失業保険で受け取れる手取り額の計算方法は？具体的な計算を例とともに解説

実際に、失業保険でもらえる金額を算出するための計算は存在します。

手当の受給希望者には、受け取れる手取り額がどれくらいなのか、気になる方が多いでしょう。

失業保険は、申請する人によって受け取れる金額は変わります。

本記事では、失業保険の手取り額はどうすればわかるのかを解説します。申請を予定している方は、ぜひ内容を参考にしてください。

あわせて読みたい⇒退職後にもらえる給付金にはどんな種類がある？給付金の一覧と受け取り条件を紹介

失業保険で受け取れる手取り額の計算方法

本項では、失業保険でもらえる手取り金額を知りたい方に向けて、段階ごとに計算方法を解説していきます。

自己都合や会社都合でも金額が変わるので、退職理由に合わせてチェックしてみましょう。

前職でもらっていた賃金日額を算出する

はじめに、以前勤めていた職場の給与を1日あたりに換算した金額である、賃金日額を計算します。

計算方法としては、前職を辞める直前の6ヵ月分の給与を180で割れば算出できます。

たとえば、前職の月収が30万だった場合の計算は、以下のとおりです。

賃金日額＝30万×6÷180＝1万

つまり、以上の計算によると、月収30万円だった離職者の賃金日額は1万円となります。

失業保険の基本手当日額を算出する

次に、失業保険の基本手当日額を計算します。基本手当日額とは、失業保険で支給される金額を、1日あたりに換算した金額です。

おもな計算方法は以下のとおりです。

基本手当日額＝賃金日額×給付率

給付率は年齢によっても異なります。ただ、大まかには50〜80％で定められるのが基本です。

前項で求めた賃金日額が1万円だった場合、計算式で算出される金額は以下となります。

1万×50～80%＝5,000～8,000円

つまり、月収30万円であった離職者の基本手当日額は、5,000～8,000円となります。

自己都合で退職した人の支給期間を算出する

自己都合で仕事を辞めた場合、失業保険の支給期間が短めに設定されます。

自己都合退職とは、おもに職場に不満があった場合や、キャリアアップのために新天地で活躍しようと考え退職した場合をいいます。

おもに、会社の都合は関係なく、自分自身の都合で辞めたケースです。

自己都合で退職した場合、支給期間は以下の表のとおりになります。

雇用保険の加入期間	支給期間
1年未満	90日
1年以上5年未満	90日
5年以上10年未満	90日
10年以上20年未満	120日
20年以上	150日

自己都合で退職した場合、支給期間に年齢は問われません。

また、同じ自己都合の退職であったとしても「特定理由離職者」という枠が存在します。

特定理由離職者に該当すれば、雇用保険に加入していた期間が、6ヵ月間だけだったとしても支給されます。ただし、6ヵ月とは離職する直前の1年間です。

【参考記事】基本手当の所定給付日数｜ハローワーク インターネットサービス

会社都合で退職した人の支給期間を算出する

次に、会社都合で退職した人の支給期間についてです。失業保険は、定められた支給期間によっても変わります。

会社都合退職とは、自身は働きつづける意思があるにも関わらず、会社側の事情によって退職を余儀なくされたケースです。

会社都合で退職した場合の支給期間を以下の表に示します。

	雇用保険の加入期間
離職時の年齢	1年未満	1年以上5年未満	5年以上10年未満	10年以上20年未満	20年以上
30歳未満	90日	90日	120日	180日	ー
30歳以上35歳未満		120日	180日	210日	240日
35歳以上45歳未満		150日		240日	270日
45歳以上60歳未満		180日	240日	270日	330日
60歳以上65歳未満		150日	180日	210日	240日

上記の表のように、会社都合であれば、被保険者期間に加えて年代によっても支給期間が変動します。

複雑に分けられているため、会社都合で仕事を辞めた方は支給期間を誤って認識しないよう十分に注意しましょう。

【参考記事】基本手当の所定給付日数｜ハローワーク インターネットサービス

1ヵ月に支給される手当の額を算出する

支給期間が算出できた後は、1ヵ月に支給される手当の金額を計算しましょう。

1ヵ月といっても、基本的に4週間分、つまり28日分が支給されます。つまり、1ヵ月にもらえる額は、基本手当日額（失業保険の1日あたりの額）に28をかけることで計算ができます。

たとえば、基本手当日額が8,000円であるとすると、失業保険4週間分の金額は以下のように計算します。

8,000×28＝22万4,000円

以上の計算から、月収30万円の人が受け取れる失業保険の手取りは、基本手当日額を8,000円とすると22万4,000円です。

失業保険で受け取れる手取りの計算例

本項では、年代や月収ごとに失業保険の手取りを例として示します。

以下で解説する内容は、あくまでも例であり、実際の月収や給付率とは異なる場合もあるので注意してください。

20代で退職した人の場合

以下の表は、前職の手取り月収が20万円だった20代退職者と仮定したものです。

表の内容をもとに、受け取れる失業保険の手取りを計算式にあてはめて算出します。

雇用保険の加入期間	4年
前職の手取り月収	20万円
給付率	50~80%

上記の内容で計算すると、失業保険の手取りは以下の金額です。

（20万×6÷180）×50～80%×28＝9万3,333～14万9,333円

金額は給付率によっても異なります。また、雇用保険の加入期間についても考慮しましょう。

30代で退職した人の場合

続いて、月収の手取りが30万円であった30代の退職者を仮定します。

雇用保険の加入期間	12年
前職の手取り月収	30万円

上記の内容と仮定した、退職者が受け取れる失業保険の手取りは、以下の計算式のとおりです。

(30万×6÷180）×50～80％×28＝14万～22万4,000円

20代と比較すると、およそ数万円ほど高くなる計算となります。

40代で退職した人の場合

最後に、前職の手取り月収が40万円であった40代の退職者を以下の表にて仮定します。

雇用保険の加入期間	20年
前職の手取り月収	40万円

上記の期間・月収を仮定した場合に、失業保険の手取りがいくらになるのかを以下のように計算しました。

（40万×6÷180）×50～80％×28＝18万6,666～29万8,659円

20～40代の手取り額を見ると、年齢と被保険者期間が長くなるにつれて、失業保険の手取り金額が多くなる傾向にあります。

失業保険が申請できる条件

本項では、失業保険が申請できる条件に当てはまる人の特徴は以下のとおりです。

• 失業状態にある人
• すぐに働ける状態にある人
• 退職する直前の2年間に雇用保険へ12ヵ月以上加入していた人
• 積極的に求職活動をおこなっている人

失業状態にある人

失業保険の受給を申請できる条件として、仕事を辞めて失業状態にある人が前提として挙げられます。

名前のとおり、失業保険は「現時点で仕事がない状態」でなければもらえない制度です。

また、失業が決まったとしても、正式に退職していない限り、申請しても受け取れません。

きちんと退職の手続きを終えたうえで、無職状態になったのち申請しましょう。

すぐに働ける状態にある人

失業保険を受けられるのは、すぐに働けるにもかかわらず、就職できない状態にあることもひとつの条件です。

具体的には、体調不良や家庭の事情などの問題がなく、就職先が決まればすぐに働ける人が該当します。

例として、以下の項目に該当する場合、失業保険は受けられません。

●病気やけがのため、すぐには就職できないとき
●妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
●定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき
●結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき
引用元：基本手当について｜ハローワーク インターネットサービス

失業保険に申請する際は、退職した後の都合を事前に把握しておきましょう。

退職する直前の2年間に雇用保険へ12ヵ月以上加入していた人

失業保険を受給できる条件として、退職する直前に加入していた雇用保険の期間も関与します。

ただし、自己都合の退職と会社都合の退職によって定められる期間が変動します。

自己都合で仕事を辞めた場合は、本条件で定められたとおりです。

一方で、会社都合で退職した人は条件が緩和され、退職する直前の期間が1年間に、雇用保険への加入期間は6ヵ月と定められます。

また、会社都合のみならず、自己都合でも「特定理由離職者」とみなされた場合でも緩和された条件です。

積極的に求職活動をおこなっている人

失業保険を受給するのであれば、求職活動を積極的におこなっている実績を提示しなくてはいけません。

そもそも、失業保険は無職状態にあるからといって、申請できる制度ではないのです。

自身で求職活動をおこなうか、もしくはハローワークからサポートを受けており、それでも働ける状態にない場合に申請できます。

失業保険を申請する際は、事前に再就職活動をおこなう実績を作り、またハローワークにて求職の申し込みを済ませましょう。

失業保険を申請する手続きの流れ

本項では、失業保険を申請する手続きの流れを解説します。

申請手続き・受給資格の決定

はじめに、ハローワークへ来所して失業保険の申請手続きを済ませましょう。

ただ、申請する前に「失業保険が申請できる条件」で解説したとおり、まずは求職の申し込みをおこなったほうが得策です。

条件を全て満たしていれば、受給資格を得られます。

雇用保険に関する説明会

受給資格が得られた後は、雇用保険の説明会に参加します。

待機期間

受給資格を認められた翌日以降、基本的にどの受給者にも7日間の待機期間が設けられます。

待機期間中は、手当が支給されません。また、期間内にアルバイトなどをおこなうと、収入に関係なく働いた日数分だけ待機期間が延長されます。

失業保険の支給・再就職活動

待機期間が満了したのち、失業手当が支給されます。しかし、自己都合で仕事を辞めた場合、待機期間に加えて2～3ヵ月の給付制限が課されるため注意が必要です。

手当を受け取っている間は、積極的に再就職活動をおこないましょう。

失業認定の更新

4週間に一度、失業認定の更新がおこなわれます。必ず、忘れずにハローワークへ向かいましょう。

更新日に、再就職活動をおこなっているかどうかがチェックされるので、実績の証拠を提示してください。

関連記事：失業保険を受け取る流れをわかりやすく解説！計算方法や期間についても紹介

正確な手取り額を受け取れるかが不安な方におすすめのサポートサービス

ここまで失業保険における手取り額などについて説明してきましたが、「具体的にどのように申請して受給すればいいかわからない...」とお困りの方も多いと思います。

そこでそんな方におすすめなサポートサービスについてここでは紹介していきますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

失業保険サポート

• 申請の流れをしっかりサポート
• 支給期間が延びる可能性も
• 再就職後のサポートもお任せ

失業保険サポートは、はじめての申請で不安を抱える相談者に親身に寄り添い、心強い味方となってくれるサービスです。

複雑な手続きを、わかりやすく教えてくれるため、安心して申請に踏み切れます。

また、ハローワークからは「支給期間は3ヵ月」と言われた場合でも、サポートにより10ヵ月まで延ばせるサポートも可能です。

再就職後にもらえる「再就職手当」も、最大120万円を一括で受け取れる手配もおこなうのでぜひ相談してください。

公式サイト：https://shitsugyouhoken-support.com/lp1/

社会保険給付金サポート

• 退職後の生活も全力サポート！給付金の受け取り損ねを未然に防ぐ
• 給付金受給率は97%＆大きなトラブルなくスムーズなサポートを実施
• 全額返金保証付きだから無駄な支払いは発生しない

社会保険給付金サポートは、相談者の退職後を親身になってサポートし、安心して再就職へ導くサービスです。

本来受け取れるはずの給付金を、満額もらえるためのお手伝いをおこないます。

また、本サービスに相談した離職者の給付金受給率が、97%を誇っているところも魅力です。

これまで、大きなトラブルもなく、スムーズなサポートをおこなっているので安心して任せてください。

全額返金保証付きのため、万が一給付金が受け取れなかったとしても、無駄な支払いは一切ありません。

退職後の生活が不安な方は、とくに相談してみましょう。

公式サイト：https://www.taishoku-concierge.jp/si-support/

まとめ｜失業保険の手取り額は退職者によって異なる

失業保険の手取り金額は、退職者によって異なります。退職時の年齢や、雇用保険にどれくらい入っていたか、また前職の月収などが関係します。

失業保険は、年齢が高く、手取りの月収が高かった人ほどもらえる金額が増える傾向にあります。

現在、今の仕事を辞めて失業保険の申請を検討している方は、自分がいくらもらえるのかを計算しておくとよいでしょう。

今のうちに、受給期間中の生活の質を把握しておくことをおすすめします。