残業手当とは?時間外手当との違い・正しい計算方法・請求方法を解説
残業手当とは、残業が発生した場合に会社が従業員に支払う賃金のことです。
労働基準法では「賃金全額払いの原則」が定められており、会社は従業員に労働時間に対する賃金を全額支払わなければいけません(労働基準法第24条1項)。
ただし、なかには残業状況に応じた正当な賃金が支払われていない場合もあります。
従業員としては、まずは残業手当などの正確な計算方法を押さえたうえで、未払いが発生している場合は請求手続きに移りましょう。
本記事では、残業手当の定義やほかの手当との違い、ケースごとの残業手当の計算方法や、未払いが発生している場合の請求方法などを解説します。
残業手当とは
残業手当とは、一般的に「残業が発生した場合に会社が従業員に支払う賃金」のことを指します。
残業が発生した場合、会社は従業員に対して残業時間に応じた賃金を支払わなければならず、たとえ数分程度の残業であっても全て支払う必要があります。
詳しくは「残業手当と他の手当の違い」で後述しますが、残業状況によっては割増賃金が発生し、通常よりも多くの賃金が支払われる場合もあります。
(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
引用元:労働基準法第37条1項
以下では、残業の定義や、残業に関する労使協定などについて解説します。
残業とは
残業とは、一般的に「従業員が所定労働時間や法定労働時間を超えて働くこと」を指します。
- 所定労働時間:会社が就業規則や雇用契約書で定める労働時間のこと
- 法定労働時間:労働基準法で定められている労働時間の上限(1日8時間・週40時間)のこと(労働基準法第32条)
所定労働時間は会社側が自由に設定できますが、法定労働時間を超えることはできないため「所定労働時間=法定労働時間」または「所定労働時間<法定労働時間」となります。
なお、残業は「法定内残業」と「法定外残業」の2種類に大きく分けられます。
以下ではそれぞれの定義について解説します。
法定内残業とは
法定内残業とは「所定労働時間を超えているが、法定労働時間は超えていない残業」のことを指します。
たとえば以下のようなケースが該当します。
- 会社の所定労働時間:9時00分~17時00分の7時間(休憩1時間)
- 実際の労働時間:9時00分~18時00分の8時間(休憩1時間)
上記のケースでは、所定労働時間である7時間を超えているものの、法定労働時間である8時間は超えていないため、法定内残業という扱いになります。
残業代の支払いに関しては、1時間分の通常賃金が支払われるのが通常です。
法定外残業とは
法定外残業とは「所定労働時間も法定労働時間も超えている残業」のことを指します。
たとえば以下のようなケースが該当します。
- 会社の所定労働時間:9時00分~17時00分の7時間(休憩1時間)
- 実際の労働時間:9時00分~19時00分の9時間(休憩1時間)
上記のケースでは、所定労働時間である7時間を超えており、かつ法定労働時間である8時間も超えているため、法定外残業という扱いになります。
残業代の支払いに関しては、1時間分の通常賃金に加えて、法定労働時間を超えた1時間分に対しては25%以上の割増率が適用されて支払われるのが通常です。
36協定とは
36協定とは、労働基準法第36条に基づく時間外労働・休日労働に関する協定のことです。
原則として、会社は従業員に対して法定労働時間である「1日8時間・週40時間」を超えて働かせることはできません。
ただし、会社と従業員で36協定を締結し、労働基準監督署に届け出ることで「原則月45時間・年360時間」を上限に働かせることが可能となります。
もし36協定の上限を超えて働かせたり、36協定を結ばずに法定労働時間を超えて働かせたりした場合は、労働基準法違反として「6ヵ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金刑」が科される可能性があります(労働基準法第119条1号)。
なお、基本的に36協定の上限を超えてはいけませんが、特別条項付き36協定を締結している場合は例外的に認められることもあります。
36協定や特別条項付き36協定について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
残業手当と他の手当の違い
会社が従業員に支払う手当の中には、法律で支給が義務付けられているものもあります。
一例としては以下のとおりで、時間外手当に関しては残業手当と混同されたりすることもあります。
- 時間外手当(労働基準法第37条1項)
- 休日手当(労働基準法第37条1項)
- 深夜手当(労働基準法第37条4項)
ここでは、残業手当とほかの手当の違いや、各手当の支給条件や割増率などについて解説します。
1.残業手当と時間外手当の違い
時間外手当とは、従業員が法定労働時間である「1日8時間・週40時間」を超えて働いた場合に支払われる割増賃金のことです(労働基準法第37条1項)。
時間外手当と残業手当は同義で用いられることもありますが、厳密には対象範囲が異なります。
- 時間外手当:法定外残業に対して支払われる割増賃金のこと
- 残業手当:法定内残業に対する企業独自の手当や、法定外残業に対する時間外手当などを幅広く含む一般的な呼称のこと
時間外手当の割増率は25%以上ですが、月60時間を超える時間外労働が発生した場合は50%以上に引き上げられます。
2.残業手当と休日手当の違い
休日手当とは、従業員が休日出勤した場合に支払われる割増賃金のことです(労働基準法第37条1項)。
休日については「法定休日」と「所定休日」の2つに大きく分けられ、どちらに該当するのかによって支給額が異なります。
- 法定休日:労働基準法が定める必要最低限の休日(週1日または4週4日)のこと(労働基準法第35条)
- 所定休日:法定休日以外に、会社が独自に設定する休日のこと
法定休日に働いた場合は休日手当が発生し、休日手当の割増率は35%以上です。
一方、所定休日に働いた場合は、基本的に通常の労働と同様の扱いとなるため、休日手当は発生しません。
ただし、所定休日に働いて法定労働時間を超えた場合は、時間外手当が発生して25%以上の割増率が適用されることになります。
3.残業手当と深夜手当の違い
深夜手当とは、従業員が22時00分~5時00分の深夜時間帯に働いた場合に支払われる割増賃金のことです(労働基準法第37条4項)。
深夜労働をした場合は深夜手当が発生し、深夜手当の割増率は25%以上です。
なお、時間外労働・休日出勤・深夜労働などが重なった場合は、各割増率が合算されます。
以下のとおり、場合によっては割増率が50%を超えたりすることもあります。
- 深夜時間帯に時間外労働をした場合:割増率50%以上(深夜手当+時間外手当)
- 法定休日に深夜労働をした場合:割増率60%以上(深夜手当+休日手当)
残業手当の計算方法
従業員による残業が発生した場合、以下のような計算式で残業代を計算します。
| 残業代=1時間あたりの賃金×割増率×残業時間数 |
ここでは、各項目の計算方法について解説します。
【給与形態別】1時間あたりの賃金の計算方法
1時間あたりの賃金については、給与形態によって求め方が異なります。
| 給与形態 | 計算式 |
| 年俸制の場合 | 年俸額÷1年間の所定労働時間数 |
| 月給制の場合 | 月給÷1ヵ月あたりの所定労働時間数 |
| 時給制の場合 | 時給額がそのまま適用 |
| 日給制の場合 | 日給÷1日の所定労働時間数 |
なお、1時間あたりの賃金を求める際は、以下のような手当は除外して計算します(労働基準法37条5項、同施行規則21条)。
- 家族手当
- 通勤手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 臨時に支払われた賃金(結婚手当など)
- 1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
残業手当の割増率
「残業手当と他の手当の違い」で解説したとおり、残業状況によって発生する割増賃金は異なります。
具体的には時間外手当・休日手当・深夜手当などがあり、それぞれ支給対象や割増率が異なります。
| 手当の種類 | 支給対象 | 割増率 |
| 深夜手当 | 22時00分~5時00分の深夜時間帯に働いた場合 | 25%以上 |
| 時間外手当 | 1日8時間、週40時間を超えて働いた場合 | 25%以上 |
| 休日手当 | 法定休日に働いた場合 | 35%以上 |
| 時間外手当 (1ヵ月60時間超え) |
月60時間を超える時間外労働が発生した場合 | 50%以上 |
| 時間外手当+深夜手当 | 時間外労働+深夜労働の場合 | 50%以上(25%以上+25%以上) |
| 休日手当+深夜手当 | 休日労働+深夜労働の場合 | 60%以上(35%以上+25%以上) |
【ケース別】残業手当の計算例
ここでは、残業発生時にいくら支払われるのかをケースごとに解説します。
1.法定外残業をした場合
以下のような法定外残業をした場合は、通常の賃金に加えて時間外手当が発生し、法定労働時間を超えた1時間分に対して25%以上の割増率が適用されます。
- 会社の所定労働時間:9時00分~18時00分の8時間(休憩1時間)
- 実際の労働時間:9時00分~19時00分の9時間(休憩1時間)
1時間あたりの賃金を2,000円とした場合、残業代合計は以下のとおりです。
| 残業代合計=2,000円×1.25×1時間=2,500円 |
2.月60時間を超える法定外残業をした場合
法定外残業が月60時間を超えると、時間外手当の割増率が25%以上から50%以上へと引き上げられます。
以下のような法定外残業をして残業時間が月60時間を超えている場合は、法定労働時間を超えた1時間分に対して50%以上の割増率が適用されます。
- 会社の所定労働時間:9時00分~18時00分の8時間(休憩1時間)
- 実際の労働時間:9時00分~19時00分の9時間(休憩1時間)
1時間あたりの賃金を2,000円とした場合、残業代合計は以下のとおりです。
| 残業代合計=2,000円×1.5×1時間=3,000円 |
3.深夜時間帯に法定外残業をした場合
以下のような深夜時間帯に法定外残業をした場合は、通常の賃金に加えて時間外手当や深夜手当が発生します。
- 会社の所定労働時間:9時00分~18時00分の8時間(休憩1時間)
- 実際の労働時間:9時00分~23時00分の13時間(休憩1時間)
18時00分~22時00分の法定外残業の部分には時間外手当、22時00分~23時00分の深夜残業の部分には時間外手当と深夜手当の両方が発生することになります。
- 18時00分~22時00分の法定外残業:割増率25%以上(時間外手当)
- 22時00分~23時00分の深夜残業:割増率50%以上(時間外手当+深夜手当)
1時間あたりの賃金を2,000円とした場合、残業代合計は以下のとおりです。
| ①2,000円×1.25×4時間=1万円 ②2,000円×1.5×1時間=3,000円 残業代合計:1万円+3,000円=1万3,000円 |
残業手当の請求方法
残業手当などの未払いが発生している場合は、以下のような流れで請求手続きを進めましょう。
- 残業の証拠を集める
- 未払い金額を計算する
- 会社に請求する
- 労働基準監督署に申告する
- 労働審判を申し立てる
- 訴訟を起こす
ここでは、各手続きの進め方について解説します。
1.残業の証拠を集める
まずやるべきことは、残業に関する証拠の確保です。
会社に対して支払いを求めると反論してくることもあり、スムーズに請求手続きを済ませるためには証拠を集めておくことが大切です。
具体的には、以下のようなものがあれば証拠として有効です。
| 残業手当などの請求時に必要な証拠 | 具体例 |
| ①実労働時間に関する資料 | タイムカード・勤務表・業務日報など |
| ②労働条件や契約内容に関する資料 | 就業規則・雇用契約書・労働条件通知書など |
| ③給与の支払い状況に関する資料 | 給与明細書・銀行口座の写し など |
以下の記事では、証拠の集め方や証拠が集まらない場合の対処法などを解説しているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
2.未払い金額を計算する
会社に支払いを求める前に、未払い金額を計算しておくことも必要です。
給与の計算方法や実際の残業時間などを確認し、「本来支払われるべき金額」や「未払いになっている金額」を求めましょう。
もし計算が難しい場合は、当サイト「ベンナビ労働問題」の残業代計算ツールをご利用ください。
残業代計算ツールなら、月収額・入社時期・1ヵ月あたりの残業状況・残業代の支払い額などの項目を選択するだけで、獲得見込み額を確認できます。
3.会社に請求する
会社に支払いを求める際は、まずは直接やり取りして請求するのが一般的です。
事前に集めておいた証拠を提示して未払いの事実を指摘し、いつまでにいくら支払ってほしいのかを伝えましょう。
会社が未払いの事実を認めて話し合いが成立した場合は、合意書などを作成して合意内容を書面化したのち、未払いになっていた分が支払われて請求手続きは終了となります。
なお、口約束だけで済ませることも可能ですが、合意内容を形に残しておかないと「言った言わない」などの揉め事になるおそれもあるため、書面化しておいたほうが安心です。
4.労働基準監督署に申告する
会社との話し合いがうまく進まない場合は、労働基準監督署に申告するのも有効です。
労働基準監督署とは、会社が労働関係法令を適切に守っているかどうかをチェックし、違反企業に対しては取り締まりなどをおこなう機関のことです。
労働基準監督署に申告することで、会社に対して調査・指導・勧告などの措置がおこなわれ、会社側の対応が変わって解決につながる可能性があります。
ただし、必ずしも申告したからといって動いてくれるとはかぎらず、証拠不足と判断されて一切動いてくれない場合や、緊急性が低いと判断されて後回しにされる場合もあります。
5.労働審判を申し立てる
会社とやり取りしても解決が難しい場合は、労働審判などの裁判手続きに移行しましょう。
労働審判では、労働審判委員会がトラブルの仲介役となり、裁判所にて原則3回以内の期日で話し合いをおこなって解決を目指します。
労働審判委員会のサポートも得ながら話し合いがまとまった場合は調停成立となり、未払いになっていた分が支払われて請求手続きは終了となります。
一方、話し合いがまとまらなかった場合は労働審判委員会による審判が下され、審判内容に異議申し立てがなければ審判確定となり、請求手続きは終了となります。
6.訴訟を起こす
上記の手段を講じても解決しない場合は、最終手段として訴訟に移ります。
訴訟を起こした場合は、トラブルの当事者双方が裁判所に出頭し、証拠を用いるなどして主張立証をおこなって争います。
当事者双方による主張立証が十分におこなわれたのち、最終的には裁判官による判決が下されて決着が付けられます。
場合によっては裁判官から和解を促されるケースもあり、提示された和解案に当事者双方が応じた際は和解成立となって手続きが終了します。
残業手当を請求する場合の2つの注意点
残業手当などの請求を考えているなら、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 残業代請求には時効がある
- 自分で請求できるか不安な場合は弁護士に相談する
ここでは、残業手当などを請求する場合の注意点について解説します。
1.残業代請求には時効がある
残業代の請求権には、以下のような時効が設けられています。
以下の時効期間を過ぎて時効成立となった場合、請求権は消滅して請求できなくなります。
| 支払い時期 | 時効期間 |
| 2020年3月までの支払い分 | 2年 |
| 2020年4月以降の支払い分 | 5年(当面の間は3年) |
2020年の労働基準法の改正により、時効期間は2年から5年に延長されたものの、当面の間は3年間で時効が成立します。
未払いが発生している方は、なるべく早めに対処するようにしましょう。
2.自分で請求できるか不安な場合は弁護士に相談する
自力での請求対応が不安な場合は、労働問題が得意な弁護士に相談しましょう。
弁護士なら、未払い金額の計算方法や証拠の収集方法などのアドバイスが受けられますし、会社との交渉・労働審判・訴訟などの請求手続きを代行してもらうことも可能です。
多くの法律事務所では初回無料相談を実施しており、気軽にアドバイスが受けられます。
無料相談だけの利用も可能ですので、弁護士に依頼するかどうか悩んでいる方も一度相談してみることをおすすめします。
残業代トラブルで弁護士に相談・依頼する3つのメリット
残業代トラブルでは、弁護士が頼もしい味方としてサポートしてくれます。
弁護士に相談・依頼することで、主に以下のようなメリットが望めます。
- 正確な未払い金額を計算してくれる
- 残業手当の請求手続きを一任できる
- 自分で請求するよりも早期回収が望める
ここでは、残業代トラブルで弁護士に相談・依頼するメリットについて解説します。
1.正確な未払い金額を計算してくれる
弁護士に依頼した場合、いくら未払いになっているのか正しく計算してくれます。
会社に対して支払いを求める際は、基本的に請求する側が「本来支払われるべき金額」や「未払いになっている金額」などを計算する必要があります。
ただし、残業状況を漏れなく把握したうえで、割増率なども適用しながら正確な金額を計算するためには、相応の知識や経験が求められます。
弁護士なら安心して金額計算を任せることができ、正確な未払い額がわかります。
2.残業手当の請求手続きを一任できる
弁護士なら、残業手当などの請求で必要な手続きを一任することも可能です。
会社に対して支払いを求める際は、未払い金額の計算だけでなく、残業の証拠集め・会社との交渉・裁判手続きなどにも対応しなければいけません。
自力で済ませることも不可能ではありませんが、素人にとっては大きな負担となりますし、適切に対応できずに不満の残る結果に終わるおそれもあります。
弁護士に代理人として動いてもらうことで、対応にかかる時間的負担・精神的負担を大幅に軽減できます。
3.自分で請求するよりも早期回収が望める
弁護士のサポートを得れば、早期回収が望めるというメリットもあります。
会社側が誠実に対応してくれる場合は問題ありませんが、なかには支払い請求を無視したり反論してきたりして、問題解決が長引くこともあります。
弁護士なら、会社側の主張に対しても冷静かつ的確に反論してくれるため、素人が自力でやり取りを進めるよりも迅速な解決が望めます。
裁判手続きに移行した場合も、法的視点から説得力のある主張を展開してくれて、依頼者ができるだけ損を被らないように尽力してくれます。
残業手当に関するよくある質問3選
ここでは、残業手当に関するよくある質問について解説します。
1.残業手当は何時間から発生する?
会社の所定労働時間を1分でも超えて働いた場合は、残業時間に応じた賃金が発生します。
所定労働時間については、会社の就業規則や雇用契約書に記載されています。
多くの日本の会社では、9時00分~17時00分(休憩1時間)のような7時間勤務制や、9時00分~18時00分(休憩1時間)のような8時間勤務制が採用されています。
2.残業手当に税金はかかる?
残業手当は、通常の給与と同様に「給与所得」に含まれます。
したがって、所得税・住民税の課税対象となり、非課税になることは原則ありません。
会社から未払い分を受け取った際は、申告手続きが必要になる場合もあります。
もし税金面に関する不安がある方は、税理士に一度相談しておくことをおすすめします。
3.残業時間の上限はどれくらい?
残業時間の上限は、「36協定を締結している場合」と「特別条項付き36協定を締結している場合」で異なります。
36協定を締結している場合、残業時間の上限は「原則月45時間・年360時間」です。
特別条項付き36協定を締結している場合は、上記の上限を超えて以下の範囲内で残業が認められることもあります。
- 1年間の時間外労働の上限は720時間以内
- 1ヵ月45時間を超える時間外労働が認められるのは年6回まで(6ヵ月以内)
- 2ヵ月~6ヵ月平均の上限は80時間以内
- 1ヵ月の時間外労働と休日労働の上限は合計100時間未満
なお、2019年4月1日から順次施行された働き方改革関連法により、上限を超えた場合の罰則として「6ヵ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金刑」が設けられています(労働基準法第119条1号)。
さいごに|残業手当の計算や請求が不安なら、弁護士に相談を
1分でも残業が発生していれば、会社は従業員に対して賃金を支払う必要があります。
もし未払いが発生している可能性があるなら、弁護士に一度相談することをおすすめします。
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相談者様ご自身で保管していなくても、弁護士に依頼することで会社に開示請求を行う事ができます。
タイムカードはもちろん、PCの起動ログから残業時間を立証できた事例もございますので、証拠が手元に無くても泣き寝入りせず弁護士に相談しましょう。
確かに労働基準法では、「管理監督者」には残業代を支払わなくても良いと明記されておりますが、会社で定める「管理職」が労働基準法で言う「管理監督者」に当たらないケースもあります。
この場合は会社側が労働基準法違反となり、残業代を支払う義務を負います。このような名ばかり管理職問題についてまとめた記事がございますので、詳しくはそちらをご覧ください。
固定残業時間以上の残業を行った場合、その分の残業代は適切に支払われる必要があります。また、36協定の都合上、基本的に固定残業時間の上限は45時間とされております。
固定残業時間を上回る残業を行ったり、会社が違法な固定残業代制度をとっていた場合はもれなく残業代請求が可能です。直ちに弁護士に相談しましょう。
残業代請求に対する企業からの報復行為は、そのほとんどが違法とみなされているため積極的にされることはありません。
ただし、少なからず居心地が悪くなる懸念もあります。一般的には在職中に証拠を集めるだけ集め、その後の生活を守るために転職先を決めてから残業代請求を行うのがベターと言えるでしょう。
残業代請求の時効は3年となっております。
退職してからゆっくり残業代請求を行う場合、どんどん請求可能期間が短くなってしまいますので、一早く請求に対して動き始めましょう。
また、弁護士に依頼して内容証明を会社に送ることで、時効を一時的にストップさせることが出来ます。





