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失業保険は会社都合のほうがよい?自己都合との違いやメリット・デメリットを解説

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失業保険は会社都合のほうがよい?自己都合との違いやメリット・デメリットを解説
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失業保険は、退職を会社都合もしくは自己都合でおこなうかによって受給されるタイミングなどに差が出てきます。

現在、失業保険の受給を検討している方は、会社都合で退職したほうが有利になるかもしれません。

本記事では、会社都合の場合どのような退職になるのか、また会社都合と自己都合で失業保険に及ぼす影響について解説します。

関連記事:退職後にもらえる給付金にはどんな種類がある?給付金の一覧と受け取り条件を紹介

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そもそも失業保険における会社都合と自己都合の違いとは?

以下の表に、失業保険における会社都合と自己都合の違いを解説します。

  会社都合での失業保険 自己都合での失業保険
受給開始時期 7日間の待機期間を経てすぐに手当を受け取れる 待期期間を経たのち2~3ヵ月間の給付制限がかかる
受給期間 90日~330日 90日~150日
受給可能金額 ほとんどの場合、満額で受け取れる 減額する可能性がある
雇用保険の加入条件 退職する直前から1年以内に、雇用保険の加入期間が通算6ヵ月必要 退職する直前の2年間のうち、雇用保険に加入していた期間が通算12ヵ月必要

受け取り金額や支給日数は、支給期間中にアルバイトなどをおこない、収入が出た際に減少する場合があります。

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会社都合での退職になるパターン10選

離職者のなかには、会社都合で退職を余儀なくされた方も少なからずいるでしょう。

本項では、会社都合で退職する事例を10項目解説します。

会社が事業を続けられなくなった場合

会社都合になる事例として、倒産の決定により退職にいたったケースが挙げられます。

また、倒産以外にも職場が事業を廃止し、今後再開の見込みがない場合での退職も会社都合のひとつです。

会社の倒産や事業の廃止は、社員側にとっては突然の退職を受け入れざるを得ません。

自分の意思でなく、会社側の問題で退職する場合は会社都合になります。

社員が大量に退職した場合

会社都合の退職になる実例として、ひとつの社内または部署内で、1ヵ月以内に30人以上が退職を届け出た場合も挙げられます。

また、全社員の3分の1以上が退職した場合も同じく会社都合です。

この事例では、「大勢の社員が一斉に辞めるから」という自分で考えて決めた退職になります。

しかし、一度に大量の社員が辞めるのは、会社側になにか問題があったのではと考えられる事例です。

社員が大勢辞めてしまえば、仕事にかかる大きな負担が自分にかかってしまうリスクが予測されます。

リスクの懸念と、社員を一斉に辞めさせてしまった会社側の問題から、会社都合の退職になるのです。

職場の移転により通勤が困難になった場合

会社に勤めていると、職場の移転が決まり、自宅からの距離があまりにも遠くなるケースもあるでしょう。

職場と会社の距離が遠くなり、物理的に出社が難しくなった場合は、会社都合での退職が可能です。

隣の都道府県への移転や、同じ県内であっても端から端までの移動が必要になり、通勤できなくなるパターンがおもな例です。

自身の勤め先が遠い場所に移転してしまい、退職を検討し始めた方は、会社都合で辞められないかをチェックしてみましょう。

仕事を解雇された場合

良い事例ではありませんが、勤務における自分のおこないが原因で解雇通告を出された場合も会社都合になります。

遅刻や無断欠席などの勤務態度の悪さや、会社にとって大きな損害を与えたなど、解雇通告にはさまざまな要因があります。

解雇通告は会社側の決定により出されるものです。つまり、自分に退職の意思はなく、会社に退職を促されたと見なされます。

よって、仕事を解雇された場合は会社都合の退職です。

給与の支払いに問題が生じた場合

会社側による賃金の支払いについて、複数回の問題が生じた場合も、会社都合の退職が可能です。

給与がきちんと支払われていれば、社員は仕事を辞める決断はしなかったでしょう。

しかし、適切な代償が払われていない以上、社員側は働く意味を見出せません。

また、給与が支払われないのは、完全に会社側の問題です。問題視できる給与の支払いについては以下のとおりです。

  • 固定給の3分の1を超える額が、期日までに2ヵ月以上連続で支払われなかった場合
  • 支払われなかった事例が、退職する直前から6ヵ月以内に3回あった場合
  • 給与が下がった(本来支払われていた給与から15%ほど)場合

長期間、給与が適切に支払われない場合は、会社都合での退職を検討してもよいでしょう。

職場が法律に違反した場合

自身が勤めている会社が何らかの不正を働いた際に、自身の肩書きを案じて仕事を辞めた場合も、会社都合での退職です。

たとえば、職場が犯罪行為をおこなったり、社員にパワハラやいじめのような扱いをおこなったりした場合が該当します。

パワハラやいじめに関しては、「労働基準法」や「労働契約法」などの法律に違反するかどうかがわかりやすい指標です。

職場のおこないが悪いと感じた際は、すぐに会社都合で退職してしまいましょう。

職場関係者から悪質な対応を取られた場合

会社都合になる事例は、なにもパワハラや嫌がらせだけに留まりません。

上司や同僚による嫌がらせや冷遇なども該当する項目です。

とくに、自分にだけ嫌な扱いをしてくる上司などもいるでしょう。

嫌がらせなどの扱いを理由に退職を考えている方は、会社都合での退職が可能なので安心してください。

また、扱いがあまりにも悪質であった場合は、退職以外の対応を検討してもよいでしょう。

過剰な時間外労働を要求された場合

強制残業が後を絶たず、精神的な疲労が溜まっている場合も、会社都合の退職が可能です。

長時間の時間外労働は、仕事がうまく回っていない会社側による問題として扱われます。

時間外労働の実例として、以下の項目に該当すれば、会社都合としての退職が認められます。

  • 退職する直前の6ヵ月間で、月45時間以上の残業を3ヵ月連続させられたケース
  • 1ヵ月で100時間または2~6ヵ月間の平均残業時間が月80時間を超えたケース
  • 公的機関から健康面やほかの危険が指摘されたにもかかわらず、上司が聞き入れずに対策しなかったケース

仕事での体調不良は、理由によっては会社都合になります。過剰な残業を強いられている方は、会社都合で退職できるか確認してみましょう。

有期雇用で契約期間を更新しない場合

当然ながら、1年契約などの契約社員や派遣社員が契約を満了した際、更新しなかった場合も会社都合での退職扱いです。

自分にとって、仕事先や派遣先が向いているかどうか、また活躍の見込みがあるかを加味して契約更新の有無を決めましょう。

使用者から退職を勧奨された場合

会社側から、退職を促されたときも会社都合になります。

勧奨されるのにはさまざまな理由が考えられますが、退職を促されて仕事を辞める場合、自己都合にはなりません。

会社側が「この仕事はこの人には不向きだ」と考えたり、人件費削減のために自主退職を促されたりなどの多くの事情があります。

退職を促された際、自身が納得いくのであれば、会社都合で退職してもよいでしょう。

参考:特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準|厚生労働省

会社都合で退職するメリット・デメリット

仕事を会社都合で退職するのにも、良い部分と悪い部分に分かれます。

本項で、どのようなメリットとデメリットがあるかを解説します。

会社都合で退職するメリット

本項では、会社都合で退職するメリットについて解説します。

失業給付金を早めに受け取れる

会社都合で退職すると、自己都合と比較して失業保険を受け取れるタイミングが早くなります。

失業保険を申請する際、受け取れるまでの期間として「待機期間」が発生します。会社都合で退職した場合、待機期間は最短で7日間です。

失業保険の受給資格が認められた翌日から、7日間の待機期間を経たのち支給が開始されます。

しかし自己都合の場合、理由によっては7日間の待機期間が終わったのち2~3ヵ月間は給付制限がかかってしまいます。

制限がかけられている期間は支給されないため、手当を受け取れる日にちが遅くなるのです。

失業給付金を長い期間受け取れる

会社都合で退職した場合、失業手当をより長い期間受け取れるようになります。

受け取れる期間は年齢によっても異なりますが、会社都合で退職した場合は90日~330日程度受給可能です。

自己都合退職の場合は、最短日数は変わりませんが、基本的に90日~150日間支給されます。

しかし、支給期間は雇用保険の加入期間にも左右されるので、大体120日程度だと把握しておきましょう。

退職金の金額が増える可能性がある

会社都合で退職した人は、退職金としてもらえる金額が増える可能性があります。

理由にもよりますが、会社都合は名前のとおり、社員が退職する理由が会社側にあるということです。

会社都合で辞めさせてしまったぶん、退職金を手厚くしてくれる職場は少なくありません。

しかし自己都合であれば、自分自身の都合で辞めるため、退職金が減額されるケースが多くなります。

会社都合の退職は、職を失ってしまうぶん、退職金による恩恵も受けられるのです。

会社都合で退職するデメリット

本項では、会社都合で退職するデメリットについて解説します。

転職活動で不利になる可能性がある

理由にもよりますが、会社都合で退職すると、転職活動で採用されづらくなるリスクが生じます。

とくに、解雇通告を受けて辞めた社員や、退職を促されて自主退職した人などは気をつけましょう。

なぜ辞めたのかを聞かれた際は、採用担当者に悪い印象を与えてしまわない理由付けが必要です。

間違えても、「解雇通告を受けたから」などとは答えないようにしてください。

状況問わず退職が必要になるケースがある

場合にもよりますが、会社都合は自分が辞められる状況かどうかに関係なく退職が必要になります。

退職後は、経済面や今後のキャリアプランの再計画など、あらゆる困りごとも出てくるでしょう。

対して、自己都合での退職は自分の意思で辞められるため、事前計画が可能です。

会社都合で退職することになった際は、早めに転職活動に努めましょう。

失業保険を受け取る条件

本項では、失業保険が支給されるための条件を解説します。失業保険は、本項で解説する全ての条件を満たしている場合のみ申請可能です。

申請する際は、あらかじめ条件について十分にチェックしておきましょう。

離職して無職状態の人

失業保険を受給する大前提として、仕事を辞めたりリストラに遭ったりして、無職状態である必要があります。

失業保険は、名前のとおり職業を失った出来事に対する保険なので、定職についている人には与えられません。

また、失業保険を申請しようと考えている方は、待機期間や受給期間のアルバイトには十分に注意してください。

アルバイトの収入やシフトの日数により、支給されない日が出てきたり、支給額が減額されるケースがあります。

雇用保険に12ヵ月以上加入していた人

会社都合で退職した人が、失業保険の申請を通過するには、雇用保険に6ヵ月間加入していた必要があります。

具体的には、退職する直前から1年のうちに、雇用保険の加入期間が通算6ヵ月あれば受給可能です。

自己都合で退職した人は、退職する直前の2年間のうち、雇用保険に加入していた期間が通算12ヵ月以上なくてはいけません。

失業保険を考えている方は、自身が雇用保険に加入していた期間を今一度チェックしてみてください。

働くことに対する意欲がある人

失業保険の受給資格を得るには、求職活動の実績など、働く意思がある証拠が必要です。

求職活動の実績が確認できない場合、働く意思がないと見なされ、申請が通らない可能性が高くなってしまいます。

働く意思を表す証拠としては、キャリアアドバイザーとの会話履歴や企業への応募履歴、作成した履歴書などがあれば有効です。

失業保険による手当を得ようと考えている方は、すぐにでも再就職したいという意思をもちましょう。

失業保険の申請から支給開始までの流れ

会社都合で退職したのち失業保険に申し込む方に向けて、支給が開始されるまでの流れを説明します。

ただ、失業保険は自己都合の退職でも受給可能です。自己都合退職で申請するか迷っている方も、給付制限や受け取れる額などを加味して判断しましょう。

手続きの申し込み・受給資格の確認

失業保険を受給するために、まずは必要書類を全て用意し、ハローワークへ申請手続きへ向かいましょう。

提出する必要書類は以下のとおりです。

  • 離職票(1・2)
  • マイナンバーカード(ない場合は個人番号・身元確認書類を持参)
  • 本人の印鑑(認印・スタンプ印以外)
  • 写真2枚(最近の写真・正面の上半身で縦3.0cm×横2.5cm)
  • 預金通帳(本人名義)
  • 船員であった場合、「船員保険失業保険証」および「船員手帳」

離職票1についてはハローワークが作成し、2は複写式である離職証明書のうちの1枚です。忘れ物がないよう、入念に準備しましょう。

ハローワークへ提出後、自分に受給資格があるかが決定されます。

雇用保険についての説明会へ参加

受給資格が認められた人は、受給資格者証ならびに必要書類が渡されます。

その後、雇用保険についての手続きや、今後の就職活動に関する説明を受けてください。

待機満了

受給資格の決定を受けた日の翌日から、手当が支給されるまでの7日間を指す「待期期間」が満了したのち、給付金が支給されます。

ただ、自己都合で退職した人は、2ヵ月間の給付制限を受けなくてはいけません。給付制限中は、手当が支給されないため注意が必要です。

転職活動の開始

次の仕事を探すために、転職活動を開始しましょう。

失業保険を申請する際、同時にハローワークへ求職の申し込みも可能ですが、個人で次の仕事を探すのも良い方法です。

また、転職活動は待機期間が満了する前に始めても問題ありません。積極的に再就職を目指しましょう。

失業認定の更新

失業認定がおこなわれるのは、最初の申し込み時のみではありません。

手当を受給する間は、4週間に1回認定の更新がおこなわれます。労働の有無や、求職活動の実績があるかを都度確認するためです。

つまり、求職活動の実績を残すために求職活動をおこなっておかないと、給付金が受け取れなくなってしまいます。

認定の更新を怠ると、失業手当が支給されなくなるので気をつけましょう。

認定日ごとに、受給資格者証と失業認定申告書の提出が必要です。抜け漏れがないよう気をつけてください。

失業手当の支給

毎回、失業認定にきちんと通過すれば、都度手当が支給されます。

以下の厚生労働省のページで詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

参考:⑬基本手当の受給手続きの流れ|厚生労働省

まとめ|失業保険を会社都合で受け取れるかを事前にチェックしておこう

失業保険は、会社都合で退職した人が申請する場合、認定を得たのち7日間の待機期間を過ごせばすぐに支給が開始されます。

自己都合では、7日間の待機期間に加えて、2~3ヵ月の給付制限が課されるため注意が必要です。

自己都合か会社都合、自分が該当するほうを知りたい方は、「会社都合での退職になるパターン10選」を参考にしてください。

自己都合で退職し、失業保険を受けようと考えている方は、とくに経済面に関しては問題ないかをチェックしておきましょう。

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編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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退職代行によって損害賠償をされるなどのリスクはありませんか?

退職代行を利用したことが損害賠償の理由となることはありません。しかし、在職時の労働者の行いや退職の仕方によっては労働者側に損害賠償義務が認められる可能性もゼロではありません。退職にあたって、会社から損害賠償を請求されるのは、退職にあたって労働者側に何らかの義務(注意義務)違反があり、同違反により会社に具体的損害が生じている場合に限られます。
たとえば、労働者が退職に至るまでの間、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、退職にあたっても何ら必要な引継ぎ・連絡をせず代行業者を通じて本人が一切出てこないという場合、労働者の会社に対する義務違反を構成することはあり得ます。

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過去、入社1週間で退職し、退職の効果が発生するまでの期間も出勤しなかった従業員が勤務先から損害賠償を受け、70万円の支払命令が出た事案があります。(ケイズインターナショナル事件)そのため、どのような辞め方でも絶対に労働者側に責任が問われないというわけでもない、という点は注意すべきです。
とはいえ、通常は退職したことで直ちに会社に損害が生じることはありませんので、過度の心配は不要かと思います。

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状況にもよるかと思いますが、引き継ぎをせずに退職することは多くの場合は可能と思われます。例えば、引継ぎをしないことが会社に対する義務違反とならないような場合や、引継ぎをしないことで会社に具体的な実害が生じないような場合は、引継ぎは必須ではないといえそうです。ただし、『労働者が退職前から、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、会社の出頭要請にも応じていない』『そのまま退職した結果、会社業務に具体的な支障が生じ、取引先を失うなどの実害が生じている』というケースであれば、労働者が退職代行を入れて引継ぎもなく退職したことについて、損害賠償を求められるリスクはまったくないとはいえないでしょう。

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