パワハラ・セクハラ・未払い残業代・過重労働・リストラなどの労働トラブルが起こった際に、専門家に相談したくても費用がネックになり、相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。
そんな方々を、いざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。
労働トラブルに限らず、交通事故や離婚トラブル、子供のいじめなど様々な法律トラブルでも利用可能です。
弁護士保険で法律トラブルに備える
広告やリーフレットで見かけることも多い「法テラス」は、無料で法律相談を実施しています。
一般的な法律事務所の場合、法律相談料は有料、もしくは初回のみ無料としていることが多いのに対し、法テラスは本当に無料で相談に乗ってくれるのでしょうか。
その理由には、法テラスの運営費が「国費」で賄われていることが挙げられます。
本記事では、法テラスは本当に無料で利用できるのか、利用条件や無料相談の方法などについて解説します。
法テラスは国民の権利や利益にかかわる大切な法的サービスを提供しており、業務運営に関わる予算を国費で支出しています。
また、全国に100ヵ所以上の拠点が設置されており、司法サービスの過疎エリアもサポートしています。
法テラスは「日本司法支援センター」と呼ばれる、国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。
さまざまな悩みごとに対して適切な相談窓口を誘導しており、無料の法律相談サービスも提供しています。
本章では、法律相談のほかに法テラスが実施しているサービスについて詳しく解説します。
法テラスでは、法制度や相談機関、団体(弁護士会・司法書士会など)の情報提供サービスをおこなっています。
法律トラブルに悩む方が相談すると、職員から適切な相談機関の紹介や法制度に関するアドバイスを受けることができます。適切な相談機
利用方法は、主に以下のとおりです。
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このほか、法テラスのホームページでは「よくある質問」の公開や、専用フォームを活用したメールによる相談も受け付けています。
地方事務所の場合、最寄りの関係機関への取次や、支援要請などもおこなっており、無料ながら手厚い法的サービスが用意されています。
法テラスでは、DVやストーカー、児童虐待を受けている(もしくは受けるおそれがある)方に向けて、弁護士による法律相談をおこなうDV等被害者法律相談援助制度を提供しています。
同制度を利用すれば、犯罪被害に遭った方の状況に応じて法制度や相談窓口の案内や、相談できる弁護士を紹介してくれます。
本サービスの概要は、以下のとおりです。
犯罪被害者支援の法律相談は受付をしていない弁護士も多く、こうした制度を利用してスムーズに対応できる弁護士に出会えることもまた、同制度を利用するメリットといえるでしょう
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外出して相談を受けることが難しいご状況の場合、電話や出張対応を依頼できる可能性があります。
なお、同サービスは被害者本人以外には提供をおこなっていないため、家族や友人からの代理相談はできません。
法テラスでは無料法律相談や、犯罪被害者支援業務のほかにも、弁護士や司法書士による書類作成・事件解決のサポートも有料で提供しています。
法テラスでは、内容証明などのような簡易な法的文書を作成すれば問題が解決できる見込みがある場合、相談を受けた弁護士や司法書士が文書を作成する簡易援助も提供しています。
ただし、発送者の名義人は依頼者本人に限られ、弁護士や司法書士が代理人としてトラブルに対応するものではありません。
文書作成をしてもらえる一例には、「消滅時効の援用」「クーリング・オフの通知」が挙げられます。
作成した書面は、依頼者側が1通あたり2,200円(税込)を負担する必要があり、対面での対応のみに限定されています。
なお、生活保護の受給者については受給証明書の提出で負担金は免除されます。
書類作成援助とは、民事事件や家事事件などで裁判所に提出するための書類を弁護士・司法書士に作成してもらえるものです。
簡易援助と同様に民事法律扶助制度の一貫でおこなわれているサービスであり、一例として以下に挙げた書類作成をおこなっています。
なお、自己破産申立書の作成援助の場合、債権者の数が20社を超えると発生する費用も異なります。
書類作成援助では、事件の複雑性や事件の種類によっても費用が異なります。
発生した弁護士・司法書士への費用(切手代などの実費や、報酬)については法テラス側が立て替えてくれますが、その後依頼者側が法テラスへ分割払いで償還(返済)する必要があります。
代理援助では、書類作成に限らず、民事・家事・行政事件に関する書類の作成・手続き・示談交渉や訴訟に関するさまざまな手続きを代理でおこなってくれます。
一般的な法律事務所に依頼すると、代理人として事件処理手続の全般を任せられますが、法テラスで同じように業務を依頼したい場合は、代理援助を利用します。
代理援助は自己破産や民事再生、離婚問題を中心に利用されていますが、労働事件や交通事故、相続問題などにも利用できます。
法テラスは「経済的に余裕がなく、弁護士や司法書士に依頼しにくいにもかかわらず法的なトラブルを抱えている」方向けに制度が整備されているため、収入が一定の基準以下であることなどを利用条件としています。
法テラスは無料で利用できますが、収入基準(給与所得など)を満たしている必要があります。
収入基準は地域によって差が設けられており、東京都特別区・大阪市などの都市部と、そのほかの地域に分けられています。
なお、収入基準は家族人数によって増減しますが、離婚などで配偶者が相手方となるケースでは配偶者の収入は含まずに計算します。
収入基準は同居家族の人数が1名増えるごとに、加算がおこなわれます。
【法テラスの無料法律相談を利用するための収入基準】
家族人数 |
東京都特別区などの都市部 |
左記以外の地域 |
1人 |
20万円 |
18万2,000円 |
2人 |
27万6,100円 |
25万1,000円 |
3人 |
29万9,200円 |
27万2,000円 |
4人 |
32万8,900円 |
29万9,000円 |
資産基準とは、わかりやすく言うとお手持ちの預貯金や現金です。
収入とは別に、資産をお持ちの場合は以下基準を下回っている必要があります。
なお、収入や資産の基準は設けられているものの、学費や医療費、住宅ローンの支出などやむを得ない事業がある場合、収入や資産要件を超えていても法テラスを利用できる可能性はあります。
【法テラスの無料法律相談を利用するための資産基準】
家族人数 |
東京都特別区などの都市部 |
左記以外の地域 |
1人 |
180万円以下 |
180万円以下 |
2人 |
250万円以下 |
250万円以下 |
3人 |
270万円以下 |
270万円以下 |
4人 |
300万円以下 |
300万円以下 |
※資産基準は、地域によって差は設けられていません。
法テラスの無料相談は、どのような流れでおこなわれているのでしょうか。
本章では、無料相談の受付から完了まで、詳しく解説します。
法テラスの無料相談は予約制で、電話やWeb上での予約を受け付けています。
法テラスの無料法律相談は、以下の2つの方法があります。
法律相談を無料で受けるためには、先に触れた収入基準と審査基準をクリアしている必要があります。
法律相談のご予約時には「審査」がおこなわれており、家族構成・収入状況・資産などを細かく確認されます。
なお、法律相談を経て代理援助に進む場合、法律相談時よりも踏み込んだ内容の審査がおこなわれます。
弁護士や司法書士の代理援助を希望したい場合は、住民票や給与明細などを要するため注意しましょう。
法律相談の指定日時を迎えたら、法テラスや弁護士・司法書士の事務所で相談を受けてください。
法テラスの無料法律相談は、同一案件につき、3回までとなっています
無料法律相談は効率よく話を進めるためにも、以下の内容を整理したうえで訪問することがおすすめです。
法律相談は30分単位で相談がおこなわれており、次の方の予約がある場合は長時間相談をすることが難しくなっています。
的確なアドバイスを受けるためにも、相談内容はメモに書き留めておくことをおすすめします。
本記事では、法テラスの無料法律相談について詳細を解説しました。
法テラスは国費で賄われており、一定の条件を満たせば全国で無料相談を気軽に受けられます。
法テラスでは法律相談のほかにも、書類作成援助や代理援助などのサービスや、犯罪被害者支援のサポートも用意されているため、必要に応じて利用されてみてはいかがでしょうか。
ただし、法テラスの無料法律相談には、回数の制限があります。
有効に活用するためにも、相談時には要点をしっかりとまとめておくことが大切です。
経済的に困窮し、生活保護を受給している方であっても、法テラスを活用すれば法的サービスが気軽に受けられるため安心です。
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