ベンナビ労働問題 > 労働問題コラム > 残業代請求 > 法定外残業とは?該当するケースや残業代の計算方法など残業の基本知識を解説

法定外残業とは?該当するケースや残業代の計算方法など残業の基本知識を解説

更新日
このコラムを監修
下地 謙史
弁護士
法定外残業とは?該当するケースや残業代の計算方法など残業の基本知識を解説
  • 「法定外残業ってよく聞くけど、実際どこからが対象なの?」
  • 「残業代はどうやって計算されているのかよくわからない…」

このように感じていませんか?

残業には「法定内残業」と「法定外残業」があり、どちらに該当するかによって、支払われる残業代の計算方法や割増率が変わります。

しかし、その違いを正しく理解している方は意外と多くありません。

特に法定外残業は、労働基準法で定められた労働時間を超えた場合に発生するため、働き方や給与に直結する重要なポイントといえるでしょう。

そこで本記事では、法定外残業の基本的な考え方から、該当する具体的なケース、残業代の計算方法までを初心者にもわかりやすく解説します。

残業に関する正しい知識を身につけたい方は、ぜひ参考にしてください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ労働問題で
労働問題が得意な弁護士を探す

法定外残業とは?法定内残業との違いを理解しよう

残業には、法定外残業と法定内残業の2種類があります。

どちらも所定の勤務時間を超えて働く点は共通していますが、法律上の扱いや割増賃金の有無が異なります

まずは、それぞれの違いを確認しましょう。

法定外残業とは?法定労働時間を超過した残業のこと

法定外残業とは、「1日8時間・1週40時間」という法定労働時間を超えて働くことを指し、時間外労働や法定時間外労働とも呼ばれます。

たとえば、始業が9時で実働7時間(17時終業)の会社で19時まで働いた場合、18時以降の1時間が法定外残業にあたります。

なお、法定外残業に対して、会社は通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

また、企業が法定外残業をさせるためには、あらかじめ36協定(サブロク協定)を締結しておくことが前提となります。

さらに、時間外労働には原則として「月45時間・年360時間」という上限が設けられています。

法定外残業で認められる残業時間については、「法定外残業で認められている残業時間とは?」でも詳しく解説するので、あわせて参考にしてください。

法定内残業とは?所定労働時間に収まる残業のこと

法定内残業とは、会社が定めた所定労働時間を超えているものの、「1日8時間・1週40時間」の法定労働時間の範囲内に収まる労働をいいます。

たとえば、始業が9時で実働7時間(17時終業)の会社において、18時まで働いた場合、1日の労働時間は8時間となり、所定労働時間を超えます。

しかし、1日8時間以内に収まっているため、17時~18時の1時間分は法定内残業に該当します。

法定内残業については、法律上、25%以上の割増賃金を支払う義務はありません(※就業規則で別途定めがある場合を除く)。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ労働問題で
労働問題が得意な弁護士を探す

法定外残業で認められている残業時間とは?

法定外残業は、36協定を締結していれば無制限に認められるわけではありません。

労働基準法では、時間外労働の上限が定められており、通常の場合と特別条項付きの場合で基準が異なります

ここでは、それぞれの上限を整理します。

1.通常の36協定の場合|月45時間、年360時間まで

通常の36協定では、時間外労働の上限は「1カ月45時間、1年360時間」とされています。

これは労働基準法36条に基づく上限です。

36協定では、時間外労働や休日労働の範囲を定める必要がありますが、月45時間・年360時間を超える内容とすることはできません。

そのため、特別な事情がない限り、法定外残業はこの範囲内に収める必要があります。

2.特別条項付き36協定の場合|月100時間、年720時間まで

繁忙期など特別な事情がある場合には、36協定に特別条項を設けることで、月45時間・年360時間を超える時間外労働が例外的に認められます

ただし、特別条項がある場合でも、上限は厳しく定められています。

特別条項を設ける場合、1カ月の時間外労働と休日労働の合計は100時間未満、1年の時間外労働は720時間以内でなければなりません。

また、2カ月〜6カ月の平均残業時間が80時間以内(休日労働を含む)である必要があります。

さらに、限度時間を超えられる回数は年6回以内とされ、健康確保措置や割増賃金率なども協定で具体的に定める必要があります。

このように、特別条項があっても時間外労働には明確な上限が設けられており、無制限に残業をさせることは認められていません

【ケース別】法定外残業かどうかの判断ポイント

法定外残業かどうかは、「所定労働時間」ではなく「1日8時間、1週40時間」という法定労働時間を超えているかどうかで判断します。

ここでは、よくあるケースごとに整理します。

1.所定労働時間が7時間、実労働時間が8時間の場合

所定労働時間が7時間で、実際に8時間働いた場合、1時間分は所定労働時間を超えています。

しかし、実労働時間は1日8時間以内に収まっているため、この1時間は法定内残業にあたります。

法定外残業ではないため、法律上25%の割増賃金の支払い義務はありません。

2.所定労働時間が8時間、実労働時間が9時間の場合

所定労働時間が8時間で、実労働時間が9時間の場合は、8時間を超えた1時間が法定外残業にあたります。

たとえば、9時から18時までが所定労働時間で、19時まで働いた場合、18時から19時までの1時間が法定外残業です。

この1時間には、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

このケースでは、所定労働時間と法定労働時間が同じ8時間であるため、法定内残業は発生しません

3.所定労働時間が7時間、実労働時間が9時間の場合

所定労働時間が7時間で、実労働時間が9時間の場合は、2時間分の残業が発生します。

このうち、7時間から8時間までの1時間は法定内残業にあたり、8時間を超えた1時間は法定外残業にあたります。

したがって、割増賃金の対象となるのは、8時間を超えた1時間分です。

法定外残業をした場合の残業代の計算方法

法定外残業をした場合には、通常の賃金に一定の割増率を上乗せした金額を支払う必要があります。

割増率は、労働の時間帯や時間数によって異なります。

ここでは、代表的なケースごとに見ていきましょう。

1.法定外残業だけの場合|通常の賃金×最低25%

1日8時間、1週40時間を超える法定外残業には、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

たとえば、時給1,500円の人が1時間の法定外残業をした場合、1,500円×1.25=1,875円がその1時間分の残業代となります。

2.法定外残業+深夜残業の場合|通常の賃金×最低50%

午後10時から午前5時までの労働は「深夜労働」とされ、25%以上の割増が必要です。

法定外残業が深夜時間帯におこなわれた場合は、時間外の25%と深夜の25%が重なり、合計50%以上の割増率となります。

たとえば、時給1,500円で深夜に法定外残業を1時間した場合、1,500円×1.5=2,250円が支払われるべき金額です。

3.法定外残業(60時間超)の場合|通常の賃金×最低50%

1カ月の法定外残業が60時間を超えた部分については、割増率が50%以上に引き上げられます。

たとえば、月の法定外残業が65時間であれば、60時間を超える5時間分については、通常の賃金の50%以上の割増で計算します。

4.法定外残業(60時間超)+深夜残業の場合|通常の賃金×最低75%

月60時間を超える法定外残業が深夜時間帯におこなわれた場合は、時間外50%と深夜25%が加算され、最低75%以上の割増率となります。

時給1,500円の場合、1,500円×1.75=2,625円が1時間あたりの残業代です。

さいごに|残業に関するトラブルは早めに弁護士に相談しよう

法定外残業とは、「1日8時間、1週40時間」を超える労働を指し、原則として25%以上の割増賃金が必要です。

また、36協定の有無や特別条項の内容によって、認められる残業時間の上限も異なります。

しかし、実際には「法定外残業なのに割増賃金が支払われていない」「月60時間を超えているのに割増率が変わっていない」といったトラブルも少なくありません。

給与明細の記載がわかりにくく、自身で正しく判断できないケースもあります。

未払い残業代の請求には時効があり、原則として3年です。

問題に気づいたときは、できるだけ早く対応することが重要です。

残業代が適切に支払われていない可能性がある場合や、違法な長時間労働が疑われる場合には、労働問題に詳しい弁護士へ相談することを検討してください。

専門家に相談することで、自身の状況を法的に整理し、適切な対応を選択できるようになります。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ労働問題で
労働問題が得意な弁護士を探す
この記事をシェアする

弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます

労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
・給料未払い問題を解決したい

など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

弁護士を検索
兵庫
埼玉
京都
福岡
千葉
神奈川
【残業代請求/相談料0円】ベリーベスト法律事務所

残業代を取り戻そう!残業代請求・不当解雇は相談料0円成功報酬制残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】

事務所詳細を見る
【残業代請求/相談料0円】ベリーベスト法律事務所

残業代を取り戻そう!残業代請求・不当解雇は相談料0円成功報酬制残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】

事務所詳細を見る
【残業代の請求なら】弁護士法人勝浦総合法律事務所

不当解雇残業代請求初期費用0円の完全成功報酬制】「突然解雇された」「PIPの対象となった」など解雇に関するお悩みや、残業代未払いのご相談は当事務所へ!不当解雇・残業代請求の実績多数。年間の残業代回収実績7.8億円!【全国対応|LINEお問い合わせ◎】

事務所詳細を見る
【残業代請求/相談料0円】ベリーベスト法律事務所

残業代を取り戻そう!残業代請求・不当解雇は相談料0円成功報酬制残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】

事務所詳細を見る
兵庫県の弁護士一覧はこちら

この記事の監修

下地法律事務所

下地 謙史
弁護士
(第一東京弁護士会)
慶応義塾大学法学部より、慶應義塾大学法科大学院へ飛び級入学。司法試験に合格後、都内の法律事務所勤務を経て下地法律事務所を開業。(※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

残業代請求に関する新着コラム

残業代請求に関する人気コラム

残業代請求の関連コラム

「 残業代請求 」に関するQ&A
勤務記録を証明できるものが手元にない場合、請求は出来ないのでしょうか。

相談者様ご自身で保管していなくても、弁護士に依頼することで会社に開示請求を行う事ができます。
タイムカードはもちろん、PCの起動ログから残業時間を立証できた事例もございますので、証拠が手元に無くても泣き寝入りせず弁護士に相談しましょう。

残業代請求時に認められやすい証拠と、証拠がない時の対処方法
管理職だから残業代は出ないと会社から伝えられました。本当に1円も請求できないのでしょうか。

確かに労働基準法では、「管理監督者」には残業代を支払わなくても良いと明記されておりますが、会社で定める「管理職」が労働基準法で言う「管理監督者」に当たらないケースもあります。
この場合は会社側が労働基準法違反となり、残業代を支払う義務を負います。このような名ばかり管理職問題についてまとめた記事がございますので、詳しくはそちらをご覧ください。

管理職(課長職など)に残業代が出ないのは違法?未払い残業代の請求手順
会社が固定残業代制度(みなし残業制度)の場合、残業代は全く払われないのでしょうか。

固定残業時間以上の残業を行った場合、その分の残業代は適切に支払われる必要があります。また、36協定の都合上、基本的に固定残業時間の上限は45時間とされております。
固定残業時間を上回る残業を行ったり、会社が違法な固定残業代制度をとっていた場合はもれなく残業代請求が可能です。直ちに弁護士に相談しましょう。

固定残業代(みなし残業)とは?未払い分がある場合の対処法も解説
在職中に残業代請求を行うリスクについて教えてください。

残業代請求に対する企業からの報復行為は、そのほとんどが違法とみなされているため積極的にされることはありません。
ただし、少なからず居心地が悪くなる懸念もあります。一般的には在職中に証拠を集めるだけ集め、その後の生活を守るために転職先を決めてから残業代請求を行うのがベターと言えるでしょう。

残業代請求をしたら報復に?予想される報復行為と未然に防ぐ方法
未払い残業代に時効はあるのでしょうか。

残業代請求の時効は3年となっております。
退職してからゆっくり残業代請求を行う場合、どんどん請求可能期間が短くなってしまいますので、一早く請求に対して動き始めましょう。
また、弁護士に依頼して内容証明を会社に送ることで、時効を一時的にストップさせることが出来ます。

残業代請求の時効は3年|時効を中断させる方法を解説
キーワードからコラムを探す
労災トラブル解決事例集
全国の労働問題の解決が得意な弁護士
  • 関東
  • 北海道・東北
  • 中部
  • 関西
  • 四国・中国
  • 九州・沖縄
  • 弁護士一覧
  • 東京
  • 神奈川
  • 埼玉
  • 千葉
  • 茨城
  • 群馬
  • 栃木
  • 北海道
  • 青森
  • 岩手
  • 宮城
  • 秋田
  • 山形
  • 福島
  • 山梨
  • 新潟
  • 長野
  • 富山
  • 石川
  • 福井
  • 愛知
  • 岐阜
  • 静岡
  • 三重
  • 大阪
  • 兵庫
  • 京都
  • 滋賀
  • 奈良
  • 和歌山
  • 鳥取
  • 島根
  • 岡山
  • 広島
  • 山口
  • 徳島
  • 香川
  • 愛媛
  • 高知
  • 福岡
  • 佐賀
  • 長崎
  • 熊本
  • 大分
  • 宮崎
  • 鹿児島
  • 沖縄
【残業代請求/相談料0円】ベリーベスト法律事務所
初回面談相談無料
電話相談可能
休日の相談可能
残業代請求
不当解雇
解雇予告
内定取消
雇い止め
労働審判
ハラスメント
給与未払い
退職金未払い
退職勧奨
【残業代請求/相談料0円】ベリーベスト法律事務所
初回面談相談無料
電話相談可能
休日の相談可能
残業代請求
不当解雇
解雇予告
内定取消
雇い止め
労働審判
ハラスメント
給与未払い
退職金未払い
退職勧奨
【残業代請求/相談料0円】山梨県・ベリーベスト法律事務所
初回面談相談無料
電話相談可能
休日の相談可能
残業代請求
不当解雇
解雇予告
内定取消
雇い止め
労働審判
ハラスメント
給与未払い
退職金未払い
退職勧奨
【残業代請求/相談料0円】ベリーベスト法律事務所
初回面談相談無料
電話相談可能
休日の相談可能
残業代請求
不当解雇
解雇予告
内定取消
雇い止め
労働審判
ハラスメント
給与未払い
退職金未払い
退職勧奨
並び順について
※事務所の並び順について

当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。

・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡

あなたの場合、
ご退職後3年以上経過されているため、
残念ながら残業代請求をするのは難しいと思われます。

残業代請求の時効は 3 です。

今後、残業代の請求をされたい場合には、
お早めに請求手続きを始めることをおすすめいたします。

相談員

相談内容を選択してください

金アイコン
もらえる慰謝料を増額したい方
弁護士・司法書士の方はこちら
ベンナビ労働のウェブサイト上に表示された、弁護士相談を促すポップアップ。