会社のプライベート干渉は違法ではないの?判断基準や適切な対処法も解説
- 「会社のプライベート干渉は違法ではないのか」
- 「会社のプライベート干渉をやめてもらうにはどうしたらいいだろう」
会社の上司などがプライベートに干渉してきて、嫌な気持ちになっていませんか。
業務に何の関係もないのに、必要以上にプライベートの干渉をされたら精神的に苦痛を感じ、違法でないかと疑うのも当然でしょう。
本記事では、会社のプライベート干渉が違法といえるかの判断基準と、違法といえるケース、違法と言えないケース、違法なプライベート干渉がおこなわれたときの対処法を解説します。
これらの知識がなく、相手に「やめて欲しい」と伝えても改善する可能性は低いです。
本記事を読むことで、自分が受けているプライベート干渉が違法といえるか判断できるようになるうえに、正しい対処方法も理解できます。
会社のプライベート干渉は違法になる?判断基準は?
会社が従業員のプライベートに干渉するのは、違法ではないのでしょうか。
以下、その判断基準を見ていきましょう。
原則として従業員のプライバシーを不当に干渉したら違法といえる
プライバシー権の根拠は憲法にあります。
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
引用元:日本国憲法 | e-Gov 法令検索
上記条文でプライバシーという用語が使われているわけではありません。
しかし個人の尊重と幸福追求に関する権利を保護するという点が、プライバシー権の根拠と考えられるのです。
会社が従業員のプライバシーを不当に干渉した場合、憲法が私人間にも間接的に適用され、原則として違法と考えられます。
社内で上司・部下・同僚と円滑な関係を維持するには、コミュニケーションが役立つのはいうまでもありません。
ただ互いの信頼関係が十分でなく、不当に従業員のプライバシーに干渉すれば違法とみなされる可能性が高いです。
原則として会社は私生活の行為によって従業員を処分することもできない
会社は原則として、従業員の私生活にかかわる行為を根拠に処分をすることはできません。
会社の従業員とはいえ、会社を離れれば従業員にも憲法で保護されるべきプライバシーがあります。
会社として私生活に踏み込んでまで、管理や処分をすることはできないのです。
会社のプライベート干渉がハラスメントと判断される可能性もある
会社がその優位な立場を利用して、従業員のプライバシーへ不当に立ち入ればハラスメントと判断される可能性も否定できません。
たとえばパワーハラスメントは、以下6つの類型に分類されます。
- 身体的な攻撃(暴行をくわえること)
- 精神的な攻撃(ひどい暴言・侮辱など)
- 人間関係からの切り離し(仲間外れにしたり無視したりなど)
- 過大な要求(明らかに不可能な業務の割り振りなど)
- 過小な要求(業務上の合理性がないのに、従業員の能力・経験とかけ離れた質の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
- 個の侵害(過度にプライバシーへ立ち入ること)
会社のプライバシー干渉は、上記「(6)個の侵害(過度にプライバシーへ立ち入ること)」に該当します。
業務に関わる範囲内か否かが違法性を問うひとつの判断基準
それでは、何をもって不当なプライバシー干渉とされ違法性を問われる可能性があるのでしょうか。
ひとつの判断基準になるのが、それが業務に関わる範囲内か否かです。
たとえば従業員が在宅勤務を希望した場合、その理由を聞いても業務に関わる範囲内といえるでしょう。
一方、私生活において会社の評判に傷をつけかねない行為をしていれば、会社が干渉することに一定の必要性があると考えられます(例:自動車教習所の教官が、乱暴な運転を繰り返していた)。
会社による違法なプライバシー干渉の例
ここでは、明らかに違法といえるような会社によるプライバシー干渉の例を見ていきましょう。
- 業務と関係がないのに、家族や友人のことをしつこく問い詰める
- 交際相手や友人関係を制限する
- 休暇中に何度も連絡してくる
- 私生活のことを繰り返しダメ出しする
- SNSアカウントを監視し、投稿内容を制限する
- 休日の過ごし方を指定される
- 私用のスマートフォンを許可なく覗いてくるなど
会社が雇用する従業員とはいえ、上記のような行為は違法であり控えなくてはなりません。
会社のプライバシー干渉が違法でないケースとは?
会社のプライバシー干渉は、目的や程度によって違法とされないケースも考えられます。
それが業務に関わる内容であり、適切と考えられる程度なら必ずしも違法とは言えないのです。
たとえば従業員が私生活で会社の評判を落とすような行為をしていて、会社が干渉したケースであれば違法とされない可能性があります。
また従業員がプライベートでおこなった行為の内容によっては、会社が干渉し懲戒処分の理由としても違法とはいえません。
その行為が企業の社会的評価を落としかねないと客観的に認められる内容なら、たとえ私生活上でも会社は懲戒処分の理由にできます。
わかりやすいのが、飲酒運転の例です。
飲酒運転で被害者が亡くなるなど重大な事故に発展する例が多く、世間でも強く非難されています。
たとえばタクシー会社の従業員がプライベートで飲酒運転をしたことが発覚すれば、その会社の社会的な評価は失墜しかねません。
会社が飲酒運転をした従業員に懲戒解雇などの処分をしても、違法とはされないでしょう。
会社のプライベート干渉が違法と感じたら?適切な対処法は?
会社のプライベート干渉が違法でないかと感じたら、どうすればいいでしょうか。
ここでは適切な対処法を見ていきましょう。
相手に対してプライバシーに干渉しないよう伝える
相手が違法性を理解していない可能性もあります。
プライバシーを干渉され苦痛に感じたら、プライバシーを干渉しないように伝えましょう。
相手が自分の落ち度に気付けば、違法なプライバシー干渉を慎む可能性があります。
違法なプライベート干渉に関する証拠を確保する
やめて欲しいと伝えても相手が聞かないなら、プライバシー干渉の証拠を集めましょう。
有効な証拠の例として、以下が挙げられます。
- 相手の話を録音したデータ
- 相手からのメールやチャット
- 相手にプライバシー干渉を受けた内容をまとめたメモ
これら証拠に加え、誰がいつどこでプライバシー干渉をしたかも記録しておきましょう。
社内の相談窓口に申告する
たいていの会社には、社内にコンプライアンスやハラスメントに関する相談窓口が設置されています。
該当する窓口に集めた証拠をみせて、対応してもらうよう伝えましょう。
窓口が必要と考えたら、本人に対し厳重注意をするなどの対処をしてくれる可能性があります。
もし該当するような窓口がない場合は、上司や人事部に相談するのもよいです。
労働問題に強い弁護士に対応を相談・依頼する
社内の相談窓口などに相談しても改善がなければ、労働問題に強い弁護士に対応を相談・依頼しましょう。
弁護士に相談すれば法的な観点で、どうすればいいか有効なアドバイスをもらえます。
また弁護士に相談者のケースで慰謝料請求などが可能かを判断してもらい、その交渉まで任せることも可能です。
会社側も弁護士が介入することで、本腰を入れて対応をしてくれる可能性もあります。
無料相談に応じてくれる弁護士も多いので、迷ったらまずアドバイスだけでも受けてみるとよいでしょう。
さいごに|会社の違法なプライベート干渉で悩んでいるなら弁護士に相談を!
会社のプライベート干渉が、業務に関係がない内容であれば違法といえる可能性が高いです。
違法なプライベート干渉を受けたら、相手に違法である旨を伝えやめるように要求しましょう。
それでも相手がやめないなら違法性を示す証拠を集め、社内のコンプライアンス窓口などへ相談します。
会社が違法性を認識すれば、相手に厳重注意をするなど対処してくれるでしょう。
社内の相談窓口などへ話しても改善しないようであれば、最終的に労働問題に強い弁護士に相談します。
弁護士は状況を把握したうえで慰謝料請求の可否を判断してくれたり、本人に代わって会社などを相手にその交渉をしたりしてくれます。
弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます
労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。
・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
・給料未払い問題を解決したい
など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。
お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。
【残業代を取り戻そう!】残業代請求・不当解雇は相談料0円◆成功報酬制◆残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】
事務所詳細を見る
【残業代を取り戻そう!】残業代請求・不当解雇は相談料0円◆成功報酬制◆残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】
事務所詳細を見る
【不当解雇・残業代請求/初期費用0円の完全成功報酬制】「突然解雇された」「PIPの対象となった」など解雇に関するお悩みや、残業代未払いのご相談は当事務所へ!不当解雇・残業代請求の実績多数。年間の残業代回収実績7.8億円!【全国対応|LINEお問い合わせ◎】
事務所詳細を見る
【残業代を取り戻そう!】残業代請求・不当解雇は相談料0円◆成功報酬制◆残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
この記事の監修
下地法律事務所
パワハラに関する新着コラム
-
会社のプライベート干渉は違法?家族や休日のことをしつこく聞かれるのは、プライバシー侵害やパワハラになる可能性があります。本記事では、違法となる判断基準や具体的な...
-
本記事では、ケアハラスメントの基本的な意味から、具体的な発言・行為の例、法律違反となるケース、被害を受けたときの対処法までを、初めての方にもわかりやすく解説しま...
-
上司からの暴言や人格否定的な発言がパワハラにあたるのか判断できず悩んでいませんか。本記事では、パワハラにあたる言葉を類型別に整理し、裁判例や弁護士が介入した解決...
-
ハラスメント被害に悩んでいる場合、まずは自分が受けている行為がハラスメントに該当するか確認しましょう。そのうえで、被害に関する証拠を集め、社内・社外の相談窓口に...
-
職場いじめやハラスメントで悩んでいる方は、相談窓口を活用しましょう。本記事では、主な相談窓口を7つ 、24時間無料で相談できる窓口を3つ紹介しています。相談時...
-
本記事では、パワハラ行為の録音が違法となるケース・ならないケースを整理したうえで、証拠として有効な録音のポイント、録音以外に集めておきたい証拠、弁護士に相談する...
-
正社員の即日退職は、原則として認められません。しかし、例外的に正社員の即日退職が認められることもあります。退職代行サービスの利用も有効です。本記事では、正社員の...
-
退職代行ヤメドキの評判を知りたいと思っていませんか?本記事では退職代行ヤメドキの良い評判・悪い評判を紹介します。また、退職代行ヤメドキの特徴や注意点、利用に適し...
-
パワハラ被害を受けていて、在職時はその余裕がなかったものの、退職してから被害を訴えたいと考えることもあるでしょう。本記事では、退職後にパワハラ被害を訴えられるこ...
-
職場や家庭で、差別や虐待、ハラスメントなど人権問題に苦しむ方に向けた相談窓口として、国が運営する「みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)」があります。...
パワハラに関する人気コラム
-
パワーハラスメントの定義とは何かを解説!パワハラには6つの種類があるとされますが、法律上定義や意味を解説する項目はありません。ただ、労働者への嫌がらせ行為は違法...
-
上司のパワハラは労働問題の中でも比較的多いトラブルのひとつです。特に長時間労働や嫌がらせなどは違法になる可能性があり、正しい知識を身につけて中止を求めれば解決す...
-
パワハラを受けた方にとっては理不尽で許し難いものであり、パワハラをした相手に何か報復したいと考える方もいるでしょう。そこで今回は、パワハラの訴え方と訴える前に考...
-
過労死ラインとは労災給付の基準であり、月に80〜100時間を超える労働は深刻な健康障害を引き起こす可能性が高いとして、抑制する取り組みが広まっています。この記事...
-
今回は、パワハラに悩まれている方の最終手段とも言えるパワハラでの訴訟の事態と、パワハラで訴訟を起こす際の手順、慰謝料請求をするための相場、請求方法を解説していき...
-
この記事では、労働基準監督署でパワハラの相談をして解決できることや、パワハラ問題の解決フローについて紹介します。
-
長時間労働による過労死は緊急を要する社会問題です。長時間労働を強いられているニュースをよく耳にしますが、他人事ではない働き方をしている方も多いでしょう。そこで、...
-
本記事では、パワハラで労災認定を受けるための条件や手順などを解説します。パワハラを受けていて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
-
仕事を辞めたい、鬱(うつ)になりそうと悩んでいる方は少なくないでしょう。うつ病は単なる甘えだと言われてしまうこともありますが、自分を追い詰めてしまう前に、休職や...
-
退職までの手続きを徹底解説!大企業の終身雇用が崩れ始める中、退職と転職は身近なものになってきています。昨今の新型コロナウィルスの影響で突然解雇を言い渡される方も...
パワハラの関連コラム
-
本記事では、パワハラで労災認定を受けるための条件や手順などを解説します。パワハラを受けていて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
-
過労死ラインとは労災給付の基準であり、月に80〜100時間を超える労働は深刻な健康障害を引き起こす可能性が高いとして、抑制する取り組みが広まっています。この記事...
-
職場や家庭で、差別や虐待、ハラスメントなど人権問題に苦しむ方に向けた相談窓口として、国が運営する「みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)」があります。...
-
「ブラック企業を辞めたい」、「今の会社がブラック企業か知りたい」などのお悩みを抱えている方に向けて、この記事ではブラック企業の見分け方や退職方法、退職時の注意点...
-
職場での大人気ないいじめは、度を超えればパワハラ等の不法行為に該当するケースがあります。本記事では、職場で起こる大人いじめの事例と、そのような事態が生じた場合の...
-
パタハラが起こる原因や注目されるようになった背景について紹介。男性の育児休暇取得率は上がっている?パタハラをさせないための対策は?男性が育児参加しながら働きやす...
-
長時間労働による過労死は緊急を要する社会問題です。長時間労働を強いられているニュースをよく耳にしますが、他人事ではない働き方をしている方も多いでしょう。そこで、...
-
パワハラを受けた方にとっては理不尽で許し難いものであり、パワハラをした相手に何か報復したいと考える方もいるでしょう。そこで今回は、パワハラの訴え方と訴える前に考...
-
ハラスメント被害に悩んでいる場合、まずは自分が受けている行為がハラスメントに該当するか確認しましょう。そのうえで、被害に関する証拠を集め、社内・社外の相談窓口に...
-
近年、コンプライアンスの重要性の高まりが盛んに指摘されています。コンプライアンスは、企業が社会の中で経済活動を続けていくうえで、無視できない重要な問題です。この...
-
自身の部下からパワーハラスメントを受ける「逆パワハラ」が起きてしまった場合について、適切な対処方法を解説していきます。また、どのような被害を受けていると逆パワハ...
-
追い出し部屋とは、企業が不必要になった従業員を自主退職に追いやるために、対象の従業員を集めるための部署のことです。






