失業保険の申請期限は?受給期間と手続きが遅れたときの対処法を解説
失業保険(基本手当)を受け取れる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。手続きが遅れると、受け取れない給付日数が生じることがあります。
妊娠や入院などの事情により、すぐに手続きできないケースもあるでしょう。
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「妊娠でしばらく働けないときはどうすればいいの?」 |
本記事では、失業保険を受け取れる期間(受給期間)について、手続きが遅れた場合の対処法や注意点を含め解説します。
関連記事:退職後にもらえる給付金にはどんな種類がある?給付金の一覧と受け取り条件を紹介
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そもそも失業保険とはどんな保険?
失業保険とは、退職や解雇などにより離職した人が、次の仕事を見つけるまでの生活を支えるために設けられた制度です。
本項では、具体的にどんな保険かについて解説します。
失業保険を受給できる対象者
失業保険を受け取るための条件は、以下のとおりです。
- 失業している人
- 退職する直前の2年間に、通算12ヵ月以上雇用保険に加入していた人
- ハローワークで再就職に関する申請を済ませた人
ちなみに雇用保険の条件は、会社都合で辞めた場合「退職する直前の1年間に、通算6ヵ月以上加入していた人」となります。
自己都合と会社都合で、受け取れる条件が変わるので事前に把握しておきましょう。
また、失業保険は再就職する意思のある人にのみ適用されます。求職活動の実績を、証拠として提示しなくてはいけないため注意してください。
支給される期間
基本手当を受け取れる期間(受給期間)は、原則として離職日の翌日から1年間です。この受給期間のなかで、年齢・被保険者であった期間・離職理由に応じて定められる所定給付日数分を受け取ります。
年齢や就労期間、退職理由によって支給される期間が異なります。
ただし、ケガや妊娠などの事情があり、引き続き30日以上働けなくなった際は延長手続き可能です。
申請してから支給されるまでの流れ
退職後、失業保険を申請する場合は以下の流れに沿っておこないましょう。
- ハローワークにて求職の申し込み・受給資格の決定
- 雇用保険に関する説明会の実施
- 待機満了・給付制限
- 失業認定
受給資格が認められた際は、7日間の待機期間が発生します。詳しくは「失業保険を申請するときの注意点」を参考にしてください。
失業保険はいつまでに手続きすればいい?
本項では、失業保険を受け取れる期間(受給期間)と、その延長について解説します。
病気・けがや妊娠・出産などで働けない場合は、受給期間を延長できるため、対象となる条件を把握しておきましょう。
基本手当の受給期間
基本手当を受け取れる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。この1年間を「受給期間」といいます。
受給期間(1年)を過ぎると、まだ受け取っていない給付日数が残っていても、その分は受け取れなくなります。
そのため、離職票が届いたらできるだけ早くハローワークで手続きを始めることが大切です。
また、申請した日が遅ければ遅いほど、支給開始日も遅くなってしまいます。経済的な余裕がない方は、とくに早めに申請しましょう。
妊娠・出産で働けない場合の受給期間延長
妊娠・出産や病気・けがなどで、引き続き30日以上働けない場合は、基本手当の受給期間を延長できます。
延長できる期間は働けない期間に応じて最長3年間で、原則1年間の受給期間と合わせて最長4年間です。
申請は、働けない状態が引き続き30日以上となった後、早めにおこなってください。延長後の受給期間の最終日まで申請できますが、申請が遅れると所定給付日数の全てを受給できないことがあります。
手続きは、住所地を管轄するハローワークでおこないます。
60歳以上の定年等による退職後に休養する場合の延長期限
60歳以上で定年などにより退職し、しばらく就職を希望せず休養する場合は、離職日の翌日から2か月以内に、受給期間延長申請書と離職票をハローワークへ提出してください。
申し出た就職を希望しない期間は最長1年まで、原則1年間の受給期間に加算されます。この2か月は休養のための受給期間延長の申請期限であり、一般の失業保険の申請期限ではありません。
参考:雇用保険の受給について(Q9・Q11)|ハローワークインターネットサービス
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失業保険の手続きが遅れるとどうなる?
本項では、手続きが遅れた場合に起こることを解説します。
申請が遅れても受給期間は自動では延びない
基本手当の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。
所定給付日数は、この受給期間中に基本手当を受け取れる日数の上限です。
求職の申込みが遅れた場合も、受給期間の満了日は自動では延びません。
病気・けが、妊娠・出産・育児、親族の看護・介護により引き続き30日以上働けない場合は、受給期間延長の手続きができます。
延長を申請できる期間内でも、手続きが遅いと所定給付日数の全てを受給できないことがあるため、早めに住所地を管轄するハローワークで手続きしましょう。
受給できる時期が遅くなる
失業保険は、当然ながら申請が遅れたぶん、必然的に手当が支給される時期も遅れます。
受給期間内に所定給付日数を受け取り切れないリスクを防ぐためにも、できるだけ早めの手続きが大切です。
支給される総額が下がる
手続きが遅れるほど、受給期間(原則1年)のうち実際に基本手当を受け取れる残りの期間は短くなります。
期間に余裕があれば、ほとんどの場合で満額の手当を受け取れるでしょう。
しかし、受給期間の残りが短いと、所定給付日数の全てを受け取り切れないことがあります。
受け取っていない分があったとしても、受給期間が過ぎると支給されなくなるので注意が必要です。
失業保険の手続きが遅れたときの対処法
受給期間を過ぎると、残っている所定給付日数分は受け取れません。手続きが遅れている方は、早めに住所地を管轄するハローワークへ相談しましょう。
本項では、手続きが遅れた場合の相談先と、病気・けがなどで働けない場合の受給期間延長について解説します。
ハローワークへ相談する
ハローワークでは、離職日と手続きが遅れた事情を伝え、残りの受給期間や受給期間延長の対象になるかを相談しましょう。
前項で解説した、妊娠や出産のほかに、後述するケガや病気がおもな例です。
病気・けが、妊娠・出産・育児、親族の看護・介護により引き続き30日以上働けなかった場合は、受給期間延長の対象になります。
ケガや病気で働けない場合は受給期間延長を申請する
ケガや病気により引き続き30日以上働けない場合は、受給期間を最長3年間延長できます。原則1年間の受給期間と合わせて最長4年間です。
申請は住所地を管轄するハローワークでおこないます。受給期間延長申請書と離職票など、必要な書類をそろえて提出してください。
| 延長できるケース | 延長できる期間 |
|---|---|
| 病気・ケガ、妊娠・出産・育児、介護などで引き続き30日以上働けないとき | 受給期間(1年)+最長3年 (合計最長4年) |
| 60歳以上の定年などで、しばらく求職しないとき | 受給期間(1年)+最長1年 (合計最長2年) |
病気・けがなどで受給期間の延長を希望する場合は、引き続き30日以上働けない状態になった後、早めにハローワークで手続きしましょう。60歳以上の定年等による退職後に休養する場合は、離職日の翌日から2か月以内の申請が必要です。
失業保険を申請するときの注意点
本項では、失業保険を申請する際に注意すべき点について解説します。
待機期間や給付制限を把握する
失業保険には、待機期間や給付制限が存在します。待機期間とは、申請した際に受給資格の認定を受けた場合に課される期間です。離職票の提出と求職の申込みを行った日(受給資格決定日)から通算して7日間です。
失業保険は、待機期間を経たのち支給されていきます。
また、待機期間のほかに給付制限という期間も存在します。給付制限は、7日の待機期間を経た後に課される期間です。
正当な理由のない自己都合退職では、離職日が2025年4月1日以降の場合、7日間の待期後に原則1か月の給付制限があります。ただし、過去5年間に2回以上、正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を受けた場合や重責解雇の場合は3か月です。
また、2025年4月1日からは、離職期間中や離職日前1年以内に、教育訓練給付金の対象講座など雇用の安定・就職の促進に役立つ教育訓練を自ら受けていた場合、自己都合退職でも給付制限が解除され、7日間の待期が終わればすぐに受給できるようになりました(雇用保険法等の一部を改正する法律の施行について|厚生労働省)。
待機期間は、手当を申請すれば全員に設けられますが、給付制限は正当な理由のない自己都合で退職した人と重責解雇の人に限られます。
自己都合で退職する方は、受け取れる時期について、あらかじめ把握しておきましょう。
待機期間中にアルバイトはしない
失業保険の受給資格が認定された後の待機期間中、できるだけアルバイトはしないよう心がけてください。
待機期間中にアルバイトなどをおこない、収入が発生すると手当を受給できる期間が延びてしまいます。
収入額や勤務時間に関係なく、アルバイトを入れた日数分だけ待機期間が延長されるため注意が必要です。
失業保険の受給期間に発生した収入に気をつける
待機期間とは異なり、失業保険の受給期間中は条件付きでアルバイトがおこなえます。
おもな条件は、以下のとおりです。
- 1週間の労働時間が20時間未満
- 31日未満の雇用が見込み
条件を超えた時間分のアルバイトは、受給可能な手当が減額される原因にもなるため気をつけましょう。
減額対象として、以下の例が挙げられます。
(例)
賃金日額7,000円、基本手当の日額5,201円の者(60歳未満)が、失業の認定に係る期間(28日間)中に2日間内職し、内職により6,000円を得た場合の認定期間(28日分)の基本手当の支給額
1日当たりの減額分は、
〔(6,000円/2-1,429円)+5,201円〕-7,000円×80% = 1,172円
基本手当の支給額は、
5,201円×(28日-2日)+(5,201円-1,172円)×2日 =143,284円
引用元:2 失業期間中に自己の労働による収入がある場合の基本手当の減額の算定に係る控除額(※)の引上げ|厚生労働省
また1日4時間以上のアルバイトは、シフトを入れた日数分、失業保険の給付時期が先延ばしになってしまいます。
失業保険を受給する方で、アルバイトを考えている方は、労働時間や日数を十分に考慮しておきましょう。
参考:はろカフェ ~基本手当受給中のパート、アルバイトについて~|厚生労働省
失業保険の申請に必要な書類
失業保険の申請には、会社から受け取る書類と、自分で用意する書類が必要です。手続きを一度でスムーズに終えるために、事前にそろえておきましょう。
- 雇用保険被保険者離職票(1・2)
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカードなど)
- 身元確認書類(運転免許証など)
- 証明写真2枚(最近3か月以内・縦3.0cm×横2.4cm)※マイナンバーカードがあれば不要な場合あり
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
離職票は、退職後に会社から送られてくるのが一般的です。届かない場合は会社に確認しましょう。
あわせて確認しておきたい受給の条件
期限を過ぎたあとにどうなるか、また受給が終わったあと次はいつ受け取れるかも、先に押さえておくと動きやすくなります。
一度受給すると雇用保険の被保険者期間はリセットされ、次の受給には改めて加入期間が必要になります。
| 会社都合の場合 | 自己都合の場合 | |
|---|---|---|
| 受給開始時期 | 7日間の待期期間を経てすぐ受け取れる | 待期期間を経たのち原則1か月の給付制限 |
| 所定給付日数 | 90日〜330日 | 90日〜150日 |
| 受給できる金額 | ほとんどの場合、満額で受け取れる | 減額する可能性がある |
| 雇用保険の加入条件 | 退職する直前から1年以内に通算6ヵ月 | 退職する直前の2年間のうち、通算12ヵ月 |
まとめ|失業保険は受給期間内に早めに手続きしよう
失業保険(基本手当)を受け取れる受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。
病気・けがや妊娠・出産により引き続き30日以上働けない場合は、受給期間延長の対象になります。
延長の申請は、働けない状態が引き続き30日以上となった後、早めにおこないましょう。
ただ、手続きが遅れるほど受給開始も遅くなります。早めに受け取りたい方は、受給期間内のできるだけ早い時期に手続きしましょう。
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たとえば、労働者が退職に至るまでの間、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、退職にあたっても何ら必要な引継ぎ・連絡をせず代行業者を通じて本人が一切出てこないという場合、労働者の会社に対する義務違反を構成することはあり得ます。
代行業者、弁護士のどちらに依頼した場合でも「退職できなかった」というトラブル報告はほとんどみられません。会社も退職代行会社が連絡してくると、退職に応じてはいるようです。つまり、よほどのことがない限り、退職した従業員に対して損害賠償ということは考えられません。(従業員1名が退職したとしても、直ちに損害が生じることは考えにくいです。)ただし、これも絶対ではありません。
過去、入社1週間で退職し、退職の効果が発生するまでの期間も出勤しなかった従業員が勤務先から損害賠償を受け、70万円の支払命令が出た事案があります。(ケイズインターナショナル事件)そのため、どのような辞め方でも絶対に労働者側に責任が問われないというわけでもない、という点は注意すべきです。
とはいえ、通常は退職したことで直ちに会社に損害が生じることはありませんので、過度の心配は不要かと思います。
状況にもよるかと思いますが、引き継ぎをせずに退職することは多くの場合は可能と思われます。例えば、引継ぎをしないことが会社に対する義務違反とならないような場合や、引継ぎをしないことで会社に具体的な実害が生じないような場合は、引継ぎは必須ではないといえそうです。ただし、『労働者が退職前から、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、会社の出頭要請にも応じていない』『そのまま退職した結果、会社業務に具体的な支障が生じ、取引先を失うなどの実害が生じている』というケースであれば、労働者が退職代行を入れて引継ぎもなく退職したことについて、損害賠償を求められるリスクはまったくないとはいえないでしょう。
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