます。

 

納期に間に合わせるために、締切直前は連日の徹夜や休日出勤となる方も少なくないでしょう。

 

残業ありきで業務が組み込まれている

売上のため、過度に仕事の受注をしている会社では、そもそも残業ありきでスケジュールが組まれていることも少なくありません。

 

プログラマー一人ひとりに多大な負担を押し付けられた結果、有給消費はもちろん、病欠すら許されない状態となってしまいます。

 

社員の定着率が低い

IT系人材は元々の数が少ないのもあり、定着率が低い会社は常に人手不足のままです。

 

プログラマーやエンジニアといった技術職は、転職を繰り返してスキルを磨いていくのが一般的なため、同じ企業に長く勤めるケースは多くありません。

 

とはいえ、定着率が低い会社では頻繁に社員が辞めてしまうので、いつまでたっても人手が足りず、残業という形でしわ寄せがやってきます。

 

 

 

 

 

ブラックIT企業が残業代を支払わない際に使う言い訳

ブラックIT企業では違法と知りつつ、残業代の支払いを避けるため、もっともらしい言い訳をすることもあるようです。

 

これに対抗するためには正しい知識が身についてなくてはなりません。この項目では、ブラックIT企業が良く使う言い訳をまとめたので確認しておきましょう。

 

プログラマーは裁量労働制だから残業代を支払う必要がない

プログラマーに裁量労働制の適用があるという主張、一見もっともらしいように思えます。

 

しかし、裁量労働制の適用には、法律に則った形で手続が行われている必要があり、手続に問題があれば、その裁量労働制は有効とはいえません。

 

また、裁量労働制の適用がある職種も法律上厳格に定められています。一口に「プログラマー」といっても、その業務・業種は多種多様であり、必ずしも適用が可能であるかは不明です。

 

したがって、このような説明がされた場合、まずは法定の手続が行われているか、自身の職務が裁量労働制の適用職種であるかを慎重に検討しましょう。

 

 

固定残業代以上に残業代を支払う必要はない

固定残業制の導入や運用を誤った結果、残業代を正しく支払わない企業は少なくありません。

 

固定残業制は、あくまで一定時間分の残業代をあらかじめ支払っているだけです。もともと定めた時間以上に残業をさせたのであれば、その分別途で残業代を支払う必要があります。

 

そもそも、正しく固定残業制を導入できておらず、裁判等で無効と判断された例がかなりあります。

 

就業規則や雇用契約書に固定残業代の時間数が明記されているか

固定残業時間を超えて働いた場合に、別途残業代の支給がなされると明記されているか

給与明細等で固定残業代の支給額が明確になっているか

 

年俸制だから残業代は出ない

月給制ではなく年俸制のプログラマーも多いと思いますが、残業代は支払われないものと考えているのであれば大きな誤解です。

 

成果主義的な報酬のイメージが強いためか、残業代が除外されると思いがちですが、年棒制であるという理由のみで残業代の支払義務が免除されることはありません

 

また年俸制の場合、賞与を含めた金額から割増賃金を計算するため、月給制で同じ年収額の人よりも、支給される残業代は多くなります

 

月80時間以上の残業が続いている方へ

月80時間以上の残業は過労死ラインを超えています。すでに体調に異変が出ている方は、早めに退職を考えたほうがよいでしょう。

 

もし会社に辞めると言い出せずに悩んでいるならば、弁護士に退職代行を依頼してみてはいかがでしょうか。流行りの退職代行は弁護士でも対応可能です。

退職代行を弁護士に依頼する7つのメリットとは?

 

プログラマーが残業の少ない企業を見つけるポイント

プログラマーに対する求人がブラック企業のものしかないなんてことはありません。違法な長時間労働がなく、きちんと残業代を支払う企業は当然あります。

 

この項目では、残業が少ない企業を探す際にチェックしておきたいポイントを紹介します

 

募集している人材を詳細に記載している

人手不足の昨今では、採用にかかるコストも馬鹿になりません。費用を抑えるため、欲しい人材からの応募が来るよう募集要項を詳細に記載して、求人をかけるのが通常です。

 

ですが、人材を使い捨てと考えているような企業な場合、誰からでも応募が来るように、あまり細かく募集要項を記載しません。

 

未経験でも可としている企業に応募する場合には注意したほうがよいでしょう。

 

自社開発を行っている

自社サービスの開発を手掛けられるということは、それだけの企業体力があるということです。しっかり残業代が支給される可能性は高いといえます。

 

一度、サービスが安定してしまえば、運用・保守がメインとなるため、極端に労働時間が長くなることは少ないでしょう。

 

中高年の社員が活躍している

年齢が上がるにつれて、無理な働き方ができなくなります。逆に言えば、中高年のプログラマーが活躍しているということは、無理なく働ける環境と言えるでしょう。

 

ただし、中高年の社員が管理職しかいない場合、若い社員を使い捨てにしている可能性があります。そのような場合には、離職率や口コミなども合わせて確認したほうがよいでしょう。

 

良い職場に転職したい!そんなあなたへのおすすめ

転職活動を行う上で、大切なのはできるだけ多くの情報を集めることです。企業情報はもちろんですが、流行り廃りの早いIT業界においては、最新の業界事情をつかんでおいたほうがよいでしょう。

 

ですが、在職中はなかなか時間がありませんし、自身で調べられる範囲には限界があります。効率的に転職活動を進めていきたいのであれば、「転職エージェント」を有効活用しましょう。

転職エージェントに登録して転職活動をはじめる3つのメリット

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Q1. あなたの性別は?
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お聞かせください。
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未払い残業代を取り戻す手順

いまの会社を退職するにあたり、これまで未払いであった残業代を回収したいと考えている方もいるでしょう。

 

残業代は、2年分までさかのぼって請求できるため、人によっては、100万円以上の回収ができる場合もあります。

 

この項目では、未払い残業代を取り戻すための手順を解説します。

 

無料の相談窓口を活用する

「何から手をつけていいかわからない」「そもそも本当に残業代が未払いなのか」などの不安や悩みがある方は、無料相談を活用してみましょう。

 

【労働問題の無料相談窓口一覧】

労働基準監督署

・労働局

労働条件相談ほっとライン

総合労働相談コーナー

・一部の弁護士事務所

法テラス

 

法律もプログラミング同様、一般の方ではわかりづらいところが多々あります。1人で悩むのではなく、専門家に確認するのが確実でしょう。

 

証拠を集める

残業代請求をするうえで重要なのが、証拠を集めることです。

 

退職後の証拠集めは大変なので、在職中に以下を参考に証拠を集めておきしょう

 

  • 就業規則
  • タイムカード
  • 給与明細
  • 雇用契約書 など

 

プログラマーであれば、間違いなくPCを使いますので、ログイン記録も業務時間の証明に役立つでしょう。また、メールやチャットでのやり取りも証拠となり得ます。

 

【関連記事】

残業代請求時に認められやすい証拠と、証拠がない時の対処方法

 

残業代の未払い分を計算する

残業代請求をするためには、未払い分の具体的な金額を算出しておかなければなりません。

 

ただ、今まで未払い分であった残業代を支払ってくださいと会社に請求しても、具体的な金額がなければ応じないからです。

 

残業代は以下の計算式によって割り出します。

 

残業代=残業時間×1時間あたり賃金×割増率

 

固定残業代が正しく導入・運用されている場合には、その金額分は除くようにしてください

 

【具体例】

残業時間…60時間、1時間あたりの賃金…1,300円、固定残業代…65,000円(40時間分)

未払い残業代=60時間×1,300円×1.25

      =78,000円×1.25

      =97,500円

      =97,500円―65,000円

      =32,500円 

 

より具体的な関しては、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】正確な残業代を計算する5つのステップ

 

会社に請求書を送付する

会社への残業代請求は、請求した事実が証拠として残るよう、書面で行います。

 

口頭の場合、聞いていないと会社がしらを切ることもできるからです。また、請求を行うことで一時的に時効を中断できるのですが、書面でないと証明が難しくなります

 

そのため、配達証明付き内容証明郵便で請求書を送付すれば、郵便局が会社に届けたことを保証してくれるので安心です。

 

【関連記事】

自分でできる!残業代を内容証明郵便で請求する際の書き方と例文

 

弁護士に依頼する

会社が残業代請求に応じない場合には、法的な手段を取らざるを得ないので、弁護士に依頼したほうがよいでしょう。

 

弁護士に依頼すれば、請求に必要な手続きをすべて任せることができるので、ご自身は転職活動等に時間を使うことができます。

 

また、専門知識をもつ弁護士に依頼することで、正しい金額の残業代を算出できます。より多くの残業代が回収できるようになるかもしれません。

 

弁護士はそれぞれ専門的に扱っている分野があるため、ただ、近場の事務所を探すのではなく、労働問題に精通した弁護士に依頼・相談するようにしましょう。

 

 

残業代請求に強い弁護士を探すには…

弁護士に知り合いを持つ方は少数で、大抵は接点すらない方がほとんどでしょう。気難しそう、お堅そうといったイメージから、なかなか相談に行くのも勇気がいりますよね。

 

しかし、あなたが現在抱える未払い残業代について、最も力になってくれる存在が弁護士です。裁判だけでなく、法的なアドバイスから会社との交渉に至るまで、問題解決のためのサポートを行ってくれます。お一人で抱え込まず、ぜひ弁護士に相談してみてください。

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まとめ

労働環境によっては、過酷な残業を強いられるプログラマーですが、その原因には以下のようなものが挙げられます。

 

  • 下請けの中小企業が多い
  • 納期までの締切厳しい
  • 残業ありきで業務が組み込まれている
  • 社員の定着率が低い

 

残業時間が長いだけでなく、裁量労働制や固定残業制、年俸制を理由に、残業代をきちんと支払われない会社も中にはいます。

 

未払いとなっている残業代は、2年分までさかのぼって請求することができます。退職をお考えの方は、残業代請求することを検討してみてはいかがでしょうか。

弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます

労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
・給料未払い問題を解決したい

など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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