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美容師の残業代は出る?知らないと損する残業の基本ルールや請求する際の流れなど

更新日
このコラムを監修
下地 謙史
弁護士
美容師の残業代は出る?知らないと損する残業の基本ルールや請求する際の流れなど

美容師は、一般的にサービス残業が多い仕事といわれる職業です。

特にアシスタント時代は「修行期間」と捉えられており、残業代が支払われないことが多くなっています。

しかし、会社から指示された業務をおこなったからには、会社に対して残業代を請求することが可能です。

本記事では、日常的に時間外労働・サービス残業をしている美容師の方に向けて、以下の内容を説明します。

  • 美容師は基本的に残業代を受け取れるのか
  • 美容師が残業代を受け取るための主な条件
  • 美容師が残業代を請求できる可能性が高い業務の例
  • 美容師が会社に対して残業代を請求する場合の流れ など

本記事を確認し、残業代を受け取れるのか、どのように請求すればよいかなどをしっかりと理解しましょう。

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美容師は基本的に残業代を受け取れる?

美容師の働き方には、大きく雇われ美容師と独立美容師の2種類があります。

  • 雇われ美容師:特定の経営者・オーナーに雇われている美容師のこと
  • 独立美容師:個人事業主・フリーランスとして働いている美容師のこと

このうち雇われ美容師の場合は、原則として会社に対して残業代を請求することができます

一方、独立美容師の場合は、経営者の指揮命令下にあるかどうかなどで請求の可否が変わります。

そのため、正社員の方だけでなく、フリーランスの方も残業代を受け取れるかをしっかりと確認しましょう。

美容師が残業代を受け取るための主な条件

美容師が残業代を受け取るための条件には以下のようなものがあります。

  • 会社側と雇用関係があること
  • 勤務時間外に業務がおこなわれていること
  • その業務が経営者の指揮命令下にあること
  • 「固定残業代」などを受け取っていないこと

ここでは、美容師が会社に残業代を請求するための条件について説明します。

1.会社側と雇用関係があること

美容師が残業代を請求するには、会社との雇用関係が必要になります。

わかりやすくいうと、正社員・パートタイマー・アルバイトなどは雇用関係があるといえます。

一方、業務委託契約などで働いている独立美容師の場合は、原則として雇用関係はないと判断されます。

しかし、業務委託契約であっても、その実態が雇用関係といえ、「労働者」と評価できる場合には残業代を請求できるでしょう。

2.勤務時間外に業務がおこなわれていること

残業代は、雇用契約に定められた勤務時間(所定労働時間)外に業務をおこなった場合に請求できます。

たとえば、店舗の営業時間が10時~17時であっても、勤務時間が9時~18時というケースはあります。

この場合は9時から開店準備をしたり、18時~19時の間に片付けをしたりしても残業代は発生しません。

所定労働時間や法定労働時間を超えて業務をおこなった場合に、残業代を請求できると理解しておきましょう。

3.その業務が経営者の指揮命令下にあること

美容師が残業代を請求するには、経営者の指揮命令下にある業務をおこなう必要があります。

たとえば、会社側から仕事内容や労働時間などを指示されている場合は指揮命令下にあるといえます。

また、具体的な指示がなかったとしても、黙示の指示があった場合にも指揮命令下にあると判断されるでしょう。

なお、業務委託契約であっても経営者から業務の指示を受けて「労働者」と評価できる場合は残業代を請求できます

業務委託契約の人が「労働者」として評価されるかどうかの基準

業務委託契約で働いている場合でも、以下のような基準を満たす場合は「労働者」に該当します。

  • フリーランスが仕事の内容を自由に選べない
  • 契約相手から業務の内容を細かく指示されている
  • 契約相手から勤務時間や勤務場所を指示されている
  • 指揮監督下でおこなった業務に対して報酬が支払われている など

これらの条件を満たす場合、業務委託契約であっても労働基準法上の労働者に該当する可能性が高いです。

労働者として判断されたときは、契約相手のオーナーなどに対して残業代を請求することができるでしょう。

4.「固定残業代」などを受け取っていないこと

美容師が残業代を請求するにあたって、事前に自分の給料の詳細を確認しておきましょう。

たとえば、固定残業代制になっている場合は、給料に一定分の残業代が含まれていることになります。

そのため、決められた残業の範囲内については残業代を請求することができないため注意しましょう。

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美容師が残業代を請求できる可能性が高い業務の例

美容師が残業代を請求できる可能性が高い業務には、以下のようなものが挙げられます。

  • 会社に指示された閉店後のカット練習
  • 営業前後の準備や清掃
  • 予約管理やアフターフォロー など

ここでは、美容師が残業代を請求できる可能性が高い業務についてそれぞれ説明します。

なお、いずれの業務も通常の勤務時間におこなわれている場合には残業代を請求できないので注意しましょう。

1.閉店後のカット練習

閉店後におこなわれるカット練習には、残業代が発生する可能性が高いです。

特に、経営者やオーナーからカット練習が指示されている場合には、業務の一環と判断することができます。

カット練習をおこなうアシスタント美容師も、それを指導するベテラン美容師も、残業代を請求できるでしょう。

2.営業前後の準備や清掃

営業時間前後の準備や清掃などをおこなう場合も、残業代が発生する可能性が高いでしょう。

こうした開店準備や閉店作業なども、美容室を営業するためには必要な業務となっています。

そのため、会社から特別指示されていない場合であっても、残業代が発生するといえるでしょう。

3.予約管理やアフターフォロー

勤務時間外に、新規の予約管理や顧客のアフターフォローをおこなう場合もあるでしょう。

このような予約管理やアフターフォローも、美容室を運営するには欠かせない業務といえます。

経営者やオーナーからこれらの対応を指示されている場合も、残業代を請求することができるでしょう。

美容師が会社に対して残業代を請求する場合の流れ|3ステップ

美容師が会社に対して残業代を請求する際の流れは、以下のとおりです。

  1. 残業の証拠を集める
  2. 残業代の計算をする
  3. 会社に残業代を請求する

ここでは、美容師が会社に対して残業代を請求する際の大まかな流れを説明します。

1.残業の証拠を集める

まずは、以下のような残業に関する証拠を集めましょう。

  • 給与明細
  • タイムカード
  • シフト表・業務日報
  • メールの送受信記録・通話記録 など

また、雇用契約書や就業規則などの資料も準備しておくことをおすすめします。

なお、10人未満の店舗では就業規則を作成する義務がないため、用意されていないケースもあります

2.残業代の計算をする

残業代が支払われていなかった場合は、残業代を計算する必要があります。

残業代の計算方法は、以下のように「法定内残業」と「法定外残業」で異なります。

  • 法定内残業:1時間あたりの賃金額×残業時間
  • 法定外残業:1時間あたりの賃金額×(1+割増賃金率)×残業時間

法定外残業の割増賃金率については、一般的には「2割5分(25%)」となっていることが多いです。

なお、22時以降の深夜労働をしたり、休日労働をしたりした場合は割増賃金率が変わるため注意が必要です。

3.会社に残業代を請求する

残業代を計算できたら会社に対して請求します。

一般的には「内容証明郵便」という郵便局のサービスを使って残業代を請求することが多いです。

また、残業代の支払いに応じてくれない場合は労働審判や民事訴訟などを検討するのがおすすめです。

もし自分ひとりでの解決が難しい場合は、労働基準監督署や弁護士などに相談するのもよいでしょう。

未払い残業代の請求方法については、以下のページで詳しく説明しているためあわせて確認してください。

さいごに|美容師が残業代を請求する際は弁護士に相談するのがおすすめ!

美容師であっても会社に雇われており、時間外労働をした場合は残業代を請求できます。

また、フリーランスの美容師であっても実態が雇用関係なら残業代を請求できる可能性があるでしょう。

もしサービス残業が頻発している場合は、一度、労働問題が得意な弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談することで「残業代を請求できるのか」「今後どうしたらよいか」などを知ることができます。

なお、残業代の請求には3年間という時効もあるため、できる限り早く弁護士に相談するほうがよいでしょう。

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下地法律事務所

下地 謙史
弁護士
(第一東京弁護士会)
慶応義塾大学法学部より、慶應義塾大学法科大学院へ飛び級入学。司法試験に合格後、都内の法律事務所勤務を経て下地法律事務所を開業。(※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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