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パタハラとは?無くす方法や防止するための対策について弁護士が解説

更新日
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
このコラムを監修
パタハラとは?無くす方法や防止するための対策について弁護士が解説

パタハラとは、「パタニティ・ハラスメント」の略で(Paternity|父性)とハラスメント(harassment|いやがらせ)を組み合わせた造語です。母親に対するマタハラに対し、パタハラは父親に対する嫌がらせのことを指します。

 

2021年に厚生労働省が公表した調査結果によると、子供がいる父親500名のうち過去5年間に職場でパタハラを受けた経験がある人26.2%でした。

【参考記事】職場のハラスメントに関する実態調査報告書(2021年)|厚生労働省

また、同じく厚生労働省の「令和3年度雇用均等基本調査」によると、2021年における男性の育休取得率は13.97%で、2012年から9年連続して増加傾向にあることがわかります。

引用元:令和3年度雇用均等基本調査 事業所調査|厚生労働省

 

2021年に育児・介護休業法が改正され、出生時育児休業(産後パパ育休)制度が創設されたことにより、今後男性の育休取得者の増加が見込まれます。それにともない、パタハラの被害を受ける男性が増える可能性もあるでしょう。

 

この記事では、男性が育児に参加することによって引き起こされるパタハラの実態や、パタハラをなくすための企業の取り組み、改正育児・介護休業法などについて紹介します。これから育児休業を取得しようと考えている男性、または現在パタハラに悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。

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パタハラとマタハラの違いとは

以下の図は、2021年に公表された厚生労働省の調査より、パタハラの要因となった理由・制度の図を引用したものです。

引用元:令和2年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書|厚生労働省

 

パタハラでは、育児休業の取得や残業の制限が原因となって、制度利用を妨害されたり、不当な扱いを受けたりすることがあるようです。また、同僚が不利益な扱いを受けているのを目にして、育児休業を取得しにくい方もいるかもしれません。

 

マタハラとは

マタハラとは、妊娠・出産・育児において、またはその制度や措置を利用する際において、女性労働者が職場で受ける嫌がらせや妨害行為を指します。厚生労働省の調査では、マタハラの要因となった理由・制度は以下のとおりでした。

引用元:令和2年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書|厚生労働省

マタハラでは、育児休業のみにとどまらず、妊娠・出産や産休が原因となっており、嫌がらせや不当な扱いを受けるタイミングが多岐にわたることがわかります。

 

マタハラとパタハラの違い

マタハラとパタハラには、妨害や嫌がらせを受ける理由・タイミングに大きな違いがあるようです。

女性は妊娠・出産やそれに起因する体調の悪化、産休・育休、時短や有給の取得が原因となって、ハラスメントを受けることがあります。また、妊娠時期について採用面接や職場で制限される「プレマタハラ」を受けることもあるでしょう。

 

一方、男性は、育児休業の取得や残業の制限など、育児への参加に対するハラスメントが中心となっているようです。

女性は妊娠・出産を自身でおこなうため、変化が周囲の人にも見えやすく、さまざまなタイミングでハラスメントにつながりやすいのかもしれません。

くわえて、それぞれのハラスメントに関する法律にも違いがあります。

 

男女雇用機会均等法第9条と第11条の3では、女性労働者に対する妊娠・出産を理由とした不当な取扱いの禁止と、マタハラを受けないよう必要な措置を講じることを事業主に義務付けています。

 

(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)

第九条 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。

2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。

3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

4 妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。

引用元:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第9条|e-Gov法令検索

 

(職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等)

第十一条の三 事業主は、職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものに関する言動により当該女性労働者の就業環境が害されることのないよう、当該女性労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

引用元:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第11条の3|e-Gov法令検索

 

また、育児介護休業法第10条では、「育児休業取得に関して不当な取扱いをしてはいけない」と定められており、マタハラ・パタハラの両方に該当します。

 

(不利益取扱いの禁止)

第十条 事業主は、労働者が育児休業申出等(育児休業申出及び出生時育児休業申出をいう。以下同じ。)をし、若しくは育児休業をしたこと又は第九条の五第二項の規定による申出若しくは同条第四項の同意をしなかったことその他の同条第二項から第五項までの規定に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

引用元:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律|e-Gov法令検索

 

マタハラとパタハラでは、ハラスメントを受ける理由やタイミング、それぞれに関する法律が異なりますが、妊娠・出産・育児が起因して、職場で制度利用の妨害や嫌がらせを受けることに大きな違いはありません。

 

なぜパタハラが起こるのか|主な3つの原因

では、なぜパタハラが職場で起こってしまうのでしょうか。

 

上司・同僚の理解不足

上司や同僚の理解不足はパタハラの原因につながりやすいようです。

 

特に上司や同僚が「子育ては専業主婦の妻に任せて、男性は仕事一筋が良い」という考え方の場合、

 

なぜ父親が仕事を休んでまで子育てをする必要があるのか

自分のときはそんなことしなかった

 

と理解されないことも起こり得ます。

 

その結果、人事評価にまで影響が及んでしまい、「仕事に対する熱意が感じられない」と評価を下げられてしまう可能性もあるでしょう。

 

実際、2019年に公表された厚生労働省の調査結果によると、2018年度に育児休業の取得を希望したものの利用しなかった男性の割合は37.5%でした。中には、上司・同僚の理解を得られず、制度の利用を断念した方もいるかもしれません。

【参考記事】平成30年度仕事と育児等の両立に関する実数把握のための調査研究事業報告書 労働者アンケート調査結果|厚生労働省委託調査

 

父親の育児参加の必要性が周知されていない

2021年に厚生労働省が公表した世帯の状況に関する調査結果によると、子夫婦と同居している65歳以上の世帯数は年々減少しており、家族を構成する者が「親とその子供」である核家族世帯は増加傾向にあることがわかります。

【参考記事】令和3年国民生活基礎調査(令和元年)の結果からグラフでみる世帯の状況|厚生労働省

 

周りに頼る人がいない環境において母親が一人きりで子育てをしていると、産後の体調不良や育児の責任が重なって、産後うつや育児ノイローゼになってしまう可能性があります。

 

このような状況下で父親が家事や育児に少しでも参加すれば、母親の身体的・精神的な負担を軽減できることもあるでしょう。

核家族世帯においては、父親の育児参加が求められる場面があるにも関わらず、それが軽視されているがためにパタハラが起こってしまうと考えられます。

 

実際、パタハラを受けている当事者も、父親の育児参加の必要性を感じておらず、「パタハラである」と認識していないケースもあるようです。

 

企業としてバックアップ体制が整っていない

厚生労働省の「令和3年度雇用均等基本調査」によると、2021年度の女性の育児休業取得率は85.1%、男性の育児休業取得率は13.97%でした。2020年度の男性の育休取得率は12.65%で、前年度に比べると上昇しているものの、女性に比べて育休を取得する人は少ないようです。

 

また、同調査に掲載されている育児休業制度の規定がある事業所は、5人以上の事業所で79.6%、30人以上の事業所で95%、500人以上の事業所では99.9%もの高い割合でした。

【参考記事】令和3年度雇用均等基本調査|事業所調査|厚生労働省

 

これらの結果より、育児休業制度が整っている会社が増えている一方で、男性は女性に比べて育休などの制度を活用できていないと予想できます。

また、各事業所における、育児のための各種制度の導入状況は以下のとおりです。

引用元:令和3年度雇用均等基本調査|事業所調査|厚生労働省

 

時短勤務や残業の制限はどちらも6割を超える事業所で導入されていますが、フレックス制度やテレワークを導入している事業所はいずれも2割を下回っています。男性が育児に参加するための十分なバックアップ体制が整っていない企業もあるようです。

 

育休やフレックス制度などは、会社が制度を導入しなければ活用できません。また、制度があったとしても、男性の制度利用について社内で啓発しないと活用しにくいものです。パタハラの防止には、企業のバックアップ体制の整備とともに、従業員間の理解も求められるでしょう。

 

パタハラが注目される背景

パタハラは父親が育児参加をしていない時代には全く問題視されてきませんでした。

しかし、なぜ最近パタハラが注目されるようになったのでしょうか?パタハラが注目されるようになった背景について紹介します。

 

男性の育休取得率の現状

 制度のうえでは、男性も女性と同じく以下の条件を満たすと育休を取得できます。

 

 

引用元:産休と育休(まとめ)|東京労働局

 

育児休業の具体的な内容は、以下のとおりです。

  • 原則として、1歳に満たない子を養育する男女労働者が対象

  • 原則として、開始の1ヵ月前までに申し出が必要

  • 保育所入所不承諾など、職場に復帰できない一定の理由がある場合には、最長で2年まで延長可能

  • パパ・ママ育休プラス制度を利用して父母ともに育休を取得すると、子が1歳に達するまでにそれぞれ1年間の育休を取得可能

  • 子が1歳に達するまでに2回取得が可能(2022年10月1日施行)

【参考記事】育児・介護休業法の改正について(2022年更新)|厚生労働省

ただし、以下に該当する方は、会社の労使協定の内容によっては育休の取得が認められないケースもあるため、注意が必要です。

 

  • 雇用されて1年未満の無期雇用者
  • 所定労働日数が週2日以内の労働者
  • 育児休業の申し出の日から1年以内に契約が終了する雇用者

また、有期雇用者の場合は、さらに以下の条件に該当すると育児休業を取得できます。

  • 子が1歳6ヵ月になるまでに、契約期間が満了しないこと

なお、従来は「同じ事業主に1年以上雇用されていること」も条件に加えられていましたが、2022年4月の法改正で撤廃されました。

 

男性の育休取得率の現状

現在の男性の育児休業取得率は、高いとはいえない状況です。

厚生労働省の調査によると、2021年度の男性の育休取得率は13.97%でした。

引用元:育児・介護休業法の改正について(2022年更新)|厚生労働省

 

2022年度の女性の育児休業取得率は85.1%で、女性に比べて男性の取得率は著しく低いようです。

ただし、男性の育休取得率に限って着目すると、2019年度からわずか3年の間に約2倍に伸びており、今後も男性の間で普及していくことが期待できるでしょう。

 

男性の育休は取得しても5日未満が最多

以下の図は、2022年に公表された厚生労働省の調査より、男性の育児休業の取得期間に関する調査結果を引用したものです。

引用元:育児・介護休業法の改正について(2022年更新)|厚生労働省

 

調査結果によると、2021年度の男性の育児休業の取得日数は、5日未満が25%、5日以上2週間未満が26.5%でした。育児休業を取得した男性のうち、合計で51.5%の方の育休が2週間未満と短期であったことがわかります。ただでさえ男性の育休取得者は少ないにも関わらず、実際に取得できる休暇も少ないのが実情のようです。

 

同調査によると、女性の育児休業取得期間は1年以上1年6ヵ月未満が最多で、約95%の方が6ヵ月以上の育休を取得していることがわかります。男性の育児休業取得期間は女性に比べて短い傾向にあり、長期の育児休業の取得について気後れしてしまう方もいるのかもしれません。

 

一方で、上図によると、育児休業を1ヵ月以上3ヵ月未満取得した男性は24.5%で、2018年度の約2倍に増加しています。今後、男性の育休期間が長くなっていく可能性も考えられるでしょう。

 

大手企業による男性の育休取得に関する取り組み

2021年に育児・介護休業法が改正され、男女ともに育児休業を取得しやすくするための環境整備が企業に義務付けられました。これに伴い、男性の育児休業取得を積極的に支援する企業も増えてきているようです。

たとえば、積水ハウス株式会社と株式会社三菱UFJ銀行、日本生命保険相互会社では、男性の育休取得について次のような取り組みをおこなっています。

 

  • 積水ハウス:3歳未満の子がいる父親について、1ヵ月以上の育休取得を推進。1ヵ月の連続取得または4回の分割取得が可能
  • 三菱UFJ銀行:2歳未満の子がいる父親に対して、1ヵ月の育休取得を推進
  • 日本生命保険:男性の育休取得を推進した結果、育休取得率100%を達成。平均取得日数は1週間

 【参考記事】

積水ハウスグループの取り組み|IKUKYU.PJT|積水ハウス

三菱UFJ銀行、男性の「育休1カ月」を義務化 メガバンクで初、5月スタート|東京新聞

一人ひとりが輝き、会社も個人も成長し続ける企業へ。~男性育休100%取得推進の取組~|日本生命保険相互会社

 

特に三菱UFJ銀行では、部下の育休取得の状況を上司の人事評価の対象とし、上司や同僚の理解を推進することで制度の利用を促しています。

 

育休を取得する際、職場での理解は不可欠でしょう。例示した3つの企業に共通しているのは、企業全体で男性が育休を取得しやすい雰囲気づくりに取り組んできたことだと考えられます。

 

さらに、育児・介護休業法の改正により、2023年4月からは、従業員数が1,000人を超える会社について、従業員の育児休業取得率の公表が義務付けられることが決まっています。

 

このように、「育休取得は父親の義務」「会社全体で男性の育休を推進」という環境になれば、男性の育休に対する上司や同僚の意識も変わり、男性でも育休を取りやすくなりそうです。

 

大手企業が先行して父親の育休を普及させ、世の中全体の意識が変われば、会社の規模に関わらず、男性も育休を取りやすくなるかもしれません。

 

イクメンプロジェクトについて

現在政府では、2025年までに男性の育児休業取得率30%を達成する目標を掲げています。これを受けて厚生労働省は、父親の育休取得の推進を目的として、2010年に「イクメンプロジェクト」を発足しました。

 

「イクメンプロジェクト」とは(2010年6月から実施)

「イクメンプロジェクト」とは、積極的に育児に取り組む「イクメン」を推進し、男性が子育てに参加しやすい社会づくりを目指して、2010年6月に厚生労働省雇用均等・児童家庭局で発足したプロジェクトです。仕事と育児の両立を推進する「イクメン企業」を支援したり、男性の育児休業に関する企業向け・個人の向けのセミナーを開催したりと、父親の育休取得に関する周知・広報に取り組んでいます。

 

また、参加型の公式サイトや表彰などを通じて、仕事と育児の両立に関する情報や好事例を発信し、 男性の育児参加の促進を図るとともに、男性が育児休業を取得しやすいような社会的気運の醸成を図っています。

 

【イクメンプロジェクトのねらい】

  1. 男性の育児休業の取得や育児短時間勤務の利用を契機とした、職場内の業務改善や働き方の見直しによるワーク・ライフ・バランスの実現
  2. 男性の育児に参画したいという希望の実現や育児休業の取得促進、女性の継続就業率と出生率の向上

【参考記事】イクメンプロジェクト|厚生労働省

 

育児・介護休業法の改正

法改正もパタハラが注目される要因のひとつでしょう。2021年に育児・介護休業法が改正され、2022年の4月1日から次のように3段階で施行されます。

 

内容

施行時期

雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置

2022年4月1日

有期雇用労働者の育児休業取得要件の緩和

産後パパ育休(出生時育児休業制度)の創設

2022年10月1日

育児休業の分割取得

育児休業取得状況の公表の義務化

2023年4月1日

法改正により、男女ともに育児休業を取得しやすくなることが見込まれます。

育児・介護休業法の詳しい改正内容は、以下のとおりです。

 

1.雇用環境の整備、個別の周知・意向確認の措置

法改正では、従業員の育児休業の取得、およびマタハラ・パタハラの防止を目的として、2022年4月1日以降、雇用環境整備と個別の周知・意向確認の措置を企業に義務付けています。

雇用環境の整備として、事業主は下記のいずれかの措置をとる必要があります。

 

【育児休業を取得しやすい雇用環境の整備】

  • 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
  • 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
  • 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
  • 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

 

また、妊娠・出産を申し出た労働者に対して、事業主は下記の周知と意向の確認を個別におこなうことが義務付けられています。

【妊娠・出産の申し出をした労働者に対する周知・意向確認】

  • 育児休業・産後パパ育休に関する制度
  • 育児休業・産後パパ育休に関する申し出先
  • 育児休業給付について
  • 育休中、または産後パパ育休に負担する社会保険料について

【参考記事】育児・介護休業法の改正について(2022年更新)|厚生労働省

 

2.有期雇用労働者の育児休業取得要件の緩和

2022年4月1以降の有期雇用者の休業取得要件について、2022年3月31日まで要件とされていた「引き続き雇用された期間が1年以上」が撤廃されました。

 

引用元:育児・介護休業法の改正について(2022年更新)|厚生労働省

 

これにより、有期雇用者でも育児休業を取得しやすくなることが予想されます。

なお、要件の「1歳6ヵ月になるまでの間に契約が満了することが明らかでない」は、育児休業の申し出をした時点で契約の更新が期間中にされないことが確実かどうか、および、事業主が更新しないことを明示しているかどうかで判断されます。

3.産後パパ育休(出生時育児休業)の創設/4.育児休業の分割取得

2022年10月1日からは、以下の2点が施行されます。

 

  • 産後パパ育休(出生時育児休業)制度の創設
  • 育児休業の分割取得

 

「産後パパ育休(出生時育児休業)制度」は新たに設けられた制度で、妻が出産予定の男性が、子供の生後8週間以内に最長4週間のパパ育休を取得できるものです。

また、「育児休業の分割取得」では、従来の育休制度では分割して取得できなかった育児休業について、2回に分けての取得が可能になります。

 

引用元:育児・介護休業法の改正について(2022年更新)|厚生労働省

 

5.育児休業取得状況の公表の義務化

2023年4月1日からは、「育児休業取得状況の公表の義務化」が施行されます。

この施行では、従業員数が1,000人を超える企業を対象に、育児休業等の取得割合、または育児休業等と育児目的休暇の取得割合について、年1回公表するよう義務付けられます。

企業の公式サイト、または厚生労働省の「両立支援のひろば」などを通じて、誰でも閲覧できる方法で公表しなければいけません。

【参考記事】両立支援のひろば|厚生労働省

 

パタハラの具体例と裁判事例

「職場で嫌がらせを受けたけど、これはパタハラだろうか」「パタハラについて相談窓口に相談したいけど、自分のケースが該当するかどうかわからない」と、実際にあったパタハラの例を知りたい方もいるでしょう。

この章では、パタハラの具体例や裁判事例について紹介します。

 

具体例

パタハラは、「男なのに育休を取る必要がない」などと嫌味を言われたり、育休取得を阻止されたりするなどの事例が多く、ケースによってはさらに悪質な事例もあります。

 

2021年に公表された厚生労働省の調査によると、パタハラの具体的な内容としては「上司による育休取得の制度利用を阻害する言動」が53.4%で、もっとも多いことがわかりました。

 

引用元:令和2年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書|厚生労働省

具体的には、以下のような事例があるようです。

 

  • 育休の取得を認めてもらえない、または取得を諦めるよう説得された
  • 育休取得を希望したら、嫌みを言われたり嫌がらせを受けたりした

  • 「育休を取るなら辞めろ」と退職を迫られた

    育休復帰後に育休前に就いていたポジションを外されて、全く違う部署へ配置転換された

    復帰後に仕事を与えられなかった

    減給や降格、異動、転勤などの不当な扱いを受けた など

 

育休から復帰後に地方転勤を命じられた事例

日本の大手総合化学メーカーに勤める男性が、育休復帰直後に地方転勤を命じられた事案です。

男性は会社から勧められたため、2019年に育休を取得しました。

 

その後、育休から復帰してわずか2日後に地方転勤を命じられたのです。

男性は会社に転勤時期の延期を願い出たものの、受け入れられませんでした。

 

結局、男性は退職を選択して6月中旬を目処に退職する意思を伝えるも却下され、5月末の退職扱いとなり、ボーナスの支給はおろか、約30日の有給消化も認められませんでした。

 

引用元:カネカショック!その転勤必要ですか?違法性はないのかパタハラ疑惑を解説|YAHOO!ニュース

 

裁判となった事例

中には、職場でパタハラに遭い、裁判へ発展するようなケースもあります。

 

1.パタハラが認められ、慰謝料と損害賠償の支払いが認められた事例

2010年、病院に勤務していた男性看護師が、3ヵ月以上の育児休業を取得後に復職したところ、「就業規則に基づいて、翌年度の定期昇給では職能給を昇給させない」、「昇格試験の受験資格がないため、昇格試験を受けさせない」という不当な扱いを受けた事案です。

男性看護師は当該医療法人に対して、育児・介護休業法第10条に反する行為として、昇給・昇格して本来受け取るべきだった給料との差額分の損害賠償と、慰謝料を請求する訴訟を起こしました。

 

第一審の京都地裁では、昇格試験の受験資格を与えなかった行為のみが違法と認められる判決が下されました。男性看護師は判決を不服として控訴し、第二審の大阪高裁の判決では、昇格試験の受験資格を与えなかった行為のみならず、定期昇給で昇給させなかった行為についても、育児休業を取得したことが人事評価の対象外になるのは違法という判決が出たのです。

この判決により、慰謝料請求の一部と、昇給・昇格して本来受け取るべきだった給料との差額分の支払いが認められました。

【参考記事】医療法人稲門会事件|全国労働基準関係団体連合

 

2.パタハラの事実が認められず棄却された事例

大手証券会社に特命部長として勤務していた男性が、2015年に育児休業を取得したことでパタハラを受け、うつ病を発症した事案です。

療養後も正当な理由なく休職命令を受けたとして、損害賠償を求めました。

 

男性は、育休取得後に取得前に参加していた会議に呼ばれなくなったことなどをパタハラにあたると主張し、その内容が育児・介護休業法第10条の「不利益な扱い」に該当するかどうかが争点となりました。

 

2022年6月23日、東京高裁は、「育児休業を理由とした不利益な取り扱いがあった事実は認められない」として、判決で請求を棄却しました。男性は判決を不服とし、最高裁に上告する方針を示しています。

 

【参考記事】男性育休後のハラスメント訴え、高裁でも棄却。三菱モルガン元幹部「パタハラなくすため最後まで戦う」|YAHOO!ニュース

 

3.育休後に部署異動と減給処分を受けた事例

2019年、スポーツ用品で有名な日本の多国籍企業に勤める男性は、育児休業から復帰後に異動を命じられたのを不当として、慰謝料約440万円などを求めて東京地裁に提訴しました。

男性は2015年の第一子誕生後に約1年間の育児休業を取得しましたが、育休復帰後には、育休前に在籍していた人事部とは全く違う、肉体労働が主体の部署に出向を命じられました。

男性は「育児・介護休業法違反」と主張し、代理人弁護士を通じて会社と交渉した結果、出向は解除され再び人事部に配属されました。

 

しかし、業務内容は育休前とは異なるもので、そこでも「社内規定の業務命令に従わなかった」として、けん責・減給処分を受けたのです。

第二子の誕生後に男性は再度1年間の育休を取得し、復帰後には人事部でやはり能力や経験に見合わない業務を課されました。

その後、男性と企業の間で和解が成立しましたが、詳しい和解内容は公表されていません。

 

【参考記事】アシックス男性社員が「パタハラ」で提訴 育児休業明けに倉庫勤務|ライブドアニュース

 

パタハラには企業全体で取り組むべき

既に説明したように、パタハラの防止には、上司・同僚の理解や男性社員の意識改革など、企業全体で取り組むべきことがあるでしょう。ここでは、男性が育休を取得しやすい企業で実際におこなっている取り組みを紹介します。

 

前述のイクメンプロジェクトでは、男性の育児参加を促進する取り組みの一環として、男性社員の育児と仕事の両立を支援する企業を「イクメン企業」として表彰しています。

 

イクメン企業アワード2020では、次の2社がグランプリを受賞しました。

 

【グランプリ】

  • 株式会社技研製作所(高知県)
  • 積水ハウス株式会社(大阪府)

 

それぞれの企業の取り組みについて紹介します。

 

株式会社技研製作所(高知県)

グランプリを受賞した株式会社技研製作所では、男性の育児休業取得促進や育児推進のために、以下のような取り組みをおこなっているようです。

①男性の育休取得に関するアンケートの実施

全社員を対象にした男性の育休に関するアンケートを実施。男性社員が育休取得に対して「収入面が心配」「育休をとれる雰囲気ではない」「同僚に迷惑をかけてしまう」などの不安を抱いていることを把握

②給付金シミュレーションツールを構築

育休中の給付金制度の紹介や、給与明細の数字から給付金がいくらもらえるのかを把握できる給付金シミュレーションツールを構築

③育休に関する情報を得やすい仕組みづくり

  • 社員が簡単にアクセスできる育休に関する専用ページを開設。制度の内容や男性に対する育休取得のアピールのほか、手続き方法のマニュアル、Q&Aを公開社内報に実際に育休を取得した男性社員のインタビューを掲載

④取得対象の社員とその上司へ育休説明会を開催

  • 育休取得対象者とその上司に向けて、両者の意識改革のための説明会を積極的に実施
  • 全社員に向けて、「技研グループは健康経営と男性育休取得を推進する企業」と正式に宣言

⑤独自の育児休業支援金制度を実施

3ヵ月以上の育休を取得した男女社員を対象に、最大15万円の育児休業支援金を支給する制度を実施。収入面の不安解消とともに、長期的な育休の取得を促進するねらい

以上の取り組みによってもたらされた結果は次の3点です。

  • 男性の育休取得率100%、平均取得日数89.2日を達成(2021年度)
  • 新卒応募者数の増加(前年比13%)
  • 誰が抜けても業務が回るチーム作りの構築

2018年度まで0%だった男性の育休取得者が、2021年度には100%にまで増加し、取得日数も平均して約3ヵ月と長期的な育休に変化したようです。

 

また、誰が抜けても仕事が回るチーム作りを構築したため、男女問わず育休を取得しやすくなったと予想されます。くわえて、社員一人ひとりのスキルアップや仕事の最適化なども期待でき、結果的に企業全体の業績内容の改善・効率化につながっているようです。

 

男性でも当たり前に育休を取得でき、安心して働ける会社なら、退職者が減るうえ就職希望者の増加も期待できます。実際、株式会社技研製作所では、男性の育休促進に関する取り組みとイクメンアワードの受賞がきっかけとなって、新卒採用の応募者が増加したようです。

 

このように、男性の育休を促進する活動は、社員の働きやすさの改善だけでなく、企業全体に多くのメリットをもたらす可能性があるでしょう。

 

【参考記事】

仕事と育児の両立支援|株式会社技研製作所

長期育休取得へ支援金創設 – 3か月以上の育休取得者に15万円支給|株式会社技研製作所

男性の育児休業取得促進 研修資料|イクメンプロジェクト(新卒採用応募者の数字は42ページに掲載)

 

積水ハウス株式会社(大阪府)

同じくグランプリを受賞した積水ハウス株式会社では、男性の育児休業取得促進や育児推進のために以下のような取り組みをおこなっているようです。

 

①1ヵ月以上の育児休業取得を推進

  • 独自の「イクメン休業制度」を導入し、3歳未満の子供をもつ男性社員を対象に、1ヵ月以上の育児休業取得を推進
  • 最初の1ヵ月を有給扱いにして、育児休業取得者の経済的不安を軽減
  • 育休は連続しての取得、または最大4分割での取得が可能
  • 配偶者の産後8週間以内は、父親も1日単位で育休を取得できる

②家族で利用できるミーティングシートを公開

育児休業中の家事と育児の役割分担をわかりやすくするために、家族で利用できるミーティングシートを考案。夫婦間での目指す姿や役割分担が明確になり、コミュニケーションの増加と双方の不満の解消が期待できる

③育児休業取得促進ツール

すでに育児休業を取得した人の生の声や、休業前の事前準備、失敗談などをまとめた事例集「イクメンガイドブック」を制作。上長や職場仲間の理解を促進している

④育休取得者を支援する意識改革に取り組む

  • 従来、女性社員を対象におこなわれてきた育児に関するフォーラムについて、男性社員も対象に。育児と仕事の両立に関する意識改革に取り組む
  • 上司のフォーラムへの参加を必須化。特に管理職以上の社員の意識を啓発
  • 「イクメン白書」の発行や「イクメンフォーラム」の開催など、社外向けの活動を実施

 

以上の取り組みによってもたらされた結果は次の3点です。

 

  • 2019年以降、男性の育休取得率100%を継続して達成
  • コミュニケーションの活性化
  • 社外からの評価の向上

夫婦のみならず、上司・同僚とのコミュニケーションが頻繁に交わされていれば、スムーズに育休を取得しやすい雰囲気づくりが期待できます。そのため、積水ハウスでは、男性の育休取得率100%の達成だけでなく、チーム間でサポートし合う社風や協力体制の構築、社員のモチベーションアップなどのメリットも生じているようです。

 

男性の育休取得に対して社員一人ひとりの理解が得られれば、自然とパタハラの防止にもつながるでしょう。

 

【参考記事】

積水ハウスグループの取り組み|IKUKYU.PJT|積水ハウス

男性育休は経営戦略 「取得率100%」積水ハウスの意識改革|朝日新聞社

「イクメン企業アワード 2020」でグランプリを受賞|積水ハウス

 

いま労働者が求めるべき、企業が講ずるパタハラ対策

パタハラが発生すると職場の雰囲気が悪くなるうえ、社外にその事実が漏れれば採用や他社との取引にまで影響する可能性があります。

企業としては、どのようにパタハラ対策をおこなえばいいのでしょうか。

 

社内で父親の育児参加についての理解を深める

パタハラを起こさないためには、職場の理解が大切でしょう。

先に紹介したイクメンアワード受賞企業では、育休取得者のサポートだけでなく、上司や同僚の意識改革にも積極的に取り組んでいるようです。

今の時代は男性が育休を取得したり、子供の行事や病気による遅刻・早退をしたりするのは当たり前だという認識を全ての社員がもてば、パタハラの防止にもつながるでしょう。

 

ひと昔前は、「男性は仕事」「女性は家庭」の役割分担が当たり前だったかもしれません。しかし、昨今は男性の育児参加に対する意識も変わりつつあるようです。

実際、積水ハウス株式会社が2022年におこなった調査によると、「家事・育児に幸せを感じている」と回答した男性は81.4%にも上り、79.6%の男性が「子育てを楽しみ、家事や育児に積極的に関与している」と回答しました。

【参考記事】男性育休白書2022|積水ハウス

 

男性の積極的な育児参加が進むことで、配偶者である女性の精神的な安定や社会復帰も期待でき、結果的に社会全体の働き方改革につながる可能性もあります。

 

そのためには、上司や同僚からの父親の育児参加に対する理解が求められるでしょう。たとえば、仕事が終わってすぐに帰ろうとする人に飲みに行くことを強要したり、断られたからといって「ノリが悪い」などの陰口を叩いたりすることは、パタハラにあたるという意識をもつことが大切です。

 

セミナーや勉強会の実施

社内で男性の育児休業に関するセミナーや勉強会を開き、父親の育児参加の大切さを啓蒙する活動をするのもひとつの方法です。

 

前述したように、ひと昔前と現代では父親の育児参加に対する認識が違うことも考えられるため、育休取得について管理職世代の理解を得られにくい可能性もあります。そのため、管理職層にセミナーや勉強会で積極的に働きかけ、快く部下の育児参加を後押しできるような意識改革をすることが大切です。

 

表彰されることを目的とする

厚生労働省では、イクメンプロジェクトの一環として「イクメン企業アワード」を実施しています。応募要件は以下のとおりです。

 

  1. 直近1年間(2019年4月~2020年3月)の男性従業員の育児休業取得率が全国平均の6.16%(2018年度雇用均等基本調査の値)を超えていること
  2. 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、都道府県労働局へ届出をしていること
  3. 育児・介護休業法などの関係法令に関する義務規定違反がないこと
  4. その他の法令上または社会通念上、表彰するにふさわしくないと判断される問題を起こしていないこと
  5. 過去にグランプリを受賞していないこと

 

【参考記事】イクメン企業アワード2020|イクメンプロジェクト

 

審査項目としては、「男性の育児休業などの取得促進、積極的な育児の推進の取り組み」「仕事と育児を両立できる職場環境の整備」などが挙げられています。

 

このような社外からの表彰に社内一丸となって取り組むことで、当初の目的は「表彰されること」であったとしても、最終的にパタハラを起こさせない職場環境づくりにつながるかもしれません。

 

また、この表彰を受けることで対外的なアピールにもつながり、取引を希望する企業や採用試験の応募者が増えるなどの相乗効果も期待できるでしょう。

 

ハラスメントの相談窓口設置の義務化

2020年の労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)の施行により、2022年4月から、会社規模に関わらずハラスメント相談窓口の設置が義務付けられました。企業は社内でパタハラを含めたハラスメントに関する相談担当者を定めたり、社外の機関に相談窓口を委託したりしなければいけません。

このような窓口を設置することにより、パタハラを受けても迅速に相談・解決できるのはもちろん、「訴えられたくない」という気持ちがパタハラの抑止力につながることも期待できるでしょう。

【関連記事】パワハラ防止法とは何か|概要や成立背景・違反時の罰則まで詳しく解説

 

パタハラを受けた場合にはどうすればよいか

パタハラを受けた際は、その内容についてできるだけ詳しくメモに残しましょう。訴えを起こすときの証拠になると考えられるからです。

 

また、恒常的にパワハラを受けている場合には、ボイスレコーダーやスマートフォンなどに相手の発言を録音してください。

 

そして、会社のハラスメント相談窓口にすぐに相談しましょう。もし社内の相談窓口には相談しにくいのであれば、労働組合やハラスメント問題に詳しい弁護士、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)など、外部機関への相談を検討してください。

【参考記事】育児休業法等に関する相談に応じる雇用環境均等(部)室|厚生労働省

【関連記事】 ハラスメントの社外相談窓口7選の概要と相談時のポイント・注意点を解説

 

パタハラが起きてしまった場合の企業としての対処法

もしパタハラが起きてしまったら、企業としてまずやるべきことは事実確認です。パタハラの加害者や被害者、周囲の人から情報収集し、正しい事実関係を確認・把握することが大切です。

 

パタハラが起きていたことが確定したら、パタハラを受けた人のメンタルフォローをおこないます。もし、不当な処分や育休取得の妨害を受けていた場合には、処分を取り消したり育休取得を認可したりします。

 

また、パワハラをした人に対する適切な指導や処分も検討します。たとえば、パタハラ被害者がパタハラ加害者に対して配置転換などを希望する場合には、柔軟に対応することが求められます。

 

最後に、パタハラが二度と起きないような再発防止策を作ることが重要です。制度利用の周知や、男性の育休取得を推進するセミナーを開いて、全社員の理解を深めましょう。

 

さらに、なぜパタハラが起きてしまったかの原因究明も大切です。たとえば、人手不足のために育休取得が拒否されたのであれば、新たに人員を確保する必要があるでしょう。企業には、その場しのぎではなく、根本的な解決につながるような対策が求められます。

 

パタハラが起こりにくい環境にするための助成金

厚生労働省都道府県労働局では、「両立支援等助成金制度」を設け、企業が従業員の育児と仕事の両立を支援することを後押ししています。

 

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

出生時両立支援コースでは、中小企業を対象に、父親となる男性社員が育児休業を取得しやすい環境整備に取り組み、次の条件を満たした場合に第1種・第2種に分けて助成されます。

 

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

出生時両立支援コースでは、中小企業を対象に、父親となる男性社員が育児休業を取得しやすい環境整備に取り組み、次の条件を満たした場合に第1種・第2種に分けて助成されます。

第1種

育児休業取得

産後8週間以内に連続5日以上の育児休業を取得

20万円

代替要員加算

育休中に代替要員を新規雇用

20万円

3人以上:45万円

第2種

第1種の助成金を受け取り、男性社員の育児休業取得率を3年以内に30%以上上昇させた事業主

達成までの期間が

1年以内:60万円(※75万円)

2年以内:40万円(※65万円)

3年以内:20万円(※35万円)

(※)生産要件を満たした場合の金額

【参考記事】2022年度 両立支援等助成金のご案内|厚生労働省

 

育児休業等支援コース

育児休業等支援コースでは、男女社員の育児と仕事の両立を支援した企業に対して、以下の助成金が支給されます。ただし、①~④は中小企業に限定されています。

①育休取得時  

※1事業主につき2人まで

28万5,000円(※36万円)

②職場復帰時

※1事業主につき2人まで

28万5,000円(※36万円)

ただし、育休取得時を受給している場合のみ

③業務代替支援

※1事業主につき同一年度内10人まで

● 新規雇用:47万5,000円(※60万円)
● 手当支給等:10万円(※12万円)

ただし、有期労働者を雇用した場合、9万5,000円(※12万円)を加算

④職場復帰後支援

制度導入時

※制度導入のみの申請は不可

28万5,000円(※36万円)

制度利用時

※最初の申請から3年以内5人まで。

A:200時間(※240時間)まで

B:20万円(※24万円)まで

A 子の看護休暇:1,000円(※1,200円)×時間

B 保育サービス費用補助制度:実質利用額の3分の2

⑤新型コロナウイルス感染症対応特例

※10人まで、上限50万円

1人あたり5万円

(※)生産要件を満たした場合の金額

【参考記事】2022年度 両立支援等助成金のご案内|厚生労働省

 

これらの助成金は、企業にとっても金銭的なメリットが大きい助成金といえるでしょう。中小企業を中心に助成される制度なので、この助成金の存在が広く認知されれば、中小企業の育休支援が進み、男性でも育休が取りやすくなるかもしれません。

 

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まとめ

パタハラは、男性の育児参加の推進が最近の取り組みということもあり、注目度が低く表面化しにくい問題です。しかし、育児への参加を希望する男性にとって、パタハラによる精神的なダメージははかり知れないものでしょう。

 

パタハラの具体的な内容としては、男性社員の育児休業取得を妨害されたり、心ない言葉を投げかけられたりすることがあるようです。

 

企業にとっては、パタハラがあると社員の士気が下がるだけでなく、パタハラの事実が世間に明るみになるとブランドイメージの低下も起こり得るため、パタハラがない環境づくりに努めることが大切です。

 

育児・介護休業法が改正されたことにより、男性社員が育児休業を取得しやすい社会になることが期待されます。もしパタハラの被害にあった場合は、社内相談窓口や労働組合、ハラスメント問題に詳しい弁護士などに早めに相談することをおすすめします。

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この記事の監修者
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齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
女性のセクハラ被害解決を得意とする弁護士。慰謝料請求や退職を余儀なくされた際の逸失利益の獲得に注力。泣き寝入りしがちなセクハラ問題、職場の女性問題に親身に対応し、丁寧かつ迅速な解決を心がけている。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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