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解雇予告除外認定の認定基準と知識まとめ

更新日:2021年07月29日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
解雇予告除外認定の認定基準と知識まとめ

解雇予告除外認定といわれる即日解雇が可能な制度をご存知ですか?

 

この制度は労基署が認定するもので、通常の解雇とは異なり労働者を予告なく解雇できるのが特徴です。ただその認定基準は非常に厳しいものになっています。

 

聞きなれない方もいると思うので、今回の記事では解雇予告除外認定の概要や手続き方法について紹介していきます。

 

 

 


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この記事に記載の情報は2021年07月29日時点のものです

解雇予告除外認定の認定基準

通常解雇は、特定の解雇事由を明示したうえで30日以上前に解雇予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないことが、労働基準法第20条により定められています。

 

また企業によっては就業規則や労働契約書に解雇条件が記載しているので、一度確認してみましょう。

 

即日解雇ができる解雇予告除外認定は、一般的な解雇の手順に捉われることはありません。ただし、以下の基準のうちどれかに該当していることが適用の条件になります。

 

  • 会社内にて窃盗・横領・傷害などの行為が確認されたとき
  • 賭博など社内風紀・規律を著しく乱し、ほかの従業員へ悪影響を及ぼしたとき
  • 採用条件にもなった経歴を詐称していたとき
  • 他の事業へ転職したとき
  • 正当な理由なく無断欠勤を2週間以上繰り返し、出勤の要請にも応じないとき
  • 欠勤や遅刻が多く、注意されても改めないとき

 

また会社が天災によって存続できないほど損害を受けたときも、認定されることがあります。

 

認定が認められないことも

ただこの制度は申請すれば効果を発揮するものではありません。解雇予告除外を認定する労基署が認定しなければ、即日解雇はできません。認定が下りなかったときは、企業側が一定の解雇予告手当を支払わなくてはいけません。

 

あくまで解雇予告除外認定は行政、労基署が判断するものなので企業側の判断とは別の意向と考えていいでしょう。なお、実務的にはほとんど利用されていないのが実情です。

 

解雇予告除外認定の概要

問題を起こした社員を即日解雇ができる解雇予告除外認定ですが、以下でさらに詳しく概要を見ていきましょう。

 

正当な解雇とはならない

解雇予告除外認定は労基署に申請して、承認されれば即日解雇が可能となる制度です。これは労働基準法第二十条に定められている解雇予告の手続きを免除する認定になります。

 

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。(引用:労働基準法

ただ、労基署が解雇予告除外認定をしたとしても実は法的な拘束力はほとんどないのです。そのため労働者も解雇無効を主張するため裁判所に提訴することもできます。また、除外認定を受けたことが裁判所の判断を拘束することもありません。

 

行政判断による解雇基準である

解雇予告除外認定には一定の認定基準が設けられています。これは労基署基準によるもので、企業の解雇基準とは異なります。そのため、労働者が問題を起こしたから認定が下りるとは、一概には言えないのです。

 

細かく解雇条件を記している企業もありますが、解雇予告除外認定はあくまで行政基準による判断で決定します。意に沿わない結果になることもあるので、必ずしも望み通りにはならないのです。

 

認定前でも解雇処分にできる

解雇予告除外認定を申請すると、認定されるまで該当社員は承認されるまで解雇できないわけではないのです。もし企業側が認定を取ることにこだわらなければ、就業規則に基づいて通常の解雇手続きを取ることもできます。

 

直筆の始末書などの証拠が必要になる

社員がことの顛末を説明するときに提出する始末書や経緯書など、これらは解雇予告除外認定を判断するうえで重要な書類です。明確な証拠になるので、認定されやすくなります。

 

 

 

解雇の種類

解雇にもいくつか種類があります。労働者側に責任があるとき、企業側に問題が起こったときなど、時々に応じて使いわけられています。

 

普通解雇

まず、労働契約に基づいて今後も契約をしていくことはできない、そう判断されたときに用いるのは「普通解雇」です。

普通解雇の基準になるのは、以下のような場合が考えられます。

 

・勤務成績が著しく悪く、指導を行っても改善が見込めないとき

・健康上の理由により、長期の欠勤が続いたとき

・協調性に欠け、業務による支障をきたすも一向に改善しないとき

 

整理解雇

次に、企業側の事情で行われる解雇のことを「整理解雇」といいます。

普通解雇とは異なり、企業都合で行われる解雇ですが、こちらは以下の基準をすべて満たしていなければ、適用されません。

 

・整理解雇をするだけの客観的な必要性があること

・解雇を回避するため、最大限の努力をしたこと

・解雇対象となる人選や基準が合理的に行われていること

・労使間で十分協議していること

 

これらの各要素を総合的に考慮して整理解雇の有効・無効が判断されますが、その判断は極めて厳格です。

 

懲戒解雇

最後に、従業員が悪質な規律違反、風紀を乱したなどの問題を起こした場合に適用されるのが、懲戒解雇です。一番重い解雇ですが、適用条件は就業規則・労働契約書にて具体的に明示されていなければなりません。

参考:東京労働局

 

解雇について寄せられる相談例

労働者側の視点で寄せられる相談には、本当に解雇が正当なのか、弁護士に相談される方も多くいらっしゃいます。

 

ではここで、日々寄せられる解雇に関する相談例を取り上げてみましょう。

 

社長夫人が社長に対して毎日私の解雇要求をしている

「社長の奥さんと専属運転手から嫌がらせを受けていますが、その中で挨拶をしない、話をしないなど何かと理由を付けて私を解雇しろと奥さんが社長に要求しています。これが毎日続いており、すでに2年近く経ちます。社長に相談しても話を取り合ってくれず、今でも解雇の話が出てきます。」

参考:解雇とは

※リンク先で回答をご覧になれます。

 

懲戒解雇だけは避けたい

「大学職員として働いているのですが、学生からの依頼で、業務に関係なくコピー機およびコピー用紙を大量に使っていることが同僚の密告でバレました。現在審査委員会が開かれ、事情聴取をされています。

 

そうした中でも勤務を続けているのですが、仕事を与えてもらえず、職場の人たちから意図的に避けられています。

 

局長からは辞めるよう、パワハラに近い形で勧告を受けていますが、家庭があるのでなんとか懲戒解雇だけは避けたいです。そこで質問なのですが、こうした中でも夏休みや有休を使っても問題はないでしょうか。また、いきなり懲戒解雇と処分が下されることはあるのでしょうか。」

参考:不祥事を起こした場合の解雇

※リンク先で回答をご覧になれます。

 

解雇に納得していない

「現在、不当解雇について争う考えでいます。私はある職場を解雇されたのですが、納得していませんと口頭でお伝えしました

ただその後失業保険の申請に離職票が必要になったので、書面にて申込をしてしまいました。

 

職場と争うとき、離職票を請求したことは解雇を納得したと解釈ができるのに、どうして今更撤回を求めるのか、企業側から訴えられました。

 

解雇は認めていませんが、生活のために離職票が必要だったので請求しましたが、そのあとに受け取りませんと書面にて通知しました。

口頭で解雇を認めないと告げたことは会社も認めているので争う気はありませんが、離職票に関しては解雇を認めたと主張し続けています。

 

離職票を請求したことにより解雇を認めたとなるなら、裁判をしても不当解雇で争うのは難しいのでしょうか?」

参考:不当解雇について

※リンク先で回答をご覧になれます。

 

まとめ

解雇予告除外認定は法的拘束力こそありませんが、企業が労働基準法第二十条に左右されることなく労働者を即日解雇できる制度です。ただし認定が下りるためには、労基署の判断基準をクリアしないといけません。

 

申請すれば承認されるものではありませんが、著しく社内風紀や規律を乱した方に対しては効果的な解雇手段といえるでしょう。

 

一方で解雇をされる側は、解雇されるということに納得していない、解雇予告をされてしまったけどどうしたら良いのかわからない、など色々な悩みがあると思います。

 

以下の記事を参考にしていただき、それでも解決が難しい場合は弁護士への相談も検討してみてください。

 

 

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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