早朝残業で残業代が出る?残業の基本ルールから未払い発生時の対処法まで詳しく解説
通常、始業時間よりも早く出勤した場合は、早朝残業(朝残業・早出出勤)と扱われます。
そのため、残業代を請求できますし、法定労働時間を超えている場合は割増賃金も受け取れます。
しかし、早朝残業として認められるかどうかは、それぞれのケースによって異なるため注意が必要です。
本記事では、日頃から早朝出勤をしている方に向けて、以下の内容について説明します。
- 早朝残業をした場合は残業代を請求できること
- 早朝残業として認められる代表的な3つのケース
- 早朝残業をした場合に受け取れる残業代の計算ポイント
- 早朝残業をしたのに会社から残業代が支払われない場合の対処法 など
本記事を参考に、早朝残業として認められるのか、どうしたら残業代を請求できるのかなどを確認しましょう。
早朝残業をした場合は残業代を請求できる!
早朝残業とは、一般的には就業時間よりも前におこなわれる時間外労働のことを指します。
たとえば、所定労働時間が9時~18時の会社で、8時から仕事をした場合などが該当します。
この場合は1時間分多く働いているため、早朝残業に伴う残業代を請求することが可能です。
なお、1時間早く出勤した分、1時間早く帰宅した場合は、残業は発生していないことになります。
早朝残業として認められる代表的な3つのケース
以下のようなケースであれば、早朝残業として認められる可能性が高いでしょう。
- 始業時間より前に出勤するよう命令された場合
- 命令はなかったが「黙示の指示」があったといえる場合
ここでは、早朝残業として認められる可能性が高い3つのケースについて説明します。
1.始業時間より前に出勤するよう命令された場合
会社から早く出勤するよう命令された場合には早朝残業となります。
残業は、一般的に「使用者の指揮命令下に置かれている場合」に成立します。
そのため、会社から始業時間よりも前に出勤するよう指示された場合は残業になるでしょう。
2.参加が義務付けられている業務などがある場合
会社から参加が義務付けられている業務がある場合も早朝残業になります。
たとえば、始業前の定例ミーティングや会社指定の制服への着替えなどが当てはまります。
このように始業前に必要な業務がある場合は、早朝残業として認められる可能性が高いでしょう。
3.命令はなかったが「黙示の指示」があったといえる場合
命令はないけれど、黙示の指示があった場合には早朝残業と判断できます。
黙示の指示とは、直接の指示はないけれど間接的に残業を指示している場合を指します。
たとえば、通常の業務時間では終わらない業務量を任されたケースなどが考えられます。
ただし、始業後でもできる業務の場合は早朝残業と認められません(名古屋高裁平成2年5月30日判決)。
早朝残業をした場合に残業代はどれくらい受け取れる?
早朝残業による残業代の計算方法は、以下のように残業時間の取り扱いで異なります。
- 法定内残業の場合:働いた分の給料が受け取れる
- 法定外残業の場合:働いた分の給料+割増賃金が受け取れる
ここでは、早朝残業をした場合にいくらくらいの残業代を受け取れるのか説明します。
1.法定内残業の場合|働いた分の給料が受け取れる
法定内残業とは、所定労働時間を超えるものの、法定労働時間の範囲内に収まる残業のことです。
たとえば、所定労働時間が7時間の会社で、早朝残業を1時間分おこなったケースなどが考えられます。
この場合の残業代は、原則として特に割増賃金はもらえず、残業した時間分の給料を受け取ることになります。
2.法定外残業の場合|働いた分の給料+割増賃金が受け取れる
法定外残業とは、法定労働時間の範囲を超えた残業のことです。
法定労働時間は原則1日8時間、週40時間と決まっており、この範囲を超えた場合は割増賃金が発生します。
割増賃金の割合は2割5分以上であり「1時間あたりの賃金×割増率×残業時間」を上乗せして受け取れます。
なお、残業代を手早く計算したい場合には、以下のような「残業代自動計算ツール」を使うのがおすすめです。
早朝残業をしたのに会社から残業代が支払われない場合の対処法
早朝残業をしたのに残業代が支払われない場合には以下のような対応を取りましょう。
- 労働基準監督署に相談する
- 労働問題が得意な弁護士に相談する
ここでは、早朝残業をしたのに会社から残業代が支払われない場合の対処法について説明します。
1.労働基準監督署に相談する
残業代の未払いは、法律違反です(労働基準法第37条、第119条)。
労働基準法違反については、労働基準監督署に相談・通報することが可能となっています。
そして、違法性が認められれば労働基準監督署が調査に入り、行政指導をしてくれると期待できます。
その結果、会社から従業員に対して未払いになっている残業代が支払われる可能性が高まるでしょう。
2.労働問題が得意な弁護士に相談する
残業トラブルが発生している場合は、弁護士に相談するのもおすすめです。
弁護士であれば残業になるかを判断してくれますし、その証拠集めに関するアドバイスも受けられます。
また、残業代を正確に計算してもらえるため、適切な額の残業代を会社から受け取ることができるでしょう。
「ベンナビ労働問題」で残業トラブルが得意な弁護士を探して、まずは相談してみることをおすすめします。
早朝残業をした人が知っておくべき3つの注意点
早朝残業をした場合の注意点には、主に以下のようなものが挙げられます。
- 残業として認められない場合がある
- 無断の早朝残業でトラブルになる可能性がある
- 時効を迎えた場合は残業代を請求できなくなる
ここでは、早朝残業をした人が知っておくべき3つの注意点について説明します。
1.残業として認められない場合がある
通常、残業として認められるには会社からの指示(黙示の指示)が必要になります。
そのため、以下のようなケースでは早朝残業とは認められない可能性が高いでしょう。
- 満員電車を避けるために早朝出勤をしている
- 資格を取得するために朝から職場で勉強している など
上記のように、従業員の判断で早朝出勤をしているケースでは通常残業は認められません。
朝早くから出勤しているからといって、必ずしも早朝残業になるわけではないので注意しましょう。
2.無断の早朝残業でトラブルになる可能性がある
会社に許可を得ずに早朝残業をしている場合は、トラブルの原因になりえます。
「早朝残業をしたから残業代がほしい」と伝えても、会社側はその残業を認めてくれないと考えられます。
また、自己判断で早朝残業をしている場合は、注意・指導の対象になる可能性が高いため注意が必要です。
どうしても早朝残業が必要な場合は、事前に上司に相談して残業の許可を得ておくほうが望ましいでしょう。
3.時効を迎えた場合は残業代を請求できなくなる
残業代の請求期限(時効)は、3年と決まっています(労働基準法第115条、第143条3項)。
会社の指示(黙示の指示を含む)を受けておこなった早朝残業であれば残業代を請求できます。
時効が成立してしまうと受け取れなくなるため、早めに残業代を請求することをおすすめします。
さいごに|残業代請求が得意な弁護士は「ベンナビ労働問題」で探そう
会社から指示がある早朝残業については残業代を請求することが可能です。
給与明細などを見て残業代を受け取っていない可能性がある場合は早めに弁護士に相談しましょう。
残業トラブルや残業代請求が得意な弁護士は「ベンナビ労働問題」を使うことで簡単に見つけられます。
また「オンライン相談」「初回相談無料」「休日相談可能」などの条件で弁護士を探すこともできます。
まずは自分の条件に合う最寄りの法律事務所を探して、残業トラブルについて相談することをおすすめします。
弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます
労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。
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この記事の監修
弁護士法人若井綜合法律事務所
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この場合は会社側が労働基準法違反となり、残業代を支払う義務を負います。このような名ばかり管理職問題についてまとめた記事がございますので、詳しくはそちらをご覧ください。
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残業代請求に対する企業からの報復行為は、そのほとんどが違法とみなされているため積極的にされることはありません。
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残業代請求の時効は3年となっております。
退職してからゆっくり残業代請求を行う場合、どんどん請求可能期間が短くなってしまいますので、一早く請求に対して動き始めましょう。
また、弁護士に依頼して内容証明を会社に送ることで、時効を一時的にストップさせることが出来ます。






