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ホーム > 労働問題コラム > ブラック企業 > 会社に有給休暇を拒否された|時季変更権の確認とパワハラへの対処法

会社に有給休暇を拒否された|時季変更権の確認とパワハラへの対処法

更新日:2021年07月07日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
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有給休暇を申請したら「今は忙しいからちょっと難しい」、「こんな理由じゃ休みをあげられないよ」と拒否されてしまった方もいるのではないでしょうか?

 

有給休暇は、労働者に与えられた正当な権利なので、取得理由まで会社に報告する必要はありません。ただし、繁忙期や決算期などでその労働者が休むと業務に影響が出てしまう場合、会社は取得時期を変更するよう促すことができます

 

この記事では、有給休暇の制度概要や、拒否された場合の対処法などについてわかりやすくご紹介します。

 

 

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この記事に記載の情報は2021年07月07日時点のものです

有給休暇を拒否できる?|時季変更権とは

有給休暇の取得時季は、取得理由を問われることなく労働者が自由に決められるものです。ただし、休暇取得によって業務に著しい影響が出る場合、会社は『時季変更権』を行使することができます。

 

この項目では、有給休暇の時季変更権についてご紹介します。

 

おすすめ記事: 年次有給休暇とは|5分でわかる基本概要まとめ

 

取得時期・理由は基本的に労働者の自由

有給休暇の取得時期は、基本的に労働者の自由です。ただし、休暇を取ることによって、周囲の協力が必要になることもあるので、取得を希望している場合は早めに申し出るようにしましょう

 

また、休暇の取得は労働者の権利であるため取得理由を詳しく報告する必要はありません。『私用のため』『家事都合のため』などの曖昧な理由でも、本来は問題ないのです

 

会社には時季変更権がある

労働者から有給休暇の申し出があった場合、会社は基本的には拒否できません。ただし、業務の運営に著しい支障をきたす場合は、『時季変更権』を主張することができます。

 

(年次有給休暇)

第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

○5 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる

引用元: 労働基準法

 

おすすめ記事:有給休暇の取得理由は『私用』でOK|断られた時の対処法

 

時季変更権が認められるケース

時季変更権が認められるのは、業務に著しい支障をきたす場合のみです。

 

  • その労働者にしかできない業務があり、期日が迫っているなどの事情がある
  • 繁忙期や決算期などで今の時期に休暇を取られると業務に多大な支障が出る

 

上記のような場合は、時季変更権が認められる可能性があります。

 

『拒否』ではなく『時期の変更』

時季変更権はあくまでも、有給休暇の取得時期を変更するためのものです。そのため、労働者の希望を尊重しながら、他の時季に有給休暇を認めなければなりません。

 

『いつまでも有給休暇を取らせない』『納得できる理由でないと時季変更権を主張する』というのは、違法になる可能性もあります

 

 

会社に有給休暇を拒否されたときの対処法

有給休暇を申請したのに会社に拒否されたという場合、時季変更権によるものかどうか確認する必要があります。

 

この項目では、有給休暇を拒否されたときの対処法をご紹介します。

 

有給休暇が承認されない理由を確認する

有給休暇が拒否されてしまった理由を、上司などに改めて確認しましょう。

 

  • 業務上やむを得ない理由なのか
  • 他の時期なら取得させてもらえるのか

 

上記のようなポイントを聞き、拒否の理由が時季変更権によるものなのかを判断します。

 

改めて取得できる日を労働者と相談する

有給休暇を拒否された場合は、他の時期なら取得してよいのかどうか相談しましょう。「この日がダメなら、来月の下旬ならお休みをとってもいいですか?」と、大まかな日程を提案しましょう。

 

「いつかなぁ」「売上取れたらな」などとはぐらかされてしまうと、次回申し出た際も拒否されてしまうかもしれません。

 

有給休暇の取得妨害はパワハラになる

時季変更権の濫用(らんよう)や合理的な理由がない有給取得の妨害はパワハラと評価されることもあります。

 

  • 時季変更権を何度も行使しており、事実上有給休暇が取れない状況である
  • 時季変更権として認められない理由で有給を拒否した

 

これらの場合は、有給休暇の拒否がパワハラと判断される可能性もあります。

 

おすすめ記事: 5分で完結!パワハラ上司の特徴と止めさせる具体策

 

悪質な場合は罰則を受ける

有給休暇や時季変更権は、労働基準法39条で定められているものです。

 

そのため、時季変更権を悪用した場合は、会社側が罰則を受ける可能性もあります。

 

第百十九条 次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

一 第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第一項ただし書、第三十七条、第三十九条、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者

引用元: 労働基準法

 

【関連記事】仕事を辞めたい方へ|辞めたい理由別の対処法と後悔しない退職_転職の手順

 

有給休暇の拒否は裁判に発展することもある

有給休暇の拒否は、基本的にできません。業務上やむを得ない事情があり時季変更権を行使する場合も、別の日に取得できるようにしなければなりません。

 

この項目では、実際にあった裁判や、有給休暇を拒否され続けた場合の相談先などについてご紹介します。

 

実際にあった裁判事例

塾講師として勤務していた男性が有給休暇を申請したところ、上司より「月内の別の日にも休暇を申請していますよね。それでは心象が非常に悪い」との旨のメールが送られてきた。また、上司から口頭でも「こんなに仕事を休むなんて。会社にとって必要のない人間だ」などの発言を受けた。

 

さらに「仕事が足りないなら、あげる」と業務を指示し、男性は有給休暇の申請を取り下げることになった。男性は、有給休暇の取得妨害による損害賠償50 万円を請求。上司のパワーハラスメントが人権侵害に当たるとして訴えた。

Westlaw Japan文献番号: 2012WLJPCA04066001

 

この裁判では、上司の有給取得妨害は合理的な理由がないとして、パワーハラスメントであるとみなされました。また、損害賠償請求は、請求額の一部20万円の支払いが認められました。

 

おすすめ記事: パワハラ訴訟実例と勝訴するために知るべき3つのポイント

 

繰り返し断られたらパワハラとして相談

  • 有給休暇の取得を何度も断られた
  • 有給休暇の申請をしたことによって嫌がらせにあった
  • 申請の取り下げを強要された

 

上記の場合はパワハラにあたるため、会社の人事部やコンプライアンス窓口などに報告しましょう。パワハラの相談があったら、会社には再発防止策を講じる努力義務が課されています。上司が拒否した場合は、コンプライアンス窓口のほか、その上の役職の方に相談するなどで解決して行きましょう。

 

有給取得妨害・パワハラの相談先

有給取得の妨害やパワハラが社内で解決できない場合は、労働基準監督署や労働局に設置されている『総合労働相談コーナー』に相談しましょう。

 

総合労働相談コーナーでは、パワハラの解決方法の提案を行い、労使の歩み寄りによる解決を促します。

 

おすすめ記事:総合労働相談コーナーとは|公的相談窓口の活用法

 

 

まとめ

有給休暇は、会社が拒否できるものではありません。正当な理由なく有給休暇の取得を拒否された場合、まずは社内で相談して解決していきましょう。

 

この記事が、有給を拒否された方にとって解決のヒントとなれば幸いです。

 

有給休暇を自由に取れない会社に勤める方は

有給休暇を満足に取らせてくれない企業は、

社員に休まれてしまうと経営が傾いてしまう

そもそも社員のワークライフバランスを軽視している

少なくともこの2点のどちらかにあてはまるでしょう。

この2点に共通して言えるのは、『そんな会社に未来はない』ということです。ブラック企業で時間を過ごすことは、長い目で見てあなたのキャリアを傷つけることに繋がりかねません。

 

このような会社に勤めている場合、よりホワイトな企業への転職を視野に入れながら、転職活動を始めることをおすすめします。まずは以下の『転職エージェント診断ツール』を利用して、ピッタリな転職エージェントを利用しながら、今よりもホワイトな企業の求人案内を受けてみましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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