法テラスの法律相談は本当に無料!そのほかの無料サービスと有料サービスも紹介

広告やリーフレットで見かけることも多い「法テラス」は、無料で法律相談を実施しています。
一般的な法律事務所の場合、法律相談料は有料、もしくは初回のみ無料としていることが多いのに対し、法テラスは本当に無料で相談に乗ってくれるのでしょうか。
その理由には、法テラスの運営費が「国費」で賄われていることが挙げられます。
本記事では、法テラスは本当に無料で利用できるのか、利用条件や無料相談の方法などについて解説します。
法テラスの法律相談は本当に無料!運営費用の多くは国費で賄われている
法テラスは国民の権利や利益にかかわる大切な法的サービスを提供しており、業務運営に関わる予算を国費で支出しています。
また、全国に100ヵ所以上の拠点が設置されており、司法サービスの過疎エリアもサポートしています。
法テラスが実施しているそのほかの主な無料サービス
法テラスは「日本司法支援センター」と呼ばれる、国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。
さまざまな悩みごとに対して適切な相談窓口を誘導しており、無料の法律相談サービスも提供しています。
本章では、法律相談のほかに法テラスが実施しているサービスについて詳しく解説します。
1.情報提供サービス|相談窓口や法制度などについて教えてくれる
法テラスでは、法制度や相談機関、団体(弁護士会・司法書士会など)の情報提供サービスをおこなっています。
法律トラブルに悩む方が相談すると、職員から適切な相談機関の紹介や法制度に関するアドバイスを受けることができます。適切な相談機
利用方法は、主に以下のとおりです。
|
|
|
|
|
|
このほか、法テラスのホームページでは「よくある質問」の公開や、専用フォームを活用したメールによる相談も受け付けています。
地方事務所の場合、最寄りの関係機関への取次や、支援要請などもおこなっており、無料ながら手厚い法的サービスが用意されています。
2.犯罪被害者向けサービス|DVやストーカーなどに理解のある弁護士を紹介してくれる
法テラスでは、DVやストーカー、児童虐待を受けている(もしくは受けるおそれがある)方に向けて、弁護士による法律相談をおこなうDV等被害者法律相談援助制度を提供しています。
同制度を利用すれば、犯罪被害に遭った方の状況に応じて法制度や相談窓口の案内や、相談できる弁護士を紹介してくれます。
本サービスの概要は、以下のとおりです。
- 紹介料金はかかりませんが、通話料金は発生します
- 地域の弁護士会から推薦された、犯罪被害者支援の経験や理解がある弁護士を紹介してもらえます
- 資産が300万円以下の方は相談無料、同基準を超える方は5,500円が必要です
- 民事、刑事のいずれであっても相談できます。
犯罪被害者支援の法律相談は受付をしていない弁護士も多く、こうした制度を利用してスムーズに対応できる弁護士に出会えることもまた、同制度を利用するメリットといえるでしょう
|
|
|
|
外出して相談を受けることが難しいご状況の場合、電話や出張対応を依頼できる可能性があります。
なお、同サービスは被害者本人以外には提供をおこなっていないため、家族や友人からの代理相談はできません。
法テラス経由で弁護士に書類作成や事件解決を依頼する場合は有料になる
法テラスでは無料法律相談や、犯罪被害者支援業務のほかにも、弁護士や司法書士による書類作成・事件解決のサポートも有料で提供しています。
1.簡易援助(文書作成)|1通あたり2,200円
法テラスでは、内容証明などのような簡易な法的文書を作成すれば問題が解決できる見込みがある場合、相談を受けた弁護士や司法書士が文書を作成する簡易援助も提供しています。
ただし、発送者の名義人は依頼者本人に限られ、弁護士や司法書士が代理人としてトラブルに対応するものではありません。
文書作成をしてもらえる一例には、「消滅時効の援用」「クーリング・オフの通知」が挙げられます。
作成した書面は、依頼者側が1通あたり2,200円(税込)を負担する必要があり、対面での対応のみに限定されています。
なお、生活保護の受給者については受給証明書の提出で負担金は免除されます。
2.書類作成援助|手続きの種類や成果などによって異なる
書類作成援助とは、民事事件や家事事件などで裁判所に提出するための書類を弁護士・司法書士に作成してもらえるものです。
簡易援助と同様に民事法律扶助制度の一貫でおこなわれているサービスであり、一例として以下に挙げた書類作成をおこなっています。
- 破産手続事件における、自己破産申立書(免責申立含む)
- 民事再生手続事件における、再生手続申立書
- 成年後見人などの申立における、申立書 など
なお、自己破産申立書の作成援助の場合、債権者の数が20社を超えると発生する費用も異なります。
書類作成援助では、事件の複雑性や事件の種類によっても費用が異なります。
発生した弁護士・司法書士への費用(切手代などの実費や、報酬)については法テラス側が立て替えてくれますが、その後依頼者側が法テラスへ分割払いで償還(返済)する必要があります。
3.代理援助|事件の内容、請求金額、成果などによって異なる
代理援助では、書類作成に限らず、民事・家事・行政事件に関する書類の作成・手続き・示談交渉や訴訟に関するさまざまな手続きを代理でおこなってくれます。
一般的な法律事務所に依頼すると、代理人として事件処理手続の全般を任せられますが、法テラスで同じように業務を依頼したい場合は、代理援助を利用します。
代理援助は自己破産や民事再生、離婚問題を中心に利用されていますが、労働事件や交通事故、相続問題などにも利用できます。
法テラスの法律相談を利用するための条件|資力基準を満たす必要がある
法テラスは「経済的に余裕がなく、弁護士や司法書士に依頼しにくいにもかかわらず法的なトラブルを抱えている」方向けに制度が整備されているため、収入が一定の基準以下であることなどを利用条件としています。
1.収入基準を満たすこと
法テラスは無料で利用できますが、収入基準(給与所得など)を満たしている必要があります。
収入基準は地域によって差が設けられており、東京都特別区・大阪市などの都市部と、そのほかの地域に分けられています。
なお、収入基準は家族人数によって増減しますが、離婚などで配偶者が相手方となるケースでは配偶者の収入は含まずに計算します。
収入基準は同居家族の人数が1名増えるごとに、加算がおこなわれます。
- 東京や大阪などの都市部は1名増加につき3万3,000円
- 上記以外の地域は3万円
【法テラスの無料法律相談を利用するための収入基準】
家族人数 |
東京都特別区などの都市部 |
左記以外の地域 |
1人 |
20万円 |
18万2,000円 |
2人 |
27万6,100円 |
25万1,000円 |
3人 |
29万9,200円 |
27万2,000円 |
4人 |
32万8,900円 |
29万9,000円 |
2.資産基準を満たすこと
資産基準とは、わかりやすく言うとお手持ちの預貯金や現金です。
収入とは別に、資産をお持ちの場合は以下基準を下回っている必要があります。
なお、収入や資産の基準は設けられているものの、学費や医療費、住宅ローンの支出などやむを得ない事業がある場合、収入や資産要件を超えていても法テラスを利用できる可能性はあります。
【法テラスの無料法律相談を利用するための資産基準】
家族人数 |
東京都特別区などの都市部 |
左記以外の地域 |
1人 |
180万円以下 |
180万円以下 |
2人 |
250万円以下 |
250万円以下 |
3人 |
270万円以下 |
270万円以下 |
4人 |
300万円以下 |
300万円以下 |
※資産基準は、地域によって差は設けられていません。
法テラスの無料相談を利用する際の大まかな流れ
法テラスの無料相談は、どのような流れでおこなわれているのでしょうか。
本章では、無料相談の受付から完了まで、詳しく解説します。
1.電話やWebフォームで予約をする
法テラスの無料相談は予約制で、電話やWeb上での予約を受け付けています。
法テラスの無料法律相談は、以下の2つの方法があります。
- 1.地方事務所で相談する
全国にある法テラスの地方事務所では無料法律相談が実施されています。
実施日時は事務所によって異なっているため、あらかじめご確認ください。
法テラスと契約している弁護士が相談に対応しています。 - 2.法テラスに登録している弁護士・司法書士に直接相談する
近くに法テラス地方事務所がない場合、法テラスと契約している弁護士・司法書士に直接相談することも可能です。
なお、相談時間は各事務所によって異なるため事前に確認しておきましょう。
法テラスを利用して無料相談を受ける際には、収入基準や資産基準をクリアしている必要があるため、予約時に「法テラスを使って相談したい」と伝えたうえで予約しましょう。
2.法テラスによる審査がおこなわれる
法律相談を無料で受けるためには、先に触れた収入基準と審査基準をクリアしている必要があります。
法律相談のご予約時には「審査」がおこなわれており、家族構成・収入状況・資産などを細かく確認されます。
なお、法律相談を経て代理援助に進む場合、法律相談時よりも踏み込んだ内容の審査がおこなわれます。
弁護士や司法書士の代理援助を希望したい場合は、住民票や給与明細などを要するため注意しましょう。
3.指定の日時に法テラスなどで相談をする
法律相談の指定日時を迎えたら、法テラスや弁護士・司法書士の事務所で相談を受けてください。
法テラスの無料法律相談は、同一案件につき、3回までとなっています
無料法律相談は効率よく話を進めるためにも、以下の内容を整理したうえで訪問することがおすすめです。
- どのような悩みを抱えているか、時系列でメモにする
- 裁判所から裁判関係の書類その他書類が届いている場合は持参する(訴状など)
- トラブルの相手から内容証明などの郵便物が届いている場合は持参する
法律相談は30分単位で相談がおこなわれており、次の方の予約がある場合は長時間相談をすることが難しくなっています。
的確なアドバイスを受けるためにも、相談内容はメモに書き留めておくことをおすすめします。
さいごに|国の機関である法テラスであれば無料で法律相談ができる!
本記事では、法テラスの無料法律相談について詳細を解説しました。
法テラスは国費で賄われており、一定の条件を満たせば全国で無料相談を気軽に受けられます。
法テラスでは法律相談のほかにも、書類作成援助や代理援助などのサービスや、犯罪被害者支援のサポートも用意されているため、必要に応じて利用されてみてはいかがでしょうか。
ただし、法テラスの無料法律相談には、回数の制限があります。
有効に活用するためにも、相談時には要点をしっかりとまとめておくことが大切です。
経済的に困窮し、生活保護を受給している方であっても、法テラスを活用すれば法的サービスが気軽に受けられるため安心です。
弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます
労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。
・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
・給料未払い問題を解決したい
など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。
お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

【残業代を取り戻そう!】残業代請求・不当解雇は相談料0円◆成功報酬制◆残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】
事務所詳細を見る
【不当解雇・残業代請求/初期費用0円の完全成功報酬制】「突然解雇された」「PIPの対象となった」など解雇に関するお悩みや、残業代未払いのご相談は当事務所へ!不当解雇・残業代請求の実績多数。年間の残業代回収実績7.8億円!【全国対応|LINEお問い合わせ◎】
事務所詳細を見る
【残業代を取り戻そう!】残業代請求・不当解雇は相談料0円◆成功報酬制◆残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡


労働問題の無料相談先に関する新着コラム
-
「雇用保険の傷病手当ってなに?」怪我や病気により傷病手当の受給を検討している方も多いでしょう。傷病手当と言っても、雇用保険と健康保険によって意味が異なります。そ...
-
失業手当とは、失業状態の人が受け取れる給付金ですが、意味を理解していない人も少なくありません。そこで本記事では、失業手当の受給条件や金額、期間などを詳しく解説し...
-
看護師は失業保険をいくらもらえるのか疑問や不安を抱いている方も多いでしょう。この記事では、看護師を辞めた際の失業保険の受給条件や金額、期間などを詳しく解説します...
-
障害者の場合、受給できる手当の種類が変動する場合があります。失業保険もまた、申請する障害者の状況によっては例外ではありません。本記事では、障害者でも失業保険の受...
-
「労務不能証明書ってなに?どこで貰えるの?」怪我や病気により働けなくなった方で疑問に感じている方も多いでしょう。この記事では、労務不能証明書の意味や貰う条件、受...
-
失業保険中に夜職を検討してもよいかどうか疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。そこでこの記事では、失業保険中に夜職はできるのか、夜職できないケースなどを詳しく解...
-
失業保険を申請する際、マイナンバーがない状態では手続きをおこなえません。ただ、なかには自分の番号を忘れてしまっている、または確認できないでいる方もいるでしょう。...
-
「傷病手当が終わったら失業保険を受け取りたい!」と考える方はたくさんいるでしょう。しかし、人によっては両方の手当を受け取れない可能性もあります。本項では、傷病手...
-
住居確保給付金と失業手当は、退職した方にとっては心強い手当です。退職した方のなかには、ふたつの手当を同時に受給したいと考えている方もいるでしょう。本記事では、住...
-
退職コンシェルジュは、現在多くの方から利用され、数々の高評価を受けているサポートサービスです。しかし、なかにはデメリットともいえるような評価も存在します。本記事...
労働問題の無料相談先に関する人気コラム
-
労働基準監督署は域内の事業所が労働基準法を守って運用しているか監督しています。勤務先の会社が労働基準法を守っていない場合、労基署に相談すると指導勧告をしてくれて...
-
弁護士の無料相談を受ける前に押さえておいてほしいポイントとトラブル別の無料相談先一覧、そしてトラブル解決に向けて自分でもできることを説明していきます。
-
労働問題の無料相談ができる窓口について紹介します。24時間電話対応可能な無料相談窓口に加え、相談時のコツや注意点、よくある相談も紹介するので、労働問題に悩んでい...
-
法律問題に巻き込まれて弁護士に無料相談したくても、「どのような弁護士を選べばよいかわからない」という方は多いでしょう。本記事では、弁護士に無料相談できるおすすめ...
-
総合労働相談コーナーは労働条件の不当な変更や解雇、雇い止め、ハラスメントなどの相談窓口です。総合労働相談コーナーでは労働者からの相談に対し解決方法の提案や紹介を...
-
労働条件相談ほっとラインは、労働問題に関する悩みや不安について、電話相談することができます。具体的にどのような相談ができるのか、利用時の注意点など、労働条件相談...
-
有給休暇に関するトラブルは、労働基準監督署に相談することで解決する場合があります。この記事では、労働基準監督署の対応内容や、有給休暇トラブルの解決方法などを解説...
-
失業保険の手取り金額は、ある計算式で求められます。しかし、退職者の年齢や被保険者期間、前職の月収によっても受け取れる金額は変動します。また、条件によっては受け取...
-
弁護士の無料相談は相談時間や回数の制限などがあるため、いくつかの点に注意しないと有効に使えません。本記事では、弁護士の無料相談を利用する際の注意事項、無料相談を...
-
「年金と失業保険って同時にもらえるの?」定年を迎える方はこのような疑問を抱えているのではないでしょうか。この記事では、年金と失業保険の同時受給について詳しく解説...
労働問題の無料相談先の関連コラム
-
看護師は失業保険をいくらもらえるのか疑問や不安を抱いている方も多いでしょう。この記事では、看護師を辞めた際の失業保険の受給条件や金額、期間などを詳しく解説します...
-
長時間労働やハラスメントなどの労働問題をどこに相談すればいいか分からず悩んでいませんか。本記事では鹿児島で労働相談が可能な4つの窓口と専門家を解説しています。本...
-
長時間労働やハラスメントなどの労働問題に直面しているにも関わらず、どこに相談すればいいか分からず悩んでいませんか。本記事では福岡で労働相談が可能な4つの窓口と専...
-
法律トラブルに巻き込まれた場合の相談先として、弁護士はとても頼りになる存在です。そこで本記事では、気軽に相談できる弁護士を探したいとお考えの方のために、土日に電...
-
退職にともない、いずれかの制度を利用する方で疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、失業保険と扶養のお得なケースを詳しく解説します。そ...
-
長時間労働やハラスメントなどの労働問題に直面しているにも関わらず、どこに相談すればいいか分からず悩んでいませんか。本記事では神奈川で労働相談が可能な4つの窓口と...
-
総合労働相談コーナーは労働条件の不当な変更や解雇、雇い止め、ハラスメントなどの相談窓口です。総合労働相談コーナーでは労働者からの相談に対し解決方法の提案や紹介を...
-
障害者の場合、受給できる手当の種類が変動する場合があります。失業保険もまた、申請する障害者の状況によっては例外ではありません。本記事では、障害者でも失業保険の受...
-
労働条件相談ほっとラインは、労働問題に関する悩みや不安について、電話相談することができます。具体的にどのような相談ができるのか、利用時の注意点など、労働条件相談...
-
長時間労働やハラスメントなどの労働問題をどこに相談すればいいか分からず悩んでいませんか。本記事では徳島で労働相談が可能な4つの窓口と専門家を解説しています。本記...
-
失業保険を申請する際、マイナンバーがない状態では手続きをおこなえません。ただ、なかには自分の番号を忘れてしまっている、または確認できないでいる方もいるでしょう。...
-
長時間労働やハラスメントなどの労働問題をどこに相談すればいいか分からず悩んでいませんか。本記事ではさいたま市で労働相談が可能な4つの窓口と専門家を解説しています...