雇用保険における傷病手当とは?健康保険との違いや受給条件などを解説
雇用保険の傷病手当とは、求職活動中に怪我や病気になった人を支援する制度です。
しかし、制度の意味や受給条件を理解していない人も少なくありません。
そこでこの記事では、雇用保険の傷病手当の受給条件や申請手順などを詳しく解説します。
怪我や病気により金銭面に不安を抱いている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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失業保険(雇用保険の基本手当)は、退職後の生活を支える国の制度です。離職前6ヶ月の月収をもとに、月収の約50〜80%が、最大で約1年間にわたって支給されます。
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雇用保険における傷病手当とは
雇用保険の傷病手当は、失業中に病気や怪我で15日以上働けない場合に給付金が受け取れる制度です。
傷病手当を受けるための条件として、「離職前の2年間に雇用保険に12ヵ月以上加入している」などがあり、すべての人が受けられるわけではありません。また、ハローワークでの申請が必要であり、実際に求職していることも条件です。
支給額は、失業保険の基本手当の日額と同額であり、具体的には、離職前の6ヵ月間の給与をもとに計算されます。年齢によって上限額が設定されており、例えば30歳未満では日額7,065円が上限です。
また、傷病手当を申請するには「傷病手当支給申請書」をハローワークで入手し、必要事項を記入して提出します。この際、医師の証明書が必要となるため、早めに準備しましょう。
この制度を活用することで治療に専念し、回復後に安心して再就職活動を再開できます。万が一の際には利用を検討してみましょう。
傷病手当でも「雇用保険」と「健康保険」によって違いがある
「傷病手当」といっても、雇用保険と健康保険によって違いがあります。それぞれの違いを理解したうえで利用するかどうか判断しましょう。
- 雇用保険の傷病手当:失業中に受け取れる
- 健康保険の傷病手当:在職中に受け取れる
雇用保険の傷病手当:失業中に受け取れる
雇用保険の傷病手当は、求職活動中に病気や怪我で働けなくなった際に支給される制度であり、在職中ではなく失業中に受け取れるのが特徴です。
この制度を利用するには、ハローワークで求職の申し込みをおこない、その後に病気や怪我で15日以上働けない状態が続くことが条件です。
あくまでも「求職中の支援」として受け取れる制度であり、怪我や病気をしているすべての人が利用できる制度ではない点には注意しましょう。
健康保険の傷病手当:在職中に受け取れる
健康保険の傷病手当金は、在職中に病気や怪我で働けなくなった際に生活を支えるための制度です。具体的には、業務外の病気や怪我で連続3日間休んだ後、4日目以降も仕事ができない場合に支給されます。
支給額は、標準報酬日額の3分の2で最長1年6ヵ月間受け取れます。ただし、休業中に給与が支払われている場合や労災保険の休業補償給付を受けている場合などは対象外です。
申請には医師の診断書や事業主の証明が必要で、手続きは勤務先を通じておこないます。この制度を活用することで、在職中の怪我や病気による給与減少時にも安心して暮らしていけます。
雇用保険の傷病手当の受給条件
雇用保険の傷病手当を受けるためには以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 失業給付の受給資格があること
- 失業給付の受給中であること
- 病気や怪我が仕事中のものでないこと
それぞれを詳しく解説します。
失業給付の受給資格があること
雇用保険の傷病手当を受け取るには、まず失業給付の受給資格を満たす必要があります。
具体的には、離職前の2年間に雇用保険に通算12ヵ月以上加入していることが求められます。ただし、会社の倒産や解雇など、やむを得ない理由で離職した場合は、直前の1年間に6ヵ月以上の加入で受給資格を得られます。
さらに、ハローワークで求職の申し込みをおこない、働く意思と能力があるにもかかわらず職に就けない状態であることが条件です。
各条件については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
関連記事:失業保険の受給資格3選を徹底解説!もらい方や計算方法も詳しく紹介
失業給付の受給中であること
失業給付の受給資格も得る必要があります。具体的には、ハローワークで求職の申し込みをおこない、就職の意思と能力があると認められることが求められます。その後、病気や怪我で15日以上続けて働けない場合に、傷病手当の対象となります。
ただし、傷病手当と失業給付を同時に受け取ることはできません。傷病手当は、病気や怪我で働けない人を支援する制度であり、失業給付は働く意思と能力がある人を対象としているため、性質が異なります。
そのため、まずハローワークで求職の申し込みをおこない、失業給付の受給資格を得たうえで病気や怪我で15日以上働けない場合に傷病手当を申請する流れとなります。この手順を踏むことで適切な支援を受けられます。
病気や怪我が仕事中のものでないこと
病気や怪我が仕事中や通勤中のものではないことが重要です。
仕事中や通勤中に起きた病気や怪我は労災保険の対象となり、雇用保険の傷病手当の対象外となります。そのため、雇用保険の傷病手当を受けるには、病気や怪我が労災に該当しないことが条件です。
雇用保険の傷病手当の受給期間・タイミング
雇用保険の傷病手当の受給期間や受給タイミングを解説します。状況によって受給期間が異なるため、自身が何日間受給できるのか事前に把握しておきましょう。
- 受給できる期間
- 受給開始のタイミング
- 受給終了のタイミング
受給できる期間
雇用保険の傷病手当を受け取れる期間には制限があります。具体的に何日間受け取れるのか確認しておきましょう。
基本手当(失業手当)の残日数の範囲内で支給される
雇用保険の傷病手当は、失業中に病気や怪我で15日以上働けない場合に、基本手当の残り日数の範囲内で支給されます。
この「基本手当の残り日数」とは、最初に定められた受給可能な日数から、すでに受け取った日数を引いたものです。
例えば、受給可能な日数が180日で、すでに70日分を受け取っている場合、残りは110日となります。この110日が傷病手当を受け取れる最大の日数です。
傷病手当は基本手当の残り日数の範囲内で支給されるため、受給期間や日数をしっかり確認しておくことが大切です。
無期限ではなく、基本手当の支給日数が上限
雇用保険の傷病手当は、無期限に受け取れるわけではありません。支給される日数には上限があり、基本手当の所定給付日数によって決まります。
所定給付日数とは、雇用保険の加入期間や退職理由によって異なりますが、一般的に90日から最大で360日まで設定されています。
例えば、自己都合で退職した場合の所定給付日数は90日から150日です。一方、会社都合での退職では、90日から360日が設定されています。
傷病手当を受け取る際、この所定給付日数から、すでに基本手当として受け取った日数を差し引いた残りの日数が傷病手当の支給可能な日数です。つまり、基本手当と傷病手当を合わせて受け取れる日数は、所定給付日数が上限です。
給付日数について詳しくは、ハローワーク「基本手当の所定給付日数」をご覧ください。
受給開始のタイミング
雇用保険の傷病手当は、ハローワークで求職の申し込みをおこない、病気や怪我で仕事に就けなくなった日から数えて15日目から受給可能です。14日以内に回復した場合は傷病手当ではなく基本手当が支給されます。
受給終了のタイミング
雇用保険の傷病手当の受給が終了するタイミングは主に2つあります。
一つ目は、支給期間の上限に達したタイミングです。
傷病手当は、支給開始日から通算して1年6ヵ月が経過すると終了します。この期間内であれば、連続していなくても合計で1年6ヵ月分の支給を受けられます。ただし、1年6ヵ月を過ぎた場合、働けない状態が続いていても手当の支給は終了します。
二つ目は、症状が改善し、働けるようになったタイミングです。
病気や怪我の症状が回復し、再び働ける状態になったときも傷病手当の支給は終了します。この場合、手当の受給をやめ、就職活動を始めることで失業保険の受給に切り替えられます。
傷病手当の受給終了のタイミングは、「支給期間の上限に達するか」「症状が改善して働けるようになるか」のいずれかです。自身の状況に応じて適切な手続きを進めましょう。
雇用保険の傷病手当の受給額
雇用保険の傷病手当支給額は基本手当の日額と同じです。基本手当の日額は、離職前の6ヵ月間に支払われた賃金の合計を180で割った金額の約50〜80%で計算されます。
具体的な割合は、年齢や退職理由などによって異なります。例えば、30歳未満の基本手当日額の上限は7,065円、30歳以上45歳未満では7,845円と定められています。
つまり、1日あたり7,000円前後、1ヵ月の勤務日数を23日とすると「7,000円×23日=161,000円」が受給額です。
傷病手当の金額は個々の状況により変わるため、詳細はハローワーク「基本手当について」をご覧ください。
失業保険(雇用保険の基本手当)は、退職後の生活を支える国の制度です。離職前6ヶ月の月収をもとに、月収の約50〜80%が、最大で約1年間にわたって支給されます。
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雇用保険の傷病手当の申請手順
雇用保険の傷病手当を申請する際は以下の手順で進めます。
- 受給条件を満たしているか確認
- 申請書類を準備
- ハローワークに申請
- 支給決定・振込
それぞれの手順を詳しく解説します。
STEP1:受給条件を満たしているか確認
まずは受給条件を満たしているか確認しましょう。
- 基本手当の受給資格があること
- 求職申し込み後に病気や怪我が発生したこと
この2つの条件を満たすことで雇用保険の傷病手当を受けられます。受給条件を満たしているかどうか不安な場合は、最寄りのハローワークに相談しましょう。
STEP2:申請書類を準備
条件を満たしていると確認できたら申請書類を準備しましょう。
まず、「傷病手当支給申請書」を用意します。この申請書はハローワークの窓口で入手できるほか、インターネットからダウンロード可能です。
次に、「雇用保険受給資格者証」を準備します。雇用保険の受給資格を証明するために必要な書類です。
さらに、申請書には医師の証明が必要となります。主治医に記入を依頼する欄があるため、早めに相談しておくと安心です。
STEP3:ハローワークに申請
申請書類の準備が完了したらハローワークへ申請しましょう。
直接窓口に持参するか、郵送で書類を提出します。また、オンラインでの申請も可能なため、ハローワークへ行く時間がない方は活用しましょう。
STEP4:支給決定・振込
傷病手当金の申請後、支給が決定されると指定した銀行口座に振り込まれます。
初回の申請では、審査に時間がかかるため、振り込みまでに1〜2ヵ月ほどかかることがあります。2回目以降の申請では、通常2週間から1ヵ月程度で振り込まれます。
支給決定の通知は郵送で自宅に届き、通知を受け取った後、1週間以内に指定の口座に振り込まれるのが一般的です。
申請書類に不備があると支給が遅れる可能性があるため、必要な書類を正確に記入し、早めに提出しましょう。
雇用保険の傷病手当に関するよくある質問
雇用保険の傷病手当に関するよくある質問をご紹介します。
傷病手当に関する疑問を参考にしてみましょう。
- 傷病手当と失業保険はどちらが得ですか?
- 傷病手当から失業保険へ切り替えるタイミングは?
- 傷病手当と失業保険は両方もらえますか?
傷病手当と失業保険はどちらが得ですか?
傷病手当金と失業保険のどちらが有利かは個々の状況によります。
一般的に、傷病手当金は給与の約3分の2が支給され、最長で1年6ヵ月受け取れます。
一方、失業保険は給与の50~80%が支給され、受給期間は90日から最長で1年です。例えば、給与が高い人の場合、失業保険の支給額には上限があるため、傷病手当金の方が有利になることがあります。
ただし、傷病手当金は病気や怪我で働けない人が対象で、失業保険は働く意思と能力がある人が対象です。
そのため、現在の健康状態や今後の就労計画に応じて、どちらを選ぶか検討することが重要です。また、両方を同時に受け取ることはできないので注意が必要です。
傷病手当から失業保険へ切り替えるタイミングは?
傷病手当から失業保険への切り替えタイミングは、退職後の状況によって異なります。
退職後15日以内に働けるようになった場合は、症状が改善した時点で失業保険の申請をしましょう。
一方、退職後15日以上働けない状態が続く場合は傷病手当を受給し、その後、失業保険の受給期間延長手続きをおこなうのがよいでしょう。
傷病手当と失業保険は両方もらえますか?
傷病手当金と失業保険は同時に受け取れません。
傷病手当金は、病気や怪我で働けないときの生活を支える制度です。
一方、失業保険は、働く意思と能力があるのに仕事が見つからない人を支援するものです。そのため、両方を同時に受け取ることは制度上できません。
関連記事:傷病手当と失業保険は両方もらえる?切り替えタイミングや申請手続きを解説
まとめ
雇用保険における傷病手当の受給条件や金額などを解説しました。
傷病手当といっても雇用保険のものと健康保険のものがあり、それぞれで特徴が異なります。
雇用保険の傷病手当は、求職活動中に病気や怪我で働けなくなった場合に支給される制度であり、在職中ではなく失業中に受け取れるのが特徴です。そのため、今現在、失業状態にある人が対象です。
受給するためには、「離職前の2年間に雇用保険に通算12ヵ月以上加入している」や「求職活動中である」などの条件を満たす必要があり、怪我や病気をしたからといって必ず受け取れるとは限りません。
受給金額は、年齢や退職理由などによって異なりますが、1日7,000円前後受け取れるケースが多いです。
上手く活用することで怪我や病気の状態でも安定した生活を送れるようになります。
雇用保険の傷病手当の受給を検討している方は、ぜひこの記事を参考にして手続きをしてみましょう。
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