失業手当の受給中にバイトを4時間ピッタリするとどうなる?受給条件を詳しく解説
失業手当を受け取っている間もアルバイトで収入を得たいと考える方も多いでしょう。
その際に「どれくらいまでのアルバイトなら許されるの?」
「1日4時間ピッタリで終われば良いと聞いたけど本当?」という疑問を持つ方がいるかもしれません。
失業保険中のアルバイトには労働時間や収入金額に制限がかけられるため、ルールをきちんと理解しておかなければ、損をしてしまうおそれがあります。
この記事では、失業保険の受給中に行うアルバイトについて解説します。
失業保険の受給中もアルバイトで生活費を稼ぎたいと考えている方は、本記事を最後まで読んで参考にしてください。
あわせて読みたい⇒退職後にもらえる給付金にはどんな種類がある?給付金の一覧と受け取り条件を紹介
失業保険(雇用保険の基本手当)は、退職後の生活を支える国の制度です。離職前6ヶ月の月収をもとに、月収の約50〜80%が、最大で約1年間にわたって支給されます。
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失業手当の受給中にバイトを4時間ピッタリでするとどうなるのか?
失業保険を受け取る際に「4時間」というキーワードが出てくるのは、失業保険の受給条件が関係しています。
失業保険をしながらアルバイトを行うためには、雇用保険の加入条件に該当しなくてはいけません。雇用保険に加入する条件は以下の2つです。
- 1週間あたりの労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用が見込まれる
週5日の労働時間を20時間までに収めるために、1日あたり4時間の労働が上限なとなっているのです。
また、1日あたりの労働時間が4時間を超えた場合と下回った場合の、失業保険の扱いは以下の表を参考にしてください。
| 1日の労働時間 | 失業保険の扱い |
|---|---|
| 4時間以上 | 「就労・就職」とみなされ、働いた日の失業保険は後回しになる |
| 4時間未満 | 「内職・手伝い」扱いとなり、収入額により失業保険が減額される |
労働時間が4時間を超えた場合、収入にかかわらず失業保険は後回しになってしまいますが、減ることはありません。
一方で、4時間未満の場合は収入額によって失業保険が減額されるため、このことを理解した上で労働時間を調整するようにしましょう。
4時間ピッタリは「4時間以上」の扱いになる
「アルバイトを”4時間ぴったり”にすれば失業保険がもらえる」と考える方がいますが、それは間違いです。
1日あたりのアルバイト時間が4時間ぴったりの場合は、「4時間以上」の扱いになってしまいます。
そのため、アルバイトをしながら失業保険を受け取りたい方は、1日あたりの労働時間を4時間ぴったりにすることは避けたほうが良いでしょう。
4時間働くと就労をしたと見なされる
失業保険のルールでは、4時間以上(ぴったり含む)のアルバイトをすると「就労」と見なされその日分の失業保険は見送られます。
ただし、あくまで「見送られる」だけに過ぎないため、働いた分は損をすることはありません。もちろん、見送られた失業保険は後日満額支給されます。
そのため、アルバイトをしながら失業保険を満額受け取りたいのであれば、4時間以上働くことをおすすめします。
その場合は、労働時間をしっかり覚えておきハローワークへ正確に申告しましょう。
アルバイトをしながら失業手当を受け取る条件
アルバイトをしながら失業保険を受け取るためには、以下の6つの条件があります。
- 週20時間未満に抑える
- 31日未満の雇用契約にする
- 受給中のバイトをハローワークに申告する
- 求職活動実績を作る
- 7日間の待機期間はバイトをしない
- 賃金日額の80%以下に収入を抑える
それぞれの条件を十分に理解した上で、アルバイトを行いましょう。
週20時間未満に抑える
1つ目の条件は、労働時間を週20時間までに抑えることです。
失業保険を受け取るためには「失業状態」である必要がありますが、収入金額や時間の条件をクリアすれば、失業保険を受給しながらでも働くことができます。
ただし、労働時間が週20時間を超えてしまった場合でも、失業保険を受けられる可能性があります。
それは、繁忙期や人員不足が原因で、一時的に労働時間が週20時間を超えてしまったケースです。
しかし、週20時間以上の労働が続き「一時的」ではないと判断された場合は、失業保険がストップされるおそれがあります。
「アルバイトの労働時間が規定を超えてしまいそう」だという場合は、ハローワークへ相談するようにしてください。
31日未満の雇用契約にする
雇用期間を31日未満ににすることも、失業保険をもらいながらアルバイトを行う条件です。
先述のとおり、失業保険中にアルバイトをするためには、雇用保険の条件を満たしてはいけません。
そのため、雇用保険の条件である「31日以上の雇用契約」を締結すると失業保険が受け取れないのです。
ただし、以下のケースでは雇用契約が31日未満でも31日以上の雇用と判断されるおそれがあります。
・雇用契約に更新する場合がある旨の規定があり31日未満での雇止めの明示がないとき
・雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績があるとき
引用:厚生労働省「労働者・求職者・事業主の皆さまへ」
このように、雇用契約の内容や実績によっては、雇用保険の適用対象になってしまうおそれがあるため、雇用契約を締結する際は契約内容を十分に確認することが必要です。
受給中に行ったバイトをハローワークに申告する
失業保険を受け取っている間のアルバイトは、ハローワークに申告しなければなりません。
申告は、失業認定日に失業認定申告書に記入することで行います。
また、労働による収入の有無は関係ないため、ボランティアなどで無償で働いた場合もすべて記入する必要があります。
アルバイトを申告する場合、失業認定申告書の上部にあるカレンダーに、働いた日を◯(就労・就職)または✕(内職・手伝い)で示します。
1日4時間以上(ぴったりを含む)アルバイトした場合は◯、4時間未満の場合は✕を記入してください。
正しく申告しなかった場合は不正受給にあたる可能性もあるため、申告漏れがないように注意しなければなりません。
求職活動実績を作る
アルバイトをしながら失業保険を受給するためには、求職活動実績を作らなければいけません。
求職活動実績は、就職のために行った就職相談や求人への応募、セミナーへの参加などが挙げられます。
失業認定日に求職活動実績が足りない場合、失業保険の支給が先送りされてしまうので注意が必要です。
求職活動実績は、失業認定日までに原則2つ以上(給付制限期間が3ヶ月の場合は原則3つ以上)作る必要があります。
注意点は、求人サイトや派遣会社へ登録しただけでは求職活動実績として認められないことです。
どれが求職活動にあたるのかをしっかり理解し、計画的に実績を積み上げることを意識しましょう。
7日間の待機期間はバイトをしない
失業保険の受給中にアルバイトをする5つ目の条件は、待機期間の7日間は働かないことです。
待機期間は、申請者の失業状況を国が確認するための期間であるため、労働が認められていないのです。
待機期間中にアルバイトを行うと、失業状態ではないとして失業保険の支給が遅れることがあります。
ただし、自己都合退職の際に設けられる給付制限期間中は、条件を守ればアルバイトを行うことが可能です。
賃金日額の80%以下に収入を抑える
アルバイトをしながら失業保険を受け取るためには、アルバイトで得た日給と「基本手当日額」の合計額を「賃金日額」の80%以内に抑える必要があります。
基本手当日額とは失業保険で支給される1日あたりの金額で、賃金日額とは退職前6ヶ月間で得た給与を180で割った金額のことです。
それぞれの金額は、失業保険を申し込んだ際に渡される雇用保険受給資格者証に記載されているので、気になる方は確認してみてください。
もしアルバイトの日給と基本手当日額の合計額が賃金日額の80%を超えてしまうと、超えた分の金額が、基本手当日額から引かれることになります。
この点を注意しなければ、たとえ1日の労働時間を4時間で抑えても、収入金額によっては失業保険が減額されてしまいます。
では、賃金日額の80%を超えてしまった場合の減額金額は、どのように算出されるのでしょうか。次の章で計算方法を詳しく解説します。
失業手当が減額された場合の計算方法
アルバイトにより減額される失業保険の金額は、次の計算方法で算出します。
減額分=〔(1日のバイト収入−控除額)+基本手当日額〕−(賃金日額✕80%)
「控除額」とは国が定める金額で、2024年8月以降の控除額は1,354円です。2023年が1,331円だったため23円の引き上げとなりました。控除額は毎年見直しが行われるので、その都度確認するようにしてください。
ここからは、計算する流れを3つのステップに分けて解説します。
- 雇用保険受給資格者証の基本手当日額と賃金日額を確認する
- 1日あたりのアルバイト収入額から控除額を差し引く
- 計算式に当てはめて減額の金額を算出する
雇用保険受給資格者証の基本手当日額と賃金日額を確認する
最初のステップは、計算式に当てはめるための基本手当日額と賃金日額を確認することです。
この2つは、失業保険の手続きを行った際に渡される雇用保険受給資格者証で確認できます。
画像:ハローワークインターネットサービスから引用したものを筆者が加工
四角で囲まれている「14.離職時賃金日額」と「19.基本手当日額」が今回確認する金額です。
上記の場合、賃金日額が6,666円、基本手当日額が4,747円となります。
1日あたりのアルバイト収入額から控除額を差し引く
次に、アルバイトで得た日給から控除額を差し引きます。
たとえば、3日働いて12,000円の収入を得た場合、1日あたり4,000円の収入となります。
そこから控除額を引くと「4,000円−1,354円=2,646円(2024年8月以降の場合)」という計算です。
計算式に当てはめて減額の金額を算出する
最後に、上記で算出された金額に基本手当日額を加えて、賃金日額の80%を引きます。
例として、以下の前提条件で計算してみましょう。
【前提条件】
- 1日のアルバイト収入から控除額を差し引いた金額:2,646円(4,000円−1,354円)
- 基本手当日額:4,747円
- 賃金日額:6,666円
2,646円+4,747円−(6,666円✕80%)=2,061円(失業保険から差し引かれる金額)
失業保険から差し引かれる金額の計算方法は以上のとおりです。
なお、差し引かれるのは働いた日数分のみです。もし、上記のシミュレーションで失業認定日までに3日働いたとすると「2,061円✕3日=6,183円」が減額されることになります。
失業手当を不正受給した際の罰則
失業保険を不正受給すると、以下の処分が課されます。
- 不正受給発覚以降の受給が停止される
- 不正に受給した失業保険を返還する
- 不正に受給した失業保険の2倍を納付する
- 特に悪質な場合は詐欺罪として刑事告発される
参考:ハローワーク「よくある質問」
また、不正受給分の返納額に対して、不正受給を開始した日からの延滞金も同時に支払わなければなりません。
たとえば、50万円の不正受給が発覚した場合の計算式は「(返納50万円+延滞金)+納付金100万円」となり、「150万円+延滞金」の支払いが発生することとなります。
この納付を無視した場合は、最悪財産の差し押さえが実行されるおそれがあります。
「不正受給は黙っていればバレないだろう」と考えてしまいがちですが、通報やハローワークによる調査などで発覚します。
失業保険の不正受給は大きなリスクがあってもメリットはありません。
失業保険のルールを守り、少しでも早く再就職先が見つかるよう、積極的に求職活動を行うことが重要です。
まとめ
この記事では、失業保険の受給中のアルバイトについて解説しました。
失業保険を受け取りながらアルバイトをするためには、1日の労働時間を4時間までに抑える、31日未満の雇用契約にする、収入を賃金日額の80%以下に抑える、などの条件があります。
また、1日の労働時間は「4時間ピッタリ」だと「4時間以上」に該当してしまうため、失業保険の支給が見送られてしまいます。
さらに、ここで紹介した「失業保険が減額される場合の計算方法」を理解しておくことで、アルバイトをする際の時間調整に役立つでしょう。
経済的な事情から、失業保険を受けている期間中にアルバイトをする方もいるでしょう。
しかし、アルバイトをしても失業保険が減額されてしまうともったいない働き方になってしまいます。
この記事を参考に、失業保険を受給している期間もしっかりアルバイトによる収入を得られるようにしましょう。
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過去、入社1週間で退職し、退職の効果が発生するまでの期間も出勤しなかった従業員が勤務先から損害賠償を受け、70万円の支払命令が出た事案があります。(ケイズインターナショナル事件)そのため、どのような辞め方でも絶対に労働者側に責任が問われないというわけでもない、という点は注意すべきです。
とはいえ、通常は退職したことで直ちに会社に損害が生じることはありませんので、過度の心配は不要かと思います。
状況にもよるかと思いますが、引き継ぎをせずに退職することは多くの場合は可能と思われます。例えば、引継ぎをしないことが会社に対する義務違反とならないような場合や、引継ぎをしないことで会社に具体的な実害が生じないような場合は、引継ぎは必須ではないといえそうです。ただし、『労働者が退職前から、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、会社の出頭要請にも応じていない』『そのまま退職した結果、会社業務に具体的な支障が生じ、取引先を失うなどの実害が生じている』というケースであれば、労働者が退職代行を入れて引継ぎもなく退職したことについて、損害賠償を求められるリスクはまったくないとはいえないでしょう。
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