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失業保険サポートによるトラブルとは?悪質業者の手口や不正受給のリスクを解説

更新日
このコラムを監修
下地 謙史
弁護士
失業保険サポートによるトラブルとは?悪質業者の手口や不正受給のリスクを解説

「失業保険の受給をサポートします」といったサービスを見かけて、気になっていませんか?

一見すると便利そうに見える一方で、「違法ではないのか」「本当に利用しても大丈夫なのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、失業保険サポートの中には、法的にグレーまたは違法となる可能性があるサービスや、トラブルにつながる悪質業者も存在します。

知らずに利用してしまうと、不正受給と判断されて返還やペナルティを求められるおそれもあるため、十分な注意が必要です。

本記事では、失業保険サポートに関する代表的なトラブル事例や悪質業者の手口、不正受給とみなされるケースについてわかりやすく解説します。

安全に制度を利用するためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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失業保険の申請サポートによるトラブルが増えている?

近年、失業保険の申請サポートをうたうサービスによるトラブルが多数報告されています。

ここでは、よくあるトラブルの例をいくつか紹介します。

より高額の給付が得られるなど誤解を与える勧誘がおこなわれている

申請サポート業者のなかには、「申請を依頼すれば失業保険の給付額が大幅に増える」といった宣伝をおこなうケースがあります。

しかし、失業保険の給付額や給付期間は、退職理由や雇用保険の加入期間などの個別の条件によって決まるものであり、申請サポートを利用したからといって自由に増額できるものではありません

過度な利益をうたう勧誘に応じた結果、期待していた給付が得られずに費用だけ支払うことになったという相談が寄せられています。

解約を申し出ると拒絶されたり高額な違約金を請求されたりする

申請サポート契約を結んだあと、事情が変わって解約を申し出ても、業者が応じないケースがあります。

実際、契約後に「不要になった」と解約を求めたものの、高額な違約金を請求された事例が報告されています。

契約書や事前説明の内容を十分に確認せずに契約すると、思わぬ費用負担につながりかねません。

退職理由をうつ病などと偽り不正受給を促すケースも

さらに悪質な事例として、申請者に虚偽の申告を促し不正受給につなげようとするケースもあります。

具体的には、退職理由を本当の理由と異なる病気などに変更するよう誘導し、不正な診断書を用意させるような業者の存在が指摘されています。

虚偽の内容で失業保険を受給することは法律で禁止されており、発覚した場合は受給者本人が重い責任を負うことになりかねません。

そもそも失業保険とは?

失業保険とは、仕事を辞めたあと一定期間、生活を支えながら再就職を目指すための公的な給付制度です。

申請サポートによるトラブルを正しく理解するためには、まず失業保険がどのような制度なのか、基本的な仕組みを把握しておくことが重要です。

ここでは、受給条件や給付期間、金額、手続きの流れについて概要を整理します。

失業保険がもらえる条件は?

失業保険は、正式には雇用保険の基本手当といい、雇用されていた労働者が退職後に受け取れる給付です。

受給するためには、一定の条件を満たす必要があり、原則として退職前の2年間に通算して12ヵ月以上、雇用保険に加入していることが必要です。

自己都合で退職した場合には、失業状態にあること、つまり就職する意思と能力があり、求職活動をおこなっていることも条件に含まれます。

一方、解雇や倒産など会社都合で退職した場合(特定受給資格者に該当する場合)は、退職前の1年間に通算して6ヵ月以上の雇用保険加入実績があれば受給対象となります。

会社都合退職では、自己都合退職に比べて給付開始までの制限期間が短くなるなど、条件が緩和される点が特徴です。

失業保険がもらえる期間はどのくらい?

失業保険の給付期間は、退職理由、雇用保険の加入期間、離職時の年齢によって異なります

自己都合退職の場合、給付日数は最短で90日、長くても150日です。

会社都合退職の場合は給付日数が手厚くなり、最長で330日まで支給されることがあります。

一般的に、勤続年数(雇用保険の被保険者であった期間)が長いほど給付日数は多くなります

給付期間が長ければ、その分、再就職活動や資格取得、療養などに充てる時間を確保可能です。

そのため、自分がどの区分に該当し、どの程度の期間支給されるのかを事前に確認しておくことが大切です。

失業保険でもらえる金額は?

失業保険でもらえる金額は、退職前6ヵ月間の賃金をもとに算定されます。

離職前の賃金日額を基準に、約50~80%の割合で基本手当日額が決まるため、賃金が低い人ほど給付率が高く、賃金が高い人ほど給付率が低くなる仕組みです。

なお、2025年8月1日以降の基本手当日額の上限額は、年齢区分ごとに以下のとおりです。

離職時の年齢 基本手当日額の上限額
29歳以下 7,255円
30~44歳 8,055円
45~59歳 8,870円
60~64歳 7,623円

基本手当日額は毎年見直されており、実際の支給額には受給開始時点の基準が適用されます。

自分の基本手当日額は、ハローワークで交付される雇用保険受給資格者証に記載されるため、必ず確認しておくことが重要です。

失業保険をもらうための手続き方法は?

失業保険を受け取るためには、ハローワークで所定の手続きをおこなう必要があります。

まず、離職票などの必要書類を用意し、ハローワークで求職の申込みと受給資格の確認を受けましょう。

その後、雇用保険受給者初回説明会に参加し、受給に関するルールや今後の流れについて説明を受けます。

説明会後は、定期的に就職活動をおこない、失業の認定を受けることで、認定期間に応じた失業保険が支給されます。

具体的な手続きや必要書類については、ハローワークインターネットサービスの案内をあわせて確認するとよいでしょう。

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失業保険を不正に受給したらどうなる?

失業保険は、法律に基づき支給される公的な給付制度です。

虚偽の申告や無申告就労などによって不正に受給した場合、発覚すると重い処分が科されます

ここでは、不正受給が判明した際に受給者本人にどのような影響があるのかを整理します。

支給停止・将来の受給不可

不正受給が発覚した場合、不正がおこなわれた日以降の失業保険の支給は全て停止されます。

また、その後の給付についても受給資格を失い、将来にわたって失業保険を受け取れなくなる可能性があります。

返還命令・納付命令

不正に受け取った失業保険は、全額返還しなければなりません。

さらに、悪質な不正受給と判断された場合には、返還額に加えて最大で2倍の金額を追加で納付するよう命じられます。

その結果、不正に受給した金額の合計3倍を支払う必要が生じることがあります。

財産の差押え

返還命令や納付命令に応じない場合、預貯金などの財産が差し押さえられることがあります。

失業中であっても、支払い義務が免除されることはありません。

刑事罰

不正受給の内容が悪質である場合、詐欺罪に該当する可能性があります。

その場合、10年以下の拘禁刑が科されるおそれがあります。

悪質性が低い場合の取扱い

不正受給と判断されても、故意ではなく制度への理解不足などが原因である場合には、不正と認定された部分のみの返還で済むケースもあります。

ただし、返還義務そのものが免除されるわけではなく、状況に応じた判断がなされます。

失業保険の不正受給がバレる主な原因

失業保険の不正受給は、「黙っていればわからない」と考えられがちですが、実際には多くのケースで発覚しています。

ここでは、不正受給が明らかになる主な原因を整理します。

ハローワークによる調査

ハローワークは、不審な点がある場合に雇用保険給付調査官による調査をおこないます。

受給者本人への聞き取りだけでなく、勤務先への訪問や書類の照会がおこなわれ、不正の有無が確認されます。

第三者からの通報

同僚や知人、元の勤務先など、第三者からの通報をきっかけに不正が発覚するケースも少なくありません。

本人が軽い気持ちで話した内容が、結果的にハローワークへ伝えられることもあります。

就労・収入情報の照合

雇用保険の記録やマイナンバー制度を通じて、就職・離職履歴や収入状況が他の行政機関と照合されます。

事業所が提出する給与支払報告書や税務情報と突き合わせることで、無申告就労などの不正が明らかになることがあります。

本人の申告や書類の不整合

失業認定の際に提出する書類の記載内容に矛盾があったり、説明がつかない点があったりすると、不正受給が発覚することがあります。

また、あとになって本人が自主的に申告したことがきっかけとなるケースもあります。

怪しい不正受給サポートの契約に不安があったらどこに相談すればいい?

申請サポートの契約内容に不安がある場合や、説明と実態が異なると感じた場合には、早めに公的な相談窓口を利用することが重要です。

まず、契約内容や費用、解約条件などに不安がある場合は、消費者ホットライン「188」に相談できます。

188は、全国共通の消費者相談窓口で、契約トラブルや悪質な勧誘などについて助言を受けられる制度です。

電話をかけると音声案内が流れ、郵便番号を入力することで、最寄りの消費生活センターにつながります。

また、消費生活センターでは契約内容の確認や解約方法、業者への対応について具体的な説明を受けることができます。

そのほか、失業保険の制度や申請手続きそのものについて不安がある場合は、ハローワークに相談しましょう。

ハローワークは、雇用保険の受給資格の確認や手続きの案内をおこなう公的機関であり、失業保険に関する相談は全て無料です。

離職票の取り扱いや受給期間、給付額の算定方法などについても、窓口で説明を受けることができます。

なお、お近くのハローワークの所在地や連絡先は、厚生労働省の公式サイトで確認できます。

さいごに|失業保険のトラブルに注意しよう

失業保険は、退職後の生活を支え、再就職に向けた準備期間を確保するための重要な公的制度です。

一方で、「給付額を増やせる」「手続きを任せれば安心」といった言葉に惹かれて契約した結果、高額な費用を請求されたり、不正受給に関与してしまったりするケースもあります。

また、不正受給が発覚すれば、返還命令や納付命令、刑事罰など、申請者本人が重い責任を負うことになります。

失業保険の給付内容や手続きは、法律に基づきハローワークが判断する仕組みです。

民間業者を利用しなくても、ハローワークに相談すれば、制度の説明から申請手続きまで無料で案内を受けることができます

また、契約トラブルに不安を感じた場合は、消費者ホットライン188を利用することで、早期に対応することが可能です。

失業保険を正しく受給するためには、制度の基本を理解し、怪しい勧誘や契約を避けることが大切です。

不安を感じたときは一人で抱え込まず、公的な相談窓口を活用しながら、慎重に判断するようにしましょう。

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下地法律事務所

下地 謙史
弁護士
(第一東京弁護士会)
慶応義塾大学法学部より、慶應義塾大学法科大学院へ飛び級入学。司法試験に合格後、都内の法律事務所勤務を経て下地法律事務所を開業。(※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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