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労使協定とは何かを簡単に解説|締結すべき場合・届出義務など労働基準法のルールまで

更新日
ゆら総合法律事務所
阿部由羅
このコラムを執筆
労使協定とは何かを簡単に解説|締結すべき場合・届出義務など労働基準法のルールまで

労使協定(ろうしきょうてい)とは、使用者と労働者との間で締結した労働条件などを書面に残すことで、労働者からの不当な搾取を防止する仕組みのことです。

 

労働契約上の労働条件を変更する場合には、労働基準法やその他の法令上、労使協定の締結が義務付けられている場合があります。適法に労働条件を変更するためには、労働基準法その他の法令上のルールを遵守することが大切です。

 

特に労使協定については、

 

  • そもそも締結を義務付けられているのかどうか
  • ほかに必要な手続きがあるのかどうか

 

などに関するルールが、条文構造上かなりわかりにくい形で配置されています。

そこでこの記事では、労使協定の締結が必要な場面について整理したうえで、それ以外に必要となる手続きと併せて解説します。企業・労働組合担当者の方が、労使協定の交渉・締結を行うに当たって、ぜひ法的整理を行うための参考にしてください。

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適切に労働条件を変更するためには、労働基準法やその他の法令上のルールを遵守することが重要です。

労使協定を控えている使用者の方は、ぜひ弁護士にご依頼ください

この記事に記載の情報は2023年12月05日時点のものです
目次

労使協定とは|どのような取り決めがあるのか?

まずは労使協定の法的位置づけや、当事者となるべき主体など、基本的な事項について解説します。

 

使用者・労働者間の労働条件などに関する協定

使用者・労働者間の労働条件は、主に労働契約と就業規則によって決まっています

 

このうち労働契約は、労働者個人と使用者の間の個別の合意によって、その内容が定められています。労働者個人と使用者の間のパワーバランスを考慮すると、労働契約の内容は、交渉によって使用者側に不当に有利なものとされてしまう可能性が否めません。

 

また「就業規則」は、過半数労働者の意見を聞きつつも、基本的には使用者側が一方的にその内容を定めるものです(労働基準法90条1項参照)。

 

このような労働契約・就業規則の性質を踏まえて、労働条件のうち一定の重要事項については労使協定の締結を必須とし、労働者の搾取を防止する仕組みがとられているのです。

 

(作成の手続)
第九十条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
② 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。

引用元:労働基準法第90条

 

労使協定の当事者は?

労使協定の当事者は、使用者と、労働者側の「過半数代表」です。労働者側の過半数代表とは、以下のいずれかを意味します。

 

  1. 事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合は、その労働組合
  2. ない場合は、労働者の過半数を代表する者

 

労働者側の当事者を過半数代表とすることには、労働者・使用者間のパワーバランスを是正できる点に加えて、労働者全員に対して一括で労働条件を設定できるというメリットがあります。

 

 

労使協定を締結すべき9つのケース|労働基準法などの関係法令も紹介

労働基準法その他の法令では、各労働条件について、個別に労使協定の締結義務を定めています。

 

条文が散在していてわかりにくいので、以下のまとめを参考にして、これから変更しようとする労働条件について労使協定の締結が必要かどうかを把握するための参考にしてください。

 

委託を受けて労働者の貯蓄金を管理する場合

使用者側が、労働者のお金を強制的に貯蓄させて管理することは禁止されていますが(労働基準法18条1項)、労働者の委託を受けて貯蓄金の管理をすることは認められています(同条2項)。

 

(強制貯金)
第十八条 使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。
② 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合においては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出なければならない。
③ 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合においては、貯蓄金の管理に関する規程を定め、これを労働者に周知させるため作業場に備え付ける等の措置をとらなければならない。
④ 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。この場合において、その利子が、金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して厚生労働省令で定める利率による利子を下るときは、その厚生労働省令で定める利率による利子をつけたものとみなす。
⑤ 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない。
⑥ 使用者が前項の規定に違反した場合において、当該貯蓄金の管理を継続することが労働者の利益を著しく害すると認められるときは、行政官庁は、使用者に対して、その必要な限度の範囲内で、当該貯蓄金の管理を中止すべきことを命ずることができる。
⑦ 前項の規定により貯蓄金の管理を中止すべきことを命ぜられた使用者は、遅滞なく、その管理に係る貯蓄金を労働者に返還しなければならない。

引用元:労働基準法第18条

 

ただし、労働者側に不当な圧力が加わることを避けるため、委託を受けて労働者の貯蓄金を管理する場合には、労使協定においてそのルールを定めることが必須とされています。

 

賃金から法定控除以外の控除を行う場合

労働者の生活を十全に保障するため、源泉所得税や社会保険料などの法定控除を除き、使用者は労働者に対して賃金を直接全額支払わなければならないのが原則です(賃金全額払いの原則。労働基準法24条1項)。

 

ただし、労使協定において定めることにより、法定控除以外の費用などを控除することが認められています(同項但し書き)。

 

(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

引用元:労働基準法第24条

 

変形労働・フレックスタイム・みなし労働労働時間制などを採用する4つの場合

労働基準法では、さまざまな形で特殊が労働時間制を採用することが認められており、その多くで労使協定の締結が必須とされています。

 

変形労働時間制(1か月単位・1年単位)

変形労働時間制とは、一定期間における総労働時間を定めておき、その範囲内で各日に所定労働時間を割り振ることができる制度です。

 

変形労働時間制には1か月以内を単位とする場合(労働基準法32条の2第1項)と、1か月超1年以内を単位とする場合(同法32条の4第1項)があり、それぞれルールが異なっています。

 

しかしそのいずれについても、導入には労使協定の締結が必須です。

【関連記事】変形労働時間制とは|制度の内容や残業の概念をわかりやすく解説

 

フレックスタイム制を採用する場合

フレックスタイム制とは、日々の始業時刻・終業時刻・労働時間を労働者の裁量によって決められる制度です。コアタイムが設けられている場合と、コアタイムがない完全フレックスの場合の両方があり得ます。

 

フレックスタイム制の導入にも、労使協定の締結が必須とされています(労働基準法32条の3第1項)。

 

第三十二条の三 使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、一週間において同項の労働時間又は一日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。

引用元:労働基準法第32条の3

【関連記事】フレックスタイム制とは|仕組みと制度のメリットデメリットをわかりやすく解説

 

非定型的変形労働時間制(1週間単位)

非定型的変形労働時間制とは、日ごとに業務の繁閑の差が大きい事業者について、労働者を1日10時間まで労働させることができる制度です。小規模な小売業・旅館・飲食店など、客足の予測がつきにくいうえに、少人数で対応しなければならない事業者について認められています。

 

非定型的変形労働時間制を採用する場合、1週間の労働時間が法定労働時間を超えるケースが頻繁に発生するので、労使協定で明確にルールを定めておくことが必要とされています(労働基準法32条の5第1項)。

 

第三十二条の五 使用者は、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認められる厚生労働省令で定める事業であつて、常時使用する労働者の数が厚生労働省令で定める数未満のものに従事する労働者については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、第三十二条第二項の規定にかかわらず、一日について十時間まで労働させることができる。

引用元:労働基準法32条の5

 

事業場外労働のみなし労働時間制

事業場外労働のみなし労働時間制とは、事業場外で働く労働者の労働時間を算定し難い場合に、所定労働時間の労働をしたものとみなすことができる制度です。事業場外労働のみなし労働時間制は、「サービス残業」の温床になりかねない側面を持っているため、労使協定の締結が必須とされています(労働基準法38条の2第2項)。

 

第三十八条の二 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
② 前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。
③ 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。

引用元:労働基準法38条の2

【関連記事】サービス残業の悪質な7つの手口と労働者が対抗できる3つ方法

 

専門業務型裁量労働制

専門業務型裁量労働制とは、専門性の高い一部の業種について、労働時間の決定を労働者の裁量に委ねることができる制度です。専門業務型裁量労働制を採用した場合、みなし労働時間数や労働者の健康管理措置などについて、労使協定で定めることが必要となります(労働基準法38条の3第1項)。

 

第三十八条の三 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる時間労働したものとみなす。

引用元:労働基準法38条の3

【関連記事】裁量労働制とは|仕組みと対象者・導入による5つの問題点を詳しく解説

 

休憩の一斉付与の例外を定める場合

使用者は労働者に対して、1日の労働時間が6時間を超える場合には45分以上8時間を超える場合には1時間以上の休憩を与えなければなりません(労働基準法34条1項)。この休憩は、原則として時刻を定めて一斉に与えなければならないとされています(同条2項)。

 

(休憩)
第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない
② 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない
③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

引用元:労働基準法34条

 

ただし、労使協定において別段の定めがある場合には、休憩をいつ取るかを労働者の裁量に任せたり、グループごとに分けて与えたりすることが認められます(同項但し書き)。

 

労働者に時間外労働・休日労働をさせる場合

労使協定としてもっともよく知られているのは、「36協定」でしょう。労働基準法では「法定労働時間」が定められており、1日8時間・1週間40時間を超えて労働者を働かせることは原則として違法です(労働基準法32条1項、2項)。

 

(労働時間)

第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

② 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

引用元:労働基準法32条

 

しかし労使協定を締結することにより、一定の割増賃金の支払いを条件として、例外的に法定労働時間を超える「時間外労働」が認められます(同法36条1項)。

 

時間外労働・休日労働に対する代休制度を定める場合

時間外労働や休日労働をした労働者に対しては、使用者は原則として割増賃金を支払う義務を負います。しかし労使協定で定めることによって、割増賃金の支払いに代えて、労働者に代休を与えることが認められています(労働基準法37条3項)。

 

(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

 

③ 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。

引用元:労働基準法37条3項

 

年次有給休暇に関する特別ルールを設ける場合

年次有給休暇に関して、原則的なルールとは異なるルールを設ける場合にも、労使協定の締結が必要とされています。

 

時間単位の有給休暇

年次有給休暇は、1日または半日単位で取得するのが原則です。しかし、労使協定で定めることによって、1時間単位で年次有給休暇を取得できる制度を設けることが認められています(労働基準法39条4項)。

 

④ 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前三項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる

一 時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲

二 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)

三 その他厚生労働省令で定める事項

引用元:労働基準法39条

 

計画的付与

年次有給休暇は、労働者が自由に取得時期を決定できるのが原則です。しかし、取得時期を労働者の任意とすることで、(周囲との調整が難しいなどの理由で)逆に年次有給休暇を利用しづらくなるという問題点も指摘されています。

 

また、使用者側としても、年次有給休暇を計画的に付与することで安定的な事業運営を図りたいというニーズがあります。そこで労使協定によって、年次有給休暇を与える時期をあらかじめ定めておくことが認められています(労働基準法39条6項)。

 

⑥ 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項から第三項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち五日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる

引用元:労働基準法39条6項

ただし、年間最低5日については、労働者が取得時期を自由に指定できるようにしなければなりません

 

標準報酬日額による賃金支払い

年次有給休暇を取得した日に対しては、「その日の労働に対応する賃金」または「1日分の平均賃金」を支払うのが原則です。しかし、労使協定で定めておくことにより、健康保険の標準報酬日額によって計算した賃金を支払うことが認められています(労働基準法39条9項但し書き)。

 

⑨ 使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇の期間又は第四項の規定による有給休暇の時間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間について、それぞれ、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十条第一項に規定する標準報酬月額の三十分の一に相当する金額(その金額に、五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。)又は当該金額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。

引用元:労働基準法39条9項

【関連記事】標準報酬月額と残業代の関係|健康保険・厚生年金保険料に影響する理由を詳しく解説

 

育児介護休業法に基づいて労使協定を締結する場合もある

労働基準法以外にも、育児介護休業法において、以下の場合については労使協定の締結が必須とされています。

 

  1. 育児休業・介護休業・看護休暇を介護休暇取得できない労働者を定める場合(育児介護休業法6条1項、12条2項、16条の3第2項、16条の6第2項)
  2. 時短等が適用されない労働者を定める場合(同法16条の8第1項、23条1項但し書き)

 

 

労使協定の締結は労働基準監督署への届出が必要な場合がある

労使協定を締結した事実については、労働基準監督署への届出が必要な場合と不要な場合の両方があります。以下では、届出が必要な場合・不要な場合をリスト化したうえで、届出義務に違反した場合のペナルティについても解説します。

 

届出が必要な場合一覧

労使協定を締結した事実を、労働基準監督署に届け出る必要があるのは、以下の場合です。

届出は使用者が行う必要があります。

 

届出が必要な場合

労働基準法の条文

委託を受けて労働者の貯蓄金を管理する場合

18条2項

変形労働時間制(1か月単位)を採用する場合

※就業規則に定めた場合には不要

32条の2第1項

変形労働時間制(1年単位)を採用する場合

32条の4第1項

非定型的変形労働時間制(1週間単位)を採用する場合

32条の5第1項

労働者に時間外労働・休日労働をさせる場合

(36協定)

36条1項

事業場外労働のみなし労働時間制を採用する場合

※事業場外労働が法定労働時間内の場合は不要

38条の2第2項

専門業務型裁量労働制を採用する場合

38条の3第1項

 

届出が不要な場合一覧

労使協定を締結した事実を、労働基準監督署に届け出る必要がないのは、以下の場合です。

 

届出が不要な場合

労働基準法の条文

賃金から法定控除以外の控除を行う場合

24条1項但し書き

フレックスタイム制を採用する場合

32条の3第1項

休憩の一斉付与の例外を定める場合

34条2項但し書き

時間外労働・休日労働に対する代休制度を定める場合

37条3項

年次有給休暇の時間単位での付与を定める場合

39条4項

年次有給休暇の計画的付与を定める場合

39条6項

年次有給休暇に対する標準報酬日額による賃金支払いを定める場合

39条9項但し書き

育児介護休業法に基づく労使協定

育児介護休業法6条1項、12条2項、16条の3第2項、16条の6第2項、16条の8第1項、23条1項但し書き

 

届出義務に違反した場合には罰則あり

使用者が、労使協定締結の事実を労働基準監督署に届け出る義務を怠った場合には、「30万円以下の罰金」が科される可能性があります(労働基準法120条1号)。

 

 

労使協定と労使委員会決議の違いは?

労働基準法上、労使協定と似た性質を持つ概念として「労使委員会決議」があります。以下では労使協定と比較しつつ、労使委員会決議とはどのようなものであるのかについて解説します。

 

独立当事者同士の「労使協定」と一つの組織である「労使委員会」

労使協定は、使用者と労働者の過半数代表が、それぞれ独立した立場で締結するものです。これに対して労使委員会決議は、使用者・労働者の各代表によって労使委員会という一つの組織を形成したうえで、その組織の意思決定として行われます。

 

労使委員会における決議要件は?

労使委員会における決議を行うには、委員の5分の4以上が賛成することが必要です(労働基準法38条の4第1項)。

 

第三十八条の四 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第三号に掲げる時間労働したものとみなす。

引用元:労働基準法38条の4

 

なお、決議を行うための前提として、労使委員会は以下のすべての要件に適合するものでなければなりません(同条2項、同法施行規則24条の2の4第2項~第4項)。

 

  1. 委員の半数以上が、労働者側の過半数代表者によって任期を定めて指名された者であること
  2. 労使委員会の議事について、厚生労働省令に定めるところにより議事録が作成・保存され、当該事業場の労働者に対する周知が図られていること
  3. 労使委員会の招集、定足数、議事その他労使委員会の運営について必要な事項に関する規程が定められていること

 

労使委員会決議が必須となる場合

現行の労働基準法上、労使委員会決議が必要とされているのは、以下の2つの場合です。

 

企画業務型裁量労働制を採用する場合

企画業務型裁量労働制とは、事業運営に関する企画・立案・調査・分析を行う労働者について、労働者が労働時間を裁量的に決定できる制度をいいます。企画業務型裁量労働制は、専門業務型裁量労働制と似た制度である一方で、対象業務が必ずしも明確に定められていないという特徴があります。

 

そのため、導入にはより加重された要件である労使委員会決議が必須とされています(労働基準法38条の4第1項)。

 

高度プロフェッショナル制度を採用する場合

高度プロフェッショナル制度とは、高度の専門的知識を必要としかつ一定の年収要件(1,075万円以上)などを満たす労働者について、労働時間・休憩・休日・割増賃金の規定の適用を免除する制度です。

 

高度プロフェッショナル制度は、運用に当たって適切に労働時間や業務状況を管理しなければ、労働者の搾取や健康被害などを引き起こすおそれがあります。そのため高度プロフェッショナル制度を導入する場合には、労使委員会決議によって、労働時間や健康管理措置などに関するルールを定めておくことが必要とされています(労働基準法41条の2第1項)。

 

第四十一条の二 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者(以下この項において「対象労働者」という。)であつて書面その他の厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。ただし、第三号から第五号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合は、この限りでない。

引用元:労働基準法41条の2

 

労使委員会決議で労使協定を代替できる場合がある

労使協定の締結が必要とされている場合のうち、一部については、労使委員会決議による代替が認められています(労働基準法38条5項)。

 

労使委員会による代替決議が認められるのは、以下の場合です。

 

労使委員会の代替決議が認められる場合

労働基準法の条文

変形労働時間制(1か月単位)を採用する場合

※就業規則に定めた場合には不要

32条の2第1項

フレックスタイム制を採用する場合

32条の3第1項

変形労働時間制(1年単位)を採用する場合

32条の4第1項

非定型的変形労働時間制(1週間単位)を採用する場合

32条の5第1項

休憩の一斉付与の例外を定める場合

34条2項但し書き

労働者に時間外労働・休日労働をさせる場合

(36協定)

36条1項

時間外労働・休日労働に対する代休制度を定める場合

37条3項

事業場外労働のみなし労働時間制を採用する場合

38条の2第2項

専門業務型裁量労働制を採用する場合

38条の3第1項

年次有給休暇の時間単位での付与を定める場合

39条4項

年次有給休暇の計画的付与を定める場合

39条6項

年次有給休暇に対する標準報酬日額による賃金支払いを定める場合

39条9項

 

労使委員会決議を行うための要件は、労使協定を締結するよりも一般に厳しいと考えられます。しかし、労働者側の意見を十分に聴いたうえでルールを定めたいと考える場合には、労使委員会を開催する意義があるといえるでしょう。

 

 

使用者は労使協定の内容を労働者に対して周知する必要がある

労使協定を締結した場合、使用者はその旨を労働者に対して周知する義務を負います(労働基準法106条1項)。

 

労働者に対する周知の方法は?

労働者に対する労使協定の内容の周知は以下のいずれかの方法によって行うことが必要です(労働基準法106条1項、同施行規則52条の2)。

 

  1. 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること
  2. 書面を労働者に交付すること
  3. 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること

 

周知義務に違反した場合には罰則あり

使用者が労使協定の内容を周知する義務を怠った場合、「30万円以下の罰金」が科される可能性があります(労働基準法120条1号)。

 

労使協定を締結しただけでは不十分|就業規則の変更も必要

労使協定の内容に対応する労働条件を変更するためには、労使協定自体の締結に加えて、就業規則の変更も行う必要があります。

 

就業規則の変更によりはじめて労働条件が変更される

労使協定自体には、労働契約の内容を変更する効力はありません。労働条件変更の効力は、労働契約または就業規則の内容を変更することによって発生します。

 

就業規則の作成義務を負っている、常時雇用労働者の数が多数(10人以上)の事業所では、個別の労働契約を変更することは煩雑で手間がかかります。そのため、労働基準法上の所定の手続きを踏んで、就業規則を変更するのがよいでしょう。

 

就業規則変更の手続きは?

就業規則を変更するには、以下の手続きをとることが必要です(労働基準法89条、90条1項、2項)。

 

  1. 労働者の過半数代表の意見を聞く
  2. ①の意見を記した書面を添付して、変更後の就業規則を労働基準監督署へ届け出る

 

 

労働条件の変更は弁護士に相談してチェックを受けましょう

労使で話し合って労働条件を変更する場合には、それぞれの立場から弁護士に相談することをお勧めいたします。使用者側としては、労働基準法上の要件を満たしているか、労使協定が必要な場合について抜け漏れが生じていないかを確認できるメリットがあります。

 

また、上記以外に労働基準法上必要な手続きがある場合についても、弁護士による助言を踏まえて漏れなく対応することが可能です。一方労働者側は、使用者から提示されている変更後の労働条件が不当なものでないかについて、法的な観点からアドバイスを受けられるメリットがあります。

 

法律に関する知識や経験という観点では、労働者側よりも使用者側の方に分があるケースが多いでしょう。弁護士に相談をしながら労使交渉を進めることによって、労働者側が使用者側から搾取されるリスクを大きく減らすことができます。

 

 

まとめ

労働基準法上、労働条件を変更するに当たっては、労使協定の締結が必要となる場合が数多く存在します。労使協定を締結する場合、労使間でのトラブル発生を防止するため、内容・手続きともに万全を期すことが大切です。

 

労使協定の内容について交渉を行う場合には、労働者側・使用者側のいずれの立場でも、弁護士に相談することをお勧めいたします。使用者側としては、労働者側との交渉方針についてアドバイスを受けられることに加えて、労働基準法上必要となる手続きについても漏れがないかをチェックしてもらえるメリットがあります。

 

労働者側としても、交渉に当たって使用者側から提示される条件が合理的かどうかを検討するに当たっては、弁護士のアドバイスが役立つでしょう。

 

労使間にはもともと交渉力の格差があるケースが多いので、弁護士のサポートを受けることによって、対等に交渉に臨める態勢を整えることが大切です。労使協定に関する交渉・締結を控えており、対応方針について検討中の企業・労働組合担当者の方は、一度お近くの弁護士までご相談ください。

 

労使協定の交渉をおこなう使用者の方へ

労使協定の交渉を控えている使用者の方は、弁護士に依頼することをおすすめします。

使用者側が弁護士に依頼することのメリットは、以下のとおりです。

  • 労働者との交渉方針に関するアドバイス
  • 労働基準法上必要となる手続きについても漏れがないかのチェック など

適切に労働条件を変更するためには、労働基準法やその他の法令上のルールを遵守することが重要です。

労使協定を控えている使用者の方は、ぜひ弁護士にご依頼ください

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この記事の執筆者
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阿部由羅 (埼玉弁護士会)
西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て、ゆら総合法律事務所代表弁護士。不動産・金融・中小企業向けをはじめとした契約法務を得意としている。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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