辞めづらい
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解消するには?
現在、自衛隊を辞めたいと考えている自衛官のなかには、退職代行サービスの利用を考えている方は少なくないかもしれません。
本来であれば、退職代行を使わずとも辞められるのが当然ですが、公務員としての立場や自衛隊ならではの風土などにより、簡単に辞められないが現状です。
しかし、簡単に辞められないからといって、諦めて働き続けようとも思えないでしょう。何とか辞める方法を考えるなかで、退職代行に行きついた方は多いはずです。
退職代行を使えば辞められるかもと期待を抱く一方、自衛隊員が利用しても問題は起きないのか不安になりますよね。
この記事では、自衛隊員が退職代行を利用することの是非やメリット、注意点、費用相場などについてくわしく解説します。
結論からいうと、退職代行が自衛隊員でも利用が可能です。ただし、利用する退職代行サービス選びには気をつけなければなりません。
現在、退職代行サービスには、退職代行業者が提供するもの(労働組合運営も含む)と弁護士が提供するものの2種類があります。この2つのうち、自衛隊を辞める際に選ぶべき退職代行は弁護士が提供するサービスです。
詳しい理由は後述しますが、誤って退職代行業者が提供するサービスに依頼してしまうと、スムーズに自衛隊を辞められない可能性もあるので注意しましょう。
自衛隊員は弁護士の退職代行を利用すべきと言われても、理由がわからなくては納得できませんよね。この項目では、自衛隊の退職代行が弁護士でないと難しい理由を確認していきましょう。
一般企業に勤める会社員と公務員とでは、実は退職のルールが異なります。
一般企業に勤める会社員の場合、法律上では退職の申し出から2週間が経過すれば、会社の同意があってもなくても、雇用契約は終了します。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用元:民法第627条
もちろん、実際には会社とトラブルにならないよう、就業規則の内容(退職の1~3ヶ月前に申出するのが一般的)に従って退職することが大半なのですが、法律の定めを無視して強制できるわけではありません。
したがって、社員が就業規則ではなく法律の定めに従って退職しようとしても、会社は基本的に止めることはできないのです。一方、公務員の場合、退職するには任命権者からの承認が必要となります。
加えて、自衛隊に関しては、任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認められる場合には、必要とされる期間退職を承認しないことができる旨定められています。
(休職、復職、退職及び免職)
第六十一条 職員の休職、復職、退職及び免職は任命権者が、この法律及び人事院規則に従い、これを行う。
引用元:国家公務員法第61条
(辞職)
第五十一条 任命権者は、職員から書面をもって辞職の申出があったときは、特に支障のない限り、これを承認するものとする。
引用元:人事院規則8-12第51条(職員の任免)
(退職の承認)
第四十条 第三十一条第一項の規定により隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。
引用元:自衛隊法第40条
一般企業に比べると、自衛隊の場合は厳しい退職のルールが適用されているといえます。
前述したように、会社員と自衛隊とでは、退職のルールが異なります。ルールが違うということは、同じやり方での退職代行はできないということです。
実は退職代行業者が提供するサービスについては、非弁行為に該当する可能性が指摘されている都合上、柔軟なやり方での退職代行ができないのです。
現在の退職代行業者による退職代行のやり方は、本人に退職届を会社に郵送してもらった上で意向を代わりに伝えるだけ。伝達するだけであれば非弁行為には当たらないとの解釈のもと、非弁行為を回避するかたちで運用されているところが多いと思われます。しかし、前述したように、自衛隊は退職のルールが異なり、任命権者からの承認が得られないと退職はできないので、代行業者のやり方では対応できません。
任命権者から承認を得るとなると交渉が必要で、退職に関して交渉ができるのは原則弁護士に限られるので、自衛隊員の退職代行は弁護士によるサービスを使うべきといえます。
なお、退職代行業者のなかには労働組合との連携により交渉が可能な旨を謳うサービスもありますが、組合加入が認められていない自衛隊員では対応は期待できないでしょう。
(団体の結成等の禁止)
第六十四条 隊員は、勤務条件等に関し使用者たる国の利益を代表する者と交渉するための組合その他の団体を結成し、又はこれに加入してはならない。
引用元:自衛隊法第64条
一般的な退職代行においてメリットとされているのは、即日退職ができる点や自身の口から退職したい旨を伝える必要がなくなる点です。しかし、自衛隊に関しては、退職代行を利用したところで、そのようなメリットが得られる可能性は低いといえます。
ならば、退職代行を利用するのは無意味ではと思うかもしれませんが、自衛隊の場合にはまた違うメリットがあります。この項目では、自衛隊員が退職代行を利用することのメリットを確認していきましょう。
自衛隊は治安維持に直接携わる業務の性質上、隊内の統率が乱れることは致命的です。そのため、上命下服が原則であり、上官との関係性から退職の意思を伝えることが気持ちの面で難しい場合があるかもしれません。
しかし、第三者である弁護士が間に入ることで、そのような上下関係とは関係なく、退職の意思を伝えやすくなるでしょう。
仮に本人から退職の意思を伝えたとしても、隊員相手であれば、上下関係や知識、経験の差等を活かして、うやむやにされてしまうこともあるかもしれません。
しかし、法律の専門家である弁護士が相手となれば話は別です。法的に問題ある対応は、弁護士相手には通用しません。したがって、退職代行を通して交渉すれば、より誠実な対応をしてもらえることが期待できるでしょう。
退職に関しやり取りが必要な場合であっても、弁護士であれば交渉をスムーズに進めることが期待できます。交渉がスムーズに進めば進むほど、退職にかかる時間も少なくなるので、早く自衛隊を辞めたいと考えている方ほど、弁護士に退職代行を依頼すべきといえます。
自衛隊員が退職代行を利用する際に注意して欲しいのが、退職に関する交渉・手続き全てを任せきりにすることはできないということです。
一般企業を相手にした退職代行の場合、基本的に弁護士が窓口となって話を進めてくれるため、本人が行うことはせいぜい退職届の作成・郵送と貸与品の返却くらいです。
しかし、自衛隊は退職のルールが異なる以上、退職の進め方も異なる点が出てきます。
例えば、退職にあたっては辞令交付が必要となりますが、この手続きは自分で行ってもらうことになるケースが多いでしょう。退職をスムーズに進めるためには、自身の装備品を整備することも重要といえます。また、階級によっては退職代行で対応できない場合もあります。
ご自身が退職代行を利用できるかどうか、相談する弁護士に確認することをおすすめします。
退職代行を利用すべきか迷っている方のうち、以下のいずれかに当てはまる場合は、利用したほうがスムーズに退職ができるでしょう。
自身で交渉を行う場合でも、いつかは辞めることを認めてもらえるときが来るとは思いますが、退職代行に依頼するほうが短期間で済むことが多いはずです。
本来であれば、退職するのにお金はかからないことを考えると、費用負担は少ないに越したことはないはずです。退職代行業者であれば、2~3万円代のサービスも少なくないですが、弁護士の退職代行を利用する場合は、5万円が一つの目安といえるでしょう。
値段の高低でサービス内容や質が変わることはありませんが、基本的に後発サービスのほうが値段が安い傾向にあります。いくつかのサービスに問い合わせてみて、予算や雰囲気、対応スピードなどを考慮したうえで選ぶとよいでしょう。
退職代行に依頼した際の大まかな流れは以下の通り。
問い合わせから退職代行の実行までは、それほど長くはかかりません。ご自身の状況にもよりますが、1週間もあれば十分でしょう。退職代行の実行から実際に退職が完了するまでの期間はケースバイケースです。
早ければ数週間で完了するケースもありますが、長いと2~3ヶ月ほどかかってしまうケースもあります。退職まで長くかかるかもしれないと想定したうえで、転職先や転居先などは探したほうがよいでしょう。
この項目では自衛隊の退職代行利用時によくある質問を紹介します。
若年者の隊員に関しては親の同意が求められることがあるようです。
依願退職に関しては、上申書類の作成が人事担当者のヒアリングのもと行われることから、何かしらの退職理由は必要でしょう。明確な退職理由を伝えるのがはばかられる場合、どういった退職理由であれば問題ないかなど、弁護士に相談してみるとよいでしょう。
弁護士であれば基本的に退職代行を依頼することは可能でしょうが、退職代行の実績のある弁護士の方がスムーズに退職代行を行ってくれることが期待できるでしょう。
どの弁護士に依頼するかは、弁護士との相性もありますので、まずは無料相談などを活用して相談してみることをおすすめします。
そもそも退職代行業者を利用したからといって、それ自体が懲戒処分の対象となる可能性は低いでしょう。
退職代行業者は労働者の退職の意思を伝えることのみですので、懲戒処分があり得るとすれば、退職代行業者に全て任せたつもりになって、会社との連絡を怠った、無断欠勤扱いとなってしまった場合などでしょうか。
その責任が退職代行業者にある(誤った説明を受けたなど)と言えれば損害賠償請求が認められる可能性はあるかもしれませんが、初めから弁護士が行う退職代行を利用する方がリスクは低いと思われます。
必ずしも近隣の弁護士である必要はないと思います。意思の疎通がスムーズに行える弁護士を選ぶと良いでしょう。
退職代行は自衛隊であっても、利用することができます。
ただし自衛隊員は公務員であり、一般企業に勤める会社員とは退職に関するルールが異なるので、退職代行サービス選びには注意が必要です。自衛隊員が退職代行を利用するのであれば、弁護士が提供するサービスを選びましょう。退職代行業者のサービスを利用すると、無用なトラブルに発展する恐れがあります。
弁護士が行う退職代行であれば、基本的にサービス内容や質に大きな違いはありませんが、退職をよりスムーズに行うことを考えると、自衛隊の退職代行経験がある弁護士を選ぶと良いでしょう。
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退職代行とは?ブラック企業から抜け出すための救世主サービス
退職代行業者と、弁護士による退職代行業務に大差はありません。いずれも、労働者の代わりに退職の意思を伝えるサービス概要において、両者に違いはないと言えます。ただ、退職代行業者が自社の持つ権限内で適切にサービスを運用しているとは限りません。退職代行業務の中には『弁護士資格』を持つ弁護士にしかできない業務も多分にございます。
その点、弁護士を通すことで上記違反(弁護士法違反・非弁行為)のリスクはありませんし、確実に適法範囲で対応できます。また、未払い残業代や不当解雇、万が一懲戒解雇等の扱いを受けたとしても、弁護士がおりますので、相談によって具体的な解決策の提示を受けられる可能性は高いと思います。
退職代行を利用したことが損害賠償の理由となることはありません。しかし、在職時の労働者の行いや退職の仕方によっては労働者側に損害賠償義務が認められる可能性もゼロではありません。退職にあたって、会社から損害賠償を請求されるのは、退職にあたって労働者側に何らかの義務(注意義務)違反があり、同違反により会社に具体的損害が生じている場合に限られます。
たとえば、労働者が退職に至るまでの間、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、退職にあたっても何ら必要な引継ぎ・連絡をせず代行業者を通じて本人が一切出てこないという場合、労働者の会社に対する義務違反を構成することはあり得ます。
代行業者、弁護士のどちらに依頼した場合でも「退職できなかった」というトラブル報告はほとんどみられません。会社も退職代行会社が連絡してくると、退職に応じてはいるようです。つまり、よほどのことがない限り、退職した従業員に対して損害賠償ということは考えられません。(従業員1名が退職したとしても、直ちに損害が生じることは考えにくいです。)ただし、これも絶対ではありません。
過去、入社1週間で退職し、退職の効果が発生するまでの期間も出勤しなかった従業員が勤務先から損害賠償を受け、70万円の支払命令が出た事案があります。(ケイズインターナショナル事件)そのため、どのような辞め方でも絶対に労働者側に責任が問われないというわけでもない、という点は注意すべきです。
とはいえ、通常は退職したことで直ちに会社に損害が生じることはありませんので、過度の心配は不要かと思います。
状況にもよるかと思いますが、引き継ぎをせずに退職することは多くの場合は可能と思われます。例えば、引継ぎをしないことが会社に対する義務違反とならないような場合や、引継ぎをしないことで会社に具体的な実害が生じないような場合は、引継ぎは必須ではないといえそうです。ただし、『労働者が退職前から、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、会社の出頭要請にも応じていない』『そのまま退職した結果、会社業務に具体的な支障が生じ、取引先を失うなどの実害が生じている』というケースであれば、労働者が退職代行を入れて引継ぎもなく退職したことについて、損害賠償を求められるリスクはまったくないとはいえないでしょう。
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