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弁護士を選ぶコツはありますか?
あります。地域・分野で絞り込み検索した上で、気になる事務所のページを確認し、経験・実績や注力分野が自分に合っている弁護士を選びましょう。また、良さそうな弁護士が見つかったら、実際に相談してみるのも重要です。
そうすることで「依頼先として信頼できそうか」「あなたと相性は良さそうか」「やり取りがスムーズか」「説明が分かりやすく納得できるか」など、掲載情報だけでは得られない「依頼の決め手になる判断材料」を手に入れることが出来ます。
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複数の弁護士に相談できる?
相談できます。相談=依頼ではございません。相談したからといって必ず依頼しなければならいないということはございませんので、ご安心ください。無料相談などを活用し比較検討することで、より納得のいく提案を受けやすくなることに加え、あなたにピッタリな弁護士が見つかる可能性が高まります。
相談前に準備すべきことは?
「トラブルの内容」をはじめ「トラブルが発生した経緯」や「登場人物」「聞きたいこと」を整理しておきましょう。
面談希望の場合は、候補日時を2~3つ用意しておくとスムーズに予約がとれます。また面談時に、相談内容をまとめたメモを持参するのもよいでしょう。
足場から落ちた、配送先で荷台から転んだ、介護で利用者を抱えた瞬間に腰を痛めた。仕事中や通勤中のけがや病気は、会社が何と言おうと本人が労災保険を請求できます。神奈川では令和7年に43人が仕事中の事故で亡くなり、北海道に次いで全国で2番目に多い数です。会社が手続きを渋っても、横浜・川崎・相模原・厚木など勤め先を受け持つ労働基準監督署へ自分で請求書を出せます。請求の順番と、労災保険では出ない慰謝料を会社に求める手順を整理します。
いまの状況別・最初にすること
労災の手続きは、最初の受診で「仕事中のけが」と伝えたかどうかで、その後の手間が大きく変わります。会社の担当者から連絡が来るのを待たずに、次の3つをその日のうちに片づけてください。
仕事中や通勤中のけがに健康保険は使えません。労災指定の医療機関に業務災害なら様式第5号を出せば、治療費を立て替えずに済みます。横浜市港北区の横浜労災病院と川崎市中原区の関東労災病院は、労災の治療を担う労災病院です。指定外の病院では全額を立て替え、様式第7号で払い戻しを受けます。
時刻、場所、していた作業、けがをした部位、居合わせた人の名前をメモします。神奈川で最も多い事故は転倒で、令和7年は2,015人が転んで休業しています。濡れた床や段差、暗い通路、足場の手すりの有無、機械の安全カバーを写真に撮ってください。
請求先は自宅ではなく、勤め先の事業場の所在地で決まります。横浜市は中区・南区・磯子区・港南区・金沢区が横浜南署、鶴見区が鶴見署、戸塚区・栄区・泉区・旭区・瀬谷区・保土ケ谷区が横浜西署、西区・神奈川区・港北区・緑区・青葉区・都筑区が横浜北署です。川崎市は川崎区・幸区が川崎南署、中原区から麻生区までが川崎北署で、ほかは横須賀・藤沢・平塚・相模原・厚木・小田原の各署が受け持ちます。給与明細の事業所名を見てから電話をかけてください。
出典:厚生労働省「事業主が証明しない場合の労災保険給付の請求」、神奈川労働局「労働基準監督署の所在地・管轄一覧」、神奈川労働局「第14次労働災害防止計画(神奈川計画)の概要(2026年9月速報)」、横浜労災病院、関東労災病院
労災と認められると、治療費の全額、休んだ日の収入の約8割、後遺障害や死亡に対する年金や一時金を受け取れます。金額の土台になる給付基礎日額は、原則としてけがをした日の直前3か月に支払われた賃金の総額を、その期間の暦日数で割った額です。神奈川の一般労働者の所定内給与は月36万8,600円で、全国平均の34万600円を上回ります。この水準なら、休業1日あたりの給付は約9,700円です。
| 給付の種類 | 受け取れる場面 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 療養(補償)等給付 | 診察、手術、入院、薬、通院にかかる費用 | 労災指定の医療機関なら自己負担なし。症状が固定するまで続く |
| 休業(補償)等給付 | 療養のため働けず、賃金を受けられない日の4日目から | 給付基礎日額の60%に休業特別支給金20%が加わり計8割。業務災害の最初の3日間は会社が平均賃金の6割以上を補償する |
| 傷病(補償)等年金 | 療養を始めて1年6か月たっても治らず、傷病等級1〜3級にあたるとき | 給付基礎日額の313日分〜245日分の年金。休業の給付から切り替わる |
| 障害(補償)等給付 | 症状が固定した後に後遺障害が残ったとき | 1〜7級は313日分〜131日分の年金、8〜14級は503日分〜56日分の一時金。障害特別支給金342万円〜8万円が別に出る |
| 遺族(補償)等給付 | 労働者が亡くなったとき | 遺族の人数に応じて153日分〜245日分の年金。遺族特別支給金は一律300万円 |
| 葬祭料・葬祭給付 | 葬儀を行ったとき | 33万円に給付基礎日額の30日分を足した額。60日分に満たなければ60日分 |
出典:厚生労働省「労災保険給付の概要」、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査(都道府県別にみた賃金)」
請求には期限があります。療養、休業、葬祭料、介護の給付は2年、障害と遺族の給付は5年で時効にかかります(労働者災害補償保険法42条)。休業の給付は働けなかった日ごとに期限が進むので、添付書類がそろう前でも請求書だけ先に勤め先の署へ出してください。担当の署が分からなければ、神奈川労働局 労災補償課(045-211-7355)に電話してください。
出典:e-Gov法令検索「労働者災害補償保険法」(7条・38条・40条・42条)、神奈川労働局「各部署の主な仕事(所掌事務)から窓口をさがす」
神奈川の職場では、けがをする人が減っている一方で、亡くなる人が増えています。神奈川労働局の確定値を業種ごとに並べると次のとおりです。
| 神奈川県(令和7年) | 死傷者 | うち死亡 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 第三次産業(小売業1,078人・社会福祉施設1,060人) | 4,753人 | 13人 | 60.0% |
| 陸上貨物運送事業 | 1,059人 | 5人 | 13.4% |
| 製造業 | 984人 | 5人 | 12.4% |
| 建設業 | 679人 | 14人 | 8.6% |
| 交通運輸・港湾運送・農林業など | 446人 | 6人 | 5.6% |
| 全業種の合計 | 7,921人 | 43人 | 100% |
出典:神奈川労働局「令和7年 署別・業種別労働災害発生状況(確定値)」、神奈川労働局「令和7年 死亡災害発生状況(確定値)」、厚生労働省 職場のあんぜんサイト「労働災害統計(令和7年)」
休業4日以上の死傷者は前年から310人減って7,921人(全国3位)ですが、亡くなった人は35人から43人に増え、北海道の49人に次ぐ全国2位です。業種では建設業が14人で最も多く、神奈川労働局が第14次労働災害防止計画で目標に掲げる「建設業の死亡7人以下」の2倍にあたります。43人のうち6人は道路上の交通事故です。建設現場の事故では、元請けがどこで誰が作業を指示したかで損害賠償を求める相手が変わるので、元請会社の名前と現場の住所をけがの直後に控えてください。
事故の起き方は地域で違います。厚木署(厚木市・海老名市・大和市・座間市・綾瀬市・愛甲郡)では陸上貨物運送の死傷が219人、製造業が204人で、どちらも県内12署で最多です。一方、横浜北署(西区・神奈川区・港北区・緑区・青葉区・都筑区)は死傷1,273人のうち897人が第三次産業で、店舗や介護施設、飲食店での転倒が中心です。
出典:神奈川労働局「令和7年 署別・業種別労働災害発生状況(確定値)」
第14次計画の実績を見ると、令和7年の転倒による死傷は2,015人で全体の25.4%、転倒1件あたりの休業見込みは平均38.9日です。60歳以上の死傷は2,336人(29.5%)、外国人労働者は400人(5.0%)で、いずれも計画の目標値を超えています。社会福祉施設では腰痛だけで150人が休業しています。転倒や腰痛も仕事中に起きれば労災保険の対象です。休業が4日を超えそうなら、勤め先を受け持つ署へ請求書を出してください。
出典:神奈川労働局「第14次労働災害防止計画(神奈川計画)の概要(2026年9月速報)」
住居と勤め先の往復、複数の勤め先の間の移動、単身赴任先と帰省先の移動でけがをした場合は通勤災害として、業務災害と同じ内容の給付を受けられます(労働者災害補償保険法7条)。条件は、就業のために合理的な経路と方法で移動していたことです。
通勤災害で押さえるところ
出典:神奈川労働局「通勤災害について」、e-Gov法令検索「労働者災害補償保険法」(7条・38条・40条・42条)、神奈川労働局「労災保険関係」
「労災にすると保険料が上がる」「健康保険で通ってほしい」と言われても、労災保険の請求に会社の同意は要りません。給付するかどうかを決めるのは労働基準監督署長で、会社の意見で結論は変わりません。会社の出方ごとに、あなたが取れる手を並べます。
| 会社の対応 | あなたができること | 根拠 |
|---|---|---|
| 請求書の事業主証明欄を書いてくれない | 証明を断られた経緯を書き添えて、そのまま署へ出す。署は受理して事実を調べる | 厚生労働省は、事業主の証明が得られなくても請求できると案内している |
| 労働者死傷病報告を署に出していない | 勤め先を受け持つ署か、神奈川労働局 労災補償課に労災かくしとして相談する | 労働安全衛生法100条・120条。報告をしない、うその報告をした会社は50万円以下の罰金の対象 |
| 健康保険証で受診するよう言われた | 病院に労災へ切り替えると伝える。健康保険から払われた分は保険者へ返し、労災保険に請求し直す | 仕事中・通勤中のけがは労災保険の対象で、健康保険は使えない |
| 「労災を使うなら辞めてもらう」と言われた | 療養で休んでいる期間とその後30日間の解雇は無効を主張できる。言われた日時と言葉を記録する | 労働基準法19条 |
| 「うちは労災保険に入っていない」と言われた | 未加入でも給付は受けられる。保険料は国が会社から徴収する | 労働者を1人でも雇えば加入は義務。神奈川労働局 労働保険徴収課が扱う |
出典:厚生労働省「事業主が証明しない場合の労災保険給付の請求」、e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(100条・120条)、e-Gov法令検索「労働基準法」(19条)、神奈川労働局「『労災かくし』は犯罪です」
神奈川労働局は、監督署に相談した人の名前や相談の中身が会社に伝わらないよう配慮すると案内しています。ただし労災かくしの申告は、事実を調べる都合で名前を伏せたままでは進めにくい手続きです。相談には雇入れ時の書類と給与明細を、建設現場の事故なら元請会社の名前も持って行ってください。
労災保険は治療費と収入の一部を埋める仕組みで、慰謝料の項目はありません。会社が安全のためにすべき措置を怠っていたなら、労災保険で埋まらない損害を会社への損害賠償で取り戻します。
| 会社に請求できるもの | 中身 | 労災保険との関係 |
|---|---|---|
| 慰謝料 | 入院・通院の期間、後遺障害の等級、死亡のそれぞれに応じた精神的苦痛への賠償 | 労災保険からは一切出ない |
| 休業損害の差額 | 休業中に労災保険の給付で埋まらなかった賃金 | 受け取った休業給付を差し引いて計算する |
| 逸失利益 | 後遺障害や死亡によって失う将来の収入 | 障害・遺族の年金や一時金で足りない部分を請求する |
| 介護・通院の費用 | 付添いの費用、車いすや装具、自宅の改修費 | 介護の給付の上限を超えた分 |
請求の柱は安全配慮義務です。労働契約法5条は、労働者が生命や身体の安全を確保しながら働けるよう、会社に必要な配慮を求めています。神奈川労働局は第14次計画で、建設業の墜落・転落防止、陸上貨物運送の荷役作業の安全ガイドライン、製造業のはさまれ・巻き込まれ防止、介護のノーリフトケアを重点に挙げています。足場に手すりがなかった、機械の安全装置が外されていた、利用者の抱え上げを一人でさせていたといった事情は、会社の違反を裏づける材料になります。作業手順書や安全教育の記録は会社に処分される前に写しを取り、逸失利益の計算に使う給与明細と源泉徴収票は12か月分そろえてください。会社に請求できる期間は、損害と加害者を知った時から5年です(民法724条の2)。
出典:e-Gov法令検索「労働契約法」(5条)、e-Gov法令検索「民法」(709条・715条・724条の2)、神奈川労働局「第14次労働災害防止計画(神奈川計画)の概要(2026年9月速報)」
会社や元請けから示談を持ちかけられたら、署名の前に金額の根拠を弁護士に見せてください。示談が成立すると、後から症状が重くなっても原則として追加の請求はできません。神奈川で会社を訴える先は横浜地方裁判所で、訴訟なら川崎・相模原・横須賀・小田原の支部にも起こせます。
長時間労働が原因の脳出血や心筋梗塞、パワハラや客からの迷惑行為によるうつ病も、仕事が原因なら労災です。神奈川労働局がまとめた令和7年度の件数は次のとおりです。
| 神奈川(令和7年度) | 請求 | 決定 | 支給決定 |
|---|---|---|---|
| 精神障害 | 388件 | 312件 | 99件 |
| うち自殺(未遂を含む) | 12件 | 12件 | 4件 |
| 脳・心臓疾患 | 91件 | 72件 | 11件 |
| うち死亡 | 21件 | 20件 | 3件 |
精神障害の請求は令和3年度の171件から5年で約2.3倍に増えています。支給決定の99件は東京に次いで全国で2番目に多く、決定に占める割合は31.7%で全国の28.2%を上回ります。
出典:神奈川労働局「過労死等の労災補償状況(令和7年度)」、同 別添2「精神障害の労災補償状況」(都道府県別)、厚生労働省「令和7年度 過労死等の労災補償状況」
支給決定99件を出来事で分けると、上司からのパワーハラスメントが17件で最も多く、仕事内容や仕事量の大きな変化が14件、顧客や取引先、施設利用者からの著しい迷惑行為が11件、セクシュアルハラスメントが9件です。業種では医療・福祉が26件で最も多くなっています。客や利用者からの迷惑行為は、令和5年9月の認定基準の改正で心理的負荷を評価する出来事に加わりました。勤怠の記録、上司や客の言動の録音、同僚の証言、初診時のカルテをそろえ、出来事を日付順に並べた一覧を添えて請求してください。
神奈川労働局は、セクシュアルハラスメントなど職場のストレスによる精神障害の労災請求について、女性の臨床心理士などの専門調査員が話を聞く相談枠を設けています。毎週水曜の9時から12時までの予約制なので、労災補償課(045-211-7355)に電話して日時を決めてください。脳・心臓疾患は神奈川の認定率が15.2%と全国の26.8%より低く、発症前の残業時間を示せるかどうかで結論が分かれます。タイムカード、パソコンのログ、業務用チャットの送信時刻は、退職や休職の前に自分の手元へ保存してください。
出典:神奈川労働局「セクシュアル・ハラスメントによる労災請求の相談窓口の開設について」、厚生労働省「心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正しました」、神奈川労働局「過労死等の労災補償状況(令和7年度)」
監督署が労災と認めなかった場合でも、その決定を見直してもらう手続きが3段階あります。神奈川では令和7年度に精神障害で決定が出た312件のうち、213件が不支給です。期限が短いので、決定通知が届いた日から日数を数えて動いてください。
神奈川労働局に置かれた労働者災害補償保険審査官が、署の判断を記録から見直します。請求書は労働局へ直接出すほか、決定をした監督署長を経由して出すこともできます。問い合わせ先は、審査請求を所管する労災補償課(045-211-7355)です。署の調査で足りなかった診療記録や同僚の陳述書は、この段階で追加してください。
審査官の決定にも納得できなければ、国の労働保険審査会へ再審査請求をします。審査請求から3か月たっても審査官の決定が出ないときは、棄却されたものとみなして次の段階へ進めます。
監督署長の不支給決定を裁判所に取り消してもらう手続きで、審査請求を経ていないと起こせません(労働者災害補償保険法40条)。神奈川の署が出した決定なら、横浜地方裁判所に訴えを起こせます。
出典:厚生労働省「労災保険審査請求制度」、e-Gov法令検索「労働者災害補償保険法」(7条・38条・40条・42条)、e-Gov法令検索「労働保険審査官及び労働保険審査会法」(38条)、神奈川労働局「各部署の主な仕事(所掌事務)から窓口をさがす」
労災保険の請求は本人でもできますが、後遺障害の等級や会社への損害賠償が絡むと、書類の作り方ひとつで受け取る額が変わります。神奈川県弁護士会には1,849人の弁護士が所属し、東京・大阪・愛知に次ぐ規模です。
請求書と添付資料を代わりに作ってもらえる
災害発生状況の書き方、証明を断られたときの補足書面、精神障害なら出来事の時系列表まで整えます。
後遺障害の等級で損をしない
主治医に伝える症状や、診断書に書いてもらう項目を具体的に示します。10級なら一時金は給付基礎日額の302日分、11級なら223日分と、等級が1つ違うだけで受け取る額が大きく動きます。
会社の安全対策の記録を出させる
作業手順書、安全教育の記録、足場や機械の点検簿の開示を求め、慰謝料と逸失利益を計算して請求します。建設の重層下請けや物流センターの構内作業では、元請け・荷主・派遣先のどこに請求できるかも切り分けます。
会社とのやり取りを任せられる
受任通知を送った後は、復職の時期や休業中の連絡も含めて会社とのやり取りをすべて代理人が受けます。
不支給の決定を争ってもらえる
審査請求から取消訴訟まで対応します。期限は3か月なので、決定通知が届いたらその週のうちに相談してください。
出典:日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」(2026年9月1日現在)、厚生労働省「労災保険給付の概要」、神奈川労働局「過労死等の労災補償状況(令和7年度)」
労災保険の請求と会社への損害賠償は、別々の窓口で同時に進みます。神奈川では、労働審判を申し立てる先が1か所に集まっています。
勤め先を受け持つ監督署へ請求書を出します。
治療を続けても良くならない段階で症状固定となり、障害の等級が決まります。会社に請求する金額はこの等級を土台に組み立てるので、横浜労災病院や関東労災病院、主治医に残っている症状を漏れなく診断書へ書いてもらってください。
弁護士の名前で安全配慮義務の違反と請求額を通知します。
話し合いがまとまらなければ裁判所の手続きに移ります。労働審判は原則3回以内の期日で終わり、全国の平均審理期間は96.7日、調停が成立する割合は65.6%です。過失の割合や後遺障害の程度で争いが深い事案、遺族が原因の解明を求める事案は訴訟で争います。
| 裁判所 | 扱う手続き・所在地 | 対象 |
|---|---|---|
| 横浜地方裁判所 本庁 | 労働審判(第7民事部)、労働関係の民事訴訟、民事保全(横浜市中区日本大通9) 第7民事部書記官室 045-664-8767 |
県内のすべての労働審判 |
| 横浜地方裁判所 川崎・相模原・横須賀・小田原の各支部 | 民事訴訟と民事保全は扱うが、労働審判は扱わない | 川崎市・相模原市・横須賀市・小田原市などに勤めていた人も、労働審判は本庁へ申し立てる |
出典:裁判所「労働審判手続」、横浜地方裁判所「管内の裁判所の所在地」、横浜地方裁判所「ダイヤルイン一覧表」
神奈川県内で労働審判を扱うのは横浜地方裁判所の本庁だけで、所在地は横浜市中区日本大通9、みなとみらい線の日本大通り駅から徒歩1分です。申立ては第7民事部が受け付けます。小田原や相模原、横須賀の会社が相手でも期日は日本大通の本庁で平日の日中に開かれるので、県西や県央から通うなら半日を空けてください。訴訟なら川崎・相模原・横須賀・小田原の各支部にも起こせるので、争点の多さと通いやすさから申立ての前に弁護士と手続きを決めてください。
出典:裁判所「労働審判手続」、最高裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第11回)」、横浜地方裁判所「横浜地方裁判所・横浜家庭裁判所の所在地」
請求書づくりだけを頼むのか、会社への損害賠償まで任せるのかで費用は変わります。神奈川県弁護士会の「働く人の法律相談」は労働災害や過労死の相談も受け、45分5,000円の有料枠です。かながわ労働センターの弁護士労働相談なら、無料で約40分話せます。
| 費用の種類 | 目安 | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| 法律相談料 | 45分5,000円。残業代・未払い賃金の相談なら無料枠がある | 神奈川県弁護士会の「働く人の法律相談」は関内で月・木13:15〜14:45、火9:15〜11:45。無料の「賃金相談」は横浜駅西口で水曜18:45〜20:45(30分)。日弁連アンケートでは相談料「1万円」56%・「5,000円」36% |
| 着手金 | 20万〜30万円、または請求見込み額の約8%。着手金無料の事務所もある | 日弁連アンケートの労働事件の設例で20万円が45%・30万円が31%。労災の損害賠償は請求額に応じて決める形が多い |
| 報酬金 | 回収額の16〜25% | 300万円以下の部分は約16%が一つの目安。等級が上がって増えた給付を報酬の対象に含めるかを契約前に決めておく |
| 裁判所への手数料 | 労働審判は請求100万円で5,000円、300万円で10,000円 | 金額を算定できない請求は160万円とみなして6,500円。50万円なら2,500円、200万円なら7,500円 |
| 裁判所への予納郵便切手 | 労働審判は3,950円分 | 横浜地方裁判所は本庁・支部とも定額(500円5枚・110円5枚・100円5枚・50円6枚・10円10枚)。現金や電子で納める場合は4,000円で、切手で納めるなら予納金は要らない |
出典:日本弁護士連合会「市民のための弁護士報酬ガイド(2008年度アンケート結果版)」、裁判所「手数料額早見表(労働審判用)」、横浜地方裁判所「郵便切手及び予納金一覧」、神奈川県弁護士会「相談料金」
休業が短く後遺症も残らない見込みなら、請求書は自分で出し、会社が非協力に転じた段階で相談する順番で足ります。費用が本格的にかかるのは、後遺障害の等級が付く事案と家族が亡くなった事案です。神奈川の所定内給与36万8,600円で働いていた人が10級の後遺障害を負った場合、労災保険の障害一時金は給付基礎日額の302日分で約367万円です。会社への請求ではこれとは別に後遺障害の慰謝料と逸失利益を求めるので、等級が付きそうなら交渉を始める前に弁護士へ依頼してください。
費用をすぐに用意できない人は、法テラスの立替制度を使ってください。収入と資産が基準以下なら、同じ問題について3回まで法テラスの無料相談を受けられ、弁護士費用を立て替えてもらえます。休業中で収入が8割に下がっている人は、基準に収まる場合があります。
神奈川は横浜市・川崎市・相模原市をはじめ県内の大半の市が生活保護の一級地にあたり、収入基準は次の枠で見ます。
| 家族人数 | 手取り月収の基準(横浜市・川崎市など) | 現金・預貯金の基準 |
|---|---|---|
| 単身 | 200,200円以下 | 180万円以下 |
| 2人家族 | 276,100円以下 | 250万円以下 |
| 3人家族 | 299,200円以下 | 270万円以下 |
| 4人家族 | 328,900円以下 | 300万円以下 |
横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・藤沢市・平塚市・小田原市・茅ヶ崎市・鎌倉市・逗子市・大和市・三浦市・秦野市・厚木市・座間市・葉山町は生活保護の一級地にあたるため、収入基準はこの枠で見ます。海老名市や伊勢原市など県内のほかの市町村に住む人の基準は単身182,000円・2人251,000円・3人272,000円・4人299,000円です。家賃や住宅ローンを負担している場合は単身41,000円・2人53,000円・3人66,000円・4人以上71,000円まで加算できます。窓口は法テラス神奈川(0570-078308)・川崎(0570-078309)・小田原(0570-078311)です。
出典:法テラス「民事法律扶助のしおり」(2026年3月現在)、厚生労働省「級地一覧」、法テラス「法テラス神奈川」
労災保険の手続きと会社への損害賠償を1つの事務所に任せると、資料を二度そろえずに済みます。神奈川県弁護士会の法律相談センターは関内・横浜駅西口・川崎・相模原・横須賀・小田原・海老名など県内12か所にあります。次の条件で候補を絞ってください。
神奈川で労災を任せる事務所の条件
入院や通院で事務所まで出向けない人は、電話やオンライン面談で進められる事務所を選んでください。ベンナビ労働問題では、初回相談無料の神奈川の事務所、休日に相談できる事務所、オンライン面談ができる事務所を条件で絞り込めます。土曜に弁護士と会うなら、神奈川県弁護士会の横浜駅西口(土日)や溝の口(毎週土曜)、藤沢(第2・4土曜)の法律相談も有料で使えます。
取扱い分野、初回相談料、夜間と休日の対応、オンライン面談の可否は事務所ごとに違います。診断書と事故の記録を手元に置いて、横浜・川崎・湘南・県央・県西のどこからでも通える相談先を選んでください。
出典:神奈川県弁護士会「相談場所から探す・アクセス」、神奈川県弁護士会「相談料金」
労災保険の請求は監督署と労働局、治療と仕事の両立は労災病院と産業保健総合支援センター、会社との話し合いは県のかながわ労働センターというように、用件で行き先が分かれます。かながわ労働センターは火曜の夜間と日曜も開いているので、平日の日中に動けない人はそこから始めてください。
| 窓口 | できること・受付 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 神奈川労働局 労災補償課(横浜市中区北仲通5-57 横浜第二合同庁舎8階) | 労災保険の給付、審査請求、労災かくしの相談を受ける。セクハラなどによる精神障害の労災請求は毎週水曜9:00〜12:00に専門調査員が予約制で相談に応じる。平日8:30〜17:15 | 045-211-7355 |
| 労働基準監督署(県内12署) | 労災保険の請求先。勤め先の事業場の所在地で担当が決まる。平日8:30〜17:15 | 横浜北 045-474-1253 川崎北 044-382-3192 厚木 046-401-1642 ほか各署の労災課 |
| 横浜労災病院(横浜市港北区小机町3211) | 労災の治療。治療就労両立支援センターが治療と仕事の両立を支える。外来受付は平日8:15〜11:00 | 0570-045-631 |
| 神奈川産業保健総合支援センター(横浜市神奈川区鶴屋町3-29-1) | 産業医学やメンタルヘルスの専門相談員が無料で相談に応じる。電話は平日14:00〜17:00、来所は予約制 | 045-410-1160 |
| 労働条件相談ほっとライン(厚生労働省委託) | 平日17:00〜22:00、土日祝9:00〜21:00に電話で労働条件の相談を受ける。匿名で相談できる | 0120-811-610 |
| かながわ労働センター 本所(横浜市中区寿町1-4 かながわ労働プラザ2階) | 労働問題全般の相談。平日9:00〜17:00(12〜13時を除く)に加えて、毎週火曜17:00〜19:30の夜間と毎週日曜9:00〜17:00(12〜13時を除く)も受ける。日曜は予約不要で、県内在勤・在住の人が対象。無料・匿名可 | 労働相談110番 045-662-6110 日曜 045-633-6110 |
| かながわ労働センター 川崎・県央・湘南の各支所 | 勤め先の所在地で担当が分かれる。川崎支所(高津区溝口)は川崎市、県央支所(厚木市)は相模原市・厚木市・大和市など、湘南支所(2026年1月に平塚市中里へ移転)は平塚市・藤沢市・小田原市など。川崎支所は原則第3木曜17:00〜19:30に予約制の夜間相談がある | 川崎 044-833-3141 県央 046-296-7311 湘南 0463-45-3150 |
| かながわ労働センターの弁護士労働相談 | 弁護士に無料で相談できる予約制の枠。1回おおむね40分で、センター職員が同席する。本所は第1・3・5火曜13:30〜16:30、各支所は月1回 | 本所 045-662-6110 |
| かながわ労働センターのあっせん | まずセンター職員が会社との話合いを仲介するあっせん指導を行い、解決しなければ神奈川県労働委員会のあっせんに進む。申請はどちらも労働センターで受け付け、労働委員会は直接受け付けない。無料 | 勤め先を担当する本所・支所 |
| 神奈川労働局 総合労働相談コーナー(県内14か所) | 神奈川労働局、12の労働基準監督署、横浜駅西口に設置。労働局長の助言・指導や、紛争調整委員会のあっせんへつなぐ | 045-211-7358(神奈川労働局) |
| 神奈川県弁護士会 法律相談センター(県内12か所) | 解雇などの労働者側の相談は関内の「働く人の法律相談」で45分5,000円(月・木13:15〜、火9:15〜)。残業代・未払い賃金に限った「賃金相談」は横浜駅西口で水曜18:45〜20:45に無料 | 関内 045-211-7700 横浜駅西口 045-620-8300 |
| 法テラス神奈川・川崎・小田原 | 収入・資産が基準以下の人向けの無料相談と費用立替。法テラス神奈川は横浜市中区山下町2、川崎は川崎駅前本町、小田原は小田原市本町。平日9:00〜17:00 | 神奈川 0570-078308 川崎 0570-078309 小田原 0570-078311 |
出典:神奈川県「職場の悩みを相談したい方へ」、神奈川県「個別労働関係紛争のあっせんとは」、神奈川労働局「総合労働相談コーナーのご案内」、神奈川県弁護士会「相談料金」、法テラス「法テラス神奈川」
かながわ労働センターには令和7年度、労災保険の相談が437件、安全衛生・労働災害の相談が202件寄せられました。休職・復職の相談は598件で、前年度から40.0%増えています。職場復帰の条件で会社ともめているならセンターのあっせん指導を、給付の請求は監督署を使い分けてください。
出典:神奈川労働局「各部署の主な仕事(所掌事務)から窓口をさがす」、神奈川労働局「セクシュアル・ハラスメントによる労災請求の相談窓口の開設について」、神奈川労働局「労働基準監督署の所在地・管轄一覧」、横浜労災病院、関東労災病院、神奈川産業保健総合支援センター「産業保健の相談」、厚生労働省「労働条件相談ほっとライン」、神奈川県「令和7年度 労働相談の概要(別紙)」、神奈川県「日曜労働相談」、神奈川県「夜間労働相談」
勤め先の事業場がある区で決まります。中区・南区・磯子区・港南区・金沢区は横浜南署(045-211-7376)、鶴見区は鶴見署(045-279-5487)、戸塚区・栄区・泉区・旭区・瀬谷区・保土ケ谷区は横浜西署(045-287-0275)、西区・神奈川区・港北区・緑区・青葉区・都筑区は横浜北署(045-474-1253)の労災担当です。
本人に不注意があっても労災保険の給付は受けられます。厚木署の管内は陸上貨物運送の死傷が令和7年に219人と県内最多です。荷台の端に墜落防止の措置がなかった、荷役の手順を教わっていなかったという事情があれば、会社に安全配慮義務の違反があったとして慰謝料も請求できます。請求先は厚木署の労災担当(046-401-1642)です。
労災保険は原則として元請けの保険で扱われ、現場で作業を指揮していた元請けに安全配慮義務の違反があれば、元請けへの損害賠償も求められます。神奈川では令和7年に建設業で14人が亡くなり、全業種で最多です。元請会社の名前と、作業指示を誰がしていたかをメモに残してください。
会社の同意は要りません。事業主の証明欄を書いてもらえなければ、その事情を書き添えて出せば署は受理し、支給するかどうかは署長が決めます。会社が労働者死傷病報告を出さないのは労災かくしで、50万円以下の罰金の対象です。神奈川労働局 労災補償課(045-211-7355)は労災かくしの相談も受けているので、提出先の署と様式を聞いてから動いてください。
神奈川労働局が、セクシュアルハラスメントなど職場のストレスによる精神障害の労災請求について、女性の臨床心理士などの専門調査員による相談を毎週水曜の9時から12時まで受けています。予約制なので、労災補償課(045-211-7355・平日8時30分〜17時15分)に電話して日時を決めてください。場所は馬車道駅から徒歩2分の横浜第二合同庁舎です。
認められた例は多くあります。神奈川では令和7年度に精神障害の支給決定が99件あり、上司からのパワーハラスメントが17件、顧客や取引先、施設利用者からの著しい迷惑行為が11件です。勤怠記録、言動の録音、初診時のカルテをそろえて請求し、不支給になっても3か月以内なら審査請求で争えます。
かながわ労働センター本所(横浜市中区寿町)が毎週日曜の9時から17時(12時〜13時を除く・045-633-6110)と、毎週火曜の17時から19時30分(045-662-6110)に無料で相談を受けます。労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)も平日は22時まで、土日祝は21時まで電話を受けています。
有料です。関内法律相談センターの「働く人の法律相談」が労働災害や過労死も扱い、45分5,000円で月・木曜の13時15分からと火曜の9時15分から受け付けます。無料で弁護士に聞きたいなら、かながわ労働センターの弁護士労働相談(年度内1人1回・約40分)か、収入が基準以下の人向けの法テラス神奈川(0570-078308)を使ってください。
労働審判は横浜地方裁判所の本庁(横浜市中区日本大通9)だけが扱い、小田原・相模原・横須賀・川崎の各支部では扱いません。会社への損害賠償を訴訟で求めるなら、勤め先の地域を受け持つ支部にも起こせます。期日に出向く回数を減らしたいなら、代理人を立てて本人の出席を重要な期日に絞ってください。
横浜市港北区の横浜労災病院(0570-045-631)に治療就労両立支援センターがあり、治療と仕事の両立に向けた支援をしています。神奈川産業保健総合支援センター(横浜市神奈川区鶴屋町・045-410-1160)では、産業医学やメンタルヘルスの専門相談員に無料で相談できます。会社に配置転換や短時間勤務を求める場面では、弁護士が代理人として交渉します。
治療費と休業の給付は2年、障害と遺族の給付は5年を過ぎると請求できなくなります。休業の給付は働けなかった日ごとに期限が進むので、遅れた分だけ受け取れる日数が減ります。神奈川労働局 労災補償課に残りの期間を聞き、請求書だけでも先に出してください。
署名する前に弁護士へ見せてください。示談が成立すると、後から症状が重くなっても追加の請求は原則できません。妥当な額は後遺障害の等級が決まって初めて計算できるので、症状固定の前の示談は金額が足りなくなるおそれがあります。かながわ労働センターの弁護士労働相談は無料で予約制なので、示談書を持ち込んで請求できる額の見通しを聞いてください。
使えます。労災保険は雇用の形や国籍にかかわらず、パート、アルバイト、派遣社員、外国人労働者も対象です。派遣なら請求書の証明は派遣元に求めます。神奈川では令和7年に外国人労働者の死傷が400人あり、全体の5.0%です。在留資格のない人でも給付は受けられます。
勤め先を受け持つ監督署に遺族補償給付を請求します。遺族特別支給金は一律300万円で、遺族の人数に応じて給付基礎日額の153日分から245日分の年金が続きです。会社に安全配慮義務の違反があれば、慰謝料と逸失利益も請求できます。現場の状況を知る同僚の連絡先を早めに控えてください。
参考資料・更新情報