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ブラック企業を辞めたい方の参考ガイド|ブラック企業の判断・退職方法

銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
このコラムを監修
ブラック企業を辞めたい方の参考ガイド|ブラック企業の判断・退職方法
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「ブラック企業の労働環境に我慢できない」

 

このような悩みを抱えている方は、限度を超える長時間労働やノルマ、給料や残業代の未払い、パワハラなどのハラスメントによって、大きな不安やストレスを感じていることでしょう。ハラスメントは年々多様化しており、ご自身の感じている不快な感情や状況、環境が法的なハラスメントに至っているかどうかの判断も、高度に専門化しています。このような環境に置かれていれば、「今の会社を退職して、ホワイト企業に転職したい」と考えるのは当然です。

 

ただし、早くブラック企業を辞めたいからといって焦って転職してしまうと、「せっかく転職したのに転職先もブラック企業だった」という事態になりかねないので、注意が必要です。

 

さらに、いざ決心してブラック企業を辞めようとしても、退職の引き止めにあい、一筋縄では辞められないケースも起こり得ます。

 

無茶な条件を提示されて引き止められたり、難癖をつけられて円満な退職ができなかったりするでしょう。

 

この記事では、ブラック企業を辞めたい方に向けて、ブラック企業かどうかを判断するポイントや、退職するために心得ておくことなどについて解説します。

 

ご自身の職場がブラック企業といえるかどうかを判断し、辞め方を把握したうえでスムーズに転職するための参考にしてください。

 

ブラック企業を辞めたい方は…

ブラック企業に勤め続けることは、いずれ肉体・精神共に大きなダメージを受けることに繋がります。自分がブラック企業に勤めているとわかった場合は早々に転職することも現実的な手段です。

 

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この記事に記載の情報は2023年04月28日時点のものです

ブラック企業かどうかを判断する4つのポイント

厚生労働省では、ブラック企業の一般的な特徴を以下のように記載しています。

 

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別をおこなう、などと言われています。

引用元:「ブラック企業」ってどんな会社なの?|Q&A|確かめよう労働条件

具体的には、以下のポイントにあてはまるとブラック企業と考えてよいでしょう。

  • サービス残業が常識になっている
  • パワハラ、セクハラが横行している
  • 休日出勤が多い、有給が取れない
  • 従業員の入れ替わりが頻繁で離職率が高い

この章では、ご自身の勤務先がブラック企業かどうかを判断する主な4つのポイントについて解説します。

【関連記事】ブラック企業とは|ブラック会社の特徴10個と見抜くポイント

 

サービス残業が常識になっている

労働基準法第32条では、労働時間を一日8時間、週に40時間と定めています(労働基準法第32条)。

また、時間外労働時間については、労働基準法第36条で以下のように定められています。

 

  • ・労働者に時間外労働を命じるためには、労使協定(通称:36協定)を結ばなくてはいけない
  • ・締結した労使協定を労働基準監督署に届け出なくてはいけない
  • ・月45時間・年間360時間を時間外労働時間の上限とする
  • ・特別な事情があって労使が合意する場合であっても、年720時間以内、および時間外労働と休日労働の合計時間が100時間未満でなければいけない
  • ・月に45時間を超えた時間外労働は、年間6ヵ月を限度とする
  • ・時間外労働と休日労働の合計時間が、2ヵ月平均~6ヵ月平均の全てにおいて月80時間以内であること

【参考記事】時間外労働時間の上限規制 わかりやすい解説|厚生労働省

 

これらの基準に違反した企業には、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。

ブラック企業でみられる最大の特徴が、労働基準法を無視した長時間労働によるサービス残業です。

 

不当に過度な長時間労働を強いられているうえ、十分な残業代が支払われない場合は、ブラック企業の可能性があります。

 

職場で以下のような状況がみられるのであれば違法と評価される状況です。

 

 

  • 残業しているにもかかわらず、上司から定時にタイムカードを切るよう指示される
  • 連日終電を逃すほどの業務量を抱える社員がいる
  • 月に80時間以上の残業が長期間続いている
  • 全ての従業員、または一部の従業員に残業代が支払われていない
  • 残業申請しないことが職場で常態化している など

厚生労働省が配布している過労死に関するパンフレットでは、月に100時間以上の残業が常態化、または2~6ヵ月間の平均残業時間が80時間を超えると、健康障害を発症するリスクが高くなるとされています。

【参考記事】STOP!過労死|厚生労働省

会社がサービス残業を強要している場合や、過労死ラインとされている月80時間以上の残業が続いている場合は、労働基準法違反の可能性があります。ブラック企業と判断し、転職を検討してもいいでしょう。

 

パワハラ、セクハラが横行している

次に、パワハラやセクハラなどのハラスメントが横行している場合も、ブラック企業だといっていいでしょう。

 

以下のような状況が日々みられる場合は注意してください。

 

  • 仕事のミスなどに対して上司から身体的暴力を与えられる
  • 上司や同僚が特定の従業員に対して嫌がらせをしている
  • 飲み会などの席で、人格を否定する言葉かけや女性への性的な発言が横行している
  • 他の従業員の前で過度に叱責する
  • 上司が部下に対して、怒鳴り散らしたり威圧するような暴言を吐いたりする など

 

仕事のミスに対する指導の範囲内の叱責であればやむを得ないですが、上記のような限度を超えた身体的・精神的暴力は許容されません。

企業には、パワハラやセクハラを防止するための措置を講ずることが法律で義務付けられています。(パワハラ防止法第30条の2男女雇用機会均等法第11条

このような職場環境が改善されずに放置されているような場合には、ブラック企業と判断し、転職することを検討しましょう。

 

休日出勤が多い、有給が取れない

休日出勤が多かったり有給が取れなかったりすることも、ブラック企業の特徴のひとつです。

 

労働基準法第35条では、原則として毎週少なくとも1日、または4週間を通じて4日以上の休日をとることが定められています(労働基準法第35条)。

 

休日を全く取らせず業務を命ぜられる場合は、ブラック企業といっていいでしょう。

 

また、会社は勤務期間が6ヵ月以上・出勤日数が全労働日の8割以上の労働者に対して、年10日以上の有給休暇を付与し、そのうち5日以上を取得させる必要があります。(労働基準法第39条

 

有給休暇を全く取らせない場合も、労働基準法に違反しているブラック企業といえるでしょう。

 【関連記事】有給が取れない!休暇のルールと取れない理由・対処法を解決

 

従業員の入れ替わりが頻繁で離職率が高い

離職率とは、年始、または年度始めに在籍していた労働者の人数に対して、年末、または年度末までに何人の労働者が退職したかを示す数字です。たとえば、1月1日時点で100人が勤務していた職場において、12月31日までに10人が退職した場合、離職率は10人÷100人×100=10%と求められます。離職率は、就職四季報や検索エンジンなどで調べることが可能です。

離職率が高いからといって、ブラック企業であると断定はできません。しかし、労働環境が過酷であったり、人間関係のトラブルが起きやすかったりすると、従業員の退職が相次ぐため、離職率が高くなる要因のひとつとして考えられるでしょう。

厚生労働省が2022年に公表した「令和3年雇用動向調査結果の概況」の調査によれば、2021年の常用労働者の離職率は13.9%で、正社員など期間の定めのない労働者、および1年以上の期間の定めのある労働者の離職率は11.1%、パートタイム労働者の離職率は21.3%となっています。

【参考記事】-令和3年雇用動向調査結果の概況-|厚生労働省

 

また、産業別の離職率は以下のような結果でした。

【産業別離職率の一覧】

業種

離職率(%)

鉱業、採石業、砂利採取業

10.0

建設業

9.3

製造業

9.7

電気・ガス・熱供給・水道業

8.7

情報通信業

9.1

運輸業、郵便業

11.5

卸売業、小売業

12.3

金融業、保険業

9.3

不動産業、物品賃貸業

11.4

学術研究、専門・技術サービス業

11.9

宿泊業、飲食サービス業

25.6

生活関連サービス業、娯楽業

22.3

教育、学習支援業

15.4

医療、福祉

13.5

複合サービス事業

8.1

サービス業(他に分類されないもの)

18.7

【参考記事】-令和3年雇用動向調査結果の概況-|厚生労働省

 

「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」「サービス業(他に分類されないもの)」で特に離職率が高いのは、これらの産業ではパートタイム労働者の割合が高く、他の産業に比べて労働者の入れ替わりが多いからだと考えられます。

【参考記事】就業形態別労働者の割合(2016年)|厚生労働省

 

ご自身が勤める企業の離職率が上記の数字と比べて極端に高い場合、その企業はブラック企業である可能性があります。なお、離職率の算出方法は企業によって異なることもあるため、あくまでもブラック企業か否かを判断するひとつの指標として捉えるといいでしょう。

 

ブラック企業を退職するには?退職する方法と流れ

ここではブラック企業を退職する方法と流れを紹介します。

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本当に退職するべきか冷静に考える

会社で働いていると、日々の身体的・精神的ストレスによって冷静な判断ができないことがあります。

 

今の職場を退職して無事に転職できたとしても、転職先もブラック企業で、「前の会社のほうがまだ良かった」ということにもなりかねません。

 

そうならないためにも、退職を決心する前に以下のような項目を検討する必要があります。

 

  • 今の労働環境を改善できる方法はないか
  • どうしても辞めたい明確な理由があるのか
  • 次に活かせるスキルがあるのか
  • 今後、どのような仕事がしたいのか
  • 転職先が決まるまでの生活はどうするのか など

 

じっくりと考えたうえで退職を決意したのであれば、以下で紹介する転職のための手順をふんでいきましょう。

 

就業規則のチェック

就業規則をチェックし、退職できるまでの期間を確認しましょう。

 

期間について、以下の2パターンで記載されていることが多いようです。

 

  • 退職は1ヶ月前に申し出ること
  • 退職は3ヶ月前に申し出ること

 

この内容は会社側が引き継ぎ期間などを加味して設定しているルールで、法律に基づくものではありません。

 

法律上は、雇用期間に定めがない従業員は、退職の2週間前までに申し入れれば基本的に退職できると定められています(民法第627条)。

 

ただし、雇用期間に定めがある契約社員や派遣社員などで、勤続期間が1年未満の場合、やむを得ない理由がない限り契約期間中の退職はできないため、注意が必要です。

 

退職するための理由を考える

退職時に、上司から辞める理由を聞かれるケースは多いようです。

 

その際に、上司が退職を引き止めてくる可能性も十分あるので、正直に退職理由を伝えるよりも、引き止めにあいにくい理由を言ったほうがいいケースもあります。

 

退職理由としては、以下のような前向きな理由を言えば、上司も退職を引き止めづらくなるでしょう。

 

  • 他にやりたい仕事を見つけた
  • やりたいことを実現させるためのスキルアップをしたい
  • キャリアアップできる環境に行きたい など

 

退職届を書く

退職とその理由が固まったら、必要に応じて退職届を書きましょう。決まった書式はありませんが、以下のような内容を記載します。

 

退職届

 

転職サイトなどを利用し転職先の候補を探す

ブラック企業で長時間労働を強いられている中、転職活動に時間を割くのは困難かもしれません。

 

空いている時間に転職エージェントなどの転職サービスを活用して、次の転職先の候補を探しておきましょう。

 

有給が残っているなら、有給を取得して転職活動を進めるのも有効です。

 

もし働きたい企業が見つかったら、履歴書を送ったり面接を受けたりと、転職活動を前に進めます。

転職エージェントを活用すれば、希望条件に合った求人の紹介や履歴書・面接のアドバイスを受けられ、効率的に転職活動ができるのでおすすめです。

【関連記事】国内主要の転職エージェント40社を徹底比較|業界・職種・理想の転職に選ぶべきおすすめとは

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上司に退職届を提出する

作成した退職届を上司に提出し、退職理由を尋ねられたら事前に考えた退職理由を伝え、退職日を相談します。

 

一日でも早く退職したいのであれば、法律上は退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば退職可能とされています。しかし、引き継ぎ等を考慮して就業規則所定の期間を守ったほうが、円満な退職が叶うでしょう。

 

万が一、会社が退職届の受け取りを拒否した場合は、内容証明郵便で退職届を郵送し、退職の意向を示した証拠を残しておくといいでしょう。内容証明郵便とは、いつ、誰が、誰に、どのような内容の郵便を送付したかを証明できるものです。内容証明郵便を使えば、退職の意思表示をした日を証明でき、民法第627条で定められた「解約の申し入れから2週間後」に退職が可能になります。

また、退職代行サービスを利用して、退職の手続きを代行してもらうのもひとつの方法です。上司からパワハラを受けているなど、上司に直接退職の意思を伝えることに不安を感じる場合は、利用を検討してみるといいでしょう。

【関連記事】退職代行サービスとは|メリットや利用のリスク・主要な退職代行業者も紹介

 

引き継ぎなどの身辺整理をする

退職届を受理したら、会社は人員の配置転換や後任者の採用の手配を始めます。退職日までに後任者に業務を引き継ぎ、デスク周りや書類・データの整理を完了しましょう。

 

ブラック企業といえども、丁寧に引き継ぎをおこなうことは、スムーズに退職するためのポイントのひとつです。

後任者が引き継ぎ後の業務を理解しやすいように、以下のような準備を進めておきましょう。

 

  • 業務マニュアルを作成する
  • 引き継ぎメモを作成し、業務のスケジュール感や留意点、現在の進行状況などを伝える
  • 関係部署や取引先に後任者を紹介し、引き継ぎの旨を伝える

なお、引き継ぎには数週間程度の期間を要するのが一般的です。有給消化を考慮して退職日までの日数を計算し、効率的に進められるよう、あらかじめスケジュールを立てておくといいでしょう。

 

社員証などを返却する

後任者への引き継ぎと同時進行で、貸与物や書類・データ、会社に置いている私物などの整理も進めておきましょう。

退職の際には、以下のものを会社に返却します。

 

  • ・社員であったことを証明するもの:社員証、社章、名刺 など
  • ・社費で購入したもの:通勤定期券、事務用品 など
  • ・会社から貸与されたもの:制服、ロッカーの鍵、会社用パソコン、USBキー、印鑑 など
  • ・会社の機密情報にあたるもの:書類、データ など
  • ・その他:健康保険証、取引先企業の名刺 など

返し忘れがあると、退職後も会社と連絡をとり、返却のために再度職場を訪れたり郵送したりする必要が生じるため、忘れないように注意しましょう。

返却物は会社によっても異なるため、事前に人事担当者などにヒアリングしておくのもおすすめです。

 

離職票などを受け取る

退職時には、さまざまな書類を会社から受け取ります。受け取った書類は健康保険や年金、税金の手続きに使用するため、なくさないように大切に保管しましょう。

書類の提出先や手続きの方法は、転職先が決まっている場合とすぐに就職しない場合で異なります。ご自身の状況に合わせて、手続きの方法を把握してください。

また、退職時に受け取る書類の多くは、退職後に会社から郵送されます。

会社は退職者に対して離職票の発行などを迅速にしなければいけませんが、退職届をすぐに受理してもらえずトラブルになったケースなどでは、対応してもらえないことも起こり得ます。

特に離職票は、失業手当を受け取る際に必要な書類で、「労働者から請求を受けたときは、使用者は発行に応じなければならない」と雇用保険法で定められているものです(雇用保険法第76条第3項)。確実に発行してもらえるように、人事担当者などに依頼しておきましょう。

 

退職時に必ず受け取る書類

退職の際に会社から必ず受け取る書類は、以下の4つです。

書類名

必要な場面

提出先

受取方法

離職票

失業保険給付の手続き

ハローワーク

郵送

※退職日の翌日から10日以内に交付される

雇用保険被保険者証

・雇用保険の加入手続き

・すぐに就職しない場合は、失業給付や教育訓練給付金の申請

・転職先の企業

・すぐに就職しない場合はハローワーク

退職日に手渡し、または後日郵送

源泉徴収票

・所得税の年末調整

・年末までに転職しなかった場合は、確定申告

・転職先の企業

・確定申告する場合は税務署

郵送

※通常は退職から1ヵ月以内

年金手帳

・年金に関する手続き

・すぐに就職しない場合は、自治体の窓口での手続き

・転職先の企業

・自治体の窓口

退職日に手渡し、または後日郵送

※すでに返却されているケースもあるため、自宅も確認する

 

必要に応じて受け取る書類

以下の書類は、必要に応じて受け取ります。

書類名

必要な場面

提出先

受取方法

退職証明書

退職を証明するため、転職先企業から提出を求められることがある

転職先の企業

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健康保険被保険者資格喪失確認通知書

国民健康保険への切り替え手続きに使うことがある

自治体の窓口

郵送

※失業給付受給のために離職票を受け取った場合には発行されない

厚生年金基金加入員証

年金受給時の手続き

老後に年金を受給するまで、年金手帳とともに自宅で保管

郵送

 

 【関連記事】離職票とは|必要なシーンと発行の流れ・退職証明書との違いも徹底解説

【関連記事】退職証明書とは|法的根拠や記載内容、発行されるタイミングを徹底解説

 

ブラック企業でよくある引き止め手段と対応方法

ブラック企業では、辞めたい従業員を辞めさせないように引き止めるケースが多いようです。

 

ここではよくある引き止め手段を3つ紹介します。

 

損害賠償などの法的措置をにおわせる

ブラック企業に退職の意向を伝えると、「辞めたら損害賠償を請求してやる」などの法的措置をにおわせて、退職を阻止しようとされることがあります。

これらの脅し文句に法的な根拠はないので、前述したように、退職日の2週間前に辞める意思表示をすれば、退職して問題ありません。

もし、ご自身での対応が難しいと判断した際は、弁護士に相談するなどしてアドバイスをもらいましょう。

 

給料や労働環境(労働時間など)を改善する意思を示す

「給料や労働環境を改善するから」と口約束をして、退職を撤回させようとする場合もあります。

 

もっとも、このような口約束は守られないことも多々あります。

 

仮に給料や労働条件が改善されたとしても、労働環境が改善されなければ、依然として疲弊しながら働き続けることになってしまいます。

 

働き続けるうえで十分な改善がなされているか、また、会社から今後改善する姿勢を感じられるか、良く考えて見極めましょう。

 

残った従業員を引き合いに出す

「残った従業員に負担をかけていいのか」「周りの社員に迷惑をかけることになる」など、残った従業員を引き合いに出すことも考えられます。

 

情に訴えかけられ罪悪感を覚えるかもしれませんが、退職の意思が固まっているなら貫きましょう。

 

従業員に過酷な労働を無理強いしているのは、あなたではなく会社です。

 

適切な人員配置や労働力の確保は会社がおこなうべきことで、あなたが過度に罪悪感をもつ必要はありません。

 

ブラック企業をスムーズに辞める4つの方法

ブラック企業を辞めようとしても、さまざまな方法で引き止められたり、精神的な重圧をかけられたりする可能性があります。

ここでは、ブラック企業をスムーズに辞めるための方法を4つ紹介します。

 

1.内容証明郵便で退職届を出す

前述したように、内容証明郵便とは、郵便物の内容を記録として残せるサービスです。

差出人が作成した文書の謄本について、差出人と差出郵便局が保管することで、「いつ」「どんな内容の文書が」「誰から誰あてに差し出されたか」を証明できます。

日本国憲法では、奴隷的拘束の禁止(日本国憲法第18条)と職業選択の自由(同憲法第22条)が認められており、労働者は自由に退職する権利があります。また、民法では、期間の定めのない労働者について、退職の意思を会社に伝えてから原則2週間で退職することができると定められています。

 

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用元:民法第627条第1項|e-Gov法令検索

内容証明郵便を使って退職届を提出すると、会社に「退職の意思を伝えた」ことの証明になります。

そのため、

  • 会社が退職届を受理してくれない
  • 出社せずに退職手続きがしたい

というケースにおいて、内容証明郵便を利用すればスムーズに退職できる可能性があります。

ただし、退職届を内容証明郵便で送っても、業務の引き継ぎ・返却物・退職後の必要書類の受け取りなどについて、連絡したり出社したりする必要があることには注意が必要です。

 

2.労働基準監督署や弁護士などに相談する

会社が「どうしても退職するなら、給与や残業代は一切支払わない」「退職に伴う損害賠償を請求する」など、給与の支払い拒否や損害賠償などを盾に脅しをかけてくるようであれば、労働問題を扱う第三者機関に相談しましょう。

相談先としては、以下の3つが挙げられます。

 

  • 都道府県労働局、労働基準監督署
  • 日本労働組合連合会
  • 労働問題に詳しい弁護士

各都道府県労働局や労働基準監督署では、全国379ヵ所に総合労働相談センターを設置し、退職などの労働問題に関するあらゆる相談を無料で受け付けています。場合によっては、企業に対して行政指導をおこなってくれるでしょう。

日本労働組合連合会では、電話やメール、面談での労働相談を受け付けています。相談料無料で、スムーズに退職するためのアドバイスを受けられます。

「上司が怖くて退職を言い出せない」「退職が完了するまで出社したくない」「未払いの残業代がある」といった場合には、労働問題に精通した弁護士への相談も有効です。弁護士であれば、あなたに代わって退職の意思表示をしてくれるうえ、退職の交渉や未払い賃金の請求も代行してもらえます。初回相談料無料の弁護士事務所もあるため、まずは気軽に相談してみましょう。

【参考記事】

総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

なんでも労働相談ホットライン|日本労働組合総連合会

 

3.退職代行サービスを利用する

退職まで出社したくない場合や、自分から退職を言い出せない場合には、退職代行サービスの利用を検討しましょう。退職代行とは、あなたの代わりに会社に退職の意思表示をしてくれ、退職に関する事務手続きを一任できるサービスです。

ブラック企業を辞めたい方にとっては非常に魅力的なサービスですが、退職代行サービス会社の中には違法な業者も存在するようです。弁護士資格をもたない者が有償で退職について会社と交渉したり、依頼者から法律的な相談を受けたりすると、弁護士法第72条に抵触し、違法行為となります。

退職の成功率や価格、顧問弁護士がいるかなどを精査して、優良な退職代行サービス会社を選ぶようにしましょう。

【関連記事】【比較】退職代行サービス人気ランキング

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4.労働問題を得意とする弁護士に依頼する

ブラック企業をスムーズかつ確実に退職したい場合は、労働問題に精通した弁護士に依頼するのがおすすめです。

ブラック企業の労働環境や雇用契約書などの違法性の追及から、給与・残業代未払い請求、法的に有効な退職手段の実行まで、弁護士に依頼すればスムーズな解決がのぞめます。

初回相談は無料の法律事務所もあるので、まずは気軽に連絡してみるといいでしょう。

【関連記事】労働審判を弁護士に依頼する5つのメリット|弁護士の選び方と相談のタイミングまで

 

退職にあたっての注意点

ここでは、ブラック企業を退職する際にやるべきことを2つ紹介します。

 

有給を消化する

有給の取得が認められず、日数が溜まっている方は多いでしょう。

 

有給取得については労働基準法で定められた権利なので、ブラック企業だからといって取得できないということはありえません。

 

有給休暇は、採用から6ヵ月以上、かつ全労働日の8割以上の日数を勤務していると、年間で10日以上付与され、勤続年数が長くなるほど付与される日数は増えていきます。

 

有給の残日数は給料明細などで確認ができるので、会社へ退職の意向を伝えた際に有給消化を希望する旨も伝えましょう。

 

たとえば、月の前半に業務引き継ぎなどの身辺整理を済ませ、後半で全ての有給を消化するなどの方法があります。

 

まとまった休日があれば安心して転職活動を進められるうえ、休養に時間を充てられるので、有意義な時間を過ごせるでしょう。

 

退職後は失業保険を受給する

退職後は、生活に必要なお金を確保するために、失業保険の受給をしましょう。

 

自己都合退社の場合、勤続年数に応じて90日から150日の給付日数となります。

 

給付される金額は、離職前の給与の45%~80%程度が目安となり、給与水準が低かった方ほど給付率が高くなります。

 

失業保険の申請は、退職後にハローワークでおこないます。転職先が決まっていない方は早めに手続きを済ませましょう。

なお、失業保険の受給には、7日間の待機期間と2ヵ月間の給付制限期間があり、実際に受給できるのはこの期間が過ぎてからとなります。その他の詳しい受給要件などは、ハローワークのホームページで確認してください。

【参考記事】雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス

 

まとめ

この記事では、ブラック企業の見分け方や退職するまでの手順について解説しました。

 

まずは、勤務する企業がブラック企業かどうかを見極め、退職することが最善の方法なのかを冷静に判断しましょう。

 

そのうえで、今の会社で働き続けてもメリットがないと判断したのであれば、退職に向けた準備を始めてください。

 

もし、無茶な退職の引き止めにあったら、労働基準監督署や労働問題に詳しい弁護士に相談しましょう。ブラック企業から抜け出す一助となってくれるはずです。

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弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます

労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
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など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
女性のセクハラ被害解決を得意とする弁護士。慰謝料請求や退職を余儀なくされた際の逸失利益の獲得に注力。泣き寝入りしがちなセクハラ問題、職場の女性問題に親身に対応し、丁寧かつ迅速な解決を心がけている。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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ご退職後3年以上経過されているため、
残念ながら残業代請求をするのは難しいと思われます。

残業代請求の時効は 3 です。

今後、残業代の請求をされたい場合には、
お早めに請求手続きを始めることをおすすめいたします。