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弁護士を選ぶコツはありますか?
あります。地域・分野で絞り込み検索した上で、気になる事務所のページを確認し、経験・実績や注力分野が自分に合っている弁護士を選びましょう。また、良さそうな弁護士が見つかったら、実際に相談してみるのも重要です。
そうすることで「依頼先として信頼できそうか」「あなたと相性は良さそうか」「やり取りがスムーズか」「説明が分かりやすく納得できるか」など、掲載情報だけでは得られない「依頼の決め手になる判断材料」を手に入れることが出来ます。
複数の弁護士に相談できる?
相談できます。相談=依頼ではございません。相談したからといって必ず依頼しなければならいないということはございませんので、ご安心ください。無料相談などを活用し比較検討することで、より納得のいく提案を受けやすくなることに加え、あなたにピッタリな弁護士が見つかる可能性が高まります。
相談前に準備すべきことは?
「トラブルの内容」をはじめ「トラブルが発生した経緯」や「登場人物」「聞きたいこと」を整理しておきましょう。
面談希望の場合は、候補日時を2~3つ用意しておくとスムーズに予約がとれます。また面談時に、相談内容をまとめたメモを持参するのもよいでしょう。
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未払い分が支払われた
特別退職金の獲得+会社都合退職
円満退任、出資金の取り戻し、未払報酬の回収、弁護士に依頼することによる安心感
給料日に振り込みがない、退職した月の分だけ払われない、残業代が何か月も止まっている。どれも労働基準法24条が禁じている賃金の不払いで、会社の資金繰りは支払わない理由になりません。東京の労働基準監督署に寄せられた申告5,056件のうち、72.9%にあたる3,996件が賃金不払いです。同じ状況の人は都内だけで年に4,000人近くいて、回収の道筋も決まっています。
いまの状況別・最初にすること
未払い賃金の回収は、いくら払われていないかを客観的に示せるかで決まります。在職中なら社内の資料に触れられるうちに、退職後なら記憶が新しいうちに、次の3つを進めてください。
「◯月分の給与が入金されていません。支払日を教えてください」とメールかチャットで送り、送信日時と返信を保存します。口頭で「もう少し待って」と言われた場合も、その内容を自分でメールに書いて送っておけば記録になります。会社が支払いを認めた返信は、そのまま請求の根拠になります。
雇用契約書、労働条件通知書、就業規則と賃金規程、給与明細、通帳の入金記録、タイムカードや勤怠システムの記録、シフト表を確保します。残業代も請求するなら、業務メールの送信時刻、入退館記録、パソコンのログイン履歴も残しておきましょう。私物のスマートフォンで撮影しておくだけでも計算の材料になります。
賃金請求権は支払日から3年で消えます(労働基準法115条・附則143条)。毎月の給与ごとに時効が進むため、放置している間に古い月の分から請求できなくなります。退職金だけは5年です。3年より前の未払いがある場合は、時効が完成する前に内容証明を送って進行を止める手当てが必要になります。
制度の参考:e-Gov法令検索「労働基準法」(第24条・第115条・附則第143条)、東京都労働相談情報センター「労働相談のご案内」
賃金は、通貨で、直接労働者に、全額を、毎月1回以上、一定の期日に支払わなければなりません(労働基準法24条)。会社の業績が悪い、取引先から入金がない、社長が不在といった事情は、支払いを遅らせる理由になりません。24条に違反した使用者には30万円以下の罰金が定められています(同法120条1号)。
| 会社の言い分 | 法律上の扱い | あなたが請求できるもの |
|---|---|---|
| 「資金繰りが苦しいから来月まとめて払う」 | 毎月1回以上・一定期日払いの原則に反する(24条2項) | 未払い分の全額。退職後なら年14.6%の遅延利息 |
| 「ミスの損害分を差し引いた」 | 本人の自由な同意なく賃金から控除することは全額払いの原則に反する | 差し引かれた分の全額 |
| 「固定残業代に含まれている」 | 基本給と割増賃金が判別でき、時間数を超えた分を支払っていなければ有効にならない | 固定残業時間を超えた分の割増賃金(37条) |
| 「アルバイトだから残業代は出ない」 | 雇用形態で割増賃金の義務は変わらない | 2割5分以上の割増賃金。月60時間を超える分は5割以上 |
| 「辞めた人には払わない」「退職届を出せば払う」 | 退職の有無は賃金の支払義務に影響しない。支払いを条件に退職を迫ることもできない | 未払い分の全額と遅延利息 |
制度の参考:e-Gov法令検索「労働基準法」(第24条・第37条・第120条)、同「賃金の支払の確保等に関する法律」(第6条)
東京都の最低賃金は時間額1,226円で、2026年10月1日から1,280円に上がります。時給がこれを下回っている場合は、下回った分の差額も未払い賃金として請求できます。日給や月給で働いている人も、労働時間で割った時給が最低賃金を下回っていないかを給与明細で計算してください。
東京の労働基準監督署に持ち込まれる申告は、4年連続で増えています。しかもその中身は、解雇や労働時間ではなく賃金の不払いに集中しています。
| 東京労働局への申告(令和7年) | 件数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 申告受理件数(全体) | 5,056件 | +16.3% |
| うち賃金不払い | 3,996件(72.9%) | +19.0% |
| うち解雇 | 539件 | — |
| うち労働時間 | 75件 | — |
出典:東京労働局「令和7年 申告事案の概要」(2026年7月7日公表)
東京で賃金不払いの申告が多い業種は、商業20.1%、接客娯楽業16.8%、保健衛生業11.5%の順です。飲食店、ナイトワーク、アミューズメント施設のように、日払い・週払いや手渡しの給与が混じる職場から申告が集中しています。給与明細が出ない、雇用契約書を交わしていないという職場でも、シフト表と出退勤の記録があれば請求できます。
東京労働局が令和6年に都内18署で実施した定期監督では、14,195事業場のうち9,966事業場(70.2%)に法違反が見つかりました。内訳は違法な時間外労働2,573事業場(18.1%)、割増賃金の不払い1,808事業場(12.7%)、賃金不払い427事業場(3.0%)です。監督に入った会社の8社に1社で残業代の不払いが確認されている状況で、自分の職場だけが特別というわけではありません。
東京労働局が令和7年度に書類送検した75件のうち、賃金・退職金の不払いが15件で最も多い違反事項です。割増賃金の不払いも3件あります。監督署は是正勧告で終わらせるだけの機関ではなく、支払う資力がありながら応じない会社は刑事事件として扱われます。全国では令和7年に22,605件の是正指導が行われ、128億5,782万円が支払われました。
出典:東京労働局「令和7年度 送検状況」(2026年6月22日公表)、厚生労働省「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和7年)」
請求できるのは未払いの元本だけではありません。退職しているかどうかと、裁判まで進むかどうかで上乗せの仕組みが変わります。
| 請求できるもの | 内容 | 根拠・計算 |
|---|---|---|
| 未払いの賃金 | 基本給、各種手当、歩合給、最低賃金との差額 | 労働基準法24条。支払日から3年で時効 |
| 未払いの割増賃金 | 時間外2割5分以上、深夜2割5分以上、休日3割5分以上。月60時間超の時間外は5割以上 | 労働基準法37条 |
| 遅延利息(退職後) | 退職日の翌日から支払日まで | 年14.6%(賃金の支払の確保等に関する法律6条・同施行令1条)。在職中は年3% |
| 付加金 | 割増賃金や解雇予告手当の不払いについて、裁判所が会社に未払い額と同額の支払いを命じられる | 労働基準法114条。違反から3年以内に裁判所へ請求(附則143条) |
制度の参考:e-Gov法令検索「労働基準法」(第37条・第114条・第115条)、同「賃金の支払の確保等に関する法律施行令」(第1条)
月給30万円の人が2か月分の給与を受け取れないまま退職し、1年後に支払われた場合、遅延利息だけで約8万7,000円が上乗せされます。付加金は裁判所が命じるものなので交渉の段階では出てきませんが、労働審判や訴訟で請求すると会社が早期の支払いに応じる材料になります。
東京で働く人は、この請求額が残業代の分だけ大きくなりやすい傾向があります。東京労働局が都内18署で行った定期監督では、割増賃金の不払いが1,808事業場(12.7%)で見つかっており、基本給の未払いを相談した人が残業代の計算をしてみたら請求額が2倍近くになったという例も珍しくありません。未払いの月分だけを請求して終わらせず、過去3年分の労働時間もあわせて弁護士に計算してもらいましょう。
「給与明細をもらったことがない」「雇用契約書を交わしていない」という理由で請求をあきらめる必要はありません。労働時間と賃金額を推認できる材料がそろえば請求は成り立ちます。東京で申告が多い接客娯楽業や飲食店は、そもそも書面を交わさない職場が少なくありません。
書面がなくても証拠になるもの
会社側はタイムカード、賃金台帳、出勤簿を法律で作成・保存する義務を負っています。弁護士に依頼すれば、これらの開示を会社に求め、応じない場合は労働審判や訴訟の中で提出させる手続きを取ります。手元に資料が少ないほど、会社が持っている記録を出させる力のある窓口を選ぶ意味が大きくなります。
東京の労働基準監督署は、勤務先の所在地を管轄する署が窓口です。自分の住所ではなく会社の住所で決まります。申告は無料で、匿名で相談することもできます。
| 窓口 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 労働基準監督署(都内18署) | 労働基準法違反を調査し、会社に是正勧告を出す。悪質な会社を書類送検する。申告したことを理由とする不利益取扱いは法律で禁止されている(104条) | 個人の代理人として金額を交渉すること、会社から取り立てて本人に渡すこと。厚生労働省も「民事紛争の解決は行わない」と明示している |
| 弁護士 | 請求額を計算し、代理人として交渉する。内容証明の送付、労働審判・訴訟の申立て、財産の差押えまで進められる | 会社に行政処分を下すこと |
| 東京都労働相談情報センター | 相談と情報提供、都独自のあっせん(無料・令和7年度の解決率67.3%) | 会社があっせんを拒めば打ち切りになる |
出典:厚生労働省「労働基準行政の相談窓口」、e-Gov法令検索「労働基準法」(第104条)
監督署に申告して是正勧告が出れば、会社が任意に支払って解決する事案もあります。実際に東京労働局は、退職月の賃金を全額払わなかった接客娯楽業の事業場に是正勧告を出し、全額が支払われた事例を公表しています。一方で、会社が勧告に従わなければそこで手続きは止まります。確実に回収したい場合は、監督署への申告と弁護士による請求を同時に進めましょう。
会社が破産した、事業をたたんで社長と連絡が取れないという場合でも、未払賃金立替払制度で国が未払い額の8割を立て替えます。令和6年度は全国で2,623企業・30,591人に110億46百万円が支払われ、10年ぶりに100億円を超えました。1人あたり平均およそ36万円です。
| 退職時の年齢 | 未払い賃金の上限 | 立替払の上限(8割) |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 110万円 | 88万円 |
| 30歳以上45歳未満 | 220万円 | 176万円 |
| 45歳以上 | 370万円 | 296万円 |
対象は退職日の6か月前から請求日の前日までに支払期日が来た定期賃金と退職手当で、賞与は含みません。未払い総額が2万円未満の場合は対象外です。請求できる期間は破産手続開始の決定や事実上の倒産の認定から2年です。
法律上の倒産(破産・民事再生・会社更生・特別清算)なら破産管財人の証明を受けて請求します。会社が事実上動いていないだけで破産手続をしていない場合は、中小企業に限り、勤務先を管轄する労働基準監督署長の認定を受けて請求できます。請求先は労働者健康安全機構で、川崎市の賃金援護部が窓口です(相談044-431-8663・平日9時15分〜17時)。
出典:労働者健康安全機構「未払賃金立替払制度の概要」、東京労働局「未払賃金の立替払制度」、厚生労働省「令和6年度の未払賃金立替払事業の実施状況」
破産手続に入った会社に対しては、破産手続開始前3か月間の給料が財団債権として他の債権より先に配当されます(破産法149条)。立替払を受けた分は国が会社に求償するため、二重取りにはなりません。立替払と破産手続の両方を使って回収できる金額を最大にするには、破産管財人への債権届出の期限管理が必要になります。
制度の参考:e-Gov法令検索「破産法」(第98条・第149条)
契約書の題名が「業務委託契約書」でも、働き方の実態が労働者であれば労働基準法が適用され、未払い分は賃金として請求できます。厚生労働省も、労働者にあたるかどうかは契約の形式や名称ではなく個々の働き方の実態で判断するとしています。
労働者と判断されやすい働き方
実態が事業者だった場合も、泣き寝入りする必要はありません。フリーランス・事業者間取引適正化等法により、発注者は物品やサービスを受け取った日から60日以内に報酬を支払う義務を負います。相談先は厚生労働省が第二東京弁護士会に委託しているフリーランス・トラブル110番(0120-532-110・平日9時30分〜16時30分)で、弁護士への相談から無料の和解あっせんまで対応しています。
出典:厚生労働省「労働基準法における労働者性判断に係る参考資料集」(令和6年10月)、厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスに業務を委託する事業者の方へ」、フリーランス・トラブル110番
未払い賃金の回収は、内容証明による請求から始めて、会社の出方で次の手続きを選びます。東京では申立先が手続きごとに分かれているため、どこへ行くかを先に押さえておくと動きが速くなります。
弁護士名で未払い額と支払期限を示した請求書を送ります。会社は誰がいつ何を請求したかを記録に残された状態になり、遅延利息が膨らむことも認識します。この段階で支払いに応じる会社は少なくありません。
支払方法や分割の可否を詰めます。合意ができたら、支払いが滞ったときにすぐ差押えができるよう公正証書や和解書を作ります。
労働審判は裁判官1人と労働審判員2人が原則3回以内の期日で審理し、東京地方裁判所本庁(千代田区霞が関)か立川支部に申し立てます。請求額が60万円以下なら、東京簡易裁判所の少額訴訟で原則1回の審理で終える方法もあります。少額訴訟の訴状は霞が関の民事第9室、支払督促の申立ては墨田庁舎(墨田区錦糸4-16-7)と窓口が分かれています。
判決や審判が出ても会社が払わない場合は、会社の預金口座や売掛金を差し押さえます。取引銀行の支店名まで特定できていると手続きが進みます。
出典:裁判所「労働審判手続」、同「少額訴訟」、東京簡易裁判所「窓口案内」
東京簡易裁判所の手続案内は平日9時から16時45分までですが、月曜と水曜は17時から19時まで予約制の夜間案内があります。仕事を続けながら自分で手続きを進めたい人は、この枠を使えば平日の日中に休みを取らずに書類の書き方を確認できます。
弁護士費用は事務所ごとの自由設定ですが、目安になる公的なデータがあります。結論から言うと、100万円の未払い賃金を回収した場合、費用を差し引いても手元に80万円前後が残る計算です。東京の弁護士会3会はいずれも労働者側の初回相談を30分無料としており、費用を払う前に回収の見込みを聞けます。
| 費用の種類 | 目安 | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| 法律相談料 | 1時間1万円、または30分5,500円。初回無料の事務所が多い | 日弁連アンケートで「1万円」56%・「5,000円」36%。東京の弁護士会3会は労働者側の初回30分無料、法テラス(資力基準あり)は無料 |
| 着手金 | 回収見込み額の約8%。着手金無料の事務所もある | 2004年まで日弁連が定めていた旧報酬基準を参考にする事務所が多い。金銭の請求は回収額で報酬が決まる形が主流 |
| 報酬金 | 回収額の約16%(300万円以下の場合)。完全成功報酬型は20〜25% | 着手金無料の事務所は報酬金の割合が高めに設定される |
| 裁判所への手数料 | 労働審判は請求60万円で3,000円、100万円で5,000円。少額訴訟は60万円で8,500円 | 少額訴訟などの訴え提起は2026年5月21日から郵便費用が手数料に含まれる形に変わった。労働審判はこの対象外で、手数料とは別に予納郵便切手(東京地方裁判所本庁は書類の重さで計算、立川支部は3,000円分)が必要 |
出典:日本弁護士連合会「市民のための弁護士報酬ガイド(2008年度アンケート結果版)」、裁判所「手数料額早見表」
月給30万円の人が2か月分60万円を受け取れないまま退職し、1年後に回収できたとします。遅延利息が年14.6%で約8万7,000円付くため、請求できる総額は約68万7,000円です。着手金8%・報酬金16%の基準で計算すると費用は約16万5,000円で、手元に約52万円が残ります。着手金無料・報酬金25%の事務所なら、初期費用ゼロで着手して約17万円を回収後に精算する形になります。会社が支払いに応じず労働審判まで進んだ場合も、申立ての手数料は3,000円です。
費用の比率だけを見れば、自分で監督署に申告して会社が任意に支払えば費用はかかりません。判断の分かれ目は、会社が是正勧告に応じる見込みがあるかどうかです。すでに何度も督促して払われていない、社長と連絡が取れない、会社が「資金がない」と繰り返しているという状況なら、差押えまで進められる手段を早く確保するほど回収額は大きくなります。
弁護士費用を用意できない場合は、法テラスの立替制度を使えます。手取り月収と貯金が次の基準以下なら、無料相談(同じ問題で3回まで)と弁護士費用の立替を利用できます。給与が止まっている状態なら基準に当たることが多く、立替金は回収したお金から精算できます。
| 家族人数 | 手取り月収の基準(特別区) | 現金・預貯金の基準 |
|---|---|---|
| 単身 | 200,200円以下 | 180万円以下 |
| 2人家族 | 276,100円以下 | 250万円以下 |
| 3人家族 | 299,200円以下 | 270万円以下 |
| 4人家族 | 328,900円以下 | 300万円以下 |
特別区以外の市町村に住む人の月収基準は単身182,000円・2人251,000円・3人272,000円・4人299,000円。家賃・住宅ローンを負担している場合は一定額を加算できます。法テラス東京(新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル13階・0570-078301)と法テラス多摩(立川市曙町2-8-18 東京建物ファーレ立川ビル5階・0570-078305)のどちらでも受け付けます。
出典:法テラス「民事法律扶助のしおり」、法テラス「法テラス東京」
東京には全国の半数を超える24,382人の弁護士がいます。未払い賃金の回収で結果を出す事務所は、次の条件で絞り込めます。
東京で給与未払いを任せる事務所の条件
給与明細(直近3か月分以上)、雇用契約書、通帳の入金記録、シフト表か勤怠記録を持って行けば、その場で請求できる金額の見込みが出ます。書面が手元にない場合も、勤務先の名称・働いた期間・月の賃金額・未払いの月数を伝えれば方針は立ちます。東京では初回無料の事務所を2〜3か所回って費用と見通しを比べる人も多くいます。
すでに退職して都外に引っ越した、日中は次の仕事で動けないという場合は、オンライン面談と電話・メールで進められる事務所を選んでください。未払い賃金の請求は書類のやり取りが中心で、本人が裁判所に出るのは労働審判の期日だけです。ベンナビ労働問題では、オンライン面談ができる東京の事務所、初回相談無料の事務所、休日に相談できる事務所を条件で絞り込めます。
弁護士に依頼する前に状況を整理したい、まず公的な窓口に相談したいという段階で使える窓口です。平日の日中に動けない人は、夜間と土日に対応している電話相談から始めてください。
| 窓口 | できること・受付 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 労働条件相談ほっとライン(厚生労働省委託) | 賃金不払い・労働時間の相談に、平日17:00〜22:00、土日祝9:00〜21:00に対応(12月29日〜1月3日を除く)。匿名で相談でき、14言語に対応 | 0120-811-610 |
| 労働基準監督署(都内18署) | 勤務先の所在地を管轄する署が窓口。労働基準法違反の申告を受け、会社に是正勧告を出す。平日の日中 | 03-3512-1608(東京労働局) |
| フリーランス・トラブル110番(第二東京弁護士会が受託) | 業務委託・個人事業主として働いた分の報酬が払われない場合の相談。弁護士への相談と無料の和解あっせん。平日9:30〜16:30 | 0120-532-110 |
| 東京都ろうどう110番 | 労働問題全般の電話相談。平日9:00〜20:00、土曜9:00〜17:00(祝日・年末年始を除く)。無料・秘密厳守 | 0570-00-6110 |
| 東京都労働相談情報センター 飯田橋(千代田区飯田橋3-10-3 東京しごとセンター9階) | 来所相談(予約制・平日9:00〜17:00)に加え、月・金の夜間と毎週土曜の枠がある。都のあっせん(無料・解決率67.3%)もここから | 03-3265-6110 |
| 同 大崎・池袋・亀戸の各事務所 | 大崎(品川区大崎1-11-1)は火曜、池袋(豊島区東池袋4-23-9)は木曜、亀戸(江東区亀戸2-19-1 カメリアプラザ7階)は火曜に夜間の来所枠 | 大崎 03-3495-6110 池袋 03-5954-6110 亀戸 03-3637-6110 |
| 同 多摩事務所(立川市柴崎町3-9-2) | 多摩地域の相談先。月・水の夜間と第1・第3土曜の枠がある | 042-595-8004 |
| 東京労働局 総合労働相談コーナー(都内20か所) | 労働基準監督署内などに設置。平日の日中。法違反は監督署へ、それ以外は助言・指導やあっせんへつなぐ | 03-3512-1608(東京労働局) |
| 東京弁護士会 新宿総合法律相談センター(新宿区歌舞伎町2-44-1 ハイジア8階) | 労働者側の労働相談は初回30分無料、以後30分5,500円。月〜土曜 | 03-6205-9531 |
| 第一東京弁護士会 蒲田法律相談センター | 労働者は初回30分無料。木曜17:00〜20:00の夜間枠と日曜の枠がある。渋谷法律相談センター(03-5428-5587)でも受付 | 03-5714-0081 |
| 第二東京弁護士会 四谷・立川の法律相談センター | 四谷は平日18時まで+土曜、立川(042-548-7790)は土曜も受付。3会共通の予約窓口は 0570-200-050(平日10:00〜16:00) | 03-5312-2818 |
| 法テラス東京・法テラス多摩 | 収入・資産が基準以下の人向けの無料相談と費用立替。平日9:00〜17:00 | 東京 0570-078301 多摩 0570-078305 |
出典:東京都労働相談情報センター「事務所へのアクセス」、同「労働相談のご案内」、東京労働局「総合労働相談コーナーのご案内」、東京弁護士会「労働問題の法律相談」、第一東京弁護士会「労働相談」、第二東京弁護士会「法律相談センター」、法テラス「法テラス東京」
勤務先の所在地を管轄する署です。自分の住所ではなく会社の住所で決まります。都内には18の労働基準監督署があり、千代田区・中央区・文京区は中央署、新宿区・中野区・杉並区は新宿署、渋谷区・世田谷区は渋谷署というように分かれています。会社の住所が分からない場合は、給与明細か求人票の記載、国税庁の法人番号公表サイトで確認できます。
請求できます。東京の労働基準監督署に寄せられた賃金不払いの申告は、商業に次いで接客娯楽業が16.8%と多く、給与明細のない職場からの申告が日常的に扱われています。シフト表の写真、出勤依頼のLINE、通帳の入金履歴、店舗の鍵の開閉記録があれば、勤務日数と賃金額を示せます。手渡しで記録が何も残っていない場合も、同僚の証言や求人サイトの募集条件が材料になります。
申告したことを理由に解雇や減給などの不利益な扱いをすることは、労働基準法104条2項で禁止されています。違反した会社には罰則があります。ただし社内での立場を心配するなら、申告の前に弁護士に相談し、通知を出すタイミングを決めてから動くほうが進めやすくなります。
どちらも東京簡易裁判所ですが、窓口が分かれています。少額訴訟(60万円以下)の訴状は霞が関の庁舎(千代田区霞が関1-1-2)の民事第9室、支払督促の申立ては墨田庁舎(墨田区錦糸4-16-7)の民事第7室です。書き方を確認したい場合は手続案内(03-3581-5289)が使え、月曜と水曜は17時から19時まで予約制の夜間案内があるため、仕事帰りにも相談できます。
労働基準法24条に違反した使用者には30万円以下の罰金が定められています。東京労働局が令和7年度に書類送検した75件のうち、賃金・退職金の不払いが15件で最も多い違反事項です。支払う資力がありながら応じない会社は刑事事件として扱われます。ただし送検されても未払い分が自動的に戻ってくるわけではないので、回収は民事の手続きで進めます。
取り返してはもらえません。給料の未払いは労働基準法の問題で、警察ではなく労働基準監督署の管轄です。ただし経営者が最初から支払う意思がないのに働かせた、賃金を横領したといった事情があれば刑事事件になる場合もあります。回収を目的にするなら、監督署への申告と弁護士による請求を同時に進めてください。
待つ必要はありません。支払日を1日でも過ぎれば請求できます。賃金請求権は支払日から3年で時効にかかり、毎月の給与ごとに期限が進みます。退職後の未払いには年14.6%の遅延利息が付くため、早く動くほど受け取れる金額は増えます。会社から「来月には払う」と言われている場合も、その約束をメールで残したうえで期限を決めましょう。
未払賃金立替払制度で、国が未払い額の8割を立て替えます。上限は30歳未満で88万円、30歳以上45歳未満で176万円、45歳以上で296万円です。令和6年度は全国で30,591人が利用し、110億円が支払われました。破産手続をしていない会社でも、中小企業なら勤務先を管轄する労働基準監督署長の認定を受けて請求できます。
働き方の実態が労働者であれば請求できます。厚生労働省は、労働者にあたるかどうかを契約の名称ではなく実態で判断するとしています。仕事を断る自由がない、勤務時間と場所が指定されている、報酬が時間で決まるといった事情があれば労働者と判断されやすくなります。実態が事業者の場合も、フリーランス・トラブル110番(0120-532-110・第二東京弁護士会が運営)が無料で和解のあっせんまで行います。
できます。むしろ退職後の請求のほうが上乗せは大きくなります。退職日の翌日から支払われるまで年14.6%の遅延利息が付き、在職中の年3%より高い利率です。会社との接点がなくなった分、交渉も弁護士に任せやすくなります。
分割に応じる場合は、支払いが止まったときにすぐ差押えができる形にしてから合意してください。弁護士が作る和解書や公正証書に、期限を1回でも過ぎたら残額を一括で支払うという条項を入れます。口約束のまま待つと、時効が進みながら会社の資産が減っていきます。
未払い額が数十万円あれば、回収額のほうが上回るのが通常です。100万円を回収した場合、着手金8%・報酬金16%の基準で費用は約26万円、手元には約74万円が残ります。着手金無料の事務所なら初期費用はかかりません。金額が小さくて費用倒れが心配な場合は、初回無料相談で見込み額と費用を出してもらってから判断できます。
できます。弁護士には守秘義務があり、東京都労働相談情報センターや労働条件相談ほっとラインも相談内容を会社に伝えません。会社に連絡が入るのは、依頼後に弁護士名で請求書を送る段階からで、そのタイミングは本人と相談して決めます。在職中に証拠だけ集めておき、退職後に請求する進め方も選べます。
労働基準監督署へ申告する場合は、勤務先の所在地を管轄する東京の署が窓口です。労働審判も会社の所在地を管轄する東京地方裁判所に申し立てます。弁護士は住所地に関係なく依頼できるため、期日に通う裁判所が東京なら東京の事務所に頼むと調整が進みます。相談自体はオンラインでも受けられます。
取扱い分野、初回相談料、夜間・休日の対応、オンライン面談の可否は事務所ごとに異なります。給与明細と通帳の記録を手元に置いて、いまの状況に合う相談先を選んでください。
参考資料・更新情報