パワハラ・セクハラ・未払い残業代・過重労働・リストラなどの労働トラブルが起こった際に、専門家に相談したくても費用がネックになり、相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。
そんな方々を、いざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。
労働トラブルに限らず、交通事故や離婚トラブル、子供のいじめなど様々な法律トラブルでも利用可能です。
弁護士保険で法律トラブルに備える
退職代行を利用しようとすると、気になることが「退職代行を使ったことを理由に懲戒解雇されてしまうのでは?」という心配ではないでしょうか。
結論から申し上げますと、退職代行を利用したことを理由とする懲戒解雇には法的効力はありません。
今回は、退職代行と懲戒解雇について簡単に説明すると共に、退職代行業者の選び方についてお伝えしていきたいと思います。
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「退職代行が失敗するケースとは?失敗時のリスクを極力抑える3つの方法」
「退職代行で損害賠償請求をされるリスクはある?リスクを極力軽減させる方法」
冒頭でもお伝えしたように、退職代行を利用したことを理由に懲戒解雇しても解雇の効力は生じません。
懲戒解雇(ちょうかいかいこ)とは、社内の秩序を著しく乱した労働者に対するペナルティとして行う解雇のことで、日本の労使間で許容されるペナルティのうち最も重い処分です。
日本では労働者の立場は手厚く保護されており、ペナルティであるか否かを問わず、会社は容易に解雇することはできません。解雇のハードルはそもそも高いのです。
そしてペナルティとして行う懲戒解雇は、労働者の雇用を直ちに打ち切るばかりか、再就職にも影響し得るものですので、労働者に与える影響は甚大です。そのため、懲戒解雇は、例えば会社の金を横領したなどの実害が生じるほどの『重大な問題』が認められなければ法的有効性は認められません。
【関連記事】懲戒解雇とは|6つの懲戒ケースと懲戒解雇された時の対処法
退職代行は近年注目され始めた新しいサービスであり、弁護士法違反となるのではないかという議論があります。
業者が『依頼者に変わって、会社に退職の意思を伝える、書類のやり取りをするなどの単純な事務処理を代行する程度であれば、弁護士法に抵触する可能性は低いとは言われていますが、このあたりは今後議論が進むものと思われます。
他方、
こういった退職条件に関わる交渉を業者が有償で行うことは、弁護士資格を持たない人物が法律事務を処理する行為として弁護士法違反となる可能性が高いと思われます。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
引用元:弁護士法第72条
弁護士に退職の処理を依頼することは、当然、合法です。
無期雇用の労働者や一定の有期雇用労働者には退職の事由が保障されていますので、弁護士が介入して退職処理を行えばほぼ確実に退職できると思われます。
また、弁護士が介入すれば会社も殊更違法な対応はできませんので、退職に伴う嫌がらせ等も回避できるでしょう。
退職代行を利用して退職すると損害賠償を請求されるのではと心配されている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、上記のとおり、労働者の多くは退職の事由が保障されています。このように保障された権利を行使しているのであれば、会社から損害賠償請求を受けることはまずありません。
なお、1年以内の有期雇用労働者のように、期間途中での退職が一定程度制限される場合もありますが、その場合であっても、退職により直ちに会社に実害が生じることは通常ないので、実際に損害賠償請求をされるリスクは限りなく低いと思われます。
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退職代行で損害賠償請求をされるリスクはある?リスクを極力軽減させる方法
スムーズな退職を企図するのであれば、上記でも触れたように弁護士に退職処理を依頼するのがベストです。
なお、未払い賃金やこれまでのパワハラなどによるうつ病などの症状があれば、退職処理と併せて未払い賃金請求や労災認定の依頼も可能です。
退職代行を使ってまで退職したいとお考えの会社であれば、未払い賃金請求や過酷な労働環境などの他の問題も併発している可能性があります。
単に退職するだけでなく今まで働いた賃金や受けた損害に対してきちんと補償してもらうべきかもしれませんね。
【関連記事】
「退職代行を弁護士に依頼する7つのメリットと弁護士費用相場|選び方まで解説」
非弁行為はこれを行った者が刑事責任などを問われるものであり、非弁業者の利用者には特段の責任は生じません。したがって、非弁業者を利用したからと行って、何らか責任を問われるということは考えにくいです。
もっとも、非弁業者による退職代行処理が行われた結果、会社と無用のトラブルに発展する可能性もゼロではありません。
そのため、退職代行を依頼する業者は慎重に選定するべきでしょう。最低でも顧問弁護士の指導を受けている退職代行業者を選ぶことは必須かと思われます(顧問弁護士がいれば非弁とならないというわけではありませんので、その点は注意しましょう。)。
【関連記事】
「【弁護士に聞く】退職代行は違法?弁護士法違反・非弁行為の判断基準」
極めて考えにくく、通常は起こり得ない事例と思いますが、万が一退職代行の利用を理由に会社から懲戒解雇された場合どうすればよいのでしょうか。
答えは、再就職に支障が出るなどの事情がなければ特に対応することはありません。既に会社と雇用契約関係がないのであれば、会社が懲戒解雇であると主張しても日常生活に支障は生じません。
そのため、再就職に影響が出たり、雇用保険の処理で不利益を受けるなどの問題がなければ、無視しても大丈夫です。
なお、このような支障・不利益が生じるような場合は、弁護士に依頼して適切に対応してもらうと良いでしょう。
退職代行を理由とする懲戒解雇などは法的には認められません。
ただ、違法な業者を利用して退職処理を行えば、会社と無用のトラブルが生じる可能性は否定できません。
したがって、退職処理を第三者に依頼したいのであれば、まずは弁護士に依頼すべきですし、少なくとも弁護士による指導を受けている適切な業者を選定するべきでしょう。
出典元一覧 |
弁護士法 |
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可能です。企業に勤めており、雇用契約の中で働いている一般労働者から、自衛隊、警察等の期間で働いている方でも、弁護士の退職代行はご利用できます。
退職代行とは?ブラック企業から抜け出すための救世主サービス
退職代行業者と、弁護士による退職代行業務に大差はありません。いずれも、労働者の代わりに退職の意思を伝えるサービス概要において、両者に違いはないと言えます。ただ、退職代行業者が自社の持つ権限内で適切にサービスを運用しているとは限りません。退職代行業務の中には『弁護士資格』を持つ弁護士にしかできない業務も多分にございます。
その点、弁護士を通すことで上記違反(弁護士法違反・非弁行為)のリスクはありませんし、確実に適法範囲で対応できます。また、未払い残業代や不当解雇、万が一懲戒解雇等の扱いを受けたとしても、弁護士がおりますので、相談によって具体的な解決策の提示を受けられる可能性は高いと思います。
退職代行を利用したことが損害賠償の理由となることはありません。しかし、在職時の労働者の行いや退職の仕方によっては労働者側に損害賠償義務が認められる可能性もゼロではありません。退職にあたって、会社から損害賠償を請求されるのは、退職にあたって労働者側に何らかの義務(注意義務)違反があり、同違反により会社に具体的損害が生じている場合に限られます。
たとえば、労働者が退職に至るまでの間、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、退職にあたっても何ら必要な引継ぎ・連絡をせず代行業者を通じて本人が一切出てこないという場合、労働者の会社に対する義務違反を構成することはあり得ます。
代行業者、弁護士のどちらに依頼した場合でも「退職できなかった」というトラブル報告はほとんどみられません。会社も退職代行会社が連絡してくると、退職に応じてはいるようです。つまり、よほどのことがない限り、退職した従業員に対して損害賠償ということは考えられません。(従業員1名が退職したとしても、直ちに損害が生じることは考えにくいです。)ただし、これも絶対ではありません。
過去、入社1週間で退職し、退職の効果が発生するまでの期間も出勤しなかった従業員が勤務先から損害賠償を受け、70万円の支払命令が出た事案があります。(ケイズインターナショナル事件)そのため、どのような辞め方でも絶対に労働者側に責任が問われないというわけでもない、という点は注意すべきです。
とはいえ、通常は退職したことで直ちに会社に損害が生じることはありませんので、過度の心配は不要かと思います。
状況にもよるかと思いますが、引き継ぎをせずに退職することは多くの場合は可能と思われます。例えば、引継ぎをしないことが会社に対する義務違反とならないような場合や、引継ぎをしないことで会社に具体的な実害が生じないような場合は、引継ぎは必須ではないといえそうです。ただし、『労働者が退職前から、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、会社の出頭要請にも応じていない』『そのまま退職した結果、会社業務に具体的な支障が生じ、取引先を失うなどの実害が生じている』というケースであれば、労働者が退職代行を入れて引継ぎもなく退職したことについて、損害賠償を求められるリスクはまったくないとはいえないでしょう。
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