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勤務態度とは、働く意欲や周りとの協調性など、主に働く上での行動の部分を指します。勤務態度に評価基準を設けておくことで、意欲的・協力的に働く社員を評価し、社風を良くすることも期待できます。
ちなみに、【人事評価】と似ているように思えますが、人事評価では他にも『実績』『能力』なども評価対象になります。勤務態度評価では、あくまでも『行動』『姿勢』などしか評価しない点が違いとしてあります。『実績』『能力』『勤務態度』の全てを評価するものが【人事評価】です。
勤務態度の評価に決まった項目はありませんが、主に以下の項目を3~5段階評価で行うことが多いです。
こちらの記事では、勤務態度の評価について決めておくべき項目の種類と主な意味・目的、勤務態度評価をしていなかった場合の悪影響や評価する上での注意点についてご説明します。これから、勤務態度の評価基準を設けようかと考えている経営者や担当者の方は、ぜひ参考にされてください。
勤務態度の評価項目をご紹介する前に、そもそも勤務態度の評価がされていないと今後どうなることが想定されるのかをご説明します。少し極端な話に思えるかもしれませんが、従業員を何十人も採用していると、中には一般常識が通用しないような、独特な考えを持っている社員を雇用することもあります。
そのような場合に、評価基準によって良し悪しを分かってもらうことで、他の社員に悪影響を与えたり、離職したりなどの会社の損失を防ぐこともできるでしょう。もちろん、真面目に協力的に働いてくれている社員をしっかり評価する目的もあります。
時間を守ることは社会人として当たり前との認識の方がほとんどでしょうが、中には時間にルーズな社員もいます。そもそもの自己管理ができていない人もいれば、「やることさえやれば良い」と考えている人もいるでしょう。
勤怠に関するルールや評価を決めていないことで、一度遅刻しても「ま、いっか」と思われてしまい、遅刻や欠勤が目立つようになります。さらには、勤怠状況が評価に関係しないことで、他の社員にも悪影響となり、社内で遅刻や欠勤が頻繫に起こる要因にもなり得ます。
勤務態度が悪く、周りの社員や上司とコミュニケーションが取れていない社員がいると、自分のミスを他に知らせずに仕事を進めてしまうことも起こり得ます。たとえ小さなミスであっても、会社が事情を知らないことで、後々取り直しのつかない大きな問題に発展することも起こり得ます。
日頃の社員間でのコミュニケーションや協調性も勤務態度の評価項目に入れられることが多いですが、それらをきちんと評価することで報告・連絡・相談ができている風通しの良い会社にしていくことができます。
勤務態度は一切評価せず、能力や実績だけで良し悪しを判断していると、「自分の仕事さえできていれば良い」「結果を出している自分が正しい」などと、自己中心的な社員を生み出してしまう原因になります。
場合によっては、一人一人がプロフェッショナルのような高い意識で働く環境になるかもしれませんが、一方では一人一人がギクシャクした環境で働き、実力がある社員はすぐに高待遇の会社へと転職…などの結果にもなり得ます。日頃のコミュニケーションで解決できる部分もありますが、きちんと勤務態度の評価基準を設けておくことで、能力・実績以外でも目指すべき部分が明確になります。
勤務態度の評価によって何のためにどうやって働くかが明確にされていないことで、こちらも、「結果さえ出せば良いだろう」などと考えてしまう社員が出てきてしまいます。会社の評判やビジョンなどお構いなしで、お客様や取引先をだますような方法で契約を取ってきたり、自分の売上に関係ない業務はいい加減になってしまったり…。
実績の評価ばかりに重きを置いておくことで、このような自体も起こり得ます。
勤務態度からは少しズレるかもしれませんが、仕事中の身だしなみや整理整頓ができていないことで事故に繋がることもあり得ます。例えば、大きな機械を扱う工場で働く従業員がヘルメットのあごひもを付けずに作業したり、袖がゆるゆるの作業着を着ていた場合、頭に機械が直撃したり、袖が機械に巻き込まれるなどの事故の可能性を高めます。
作業場の周りを整理整頓できない社員がいれば、転倒事故などにも繋がります。食品衛生に関わる職場であれば、不衛生にしている社員を放っておくことで、利用者からのクレームや保健所からの指摘に繋がることもあり得るでしょう。
勤務態度が悪く、人の言うことが聞けない・協調性がない社員が増えてしまうと、このような労災事故の原因にもなるのです。
勤務態度の評価が明確にないことで、上記のような問題社員が出てきたとしても簡単に対処できずに雇い続けることになってきます。その結果、真面目に働いてきた社員が会社を辞めることになるなど、他の社員も悪い方向に浸食されていくような事態が起こり得ます。
結果的に上記でお伝えしたような、会社の業績や評判が下がったり、頻繁に問題が起こったりしてしまう原因にもなります。経営者の中には、従業員の能力・実績を最重視している方も多いでしょうが、最低限の勤務態度をしっかり評価して底上げすることも非常に大事だと言えるでしょう。
特に従業員数が増えるにつれ、個々でのコントロールが難しくなるため、しっかり評価基準を設けておくべきです。
【関連記事】問題社員を解雇するには|違法とならないためのポイント・手順を解説
勤務態度評価がないことで、どのような事態が起こり得るか、想像できたでしょうか?
上記のような問題が起きないためにも、以下のような項目で勤務態度の評価を行っていきましょう。
勤務態度の評価項目として挙げられる内容は、主に上記の通りですが、会社や業務内容によってアレンジを加えて頂いて構いません。例えば、接客業のように人目に付く仕事であれば、身だしなみや言葉遣いなどの項目にもっと重きをおいても良いでしょう。
会社で仕事をするということは、他の社員との相互協力があってのものですね。協調性がない社員が増えることで、上記でお伝えしたような「自分さえ良ければいい」と考える社員を生み出し、ミスや問題が起きてもホウレンソウが行き届かない社内になってしまいます。
などを評価します。
時間を守る・言葉遣いを正しく行うなど、社会人にとって当たり前のルールではありますが、評価項目として誰にでも分かる形でルール決めしておきましょう。
仕事に対する積極性も勤務態度の評価項目で重要なポイントです。職人のようにコツコツと結果を出してくれる社員もとても大事ですが(この部分は実績の部分で評価できます)、積極的な発言によって改善提案を出してくれたり、意欲的に新規事業に挑戦してくれたりする社員もとても大事ですね。
また、自分で業界や技術的なことを学んできたり、資格取得をしたりするなども意欲的に働いていると評価できます。業務に関係する資格取得であれば、歩合を設けるなどの追加の評価を下しても良いでしょう。
与えられた仕事や約束をしっかり守り、必ず遂行する姿勢も評価対象になります。また、いざ問題が起きた時に人任せにせずに誠意をもって対処する姿勢も責任感があると評価できますね。
いくら責任をもって結果を出している社員であっても、会社の方向性とは逆の行動を取っていたのであれば、良い評価はしにくいですね。
例えば、売上を出すために必要以上に経費を使ってしまったり、強引なやり方で会社の評判を下げてしまったりするような行動です。そもそも、会社の方針があやふやで、社員が理解していなければ、評価の使用がありませんので、経営理念を明確にして、社員に浸透させることも大事になるでしょう。
いざという時のことまで考えて事前に準備しておくことも勤務態度の評価項目の1つです。上でもお伝えしたように、安全意識が行き届いていないと、事故発生の原因を多く作ってしまいます。
上記でお伝えしたような勤務態度の評価項目は、それぞれ3~5段階評価で点数付けしていきます。学生時代の通知表のようなものです。1(悪)~5(良)の点数でも良いですし、×△〇などの記号でも良いです。
こちらでは、勤務態度を評価する際の点数の付け方の目安について簡単にご説明します。あくまでも例ですが、それぞれ評価する際の参考にしてみてください。
他の社員の模範になるような勤務態度で、実際に結果や効率化も出ている。
ほとんどが実践できている。あとは成果につながると良い。
成長・改善する意欲が感じられ、実際に行動にも見られる。ただし、まだまだできる部分もありそう。
自分に与えられた業務しかできていない。行動がともなっていない。
他の社員にも悪影響を及ぼす可能性あり。改善すべき。
勤務態度の評価を行う場合には、以下の点にも気を付けてください。中途半端な勤務態度評価をすることで、逆に従業員のモチベーション低下や業務の非効率化に繋がってしまうことも起こり得ます。
人事評価のツールなどを使っていれば多少は防げるのですが、人が評価することによって、その人の感情が入ってしまう可能性があります。評価する人の感情で評価が変わるのであれば、評価される人は不満に思いますし、「その人の機嫌だけ取っていれば良い」などと思われることもあります。
評価する際は私情は持ち込まずに客観的に評価してください。
上記のような個人的な感情に左右されることを防ぐために、上司などの複数の人の意見を取り入れることも1つの方法です。
評価を行う際は、何ヵ月に1回などと期間を決め、その期間中の全体的な評価をするようにしましょう。例えば、直近で問題が起きていたり、逆に非常に良い成果を上げていたりしていると、その出来事に大きく評価が影響しがちですが、対象期間中に真逆の行動を取っていたのであれば、そのことも評価に入れるべきです。
評価対象の期間内全体を通して俯瞰的に評価してください。
勤務態度評価は、評価してそれで終わりではありません。評価後に可能な限り評価した社員と意見交換する場を設けるとさらに良いものとなります。
評価が高かった社員は「良かったです。おめでとう」だけで終わるのではなく、評価が直接ボーナス等に関係することを伝えたり、優先的に要望を聞き入れてみたりすることで、モチベーションアップやさらなる向上にも繋がります。
評価が低かった社員も放置するのではく、理由をしっかり聞いて改善を求め、今の環境では改善が難しいようであれば部署異動を検討するなど、対応を会社側で考えるきっかけにもできるでしょう。
勤務態度評価は、あくまでも仕事に対する取り組み方や姿勢を評価するもので、結果はそこまで重要ではありません。勤務態度評価だけに重きを置いていると、結果が出なくても問題が無いような風潮ができてしまう危険性があります。
勤務態度とは別に、社員の能力や実績もきちんと評価するようにしましょう。この『勤務態度』『能力』『実績』をひとくくりで評価するものを【人事評価】と言います。
評価制度を取り入れたばかりのころは細かく評価するものですが、何度か実施するうちに形骸化して中身の無い評価制度になってしまうことがあり得ます。評価する側もとりあえず無難な〇や3点などの平均点ばかりになってしまい、形だけで意味を成しません。
こうなってしまうと、やるだけ無駄とまで言えてしまいますので、定期的に見直しを行い、「何のためにやっているのか?」「どの項目をどう評価する方が今の状況に合っているのか?」などのバージョンアップを行っていきましょう。
勤務態度評価では、主に以下の項目を3~5段階評価で評価していきます。
そもそも勤務態度とは、仕事に対する意欲や姿勢、規律を守ることなどです。社員全体の勤務態度が良くなることで、意欲的に意見が飛び交う職場になり、社員一人一人が自分の仕事に責任を持って働いてくれることが期待できます。
ただ、形だけの評判では全く意味がありません。社員にも評判項目や意図を分かってもらって、評価後も意見交換や適した指導などを繰り返すことで、徐々に結果に現れてくることでしょう。
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