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労働基準監督署へは無料で相談できる?電話などで24時間相談できる窓口は?

更新日
鎧橋法律事務所
星野 聖子
このコラムを監修
労働基準監督署へは無料で相談できる?電話などで24時間相談できる窓口は?

「会社から不当解雇された」「サービス残業を強いられる」「労災を申請させてもらえない」など、会社での働き方や待遇についてトラブルや不当な扱いに直面している場合、労働基準監督署への無料相談で解決できる可能性があります。

しかし労働基準監督署へ行くことに慣れておらず、無料相談をすることに抵抗を感じている方もいるのではないでしょうか?

労働基準監督署に無料相談すると、専門家からアドバイスをもらえたり、勤務先に指導をしてもらえたりすることもあるため、労働問題で困っている場合は、活用できないかどうかを検討するとよいでしょう。

しかし、労働基準監督署へ相談すると必ず問題を解決できるとはいえないため、あらかじめメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。

この記事では労働基準監督署に相談する方法や相談できる時間帯のほか、労働基準監督署へ相談することのメリット・デメリットを解説していきます。

24時間相談できる他の窓口も紹介していますので、会社とのトラブルなどを抱えている方はぜひご覧ください。

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労働基準監督署へは対面・電話・メールで無料相談が可能

労働基準監督署への相談方法は、対面・電話・メールの3つです。

次の項目から、労働基準監督署に相談できる内容や受付時間などを解説していきます。

労働基準監督署等への相談方法・受付時間

労働基準監督署等への相談方法は対面・電話・メールがあり、それぞれの受付時間や相談先は以下のとおりです。

相談方法 受付時間 相談先
労働基準監督署窓口 ・平日9時00分~17時00分
※各労働基準監督署によって異なる
全国の労働基準監督署
都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧
電話 労働基準監督署
労働条件相談ほっとライン ・平日17時00分~22時00分
・土日祝9時00分~21時00分
0120-811-610
労働条件相談ほっとライン公式サイト
メール 24時間365日 「労働基準関係情報メール窓口」

なお、労働条件相談ほっとラインとは、厚生労働省の委託事業によって運営される相談窓口で、労働基準監督署の相談窓口ではありませんが、時間外労働や不当解雇やパワハラなどの労働問題に対して、専門知識を持つ相談員が専門的なアドバイスをしたり、関係機関や相談窓口などの紹介をする窓口です。

平日は22時まで、土日祝日は21時までと、労働基準監督署窓口での相談が難しい時間帯でも、労働問題について相談できます。

労働基準監督署へ相談できる内容

労働基準監督署に相談できる内容は、次のような労働関連法規に違反する内容です。

【労働基準監督署へ相談できる内容】

  • 賃金の未払い・不払い
  • サービス残業
  • 労災隠し
  • 健康診断の不実施
    など

労働基準監督署は、労働基準法などの関係法令に関する各種届出の受付、監督指導・相談のほか、機械や設備設置関連の届出の受付、労災保険給付などを担当する、厚生労働省の機関です。

そのため、あなたが労働基準法などの関係の法令に違反していると思われる事案について相談すると、会社に是正を求めるなどの改善措置を図ってくれる可能性があります。

労働基準監督署に相談するとどうなる?相談するメリットは?

労働基準監督署へ無料相談することには、労働者にとって以下の2つのメリットがあります。

【労働基準監督署に相談するメリット】

  • 労働基準法違反があれば会社へ監督・指導勧告してくれる可能性がある
  • 法律に詳しい職員からアドバイスをしてもらえる

上記のとおり、労働基準監督署に相談するメリットは、あなたが直面している問題が無料で是正される可能性があるところや、専門性の高い職員から具体的なアドバイスを受けられるところです。

次の項目から、労働基準監督署へ相談する2つのメリットを見ていきましょう。

労働基準法違反があれば会社へ監督・指導勧告してくれる可能性がある

労働基準監督署は会社側に労働基準法違反があれば、是正勧告をしてくれます。

たとえば「サービス残業を強いられている」という相談があれば調査し、本当にサービス残業があるのであれば事業者に対して是正勧告等の文書指導をします。

労働基準監督署の仕事には、労働関係法規に違反している事業者に対し、是正を求めることなどが含まれるため、事業所に違法行為がある場合、証拠とともに訴えることで、会社へ是正勧告等をしてもらい問題点の根本的改善を期待できるでしょう。

法律に詳しい職員からアドバイスをしてもらえる

法律に詳しい職員からアドバイスを受けられる点も、労働基準監督署へ無料相談をするメリットです。

電話や窓口で相談に応じてくれるのは、労働問題関連の事務に携わる職員であるため、過去の事例などを参考にしながら適切なアドバイスをしてくれるでしょう。

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労働基準監督署に相談するデメリットは?

労働基準監督署へ相談することには以下の3つのデメリットもあるため、理解しておきましょう。

【労働基準監督署に相談するデメリット】

  • 証拠がないと対応してくれない可能性がある
  • 必ずしも相談者の味方になってくれるとは限らない
  • 会社に対し強制力のある命令はできない

ここからは、上記の「労働基準監督署に相談するデメリット」を順に解説していきます。

証拠がないと対応してくれない可能性がある

労働基準監督署へ相談しても、証拠がないと対応してもらえない場合があります。

労働基準監督署には、労働関係法令の違反に関するさまざまな相談が寄せられるため、信憑性や悪質性、緊急性の高い相談内容から対応が開始される可能性があります。

そのため、労働基準監督署に相談する際には、会社が労働関係法令に違反しているという証拠を用意しておくことをおすすめします。

具体的には、以下のような給料未払いや残業代未払い、休暇を取得させてくれないことがわかる証拠を用意しましょう。

【労働基準監督署に相談する際の証拠(例)】

  • 雇用契約書
  • 就業規則
  • 賃金規定
  • 給与明細
  • タイムカード
  • 勤務時間記録
  • パソコンの稼働履歴
  • メールの送信記録
  • 雇用契約書
  • 賃金規定
  • 勤務記録
  • 音声録音や動画

証拠に基づいて、会社が違法行為をしていると相談すれば、信憑性・悪質性・緊急性が高いと判断されやすいため、労働基準監督署が迅速に動いてくれる可能性が高くなります。

一方、証拠がない場合や、労働基準監督署が忙しいタイミングなどでは、期待通りの対応をしてもらえない可能性がある点をおさえておきましょう。

必ずしも相談者の味方になってくれるとは限らない

労働基準監督署は、事業所が労働関連法規に違反していないかどうか、監督指導などをする機関で、必ずしも相談者の味方というわけではありません。

また、労働者が深刻なパワハラなどにあっていると相談したとしても、基本的には労働基準監督署はパワハラの相談に乗ることはなく、総合労働相談コーナーの窓口などを案内されることになります。

会社に対し割増賃金等を支払わせることはできない

労働基準監督署は、相談者の求める内容について、事業者に対して命令する権限を有しているとは限らない点にも注意が必要です。

たとえば労働基準法第37条には時間外、休日及び深夜の割増賃金について、以下のように記載されています。

第三十七条使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
引用:労働基準法|e-Gov法令検索

事業者が残業代を支払わない場合は労働基準法第37条違反となるため、労働基準監督署は「残業代を支払うように」と是正勧告等の文書指導をできますが、強制的に残業代を支払わせる権限はもっていません。

もちろん、労働基準監督署が勧告をしても残業代の支払いをしない会社には、会社名を公表したり、刑事事件として送検したりといった対応がされることはありますが、万が一、会社が刑事罰を受けることや社名の公表を辞さないと考えているようなケースでは、労働基準監督署へ相談しても問題を解決することは難しいでしょう。

労働基準監督署の労働相談は24時間体制でない?無料で24時間相談できる窓口は?

土日祝日や夜間は労働基準監督署への相談ができないため、少しでも早く相談したい方などに向けて、労働基準監督署以外の相談窓口を解説します。

次の項目から、遅い時間まで相談可能な弁護士を効率よく探す方法や、24時間の労働相談が可能な窓口を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「ベンナビ労働問題」なら比較的遅い時間まで相談可能な弁護士を探せる

事業者とのトラブルや会社の違法行為に関する相談は、「ベンナビ労働問題」がおすすめです。

「ベンナビ労働問題」とは、未払い残業代請求や不当解雇など、労働問題の解決に実績のある弁護士を探して電話・メール・オンラインなどで相談できるサイトです。

労働問題を得意とする弁護士を24時間探すことができるうえ、「オンライン相談可」「初回の面談相談無料」などの検索条件を設定できる点が、「ベンナビ労働問題」のメリットです。

「ベンナビ労働問題」で頼れる弁護士を見つけられると、労働基準監督署では相談が難しい、いじめやハラスメントなどの相談も可能ですし、法的手段をとる際の対応も依頼できます。

相談内容や地域を設定して検索することができ、各法律事務所の営業時間・最寄り駅・取扱分野なども一覧に表示されるため、早く理想の弁護士を見つけたい場合なども「ベンナビ労働問題」を活用しましょう。

そのほか、メールでなら24時間体制で労働相談を受け付けている窓口の例

「ベンナビ労働問題」のほかにも、次のような窓口でメールであれば24時間労働相談を受け付けています。

労働相談ホットライン
メール受付時間 24時間
労働相談メールフォーム
電話受付時間 平日10:00〜17:00
※地方によって受付時間が異なる
備考 全国労働組合総連合(全労連)が受け付けている労働相談に関する窓口
公式サイト https://www.zenroren.gr.jp/jp/soudan/
なんでも労働相談ホットライン
メール受付時間 24時間
労働相談メール受付ページ
電話受付時間 窓口によって異なる
備考 日本労働組合総連合(連合)が受け付けている労働相談に関する窓口
公式サイト https://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/

上記の相談先は、全国労働組合総連合や日本労働組合総連合会が受け付けている相談窓口であるため、労働者目線で相談にのってくれると考えられます。

ハラスメントなど、労働基準監督署では相談を受け付けてもらえないような内容の相談もできるため、気軽に相談してみましょう。

さいごに | 労働問題で困ったら弁護士へ相談を!

賃金や残業代の未払い、有給を取得させてくれないなど、会社が労働関係法令に違反している場合、労働基準監督署へ相談すると適切なアドバイスを受けられ、会社への是正勧告をしてもらえる可能性があります。

労働基準監督署は所轄の事業所が労働関係法令に違反していないかどうかを監督する機関ですので、「労働関係法令に違反している」とわかる証拠を用意して相談すれば、適切に対応してくれます。

ただし、労働基準監督署は労働関係法令違反に関する内容は相談できますが、労働関係法令の範囲外とされるいじめやハラスメントの相談などには不向きです。

また、労働基準監督署ができるのは是正勧告までで、事業所に割増賃金等の支払いを強制することはできないため、必ずしも労働者の方が直面している問題を解決できるとは限りません。

労働者の立場になって、相談にのってくれる相手を探している場合、弁護士がおすすめです。

弁護士であれば、労働基準監督署では解決できない問題であっても、あなたの希望をしっかり聞いて対策を講じてくれます。

なお、「どの弁護士へ相談したらよいか分からない」という方は、労働問題の解決に実績のある弁護士を探し、電話・メール・オンラインで相談できるサイト「ベンナビ労働問題」を活用しましょう。

「ベンナビ労働問題」なら、比較的遅い時間まで相談可能な弁護士を効率よく探せるので、ぜひご活用ください。

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この記事の監修者
鎧橋法律事務所
星野 聖子 (第一東京弁護士会)
企業法務、一般民事事件、刑事事件、行政事件など幅広い分野の法律問題に対応した経験を有しています。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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