会社の倒産で退職したときは失業保険を受け取れる？支給額や支給期間と同時に解説

仕事を続けるつもりでも、会社が倒産してしまい、退職を余儀なくされるケースもないとは言い切れません。

仮に、倒産による解雇を受けた場合、ほとんどの社会人が次の予定を決めていないはずです。

なにも決まっていない方は、失業保険に頼り、生活の安定を図ろうと考える方もいるでしょう。

本記事では、会社が倒産してしまい、無職となった社会人の失業保険について解説します。

事前に読みたい⇒退職後にもらえる給付金にはどんな種類がある？給付金の一覧と受け取り条件を紹介

会社が倒産した場合は失業保険をもらえる？

会社が倒産し、解雇せざるを得なくなった社会人でも、失業保険は利用できます。

本項では、無職となった社会人の失業保険について解説します。

会社が倒産した場合の退職は会社都合となる

勤め先が倒産し、仕方なく退職する場合、会社都合の退職として処理されます。

退職には、理由ごとに自己都合と会社都合の2種類が存在します。

自己都合の退職は、キャリアアップや職場に対する些細な不満などを理由に退職する事例です。

次項で、会社都合の退職についての詳細と、適用される例について解説します。

会社都合退職とは

会社都合の退職は、会社側の都合により退職に追い込まれた場合、また辞めざるを得ない場合の退職です。

会社都合での退職は、少なからず失業保険にも良い方向に影響します。

具体的には、給付されるタイミングが早くなったり、給付日数が長くなったりなどです。

失業保険の恩恵を十分に受けたいのであれば、会社都合で退職したほうが有利であるといえるでしょう。

関連記事：会社都合退職とは？条件とデメリット・自己都合との違いや失業保険への影響

会社都合の退職が適用される事例

倒産による解雇は、会社都合として処理されることがハローワークにも言及されています。

ハローワークでまとめられている、倒産により退職した人についての詳細は以下のとおりです。

「倒産」等により離職した者
(1) 倒産（破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続の申立て又は手形取引の停止等）に伴い離職した者
(2) 事業所において大量雇用変動の場合（1か月に30人以上の離職を予定）の届出がされたため離職した者(※)及び当該事業主に雇用される被保険者の3分の1を超える者が離職したため離職した者
※ 事業所において、30人以上の離職者が生じることが予定されている場合は、再就職援助計画の作成義務があり、再就職援助計画の申請をした場合も、当該基準に該当します。
　また、事業所で30人以上の離職者がいないため、再就職援助計画の作成義務がない場合でも、事業所が事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる者に関し、再就職援助計画を作成・提出し、公共職業安定所長の認定を受けた場合、大量雇用変動の届出がされたこととなるため、当該基準に該当します。
(3) 事業所の廃止（事業活動停止後再開の見込みのない場合を含む。）に伴い離職した者
(4) 事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した者
引用元：特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要｜ハローワークインターネットサービス

会社による倒産で退職する方は、事業主側にも「会社都合」として手続きしてもらい、ハローワークへ失業保険を申請しましょう。

関連記事：会社都合で失業手当を受け取れる人はどんな人？メリットやデメリットと合わせて解説

会社都合で退職した人がもらえる失業保険の金額

失業保険を申請してもらえる金額は、年齢によって差が出てきます。

本項では、会社都合で退職した場合に支給される手当の金額を、年代ごとに分けて解説します。

退職したときの年齢が29歳以下の場合

はじめに、退職時の年齢が29歳以下であった場合に給付される手当の金額を、以下の表に示します。

前職の賃金日額	基本手当日額
2,746～5,109円	2,196～4,087円
5,110～12,580円	4,088～6,290円
12,581～13,890円	6,290～6,945円
13,891円	6,945円

賃金日額とは、1ヵ月分の給与を1日分に換算したときの金額です。

また基本手当日額とは、支給される失業保険の手当を、1日分に換算したときの数値を指します。

退職時の年齢が一番低い29歳以下では、もらえる失業保険の金額が少ない傾向にあるようです。

退職したときの年齢が30～44歳の場合

次に、退職したときの年齢が、30～44歳の場合に支給される手当を解説します。

前職の賃金日額	基本手当日額
2,746～5,109円	2,196～4,087円
5,110～12,580円	4,088～6,290円
12,581～15,430円	6,290～7,715円
15,431円	7,715円

30～44歳では、失業保険の上限額が、29歳以下と比較して上昇している傾向にあります。

退職したときの年齢が45～59歳以下の場合

次は、退職時の年齢が45～59歳の場合です。

前職の賃金日額	基本手当日額
2,746～5,109円	2,196～4,087円
5,110～12,580円	4,088～6,290円
12,581～16,980円	6,290～8,490円
16,981円	8,490円

年功序列制度が主流であったこともあり、賃金日額と基本手当日額は、年齢が上がるにつれて上昇傾向にあるようです。

退職したときの年齢が60～64歳以下の場合

最後に、退職時の年齢が60～64歳の場合に支給される、失業保険の金額を表に示します。

前職の賃金日額	基本手当日額
2,746～5,109円	2,196～4,087円
5,110～11,300円	4,088～5,085円
11,301～16,210円	5,085～7,294円
16,210円	7,294円

退職時の年齢は、会社によってさまざまですが、基本的に60～65歳のケースが多いようです。

年功序列であっても、60歳を過ぎると給与は下がる傾向にあり、それに比例して給付金も減少する事例が多くなります。

【参考記事】雇用保険の基本手当日額が変更になります ～令和5年8月1日から～｜厚生労働省

会社都合で退職した人がもらえる失業保険の支給期間

失業保険の支給期間は、雇用保険にどれくらい加入していたかによっても変動します。

加入期間が長ければ長いほど、支給される日数も長くなるようです。本項では、雇用保険の加入期間ごとに、失業保険の支給期間について解説します。

雇用保険の加入期間が1年未満の場合

年齢問わず、雇用保険の加入期間が1年未満であった場合、失業保険の支給期間は90日です。

つまり、新卒で退職する方は、会社都合でない限り失業保険をもらうのは難しくなります。

新卒入社した会社が倒産する場合、雇用保険に6ヵ月以上加入していれば、手当の申請に通過するでしょう。

雇用保険の加入期間が1年以上5年未満の場合

次に、被保険者期間が1年以上5年未満の人の支給期間を、年齢ごとに分けて以下の表に示します。

30歳未満	90日
30代以上35歳未満	120日
35歳以上45歳未満	150日
45歳以上60歳未満	180日
60歳以上65歳未満	150日

とくに支給期間が短くなるのは、20代で退職した場合です。90日しかないため、早めに次の仕事を見つける必要があります。

雇用保険の加入期間が10年以上20年未満の場合

被保険者期間が、10年以上20年未満の人の支給期間は、以下の表のとおりです。

30歳未満	120日
30歳以上35歳未満	180日
35歳以上45歳未満	180日
45歳以上60歳未満	240日
60歳以上65歳未満	180日

10年以上の被保険者期間があれば、最低でも4ヵ月は支給期間が設けられます。

また、30代は約半年の期間が得られるため、比較的時間に余裕がもてるでしょう。

雇用保険の加入期間が20年以上の場合

最後に、雇用保険に20年以上加入していた方の支給期間を、以下の表に示します。

30歳未満	ー
30歳以上35歳未満	240日
35歳以上45歳未満	270日
45歳以上60歳未満	330日
60歳以上65歳未満	240日

20年以上もの被保険者期間は、たとえ中卒で働いた社会人であっても、ある程度の年齢を重ねていなければ不可能でしょう。

最低でも8ヵ月は、手当が支給される期間を保障されるため、再就職活動もさらに余裕をもっておこなえます。

【参考記事】基本手当の所定給付日数｜ハローワーク インターネットサービス

会社が倒産して無職となった人がもらえる失業保険以外の手当

本項では、倒産により退職する人に適用する、失業保険以下の給付金を解説します。

• 退職するまでの賃金・賞与
• 解雇予告手当
• 退職金

退職する直前までの賃金・賞与

退職が決まった際は、当然ながら最終出勤までの給与や、賞与の支払いを請求することになるでしょう。

ちなみに、賞与とはボーナスを指します。退職するタイミングに合わせて、賃金と一緒に賞与も請求してみましょう。

解雇予告手当

倒産してもらえる手当として、失業保険のほかに解雇通告手当も挙げられます。

本来、解雇予告は30日前までに従業員へ伝える必要があります。

解雇予告のタイミングが30日未満であった際は、予告が遅れた日数分の給与を請求できるのです。

即日に解雇を宣告する場合、30日分の給与の支払いが必要なので、ほとんど1ヵ月分の支払いを請求できます。

退職金

たとえ倒産であっても、従業員として働いてきた以上、退職するのであれば退職金を受け取る権利はあります。

退職金は、就業規則や労働協約で定められている場合、解雇時に事業主へ請求が可能です。

ただし、倒産により解雇する場合、会社側に経済的余裕がないかもしれません。

会社の経済的な事情により、退職金の支払いが難しいときは「独立行政法人労働者健康福祉機構」へ立て替え払の請求をしましょう。

注意点として、退職金の立て替え払いをとなると、受け取れる金額は未払い退職金の約8割です。

本来もらえる退職金より、少々減額されるため、あらかじめ把握しておきましょう。

会社が倒産して失業した人におすすめのサポートサービス

本項では、会社が倒産して失業した人に、おすすめのサポートサービスを解説します。

失業保険サポート

• 倒産した方もお任せ！退職後の生活を徹底サポート
• 退職者によっては給付日数を3ヵ月から10ヵ月に延長
• 支給金額も最大250万円まで増額可能

失業保険サポートは、会社の倒産により無職となってしまった方の生活を支援する、大手の給付金サポートサービスです。

突然の退職で、大きな不安を抱えている離職者に安心感を与えられるよう、金銭面のサポートを徹底的におこないます。

給付日数は人によって異なりますが、本サービスへ相談した方には可能な限り、日数を延長できるよう精進していきます。

給付日数を10ヵ月まで延長できれば、支給金額も最大250万円まで上げるのも可能です。

できるだけ、失業保険の恩恵を受けたい方は、ぜひ気軽に相談してみてください。

公式サイト：https://shitsugyouhoken-support.com/lp1/

社会保険給付金サポート

• 丁寧なヒアリングとわかりやすい説明を心がける安心のサービス
• 受給期間を最大28ヵ月まで延ばせる可能性も
• 退職者によって数百万単位の手当を受給できる

社会保険給付金サポートは、丁寧なヒアリングとはじめての方にもわかるような説明を心がける、安心・安全のサービスです。

失業保険の申請という、慣れない手続きについて、こと細かに説明していきます。

給付金は、状況によっては最大28ヵ月まで延ばすことも可能です。また、退職者次第ではありますが、手当の受給金額を数十万～数百万にまで増額できるサポートもおこなえます。

より多くの恩恵を受けたい方、退職後の生活が不安な方は、ぜひ本サービスへ相談してください。

公式サイト：https://www.taishoku-concierge.jp/si-support/

まとめ｜会社が倒産して解雇された人でも失業保険は受け取れる！

失業保険は、会社が倒産し、退職を余儀なくされた社会人でも請求は可能です。

また、倒産による解雇は「会社都合の退職」となるため、給付金の額や支給期間が多くなりやすい傾向にあります。

ただ、解雇されたときの年齢が20代以下の方は注意しましょう。失業保険は、雇用保険への加入期間によっても、もらえる期間が変わります。

20代の場合、必然的に雇用保険に入っていた期間が短いため、失業保険の支給期間が短縮されやすくなるのです。

倒産により退職が決まった際は、退職後のプランについて入念に、かつ迅速に考える必要があります。