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同一労働同一賃金とは|2021年4月全企業適応の制度概要をわかりやすく解説

更新日:2021年04月05日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
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同一労働同一賃金(どういつろうどうどういつちんぎん)とは、『同じ労働に対しては同じ賃金を支払うべき』という考え方で、契約期間や雇用形態を理由とする不合理な待遇差別を禁止する制度です。

 

同一労働同一賃金とは
同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにします。

●パートタイム・有期雇用労働法:大企業2020年4月1日、中小企業2021年4月1日より施行
●労働者派遣法:2020年4月1日より施行

引用元:厚生労働省

 

これまで労働関連の法律によって一定の基準は規定されていましたが、同一労働同一賃金を含めた「働き方改革関連法」が成立したことで内容がより明確になりました。

 

また、同一労働同一賃金に密接に関わる労働契約法、パートタイム・有期雇用労働法、労働者派遣法が改正されたことによって「業務の内容や責任の程度等を踏まえて、支給される賃金や手当内容だけではなく福利厚生や教育研修等を含めた全ての待遇を均等・均衡にしなければならない」という旨が明確に記載されました。

 

これらは2020年4月1日に大企業には施行されており、中小企業2021年4月から適用されました

 

【あすから変わる】「同一労働同一賃金」 中小企業にも適用

正社員と非正規雇用で働く人の待遇格差を是正するための「同一労働同一賃金」が、4月1日から中小企業にも適用されます。新型コロナウイルスの影響で対応が遅れている中小企業も多いとみられ、待遇の改善をどのように進めていくのかが課題となっています。

 



総務省の労働力調査によりますと、非正規雇用で働く人は去年1年間の平均で2090万人に上っていて働く人全体の37.2%となっています。

「同一労働同一賃金」は同じ内容の仕事に対して同じ水準の賃金を支払うという考え方で、「パートタイム・有期雇用労働法」では正社員と非正規雇用で働く人の間の不合理な待遇の格差を禁止しています。

引用元:NHK|【あすから変わる】「同一労働同一賃金」 中小企業にも適用


「同一労働同一賃金」は去年4月から大企業で始まっていて、4月1日から中小企業にも適用されました。そのため、各企業はそれまでに賃金制度や就業規則の見直し等の体制を整える必要があります。この記事では、同一労働同一賃金という考え方が労働者に与えるメリットや企業側がとるべき対応等についてわかりやすくご紹介します。

 

その他働き方改革関連法案はこちら

 

 

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この記事に記載の情報は2021年04月05日時点のものです

同一労働同一賃金の概要|規定された3つのポイント

同一労働同一賃金とは、同じ業務をする労働者に対して雇用形態などによる待遇の差をなくそうという考え方で、正規雇用労働者と非正規雇用労働者で均等待遇が期待されます。

 

具体的には以下のような箇所が規定されました。

 

  1. 不合理な待遇差を解消するための規定を明確にする
  2. 労働者の待遇について説明義務を強化する
  3. 行政による履行確保と裁判外紛争解決手続の整備をする

 

企業には基本給や福利厚生、賞与、教育訓練などの労働者の待遇について具体的に規定する決まりがあります。それらは均衡待遇規定、均等待遇規定というものにまとめることになっていましたが、社員間にどのような待遇差があるのかは明確にしていませんでした。

 

しかし、今回の改正によって「どのような待遇差が不合理となるか」を明確に規定することが求められます。また、非正社員が正社員との待遇差について事業主に説明を求めることができるようにもなりました。

 

不合理な待遇差を解消するための規定

均衝待遇規定とは

不合理な待遇差の禁止を定めた規定で

  1. 職務内容
  2. 職務内容・配置の変更の範囲
  3. その他の事情

 

の内容を考慮して不合理な待遇差を禁止する規定です。基本給や賞与、役職手当、食事手当、福利厚生など、個々の待遇ごとに待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべきということが明確化されています。

 

例えば基本給であれば、下記のようなないようが「同一労働同一賃金ガイドライン」で明文化されています。

 

基本給
• 基本給が、労働者の能力又は経験に応じて支払うもの、業績又は成果に応じて支払うもの、勤続年数に応じて支払うものなど、その趣旨・性格が様々である現実を認めた上で、それぞれの趣旨・性格に照らして、実態に違いがなければ同一の、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければならない。
• 昇給であって、労働者の勤続による能力の向上に応じて行うものについては、同一の能力の向上には同一の、違いがあれば違いに応じた昇給を行わなければならない。

 

均等待遇とは

業務や配置変更の範囲が同じである場合、給与や福利厚生などの扱いも同等に行うことです。

 

これまで日本の企業文化の中では正社員が非正社員(アルバイト・パート社員・派遣社員)よりも待遇の面で優遇されることが当然であると考えられてきました。支給される給与の額や福利厚生など正社員と非正社員とで大きな差が生じていたのです(参考:厚生労働省)。

 

業務内容の違いや責任の重さに違いがあれば待遇に差があることも納得ですが、それらに違いがないにも関わらず雇用形態によって不合理な差別が生じている場合には納得がいきませんよね。このような状態は日本社会の持続に障害となると考えられるとして想起されたのが同一労働同一賃金です。

 

厚生労働省が提示する同一労働同一賃金のガイドラインには以下のようなことが書かれています。

 

本ガイドラインは、正規か非正規かという雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて策定するものです。

 同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかを示しています。
参考:厚生労働省|同一労働同一賃金ガイドライン

 

なお、これらはあくまでもガイドラインとされているため法的な効力はなく破ったとしても罰則や罰金などはありません。

 

労働者の待遇について説明義務を強化

これまで企業はパート労働者に対しては説明責任がありましたが、有期雇用者に対して説明責任がありませんでした。同時に説明を求めた労働者に対して不利益が起こらないような規定を設定する必要もあります。

 

行政による指導と裁判外紛争解決手続(行政ADR)の整備

事業者と労働者とで紛争があった場合、裁判以外の方法で解決する手続きを整備する必要ができました。このような規定を行政ADRといいます。都道府県労働局において、無料・非公開の紛争解決手続きを行います。「均衡待遇」や「待遇差の内容・理由に関する説明」についても、行政ADRの対象となります。

 

 

パート

有 期

派 遣

行政による助言・指導等

行政ADR

 

これらを整備することによって都道府県労働局管轄のもとで、無料かつ非公開で企業と紛争解決の手続きを行えるようになります。これらの規定は非正社員であってもプライバシーが守られる体制を作るためであるとされています。

 

中小企業も2021年4月に施行開始

同一労働同一賃金はパートタイム・有期雇用労働法(2020年以前はパートタイム労働法)と呼ばれています。前項で解説した通り、2020年(令和2年)4月1日より施行となっており、中小企業は2021年4月1日から施行されます。

 

同一労働同一賃金の具体例

契約社員やパートタイマーなどの非正規雇用労働者であっても、正社員と同じ業務を行っている場合は、同等の給与や福利厚生を受けるべきということです。

 

対象となる賃金は大まかに以下の通りです。

 

  • 基本給(時間あたりの労働賃金)
  • 時間外手当
  • 賞与
  • 役職・業務手当
  • 通勤手当
  • 家族・住宅手当
  • 食事手当 など

参考:日本労働組合総連合会|雇用形態間における均等待遇原則(同一労働同一賃金)の法制化に向けた連合の考え方

 

労働契約法やパートタイム労働法では、契約期間やパートタイマーであることを理由とする不合理な差別を禁止しています。例えば、通勤手当などは、制度設定の目的が『通勤にかかる費用負担』なので、雇用形態で差をつける合理的な理由はありません

 

表:不合理な待遇差の例

基本給

【問題となる例】

能力・経験に応じて基本給を支給している会社において、正社員が有期雇用労働者より多 くの経験を有することを理由に、より高い基本給を支給しているが、正社員のこれまでの 経験は現在の業務に関連が無い。

【問題とならない例】

業績・成果に応じて基本給を支給している会社において、所定労働時間が正社員の半分の 短時間労働者に対し、その販売実績が正社員の販売目標の半分に達した場合には、正社員 が販売目標を達成した場合の半分を支給している。

賞与(ボーナス)

【問題となる例】

正社員には職務内容や会社の業績等への貢献等にかかわらず全員に何らかの賞与を支給し ているが、短時間労働者・有期雇用労働者には支給していない。

違いがあれば違いに応じた支給を行わなければならない。

通勤手当

 

短時間労働者・有期雇用労働者にも正社員と同一の支給をしなければならない。

福利厚生施設

 

正社員と同一の事業所で働く短時間労働者・有期雇用労働者には、正社員と同一の ①給食施設、②休憩室、③更衣室の利用を認めなければならない。

 

そのため、同一労働同一賃金では、非正規雇用であっても正社員と同じように通勤手当を支払う必要があります。同一労働同一賃金が実現された場合、各企業は厚生労働省が発行した『同一労働同一賃金ガイドライン案』が参考として就業規則の変更などを行うことが考えられます。

 

第二十条 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

引用元:労働契約法

 

労働者にとって同一労働同一賃金のメリットとは

この項目では、同一労働同一賃金について労働者側のメリットをご紹介します。

 

非正規雇用労働者の賃金が上がる

パートやアルバイト、契約社員などの非正規雇用労働者は、年々増加しています。

 

同一労働同一賃金のメリット/非正規雇用労働者の増加

 

引用:厚生労働省

同時に正社員と非正規雇用労働者との賃金格差も広がっています。しかし、同一労働同一賃金が実現されれば、この格差が解消され、非正規雇用労働者にとっては基本給などの賃金が上がる可能性があります。

 

「仕事を頑張っているのに評価されない」「会社に貢献して実績を残しているのに昇給も賞与もない」といった不満も解消される可能性があります。働いた分だけ評価されることで仕事に対するやりがいが生まれる可能性もあるでしょう。

 

一方で労働者の賃金が上がることで人件費の負担に耐えられないといった企業側の意見もあるようです。特に新型コロナウイルス感染拡大によって打撃を受けている中小企業も少なくなく、その中での人件費負担は厳しいものなのかもしれません。

 

働き方の選択肢が広がる

正社員と非正雇用労働者の格差が是正されることで、業務量や勤務時間帯の分担ができるようになるでしょう。在宅勤務や時間差出勤等個人のライフスタイルに合った働き方ができるかもしれません。

 

また、スキルはあっても結婚・出産・子育てなどでフルタイム勤務が困難だった主婦の方や、持病や怪我など身体の都合上で通勤困難だった方でも納得のいく賃金で働くことが可能となるでしょう。

 

同一労働同一賃金のデメリット

同一労働同一賃金は、非正規雇用労働者にとって賃金が上がる可能性がある法案です。一方で、会社側からすると総人件費が高騰するなどの課題もあります。この項目では、同一労働同一賃金が抱えるデメリットについてご紹介します。

 

結果的に賃金が低下する可能性がある

同一労働同一賃金が実現した場合、労働賃金を業務能力で判断することになります。そのため、求められる能力も高く、厳しくなることが予想されます。

 

また、非正規雇用労働者の賃金をあげた場合、総人件費が高くなります。会社側の財源も限られているので、労働賃金自体が相対的に下がる可能性もあります

 

派遣等を受け入れる企業が減少する可能性がある

同一労働同一賃金の導入で非正規社員に対する賃金が適正になることで全体的な賃金の上昇が考えられます。人件費の負担が大きくなると企業は非正規社員の雇用人数を規制する可能性が出てきます。

 

また、人件費削減のために派遣労働者が担っていた単純作業を減らす方向へと働くかもしれません。導入が完了した企業はまだ少ないものの、これからどのような影響が出るか状況を正確に把握する必要があるかもしれません。

 

同一労働同一賃金の対応が完了した企業の割合引用:PRTIMES

 

同一労働同一賃金の事例

同一労働同一賃金は一部の企業ではすでに導入されています。この項目では、同一労働同一賃金の先行事例をご紹介します。大手家具メーカーであるイケア・ジャパンは、労働者を雇用形態関係なく『コワーカー』と呼び、同じ業務である場合は同じ賃金が適応される制度を導入しています。

 

大手家具販売の「イケア・ジャパン」(本社・船橋市)は2014年9月、全社員の7割を占めるパートを短時間勤務の正社員に転換した。パートだった人も、時給換算した賃金や、福利厚生、会社も保険料を負担する厚生年金・健康保険への加入など全て正社員と同じ待遇とした。契約期限のある有期雇用を廃止し、65歳定年制も適用された。

引用:毎日新聞

りそな銀行では正社員とパート社員に共通の人事評価制度を導入しています。

 

従業員約1万5000人を有する銀行大手の「りそな銀行」は、2008年10月に人事制度の改定を行い、正社員とパートナー社員(パート)に共通の「職務等級・人事評価制度」を導入した。同制度は、役職や職務等級が同じであれば、パートナー社員は時給換算で正社員と同じ基本給が得られる仕組みだ。

引用:公明党

株式会社クレディセゾンでは、全従業員正社員化を目指し人事制度改革に取り組んでいるそうです。

 

同社では、2017年9月16日、全社共通人事制度を導入し「同一労働同一処遇」を実現した。
具体的には、
 ・三種あった雇用形態を「正社員」で統一し、処遇も統一
 ・「役割等級制度」と「行動評価」の導入
 の二点である。

引用:厚生労働省

 

同一労働同一賃金に関連する判例

本来雇用形態による待遇格差は法律で禁止されており、裁判になった事例もあります。この項目では同一労働同一賃金に関連する判例をご紹介します。

 

判例|ハマキョウレックス事件

運送会社において正社員と契約社員の待遇差があることについて、契約社員が損害賠償請求を会社に求めました。前提としてこの会社では正社員であっても契約社員であっても仕事内容は変わりませんでしたが、正社員は全国転勤があることに対して契約社員には全国転勤がないといった違いがありました。

 

最高裁は、通勤手当、作業手当、休職手当、無事故手当、皆勤手当といった各手当が正社員に支給されているのに対して契約社員に支給されていないことは違法であると判断しました。

 

一方、住宅手当については正社員には全国転勤があるが契約社員には全国転勤がないことから、正社員にのみ支給することは不合理とは言えないとの判断を下しています。

 

裁判年月日 平成30年 6月 1日 裁判所名 最高裁第二小法廷 裁判区分 判決
事件番号 平28(受)2099号 ・ 平28(受)2100号
事件名 未払賃金等支払請求上告事件 〔ハマキョウレックス事件・上告審〕
裁判結果 附帯上告に基づき原判決一部破棄差戻、上告棄却 文献番号 2018WLJPCA06019002

 

判例|長澤運輸事件

運送会社において定年後に再雇用された嘱託社員が、正社員との待遇差は不当であるとして会社に対して損害賠償を求めました。前提として、この会社では正社員であっても嘱託社員であっても仕事内容や転勤の有無に違いはありませんでした。

 

最高裁は、正社員に支給されている精勤手当が定年後の嘱託社員に支給されていないことは不合理な待遇格差であるとして違法と判断しました。一方で、正社員に支給されている住宅手当、家族手当、賞与が嘱託社員に支給されていない点は合法であるとの判断を下しています。また、定年後の嘱託社員の年収が、定年前よりも21%減少していることも違法とはいえないと判断を下しています。

 

判決では、すでに定年しており正社員と異なり長期勤務が想定されないことや、将来的に老齢年金の受給が想定されることを理由としてあげています。

 

裁判年月日 平成30年 6月 1日 裁判所名 最高裁第二小法廷 裁判区分 判決
事件番号 平29(受)442号
事件名 地位確認等請求上告事件 〔長澤運輸事件・上告審〕
裁判結果 一部破棄自判、一部破棄差戻、一部上告棄却 文献番号 2018WLJPCA06019001

 

同一労働同一賃金導入の流れ

同一労働同一賃金に対応する必要があるか否か以下の表で確認することができます。該当した場合には計画的に対応する必要があるでしょう。

 

同一労働同一賃金対応表

引用:厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書

同一労働同一賃金導入で企業が意識すべきことは以下の二点です。

 

  • 企業内で働く社員と非正社員の不合理な待遇差をなくすこと
  • 労働者から待遇差について説明を求められたら対応すること

同一労働同一賃金を取り入れることによって、これまで企業が守ってきた労働に関する仕組みを根本から整備する必要が出てくるでしょう。

 

簡単に終わることではありませんので、時間をかけて整備していくことが望まれます。

 

この項目では同一労働同一賃金を導入する際の大まかな流れを解説します。

 

手順1|労働者の雇用形態を確認する

企業内に同一労働同一賃金の対象となる従業員が在籍しているかを確認します。社内でアルバイト・パートなどの短時間労働者や派遣などの有期雇用労働者を雇用していれば該当します。

 

短時間労働者とは:厚生年金、健康保険などの社会保険への加入対象者であり勤務時間・勤務日数が常時雇用者の3/4未満である者のこと。

有期雇用労働者とは:事業主と半年や1年といった期間を定めた労働契約を締結している者のこと。

 

手順2|労働者の待遇状況を確認する

短時間労働者と有期雇用労働者の区分それぞれに賞与・手当、賃金や福利厚生などの待遇について正社員と差が生じていないか確認します。

 

手順3|待遇差が不合理ではないかを確認する

短時間労働者・有期雇用労働者と正社員では働き方や役割が異なる企業がほとんどでしょう。その場合、賃金や福利厚生などの待遇に差が出てくることはあり得ます。

 

待遇の違いがそれぞれの働き方や役割に見合った者であるか、不合理ではないかを確認しましょう。また、どのような理由でその待遇差を設けているのか改めて考えておくとよいかもしれません。

 

手順4|待遇差が不合理ではないことを説明する

労働者から説明を求められた場合、事業主は待遇の内容や待遇の決定に関して考慮した事項、正社員と非正社員の待遇差の内容や理由などを説明することが義務付けられます。雇用別の待遇について整理しておく必要があるでしょう。

 

労働者に説明する内容をあらかじめ文書にまとめている企業も多いかもしれません。

 

手順5|法違反と疑われないようにする

現時点で短時間労働者・有期雇用労働者と正社員との待遇差があり、その待遇差が不合理ではないと言い切れない場合には改善に向けた検討を始めるべきです。

 

不合理ではないと言える状況であっても、より望ましい雇用管理に向けて改善の必要はないか検討してみましょう。

 

手順6|改善計画を立てる

改善の必要がある場合、労働者の意見を取り入れながら、法施行までに計画的に取り組みます。

 

パートタイム・有期雇用労働法の施行日は2020年4月1日(中小企業は2021年4月1日)です。法の施行までまだ時間があるしなんとかなるだろう…と感じている場合もあるかもしれません。

 

就業規則や賃金規定を見直すためには短時間労働者・有期雇用労働者を含む労使の話し合いが必要となります。また、検討の結果として改善するために考慮・検討すべきことはたくさんありますので、対応は計画的に進めるべきでしょう。

【参考】厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書

 

まとめ

同一労働同一賃金は正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇格差をなくすための考え方です。本来の目的通りに実現すれば非正規雇用労働者の賃金アップにつながるかもしれません。

 

働き方の選択や適正な評価が叶うメリットがある一方で、人件費高騰や派遣先の減少などのデメリットが生じる可能性もあります。

 

多くの企業が実現に向けて取り組んでいますが、多くの課題があるため今後の動向にも注目する必要があるでしょう。

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KL2020・OD・037

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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