みなし残業代制における休日出勤の取り扱い|よくあるトラブルとおすすめ相談窓口
「みなし残業代をもらっているから、休日に働いても追加の給料は出ない」と言われたものの、本当に正しいのか疑問に思っていませんか。
実は、みなし残業代に休日出勤分の給料が含まれるかどうかは、会社のルールや出勤した曜日によって変わります。
ルールを知らないまま働いていると、本来もらえるはずのお金を受け取れず、損をしてしまうおそれがあります。
本記事では、みなし残業代制での休日出勤の取り扱いや、残業代に関する主な相談先を解説します。
正しい知識を身につけて、正確に給料を算定するための参考にしてください。
みなし残業代制での休日出勤の取り扱いは会社ごとに異なる
みなし残業代に休日出勤の給料が含まれるかどうかは、会社によって異なります。
正しいルールを知るには、まずは会社の就業規則を確かめてください。
就業規則の記載によって、みなし残業代に含まれる労働の種類が変わります。
就業規則に以下のような条文があるか、確認してみましょう。
| 第〇条(固定残業代) 1. 固定残業代は、法定内時間外労働及び法定時間外労働のみなし残業の分として、法定時間外労働に換算●時間分を支給する。 2. 固定残業代は、実就労時間に基づく残業代(以下、「実残業代」という。)が固定残業代に満たない場合であっても支給する。 3. 賃金計算期間における実残業代が固定残業代を超過した場合は、超過額を支給する。 |
なお、就業規則の記載ぶりによっても変わりますが、残業した分だけ残業代を請求できる可能性があります。
【週休2日制の場合】休日出勤をするとみなし残業に該当する?
週休2日制の会社では、土曜日と日曜日で休日の種類が違います。
休日には、以下の2種類があります。
- 法定休日:法律で定められた、週に1回(または4週に4回)の休日
- 法定外休日:法定休日以外に付与される休日
法定休日は、就業規則で曜日が決まっている場合が多いです。
もし決まりがないときは、「週の起算日から1週間を数えた最後の休日」が法定休日になります(週の起算日が就業規則で定められていなければ、日曜日が起算日となるので、法定休日は土曜日です)。
法定休日ではない休日は、法定外休日となります(週休2日制の会社で、法定休日が土曜日であれば、法定外休日は日曜日です)。
どちらの休日に出勤したかによって、みなし残業代に含まれるかどうかが変わります。
ここから、出勤パターン別の取り扱いを見ていきましょう。
1.法定外休日のみ出勤した場合|みなし残業に含まれる
法定外休日に出勤した場合、その労働が週40時間を超える部分については、法定時間外労働として扱われ、みなし残業の枠内で処理されるケースが多いです。
そのため、決められた固定残業時間を超えない限り、追加の残業代は発生しません。
2.法定休日を含む土日のいずれも出勤した場合|1日分は休日労働になる
法定休日を含む土日の両方とも出勤した場合、法定休日労働とみなされるので、みなし残業に含まれないケースが多いです。
そのため、決められたみなし残業時間を超えなくても、企業は労働者に対して実際の法定休日労働分の残業代を別途支払わなければなりません。
みなし残業代制で休日出勤の取り扱いが問題になる2つのケース
みなし残業代制で休日出勤が絡むと、計算が複雑になります。
そのため、給料の計算間違いや未払いは意外と多く発生しており、会社側も間違ったまま給料を支払っているかもしれません。
ここでは、よくある会社が計算を間違えているケースを2つ紹介します。
自分の給料が正しく支払われているか、今一度よく確認してみてください。
1.みなし残業代に法定休日が含まれていないのに、法定休日を含む休日に出勤していた
1つ目は、みなし残業代に法定休日分に働いた分が含まれていないケースです。
たとえば就業規則が以下のような規定であれば、みなし残業代に法定休日労働分が含まれていません。
- 固定残業代は、法定内時間外労働及び法定時間外労働のみなし残業の分として、法定時間外労働に換算40時間分を支給する。
そのため、法定休日に労働すれば、法定休日労働分の残業代を請求できます。
2.みなし残業代に法定休日が含まれているが、割増率が考慮されていない
2つ目は、みなし残業代に法定休日分が含まれているものの、金額の計算が間違っているケースです。
平日残業分と法定休日労働分では、以下のとおり割増率が異なります。
そのため、法定休日に労働したのであれば、通常の残業よりも高い金額が支払われなければなりません。
- 平日残業分の割増率:25%
- 法定休日労働分の割増率:35%
しかし、会社が法定休日労働分の割増率を25%で計算している場合、本来もらえるはずの金額より10%分少なくなってしまいます。
この足りない10%分は、会社に対して未払い賃金として請求可能です。
また、もし22時以降の深夜に働いた場合は、さらに深夜手当として25%がプラスされます。
このように、みなし残業代の割増率は状況によって適用される数字が異なるので、計算が合っているか、自分でも金額を確かめてみましょう。
「みなし残業代制が違法かも」と思ったときのおすすめの相談窓口
みなし残業代や休日出勤のルールは複雑なため、自分だけで会社と話し合うのは難しい場合があります。
会社に言っても取り合ってもらえないときは、ひとりで悩まずに専門の窓口に相談しましょう。
ここでは、みなし残業代について悩んだときのおすすめ相談窓口を2つ紹介します。
1.総合労働相談センター|労働問題全般について相談できる
まずは公的窓口を利用したい場合は、総合労働相談センターに相談しましょう。
総合労働相談センターは、全国の労働局や労働基準監督署に設置されている窓口です。
あらゆる分野の労働問題について、予約不要かつ無料で相談できます。
状況に応じて「助言・指導」や「あっせん」を案内してくれるほか、労働基準法などに違反する疑いがあれば、担当部署に取り次いでもらえます。
2.労働問題が得意な弁護士|問題解決のサポートをしてくれる
未払い給料を会社に請求したいのであれば、労働問題が得意な弁護士へ相談するのがおすすめです。
弁護士に依頼すれば以下のようなメリットがあるので、安心してトラブルを解決できます。
- 証拠集めのアドバイス:必要となる証拠や、証拠の集め方についてアドバイスをもらえます。
- 正確な金額の計算:複雑な割増率の計算を正しくやり直し、本来もらえるはずの金額を算出してくれます。
- 会社との交渉・裁判手続きの一任:あなたの代理人として交渉してくれるため、精神的な負担が減ります。裁判になった場合も手続きを全て任せられます。
最近では、無料相談に対応している弁護士も多いので、まずは気軽に相談し、取れる対応や今後の見通しについてアドバイスをもらうとよいでしょう。
さいごに|労働問題が得意な弁護士は「ベンナビ労働問題」で探せる!
本記事では、みなし残業代と休日出勤のルールについてわかりやすく解説しました。
休日に働いた分がみなし残業代に含まれるかどうかは、会社の決まりや休日の種類によって違います。
とくに、法律で決まった法定休日に働いた分は、追加で給料をもらえるかもしれません。
しかし、会社の計算が合っているか、自分だけで判断するのは難しい場合もあるでしょう。
もしも「給料の算定方法がおかしい気がする」「会社の説明に納得できない」と感じたら、労働問題が得意な弁護士への相談がおすすめです。
ベンナビ労働問題なら、労働問題が得意な弁護士を、住んでいる地域や相談内容から簡単に探せます。
働いた分の給料を正しく受け取ることは、働く人にとって当たり前の権利です。
あきらめずに、解決に向けて動き出しましょう。
弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます
労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。
・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
・給料未払い問題を解決したい
など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。
お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。
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この記事の監修
東日本総合法律会計事務所
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相談者様ご自身で保管していなくても、弁護士に依頼することで会社に開示請求を行う事ができます。
タイムカードはもちろん、PCの起動ログから残業時間を立証できた事例もございますので、証拠が手元に無くても泣き寝入りせず弁護士に相談しましょう。
確かに労働基準法では、「管理監督者」には残業代を支払わなくても良いと明記されておりますが、会社で定める「管理職」が労働基準法で言う「管理監督者」に当たらないケースもあります。
この場合は会社側が労働基準法違反となり、残業代を支払う義務を負います。このような名ばかり管理職問題についてまとめた記事がございますので、詳しくはそちらをご覧ください。
固定残業時間以上の残業を行った場合、その分の残業代は適切に支払われる必要があります。また、36協定の都合上、基本的に固定残業時間の上限は45時間とされております。
固定残業時間を上回る残業を行ったり、会社が違法な固定残業代制度をとっていた場合はもれなく残業代請求が可能です。直ちに弁護士に相談しましょう。
残業代請求に対する企業からの報復行為は、そのほとんどが違法とみなされているため積極的にされることはありません。
ただし、少なからず居心地が悪くなる懸念もあります。一般的には在職中に証拠を集めるだけ集め、その後の生活を守るために転職先を決めてから残業代請求を行うのがベターと言えるでしょう。
残業代請求の時効は3年となっております。
退職してからゆっくり残業代請求を行う場合、どんどん請求可能期間が短くなってしまいますので、一早く請求に対して動き始めましょう。
また、弁護士に依頼して内容証明を会社に送ることで、時効を一時的にストップさせることが出来ます。






