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ハラスメント被害者がとるべき対応|泣き寝入りしないためにはどうする?

更新日
このコラムを監修
東日本総合法律会計事務所
加藤 惇
弁護士
ハラスメント被害者がとるべき対応|泣き寝入りしないためにはどうする?

職場や学校、取引先などでハラスメントを受けてしまい、「どう対応すればいいかわからない」「波風を立てたくなくて我慢している」という方も少なくないのではないでしょうか。

ハラスメントは決して我慢すべき問題ではなく、適切な対応を取ることで状況を改善したり、被害を止めたりすることが可能です。

しかし、初動を誤ると証拠が残らなかったり、相談しても取り合ってもらえなかったりするリスクもあります。

この記事では、ハラスメント被害者が泣き寝入りしないために取るべき具体的な対応を、初期対応から相談先、注意点までわかりやすく解説します。

「今すぐ何をすべきか」を整理したい方は、ぜひ参考にしてください。

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ハラスメント被害者のとるべき対応とは?泣き寝入りはNG!

ハラスメントの被害に遭うと、どうしていいかわからず、ひとりで悩んでしまいがちです。

しかし、正しい対処法を知っておけば、落ち着いて行動できるようになります。

ここでは、被害者がとるべき主な対応を、具体的な手順とともに見ていきましょう。

自分が受けているのがハラスメントに該当するか確認する

まずは、自分が受けた行為を客観的に整理して、ハラスメントに当たるのか確認しましょう。

主なハラスメントの種類を、以下の表にまとめました。

■主なハラスメントの種類

種類 概要
パワーハラスメント(パワハラ) 職場での地位や優位性を利用し、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為です。
殴るなどの暴力だけでなく、無視や暴言、過剰なノルマの押し付けなども含まれます。
セクシャルハラスメント(セクハラ) 相手の意に反する性的な言動により、不快感や不利益を与える行為です。
体を触る、性的な冗談を言う、食事にしつこく誘うなどが該当します。
モラルハラスメント(モラハラ) 言葉や態度による精神的な暴力や嫌がらせです。
「無視する」「睨む」「ため息をつく」「馬鹿にする」といった態度で相手を追い詰める行為が該当します。
マタニティハラスメント(マタハラ) 妊娠・出産・育児をきっかけとする嫌がらせや不利益な取り扱いです。
「妊娠して迷惑だ」「育休を取るなら辞めろ」といった発言や、制度利用の妨害などが該当します。
ケアハラスメント(ケアハラ) 家族の介護をしながら働く人に対する嫌がらせです。
介護休業の取得を妨害したり、介護のための時短勤務に対して嫌味を言ったりする行為が該当します。
アルコールハラスメント(アルハラ) 飲み会の席などで、飲酒に関連した嫌がらせをすることです。
お酒を無理やり飲ませる、酔った勢いで迷惑行為を働く行為などが含まれます。

該当する行為を受けていないか、確認してみてください。

相手にハラスメントを拒否する意思表示をする

相手は、自分の言動が嫌がらせになっていると気づいていないかもしれません。

勇気が必要ですが、「不快です」「やめてください」とはっきり伝えてみましょう。

拒否の意思を示せば、相手がハラスメントを自覚し、行為が止まるケースもあります。

面と向かって伝えるのが怖い場合は、メールやチャットなどの文章で伝えるのも有効です。

または、信頼できる同僚に同席してもらい、その場で注意してもらう方法もあります

我慢して受け入れていると「許されている」と勘違いされるおそれがありますので、意思表示は欠かせません。

何をされたか記録し証拠に残す

もし加害者が「そんなことは言っていない」「やっていない」と否定しても、形に残る証拠があれば事実を明らかにできます。

トラブル解決につなげるためにも、ハラスメントの事実を客観的に証明するための証拠を正しい方法で集めておきましょう

有効な証拠の例と集め方

どのようなものが証拠になるのか、集め方のポイントとあわせて表にまとめました。

証拠の種類 集め方・ポイント
録音データ ボイスレコーダーやスマホアプリを使い、暴言や嫌がらせの様子を録音します。
前後の文脈がわかるように、会話の一連の流れを記録しておくと信用性が高まります。
メール・LINE・チャット ハラスメントと思われる内容のメッセージは削除せずに保存します。
相手が送信を取り消す可能性があるため、スクリーンショットを撮影するなどして手元に残します。
日記・メモ 「いつ・どこで・誰が・何をしたか」を詳しく手書きで記録します。
ハラスメントを受けた直後など、記憶が鮮明なうちに記録に残しておきましょう。
医師の診断書 ハラスメントが原因でうつ病になったり、けがをしたりした場合は、医師から診断書をもらいましょう。
ハラスメント行為と心身の不調に関連があることを示す資料になります。
動画・写真 暴力行為や罵声といった被害状況を撮影します。
自分での撮影が難しい場合は、協力者に頼んで撮ってもらう方法もあります。
第三者の証言 現場を目撃していた同僚などの証言も証拠になります。
証言を依頼する場合は、内容を録音させてもらうか、書面に残してもらうと確実です。

信憑性を高めるためにも、なるべく多くの証拠を集めましょう。

社内の専門窓口に相談する

会社に「ハラスメント相談窓口」や「コンプライアンス相談室」が設置されている場合は、相談してみましょう。

社内の担当者に知られるのは不安かもしれませんが、会社として事実確認や指導に動いてくれる可能性があります。

相談を理由に、解雇や異動などの不当な扱いをすることは法律で禁止されているので、安心して相談してください。

もし窓口の担当者が信用できない場合や、そもそも窓口がない場合は、信頼できる上司や人事担当者に相談するのも手です。

会社側には、従業員が安全に働ける環境を整える義務があります。

問題を放置せず、組織として対応してもらうことで解決につながるケースもあります。

外部の窓口に相談する

「社内の人間には相談しにくい」「相談したが取り合ってもらえなかった」という場合は、会社の外にある窓口を利用しましょう。

自分の状況に合った窓口を使うことで、解決の糸口が見つかるかもしれません。

具体的な窓口の種類については、次章の「ハラスメント被害の社外相談窓口」の見出し内で詳しく紹介します。

被害の程度によっては慰謝料を請求したり警察に告訴したりすることも可能

ハラスメントによって心身に深い傷を負った場合や、退職せざるを得なくなった場合は、相手や会社に対して慰謝料を請求できる可能性があります。

暴行や脅迫など悪質な行為が見られる場合は、警察に被害届を出して刑事告訴する方法もあります。

ただし、会社との交渉や警察への手続きを自分だけで進めるのは大変です。

自分だけで進めるのが難しいと感じたら、弁護士へ相談しましょう。

弁護士は代理人として、会社との交渉や手続きを全て代行してくれます。

ハラスメント被害の慰謝料相場

ハラスメント被害に対する慰謝料の相場は、10万円~100万円程度です。

ただし、被害の内容や期間によって金額が変わります。

また、弁護士に依頼して裁判をする場合、弁護士費用などで数十万円の出費が必要になります。

苦労して慰謝料を勝ち取っても、費用を差し引くと手元にお金がほとんど残らない、または赤字になってしまうケースもあるのです。

不安であれば、無料の法律相談を利用して、費用の見通しを確認してみるのがおすすめです。

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ハラスメント被害の社外相談窓口

社内窓口に相談しにくい場合や、会社が対応してくれない場合は、社外相談窓口を頼りましょう。

主な窓口は、以下の4つです。

  • ベンナビ労働問題
  • 総合労働相談コーナー
  • こころの耳
  • みんなの人権110番

ここでは、それぞれの窓口の特徴を詳しく解説します。

自分の状況に合った窓口を選んでください。

ベンナビ労働問題|ハラスメント被害の対応に強い弁護士を簡単に探せる

「ベンナビ労働問題」は、労働問題が得意な弁護士を簡単に探せるポータルサイトです。

お住まいの地域や相談したい内容を選ぶだけで、条件に合う弁護士が見つかります。

弁護士は、相談者の代理人として会社と交渉したり、法的な手続きを進めたりできます。

会社への慰謝料請求や、より確実な解決を望む場合は、弁護士への相談がおすすめです。

初回相談を無料にしている事務所も多いため、費用が気になる場合、まずは無料相談ができる事務所を探してみましょう

総合労働相談コーナー|あらゆる労働問題の相談が可能

「総合労働相談コーナー」は、全国の労働基準監督署や労働局などに設置されている、厚生労働省が管轄する相談窓口です。

解雇や賃金の未払いだけでなく、いじめや嫌がらせなど、職場のあらゆるトラブルについて相談できます。

予約は不要で、費用もかかりません。

面談だけでなく電話での相談も受け付けているため、仕事が忙しい場合でも利用しやすいのが特徴です。

ただし、会社に対して指導や命令をする権限はありません。

あくまでも、解決に向けたアドバイスや情報の提供が中心です。

  • 営業時間:平日9時00分~17時00分

こころの耳|精神的な苦痛について匿名で気軽に相談できる

「こころの耳」は、働く人のメンタルヘルス(心の健康)をサポートするポータルサイトです。

ハラスメントがつらくて気分が落ち込んでいる、眠れないといった悩みがある場合の利用が適しています。

名前を明かさずに匿名で相談できるため、個人情報が気になる人も安心です。

電話やメールのほか、SNS(LINEなど)でも相談を受け付けています。

サイト上には、自分のストレス度をチェックできる機能や、ストレスを減らすための情報も掲載されているので、状況に応じて利用してみましょう。

相談方法 連絡先(電話番号) 受付時間
電話 0120-565-455 ・平日:17時00分~22時00分(受付は21時50分まで)
・土曜日・日曜日
10時00分~16時00分(受付は15時50分まで)
※祝日、振替休日、年末年始(12月29日~1月3日)を除く)
SNS(LINE) https://kokoro.mhlw.go.jp/sns-soudan/
メール https://kokoro.mhlw.go.jp/mail-soudan/ 24時間受付(祝日、年末年始(12月29日~1月3日)を除く)

みんなの人権110番|人権問題について相談できる法務局の窓口

法務省が運営している、差別や虐待、ハラスメントなどの人権問題に関する相談ダイヤルです。

電話をかけると、近くの法務局や地方法務局につながり、法務局職員や人権擁護委員が話を聞いてくれます。

法的な観点から、どのような解決策があるのかを一緒に考えてもらえます。

  • 電話番号:0570-003-110(全国共通)
  • 受付時間:平日午前8時30分~午後5時15分

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ハラスメント被害について弁護士に相談・依頼するメリット

ひとりで会社や加害者に立ち向かうのは、精神的にも大きな負担がかかります。

どうすればよいか迷ったら、弁護士へ相談するのがおすすめです。

弁護士に相談や依頼をすることで、以下のようなメリットを得られるので、トラブルを終局的に解決しやすいです。

  • ハラスメントの証拠集めを支援してもらえる
  • 会社との交渉を代行してもらえる
  • 相手への慰謝料請求を任せられる
  • 刑事告訴の手続きを依頼することも可能

ここでは、それぞれ詳しく解説します。

ハラスメントの証拠集めを支援してもらえる

ハラスメントを認めさせるには、客観的な証拠が必要です。

しかし、ひとりではどのような証拠を集めればよいのか、判断に迷うこともあるでしょう。

弁護士に相談すれば、状況に合わせて「これが証拠になる」といった具体的なアドバイスがもらえます。

何を準備すべきかが明確になるため、証拠集めがスムーズに進むでしょう。

また、会社側が都合の悪い資料を隠したり、内容を変えたりするケースもないとはいえません。

弁護士に依頼すれば、会社に対して必要な証拠を出すように「開示請求」ができます。

会社も弁護士からの請求は無視しにくいため、適切な証拠が集まる可能性が高まるでしょう。

会社との交渉を代行してもらえる

会社や加害者と直接話し合うのは、被害者にとって大きなストレスです。

「お前にも悪いところがあった」「教育の一環だった」などと反論され、傷つけられるおそれもあります。

その点、弁護士に依頼すれば、あなたの「代理人」として相手との交渉を全て代行してくれます。

加害者と顔を合わせる必要がなくなるので、精神的な負担が軽くなるでしょう。

会社側が理不尽な言い訳をしてきても、弁護士なら論理的に反論できます

相手への慰謝料請求を任せられる

ハラスメントによって心に傷を負ったり、通院が必要になったりした場合は、相手に慰謝料や治療費を請求できます。

しかし、相場から外れた金額を請求しても、会社は支払いに応じてくれません。

また、慰謝料請求権には「消滅時効」があり、一定期間を過ぎると請求権が時効により消滅してしまいます。

弁護士は、過去の事例をもとに適切な請求額を計算してくれます。

手続きを速やかに進めてくれるため、権利が消滅するおそれはほぼありません。 

刑事告訴の手続きを依頼することも可能

暴力を振るわれたり、悪質なセクハラを受けたりした場合は、警察に「刑事告訴」ができます。

その結果、有罪判決が下された場合、就業規則の内容や行為の悪質性によっては、懲戒解雇などの重い処分が下される可能性があります。

ただし、自分で警察に訴えるには、「告訴状」という書類の作成や証拠資料の準備など、複雑な手続きが必要です。

弁護士に依頼すれば、このような難しい手続きを全て任せられます。

警察への説明も代わりにしてもらえるため、捜査がスムーズに進みます。

さいごに|ハラスメント被害にあったらなるべく早く適切な窓口へ相談を!

本記事では、ハラスメント被害にあった場合の対応についてわかりやすく解説しました。

職場でのハラスメントは、働く人の心と体を深く傷つける決して許されない行為です。

「自分が我慢すれば丸く収まる」「波風を立てたくない」と考えて、ひとりで耐え続けるのはやめましょう。

証拠を集めたり、相談窓口に連絡したりするのは勇気がいりますが、その行動が解決へのきっかけになります。

自分の身を守るために、早めに周囲の人や外部の機関を頼ってください。

トラブルを根本から解決したい場合や、慰謝料を請求したい場合は、労働問題が得意な弁護士への相談がおすすめです。

弁護士に依頼すれば、会社や相手との交渉を有利に進められます。

労働問題が得意な弁護士を探す際は、「ベンナビ労働問題」を使ってみてください。

ベンナビ労働問題なら、ハラスメントの解決実績が豊富な弁護士を、地域や相談内容に合わせて簡単に探せます。

初回の相談料を無料にしている事務所も多く載っています。

悩みを解決するためにも、ぜひご活用ください。

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加藤 惇
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本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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