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退職代行で懲戒解雇されるリスクは低い!万が一懲戒解雇された時の対策
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2019.5.17

退職代行で懲戒解雇されるリスクは低い!万が一懲戒解雇された時の対策

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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退職代行を利用しようとすると、気になることが「退職代行を使ったことを理由に懲戒解雇されてしまうのでは?」という心配ではないでしょうか。

 

結論から申し上げますと、退職代行を利用したことを理由とする懲戒解雇には法的効力はありません

 

今回は、退職代行と懲戒解雇について簡単に説明すると共に、退職代行業者の選び方についてお伝えしていきたいと思います。

 

 

【関連記事】
退職代行が失敗するケースとは?失敗時のリスクを極力抑える3つの方法

退職代行で損害賠償請求をされるリスクはある?リスクを極力軽減させる方法

 

 

退職代行と懲戒解雇の関係

冒頭でもお伝えしたように、退職代行を利用したことを理由に懲戒解雇しても解雇の効力は生じません

 

そもそも懲戒解雇になる要件とは

懲戒解雇(ちょうかいかいこ)とは、社内の秩序を著しく乱した労働者に対するペナルティとして行う解雇のことで、日本の労使間で許容されるペナルティのうち最も重い処分です。

 

日本では労働者の立場は手厚く保護されており、ペナルティであるか否かを問わず、会社は容易に解雇することはできません。解雇のハードルはそもそも高いのです。

 

そしてペナルティとして行う懲戒解雇は、労働者の雇用を直ちに打ち切るばかりか、再就職にも影響し得るものですので、労働者に与える影響は甚大です。そのため、懲戒解雇は、例えば会社の金を横領したなどの実害が生じるほどの『重大な問題』が認められなければ法的有効性は認められません。

 

懲戒解雇になり得る"重大な問題"の例

  1. 業務上の地位を利用した犯罪行為をした場合
  2. 会社の名誉を著しく害する重大な犯罪行為
  3. 経歴の重大な詐称
  4. 長期間の無断欠勤
  5. 重大なセクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメント
  6. 懲戒処分を受けても同様の行為を繰り返す など

 

【関連記事】懲戒解雇とは|6つの懲戒ケースと懲戒解雇された時の対処法

 

退職代行と弁護士法

退職代行は近年注目され始めた新しいサービスであり、弁護士法違反となるのではないかという議論があります。

 

業者が『依頼者に変わって、会社に退職の意思を伝える、書類のやり取りをするなどの単純な事務処理を代行する程度であれば、弁護士法に抵触する可能性は低いとは言われていますが、このあたりは今後議論が進むものと思われます。

 

他方、

  • 退職日の調整
  • 有給の消化に関する交渉
  • 未払い分の退職金ほか残業代等の賃金請求

 

こういった退職条件に関わる交渉を業者が有償で行うことは、弁護士資格を持たない人物が法律事務を処理する行為として弁護士法違反となる可能性が高いと思われます。

 

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

引用元:弁護士法第72条

 

弁護士が退職処理を代行すれば非弁行為となることはない

弁護士に退職の処理を依頼することは、当然、合法です。

 

無期雇用の労働者や一定の有期雇用労働者には退職の事由が保障されていますので、弁護士が介入して退職処理を行えばほぼ確実に退職できると思われます。

 

また、弁護士が介入すれば会社も殊更違法な対応はできませんので、退職に伴う嫌がらせ等も回避できるでしょう。

 

退職代行と損害賠償請求のリスクについて

退職代行を利用して退職すると損害賠償を請求されるのではと心配されている方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、上記のとおり、労働者の多くは退職の事由が保障されています。このように保障された権利を行使しているのであれば、会社から損害賠償請求を受けることはまずありません。

 

なお、1年以内の有期雇用労働者のように、期間途中での退職が一定程度制限される場合もありますが、その場合であっても、退職により直ちに会社に実害が生じることは通常ないので、実際に損害賠償請求をされるリスクは限りなく低いと思われます。

 

【関連記事】

退職代行で損害賠償請求をされるリスクはある?リスクを極力軽減させる方法

 

 

労働者がスムーズな退職をするためには?

 

退職代行は弁護士に依頼する

スムーズな退職を企図するのであれば、上記でも触れたように弁護士に退職処理を依頼するのがベストです。

 

なお、未払い賃金やこれまでのパワハラなどによるうつ病などの症状があれば、退職処理と併せて未払い賃金請求や労災認定の依頼も可能です。

 

退職代行を使ってまで退職したいとお考えの会社であれば、未払い賃金請求や過酷な労働環境などの他の問題も併発している可能性があります。

 

単に退職するだけでなく今まで働いた賃金や受けた損害に対してきちんと補償してもらうべきかもしれませんね。

 

【関連記事】
退職代行を弁護士に依頼する7つのメリット

 

非弁業者を利用するリスク

非弁行為はこれを行った者が刑事責任などを問われるものであり、非弁業者の利用者には特段の責任は生じません。したがって、非弁業者を利用したからと行って、何らか責任を問われるということは考えにくいです。

 

もっとも、非弁業者による退職代行処理が行われた結果、会社と無用のトラブルに発展する可能性もゼロではありません。

 

そのため、退職代行を依頼する業者は慎重に選定するべきでしょう。最低でも顧問弁護士の指導を受けている退職代行業者を選ぶことは必須かと思われます(顧問弁護士がいれば非弁とならないというわけではありませんので、その点は注意しましょう。)。

 

【関連記事】
【弁護士に聞く】退職代行は違法?弁護士法違反・非弁行為の判断基準

 

 

会社から懲戒解雇されてしまった時の対処法

極めて考えにくく、通常は起こり得ない事例と思いますが、万が一退職代行の利用を理由に会社から懲戒解雇された場合どうすればよいのでしょうか。

 

答えは、再就職に支障が出るなどの事情がなければ特に対応することはありません。既に会社と雇用契約関係がないのであれば、会社が懲戒解雇であると主張しても日常生活に支障は生じません。

 

そのため、再就職に影響が出たり、雇用保険の処理で不利益を受けるなどの問題がなければ、無視しても大丈夫です。

 

なお、このような支障・不利益が生じるような場合は、弁護士に依頼して適切に対応してもらうと良いでしょう。

 

 

 

まとめ

退職代行を理由とする懲戒解雇などは法的には認められません。

 

ただ、違法な業者を利用して退職処理を行えば、会社と無用のトラブルが生じる可能性は否定できません。

 

したがって、退職処理を第三者に依頼したいのであれば、まずは弁護士に依頼すべきですし、少なくとも弁護士による指導を受けている適切な業者を選定するべきでしょう。

 

出典元一覧

弁護士法

 

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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