パワハラ・セクハラ・未払い残業代・過重労働・リストラなどの労働トラブルが起こった際に、専門家に相談したくても費用がネックになり、相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。
そんな方々を、いざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。
労働トラブルに限らず、交通事故や離婚トラブル、子供のいじめなど様々な法律トラブルでも利用可能です。
弁護士保険で法律トラブルに備える
会社との間で法的トラブルが発生し、 会社に訴えられることもあるでしょう。
しかし、訴訟の経験がない(少ない)方からすれば、訴えられたときに何をすればよいかわからないはずです。
そこで本記事では、会社から訴えられた方に向けて以下の内容について解説します。
本記事で会社に訴えられたあとにすべきことを理解し、今後の方針や対応などについて検討しましょう。
労働者が不法行為や犯罪をすれば、会社から訴えられる可能性があります。
ここでは、労働者が会社に訴えられる可能性がある3つのケースについて解説します。
労働者が故意に(わざと)会社に対して損害を与えた場合、労働者は損害賠償責任を負うことになります。
たとえば、以下のようなケースでは、会社から不法行為に基づく損害賠償請求をされる可能性があるでしょう。
なお、労働者が故意に会社に損害を与えた場合は、労働者はその損失について全額を賠償する必要があります。
労働者の過失(不注意)によって会社に損害が生じた場合も、労働者は損害賠償責任を負う可能性があります。
過失の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
しかし、故意の場合と異なり、過失の場合は会社にも一定の責任があると考えられます。
そのため、労働者の責任の一部が制限されたり、そもそも労働者に責任がないと判断されたりすることもあります。
刑法をはじめとする各種法律に違反した場合、会社に刑事告訴される可能性があります。
仕事に関連して成立する犯罪と具体的な行為については、以下のとおりです。
犯罪 |
具体例 |
業務上横領罪(刑法第253条) |
|
背任罪(刑法第247条) 特別背任罪(会社法第960条) |
|
名誉毀損罪(刑法第203条) 信用毀損及び業務妨害罪(刑法第233条) |
|
営業秘密侵害罪(不正競争防止法第21条) |
|
このような犯罪をした場合、刑事告訴だけでなく、損害賠償請求や懲戒処分などもされる可能性が高いでしょう。
会社から訴えられた場合の基本的な流れは、以下のとおりです。
ここでは、会社から訴えられてから判決が下されるまでの大まかな流れについて解説します。
訴訟を提起するにあたり、会社はまず裁判所に訴状を提出します。
そして、訴状を受理した裁判所は、被告である労働者に対して訴状や答弁書などを送付します。
これらの訴状などは特別送達という形式で届き、郵便局の配達員から直接手渡しされることになります。
裁判所から訴状を受け取ったら、労働者は答弁書を提出する必要があります。
答弁書とは、裁判所に対して自分の言い分を伝えるための書面のことを指します。
通常、答弁書は訴状と一緒に同封されているので、その用紙に会社の主張を認めるのかどうかや反論や和解の希望の有無などを書きます。
そして答弁書が完成したら、正本と副本(コピーしたもの)を1通ずつ用意して裁判所に提出します。
裁判所に答弁書を提出したら、自分にとって有利な証拠を集める必要があります。
その際、訴状の内容をよく確認し、その裁判で必要な証拠を集めることが重要です。
たとえば、不法行為に基づく損害賠償請求事件では、主に以下の内容について争われます。
労働者側は、自分の主張や反論が認めてもらえるよう、会社が主張した内容や提出した証拠とは異なる観点から証拠を集めておきましょう。
通常、会社が訴訟を提起してから約1ヵ月後に1回目の口頭弁論期日が開かれます。
1回目の口頭弁論期日では、当事者双方の主張内容について確認することが多いです。
その後、1~2ヵ月に1回程度のペースで続行期日が開かれ、主張・立証を重ねていきます。
口頭弁論が終結すると、最終的に裁判官からこの事件に関する判決が言い渡されることになります。
会社から訴えられたら、できる限り冷静になり以下の対応をとるようにしましょう。
ここでは、会社から訴えられた際に労働者がとるべき4つの対応について説明します。
裁判所から訴状が届いたら、まずは以下のポイントを確認しましょう。
会社の主張や答弁書の提出期限などによって、これからとるべき対応は変わります。
訴状を見るのが怖いからと放置せずに、できる限り早く全ての資料を一読しておきましょう。
会社に訴えられて、裁判所から訴状が届いたら、必ず裁判所に答弁書を提出しましょう。
答弁書を提出しなかった場合、裁判所に争う意思がないと判断されて会社側の主張が全面的に認められます。
事件の整理や証拠の準備が十分でなくても、最低限、原告の請求について争う旨の回答をしておくことが重要です。
会社の請求内容を認める場合は、和解をするという選択肢もあります。
訴状が届いた場合でも、会社と和解が成立する可能性は残っています。
訴訟での争いを続けるより負担が少なく、会社から譲歩を引き出せる可能性もあるため、和解を検討するのもひとつの方法でしょう。
訴訟は、労働者の方が自分だけでも対応できます。
しかし、訴訟は精神的な負担が大きく、対応を間違えれば敗訴となる可能性もあります。
そのため、できる限り労働問題が得意な弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
法律事務所によっては、無料相談に応じている場合もあり、今後の流れや方針などを知ることができます。
まずは「ベンナビ労働問題」で労働問題が得意な弁護士を探し、自分の法律トラブルについて相談してみましょう。
会社に訴えられた場合、以下の理由から弁護士に相談・依頼すべきでしょう。
ここでは、会社から訴えられた方が弁護士に相談・依頼すべき理由について説明します。
訴訟された場合は、会社の請求内容などを正確に把握することが重要です。
しかし、法律や訴訟に慣れていない方の場合、請求内容などを確認するだけでも大きな負担となります。
弁護士に相談をすれば、訴状に書かれている請求内容や事実関係などについて丁寧に説明を受けられます。
また、訴状に書かれている内容が妥当なのか、それとも認められないのかなどの判断もしてもらえるでしょう。
会社に訴えられた場合、被告側の選択肢には以下の2つがあります。
弁護士に相談・依頼すれば、請求内容や事実関係などを踏まえてより良い選択肢を提案してもらうことが可能です。
また、会社と争う場合はどのような主張をすべきか、何を証拠として提出すべきかなどのアドバイスももらえます。
会社に訴えられた場合、裁判所に対して答弁書や証拠説明書などを提出する必要があります。
これらは、裁判でも重要な資料として扱われ、勝訴するためには欠かせないものとなっています。
弁護士に依頼した場合、こうした重要な書面の作成や裁判所とのやり取りなどを任せることが可能です。
書類作成を任せれば手間や負担を軽減できますし、より効果的に被告側の主張ができるようにもなるでしょう。
最高裁判所の「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第10回)」によると、民事訴訟の平均期日回数は4.1回となっています。
裁判は平日の日中におこなわれるため、本人が対応する場合は数回程度会社を休んだり、家事を家族などに任せたりする必要があるでしょう。
しかし、弁護士に依頼をすれば、依頼者の代わりに裁判所に出頭してくれます。
その結果、会社や家事を休む必要はなくなりますし、裁判自体もスムーズに進めることができるでしょう。
最後に、会社から訴えられたことに関するよくある質問に回答します。
会社側の主張が正しく労働者側に言い分がなくても、訴訟には応じるほうが望ましいでしょう。
請求が認められることは否定できなくとも、請求金額が適切であるとは限らず、裁判所が和解を勧めてくれるケースもあります。
原則として、答弁書は指定された期限までに提出するのが望ましいです。
遅くとも、第1回期日の前日までに提出しなければなりません。
「間に合わないから」と放置するのではなく、期限に遅れてでも答弁書を提出するようにしましょう。
第1回期日に限り、答弁書を出しておけば被告(労働者)は欠席することができます。
その際、答弁書に第1回期日に出席できない旨の記載をしておくか、裁判所に欠席する旨の電話をしましょう。
なお、答弁書を提出せずに期日を欠席すると、争う意思がないと判断されるので注意してください。
会社から訴えられた場合、訴訟の提起から約1ヵ月後には第1回期日を迎えることになります。
その間、被告となった労働者の方は、訴状を確認したり、答弁書などを作成したりする必要があります。
少ない時間の中で訴訟の準備をすることは大きな負担ですし、準備が不十分になる可能性も考えられます。
そのため、なるべくなら労働問題が得意な弁護士に相談し、訴訟の対応を依頼するほうが望ましいでしょう。
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