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雇用保険とは?給付金の種類や保険料の額・計算方法・手続きまで解説

更新日:2021年04月13日
インハウスローヤー|asiro, Inc.
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雇用保険とは、会社員として働く人が、失業した際の給付金や育児や介護などで収入が減少した場合などに給付金を支給してくれる社会保険制度の1つです。フルタイムで働く正社員の方は基本的には加入の義務があり、パート・アルバイトの方でも条件を持たせば加入が義務付けられます

 

今回は、

 

  1. 雇用保険の制度
  2. 雇用保険にはどのような種類があるのか?
  3. 雇用保険の加入条件
  4. 雇用保険の加入方法
  5. 社会保険との違い
  6. 雇用保険未加入時の対処法

 

などについてご紹介します。結構長くなりますので、以下のリンク先から気になる項目をご覧ください。

 

 

 

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この記事に記載の情報は2021年04月13日時点のものです

雇用保険の目的とは?制度概要の基礎知識をわかりやすく解説

早速、雇用保険とはどのようなものなのか?制度の説明や目的についてご説明します。

 

 

雇用保険とは?

雇用保険とは、社会保険制度のうちの1つで、労災保険と合わせて『労働保険』ともいわれています。社会保険制度では、国民の生活を保障するための公的な制度となりますが、労働保険という名称から分かるように、労働に関する補償を受けられる保険制度です。

 

雇用保険は、

労働者が失業してその所得の源泉を喪失した場合、労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合及び労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に、生活及び雇用の安定並びに就職の促進のために失業等給付及び育児休業給付を支給

失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図るためのニ事業を実施

する、雇用に関する総合的機能を有する制度です。

引用元:ハローワークインターネットサービス|雇用保険制度の概要

 

雇用保険の目的

雇用保険の主な目的は、働く人が何らかの理由で一時的に働けなくなった場合や失業した際の生活や雇用を守るための補償を行ってくれます。具体的な給付金については後述しますが、以下のような給付金があります。

 

  1. 失業手当
  2. 教育訓練給付金
  3. 育児休業給付金
  4. 介護休業給付金

 

お伝えの通り、失業時の補償や、一時休業での補償、雇用を継続するための補償で構成されています。雇用保険に加入している方は、条件さえ満たせばどの保障も受けることができるのです。

 

 

雇用保険に関係する補償の種類

それでは、実際に雇用保険の補償にはどのようなものがあるのかを詳しくご説明します。

 

  1. 失業手当
  2. 教育訓練給付金
  3. 育児休業給付金
  4. 介護休業給付金

 

雇用保険の補償の内容のうち主要なものとして、上記の4種類があります。

 

失業手当

おそらく給付を受ける人が多く、雇用保険の一番の補償が失業した際に受けられる失業手当(正式には『求職者給付』のうちの『基本手当』)です。失業手当とは、失業時から再就職するまでの期間に受け取ることのできる給付金のことです。

 

受給条件

失業手当は再就職を支援するための給付制度なので、受給するためには求職活動を行うことが前提になります。

 

  • ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
  • 離職の日以前2年間に、被保険者期間(※補足2)が通算して12か月以上あること。ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。

引用元:ハローワークインターネットサービス|基本手当について

 

給付金額

給付金額や受給できる期間は離職前の日給や保険に加入していた期間によって異なります。特別な事情がない場合は、給付金額や日数は以下の通りになります。

 

基本手当給付金=離職前の日給×(45%〜80%)×給付日数

 

引用元:ハローワークインターネットサービス|基本手当の所定給付日数

 

なお、リストラや会社の倒産などで雇用契約を終了させた場合は、『自己都合退職』ではなく『解雇』になるため、受給条件が異なります。解雇や長時間労働、賃金未払いなど会社都合で退職した場合には特定受給資格者となります特定受給者の場合は、保障も厚くなり、被保険者期間が1年未満でも給付を受け取ることが可能です。

 

引用元:ハローワークインターネットサービス|基本手当の所定給付日数

 

失業手当については、気になる方も多いでしょうから本記事の後半でもう少し詳しくご説明していきます。

 

教育訓練給付金

教育訓練給付金は、再就職促進のために専門実全教育訓練などの能力開発にかかる費用の一部を支給する制度で、簡単に言うと資格取得のためにかかった講座費用や学費などの一部を負担してくれるものです。教育訓練給付金には、一般教育訓練給付金のほか、専門実践教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金などの種類があります。

 

受給条件

一般教育訓練給付金の受給要件は主に以下の通りとなります。

 

  • 受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする者については、当分の間、1年以上)あること
  • 受講開始日時点で被保険者でない者は、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること
  • 前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していること

など

参照:ハローワークインターネットサービス|教育訓練給付制度

 

支給金額(一般教育訓練給付金の場合)

教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額。

ただし、その額が10万円を超える場合は10万円とし、4千円を超えない場合は支給されない。

 

教育訓練給付は対象となる技能や受給資格などが細かく分かれているため、受給を希望している際は必ず管轄のハローワークに確認するようにしましょう。

 

育児休業給付金

育児休業給付とは、出産後に育児休暇を取得する際、休業期間中の収入を補償してくれる制度で、1日当たり日給の50~67%の給付金を支給してもらうことができます。

 

受給条件

育児休業給付の受給条件は、以下の通りです。

 

  1. 育児休業期間中の各1か月ごとに、休業開始前の1か月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと。
  2. 就業している日数が各支給単位期間(1か月ごとの期間。下図参照)ごとに10日(10日を超える場合にあっては、就業している時間が80時間)以下であること。(休業終了日が含まれる支給単位期間は、就業している日数が10日(10日を超える場合にあっては、就業している時間が80時間)以下であるとともに、休業日が1日以上あること。)

引用元:ハローワークインターネットサービス|育児休業給付について

 

受給金額

育児休業給付の受給金額は、支給されてから6ヶ月間とそれ以降の2段階に分かれています。

 

支給開始~6ヶ月(180日)

支給月額=休業前の日給×支給日数×67%

6ヶ月目~休業終了(181日目以降)

支給月額=休業前の日給×支給日数×50%

 

また、支給額には上限もあるため、注意しましょう。

 

育児休業給付
支給限度額 上限額(支給率 67%) 304,314円 → 305,721円
上限額(支給率 50%) 227,100円 → 228,150円 

引用元:厚生労働省|令和2年8月1日から支給限度額等が変更になります。

 

介護休業給付金

介護休業給付も育児休業給付と同じように、介護休業期間中に支払われる給付金です。

 

受給条件

  • 介護休業期間中の各1か月毎に休業開始前の1か月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
  • 就業している日数が各支給単位期間(1か月ごとの期間)ごとに10日以下であること。(休業終了日が含まれる支給単位期間は、就業している日数が10日以下であるとともに、休業日が1日以上あること。)

引用元:ハローワークインターネットサービス|介護休業給付について

 

受給額

介護休業給付の各支給対象期間(1か月)ごとの支給額は、原則として以下のとおりです。

 

  • 休業前の日給×支給日数×67%

 

また、介護休業給付にも給付額の上限金額があります。

 

介護休業給付
● 支給限度額 上限額 334,866円 → 336,474円

引用元:厚生労働省|令和2年8月1日から支給限度額等が変更になります。

 

 

雇用保険の必要性と加入義務

加入条件については後述しますが、会社は、労働者を雇っていれば、雇用保険に加入させる義務があります。仮に、会社がこの加入義務に違反した場合、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金を受ける可能性があります。(雇用保険法83条1号

 

未加入時の対処法についても後半でご説明しますので、条件を満たしているにもかかわらず雇用保険未加入の方は参考にしてください。

【関連記事】雇用保険未加入時の対処法|加入条件でわかる雇用保険の適用について

 

 

雇用保険の加入条件

雇用保険には加入条件があります。全ての人が雇用保険の被保険者の対象というわけではありませんが、正社員としてフルタイムで働いている人は加入条件を満たしていると考えられますので、未加入の場合には会社に確認してください。

 

また、パートやアルバイトなどの非正規社員でも、以下の条件を満たしている場合には加入の義務があります。

【関連記事】雇用保険未加入時の対処法|加入条件でわかる雇用保険の適用について|労働弁護士ナビ

 

31日以上の継続雇用の見込みがある

雇用保険加入条件の1つめとして、まずは31日以上の継続雇用の見込みがあることです。期間の定めなく雇用されている場合には、加入条件に当てはまります。

 

また、パートやアルバイトなどの非正規社員であっても、1か月未満の短期雇用がされる方が稀でしょう。イベントの手伝いやシーズン毎の人員増員などでない限りは、この条件は満たしている方がほとんどではないかと思われます。

 

1週間あたりの所定労働時間が20時間以上ある

2つめの条件が1週間あたりの所定労働が20時間以上あることです。

 

例えば1日8時間、週5日間働くことで週40時間となりますので、多くの正社員の方はこの条件を満たすことになるでしょう。一方、パート・アルバイトなどの非正規社員であっても、週に20時間以上働くようであれば加入の義務が生じます

 

例えば、1日4時間の短時間のアルバイトであっても、週に5日以上働けば条件を満たしますし、週に3日出勤でも1日8時間働いていれば、1週間あたりの所定労働時間が20時間を超え、雇用保険加入の義務が生じます。

 

学生ではない

原則として学生の方は雇用保険に加入できません。ただし、例外もあり通信教育・夜間学校・定時制の学生であれば、上記の内容を満たしていることで雇用保険の加入対象者になります。また、上記以外の学生(昼間学生)であっても、卒業見込みがあり、卒業後も同じ会社で働き続ける予定の者等であれば加入対象者となります。

 

 

雇用保険と社会保険の違い

人を雇うときには『労働保険』と『社会保険』の加入に注意しなければなりません。

 

雇用保険は労働保険の1つ

労働保険も社会保険も一緒になって考えている方も多いと思いますが、それぞれ保障も違いますし、加入条件の違いもあります。ただ、会社に入社した際には、これらの保険にまとめて加入することが多いため、一緒になって考えている方も多いでしょう。

 

こちらでは、社会保険制度の他の保険との違いについてご説明します。

 

保険名

加入義務

補償概要

労働保険

労災保険

強制加入

業務(労働)災害による傷病、介護、死亡時の補償

雇用保険

加入条件あり

失業、育児・介護休業時、二次健康診断などの補償

社会保険

健康保険

加入条件あり

私傷病による医療費などの補償

厚生年金保険

加入条件あり

定年後の補償

 

まず、それぞれの違いと特徴をまとめると上記のようになります。

【関連記事】雇用保険と社会保険の違いを補償と加入条件で解説【未加入時の対策付き】|労働弁護士ナビ

 

労働保険とは?

労働保険は、今回ご説明している失業時の補償(失業手当てなど)をしてくれる雇用保険と、労働災害時の補償をしてくれる労災保険を合わせた保険の総称です。

 

労災保険との違い

労災保険(労働者災害補償保険)とは、業務や通勤時に災害が発生したり、業務に起因して疾病になったりした場合に補償を受けられるものです。労災保険は知っている方がほとんどでしょうが、加入が強制的で保険料も会社の全額負担ですので、「加入している」という認識が薄いものです。

 

社会保険とは?

社会保険とは、医療費負担や傷病・出産時の補償をしてくれる健康保険(いわゆる保険証での補償)と、会社が半分年金を納めてくれる厚生年金保険の2つを合わせた保険のことです。

 

健康保険とは?

健康保険は医療費負担や傷病・出産時の保障を行ってくれます。会社員やアルバイトなどが加入する健康保険は、会社が属する業界や組織などの健康保険組合に加入しているものが多いです。また、保険料も会社と折半しています。

 

厚生年金とは?

厚生年金とは、国民年金を上乗せする2段階目の公的年金で、こちらも会社員であれば加入することとなります。20歳以上の成人であれば、誰でも国民年金に加入しますが、厚生年金は会社で雇用されている方が追加で加入します。厚生年金も保険料は会社と折半で、将来的に受け取れる年金を増額することができるのです。

 

雇用保険と社会保険の違い

こちらでは、雇用保険と他の社会保険の違いについてご説明します。

 

補償内容の違い

上でもお伝えしたように、それぞれの保障内容や目的が違います。

 

労災保険

業務(労働)災害による傷病、介護、死亡時の補償

雇用保険

失業、育児・介護休業時、二次健康診断などの補償

健康保険

私傷病による医療費などの補償

厚生年金保険

定年後の補償

 

加入の条件が違う

また、加入の条件もそれぞれ違います。労災保険は会社に雇われた際に強制加入となりますが、社会保険は雇用保険とは別の加入条件があります。

 

雇用保険

  1. 31日以上の継続雇用の見込みがある
  2. 1週間あたりの所定労働時間が20時間以上ある
  3. 学生ではない

社会保険

  1. 会社が社会保険の適用事務所
  2. (パートの場合)正規社員の3/4以上の労働時間 等

 

パートやアルバイトなどの非正規社員の方は、労働時間などに応じて加入・未加入に分かれることがありますが、正社員の方は、通常どちらの条件にも当てはまるので、両方に加入していることが一般です。

 

 

会社が雇用保険に加入していなかった場合の対処法

上記では、雇用保険の加入義務や条件についてご説明しました。正社員の方をはじめ、多くの方が加入条件を満たしているのではないでしょうか?

 

大半の会社は労務管理により、入社と共に雇用保険や社会保険の加入手続きも行いますが、零細企業や新興企業のように、管理体制が整っていない会社では、加入義務を守っておらず未加入になっているケースがあります。

 

こちらでは、加入条件を満たしているにも関わらず、会社が雇用保険に加入していない場合の対処法についてご説明します。

【関連記事】雇用保険未加入時の対処法|加入条件でわかる雇用保険の適用について

 

雇用保険に加入していることを確認する方法

まず、雇用保険が未加入か否か、以下の方法で確認してください。

 

給与明細を確認する

まず、毎月受け取る給与明細を見てみましょう。控除項目に「雇用保険」の項目があるかどうか確認し、記載があって給与から一定額保険料の天引きがされていれば雇用保険にも加入していると思われます。

 

ただ、給与から天引きしながら実際には雇用保険料を支払っていないなどの悪質なケースもあります。また、そもそも給与明細も出していないようなずさんなケースもあるかもしれません。その場合、以下のようにハローワークで確認しましょう。

 

ハローワークで被保険者資格取得を確認する

給与明細では確認できない場合、会社住所を管轄しているハローワークへ行き、被保険者資格取得を確認してください。雇用保険は労働者一人ずつに個別の番号が割り振られていますので、雇用保険に加入していれば、自分専用の番号が残されているのです。

 

ハローワークの指定窓口で「雇用保険に加入しているかどうか知りたい」と伝えれば案内してもらえます。ただ、時と場合によっては即日教えてもらえないケースもあり得ますので、ご注意ください。

 

雇用保険未加入時の罰則

上でもお伝えしましたが、雇用保険の加入義務があるにもかかわらず未加入の事業主に対しては、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金という罰則が用意されています(雇用保険法83条1号)。

 

雇用保険の未加入は、れっきとした犯罪行為です。

 

労働基準監督署に相談・報告すれば指導の対象になる

もし、雇用保険が未加入だと分かった場合には、まずは労働基準監督署に相談・報告することで、指導や勧告を行ってくれることが期待できます。

 

ただ、実際、企業に対して直接指導がされるには時間がかかることが考えられます。未加入の証拠を揃えて相談することで、緊急性が高いと判断してもらうことで労基署の対応も早くなるでしょう。

 

  1. 違反の事実について労働局等に申告が有り
  2. 同申告に基づく調査で違反事実が認められ
  3. 違反を是正するよう指導・勧告が繰り返され
  4. それでも違反を是正しない悪質なケースは罰則

 

実際、罰則を受けるまで会社が未加入を放置することは稀で、基本的には指導・勧告の段階で対応してくれるようになるでしょう。

 

雇用保険に未加入だと失業手当は受け取れない?

後述するように、雇用保険に加入していることで、失業後の失業手当を申請することができます。しかし、雇用保険が未加入の場合、肝心の失業手当がもらえなくなってしまいます。未加入が発覚した場合、会社、もしくはハローワークをはじめとした外部窓口に相談しましょう。

 

雇用保険に未加入だったとき、失業手当は一切受け取れないのかというと、そんなことはありません。

 

勤めていた企業で雇用保険に加入していなかった場合でも、原則として2年間はさかのぼって保険料を納めることができます。きちんと手続きをすれば、雇用保険へ加入・失業手当の支給対象になることが可能です。詳細については、ハローワークなどに相談されることをおすすめします。

 

 

雇用保険の失業手当の受け取り方と条件、実際の給付額

雇用保険の一番の補償として、失業時の失業給付の基本手当、いわゆる失業手当を思い浮かべる方も多いでしょう。こちらでは、雇用保険の失業手当を受けるための条件や受け取り方法、実際の給付額の計算方法についてご説明します。

【関連記事】雇用保険の失業等給付(基本手当)とは|給付金額と申請方法|労働弁護士ナビ

 

失業手当が受け取れる条件

失業手当の受給資格は以下のとおりです。

 

  1. ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
  2. 離職の日以前2年間に、被保険者期間(※補足2)が通算して12か月以上あること。

ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。

引用元:ハローワークインターネットサービス|基本手当について

 

基本手当はあくまでも就業意欲があり、求職活動をして1日でも早く再就職することを目的とした給付です。傷病や出産・育児などですぐに働くことができない場合は受給資格の対象外となります。また、被保険者期間の長さは、自己都合退職か会社都合退職かによって違ってきます。

 

一般的な離職者の場合の受給条件【自己都合退職の場合】

一般的な自己都合退職で離職した人は、上記の内容の通り、働く意思があり、以下の条件を満たしている場合に受給が可能です。

 

離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。

 

特定理由離職者の場合の受給条件

自己都合退職をされた方でも、以下のような特定の理由によって離職した方は、受給条件が少し緩和されます。

 

  • 有期労働契約の更新が認められず離職した
  • 出産/育児によって離職して受給期間の延長措置を受けた
  • 両親の扶養や介護など家庭事情の急変により離職した
  • 配偶者や扶養親族と別居生活を続けることが困難になり離職した
  • 通勤が困難になり離職した人
  • 企業の人員整理の希望退職者の募集に応じて離職した人

 

離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上あること

 

こちらも引き続き就業する意思があることが必要です。例えば、出産や育児により離職した方で、しばらく就業する意思がない場合には失業手当の受給はできません。

 

特定受給資格者の場合の受給条件【会社都合退職の場合】

会社の倒産やリストラなど、会社都合によって離職した方は、就業する意思に加えて以下の条件を満たした場合に失業手当を受給することが可能です。

 

離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上あること

 

失業手当の給付額と計算方法

失業給付金の基本手当では、失業した人に対して雇用保険の被保険者期間(保険に入っていた期間)や年齢に応じて収入の45%〜80%を給付金として補償します。ですので、一律○○円と決まっているのではなく、ご自身の状況に応じて受給額も変わってきます

 

受給する際にハローワークで手続きをする中で金額も把握できますが、事前にご自身でもある程度の金額の目安を持っておき、今後の生活の送り方の参考にされると良いでしょう。このちらでは、失業給付の基本手当を例に給付金の計算例をご紹介します。

 

休業前の賃金日額の考え方

給付金を計算する際に基本となるのは休業前にもらっていた日給です。ハローワークでは「賃金日額」と呼び、原則として離職した日の直前6か月に毎月支払われた賃金(賞与等は除く)の合計を180で割って算出した金額がベースとなります。

 

賃金日額=休業前6ヶ月間の給与(総支給額)/180(日)

 

支給額の上限

賃金日額は年齢によって上限と下限があります。上限と下限は毎年改定されますので、『基本手当 日額』などで検索すると、厚生労働省による最新情報が出てくるかと思います。以下は令和2年3月1日時点の日額上限です。

 

ただし、賃金日額の上限・下限の条件を満たしている場合でも、基本手当日額(基本手当として普及される金額)にも上限・下限があるため注意が必要です。

 

離職時の年齢

賃金日額の上限額(円)

基本手当日額の上限額(円)

29歳以下

13,630

6,815

30〜44歳

15,140

7,570

45〜59歳

16,670

8,330

60〜64歳

15,890

7,150

参考:厚生労働省|雇用保険の基本手当日額が変更になります〜令和2年3月1日から〜

 

離職時の年齢

賃金日額の下限額(円)

基本手当日額の下限額(円)

全年齢

2,500

2,000

参考:厚生労働省|雇用保険の基本手当日額が変更になります〜令和2年3月1日から〜

 

給付日数

給付条件でも違いがあったように、基本手当の給付日数は退職理由によって異なります。結論を言うと、会社都合退職の方が長い間失業手当を受けることができます。もし、ハラスメントや長時間労働などによって退職した場合は、自己都合退職を会社都合退職に変更することが可能な場合が多いです。

 

自己都合退職で申し出る前に、ハローワークに相談してみましょう。

 

≪自己都合退職の場合≫

自己都合退職によって離職をした場合、給付日数は以下のようになります。自己都合退職の場合、基本手当を受給するまで待期期間とは別に、給付制限を受けることがあります。そのため、退職したら速やかに申請手続きを始めましょう。

 

 

被保険者であった期間

区分

1年未満

1年以上5年未満

5年以上10年未満

10年以上20年未満

20年以上

全年齢

90日

120日

150日

参考:ハローワークインターネットサービス|基本手当の所定給付日数

 

≪会社都合退職の場合≫

以下のように、会社の倒産や解雇などにより離職した場合は「特定受給資格者」になります。このような場合、給付日数が自己都合退職より延長されることがあります。

 

  • 会社の倒産により失業した
  • 事業所の廃止に伴い離職した
  • 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)により離職した
  • 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した
  • 上司からの嫌がらせを受けたことによって離職した

 

会社都合退職や特定理由離職者の場合の給付日数は以下の通りです。

 

 

被保険者であった期間

区分

1年未満

1年以上5年未満

5年以上10年未満

10年以上20年未満

20年以上

30歳未満

90日

90日

120日

180日

30歳以上35歳未満

120日

180日

210日

240日

35歳以上45歳未満

150日

240日

270日

45歳以上60歳未満

180日

240日

270日

330日

60歳以上65歳未満

150日

180日

210日

240日

参考:ハローワークインターネットサービス|基本手当の所定給付日数

 

基本手当の計算方法

基本手当は以下の式で計算することができます。

 

休業前の賃金日額×給付率(45%〜80%)=基本手当日額

 

給付率は年齢と賃金日額によって決定します。

 

賃金日額(w円)

給付率

基本手当日額(y円)

離職時の年齢が29歳以下(※1)

2,500円以上5,010円未満

80%

2,000円~4,007円

5,010円以上12,330円以下

80~50%

4,008円~6,165円(※2)

12,330円超13,630円以下

50%

6,165円~6,815円

13,630円(上限額)超

6,815(上限額)

離職時の年齢が 30~44 歳

2,500円以上5,010円未満

80%

2,000円~4,007円

5,010円以上12,330円以下

80~50%

4,008円~6,165円(※2)

12,330円超15,140円以下

50%

6,165円~7,570円

15,140円(上限額)超

7,570円(上限額)

離職時の年齢が 45~59 歳

2,500円以上5,010円未満

80%

2,000円~4,007円

5,010円以上12,330円以下

80~50%

4,008円~6,165円(※2)

12,330円超16,660円以下

50%

6,165円~8,330円

16,660円(上限額)超

8,330円(上限額)

離職時の年齢が60~64 歳

2,500円以上5,010円未満

80%

2,000円~4,007円

5,010円以上11,090円以下

80~45%

4,008円~4,990円(※2)

11,090円超15,890円以下

45%

4,990円~7,150円

15,890円(上限額)超

7,150円(上限額)

※1 離職時の年齢が65歳以上の方が高年齢求職者給付金を受給する場合も、この表を適用します。

※2y=0.8w-0.3{(w-5,010)/7,320}w

※3y=0.8w-0.35{(w-5,010)/6,080}w,y=0.05w+4,436のいずれか低い方の額

参考:厚生労働省|雇用保険の基本手当日額が変更になります

 

給付額の計算例

例として、実際の数字を当てはめて計算してみます。

 

<計算条件>

  • 30歳で平均月収が30万円
  • 休業前6ヶ月の総支給額は残業代含め192万0,000円
  • 被保険者期間は15ヶ月
  • 自己都合により退職

 

<計算例>

  • 賃金日額

1,920,000円/180日≒10,666円

  • 基本手当支給

30歳で賃金日額が10,666円なので、給付率は50%〜80%になります。なお、今回は50%で計算します。

10,666×50%×90日=479,970円 (給付総支給額)

 

上記の計算では総支給額は479,970円となりました。若干のズレがあるかもしれませんが、おおよその受給額はご自身でも計算できるかと思います。いくら給付されるかの予想が付けば、今後の就職活動のペースや生活水準など、ある程度の計画を立てて行うこともできるでしょう。

 

失業手当の手続き方法

それでは、実際に失業手当を受給するためには、以下の方法を取っていきましょう。

 

勤務先から離職を証明する書類をもらう

離職時に会社から以下の書類が渡されていることを確認しましょう。

 

  • 雇用保険被保険者証
  • 雇用保険被保険者離職票(1・2)

 

雇用保険被保険者証は雇用保険番号を確認するために使用しますので、なくさないようにしてください。また、雇用保険被保険者離職業は、1と2があるため用紙を2枚受け取ることになります。もし、もらえていないようでしたら、会社に連絡を取って送付してもらうようにしましょう

 

ハローワークで基本手当を申請する

離職時の書類が確認できたら、管轄のハローワークで求職申込みと基本手当の申請を行います。必要書類は以下の5つです。

 

  • 雇用保険被保険者離職票(1・2)
  • マイナンバーカードや通知カード
  • 証明写真(横2.5cm×縦3cm)
  • 印鑑
  • 通帳(普通預金)

 

全国のハローワークの場所や管轄は、以下のリンク先から調べることができます。

【ハローワーク所在地】厚生労働省|全国ハローワーク等所在案内

 

基本手当の申請をすると「雇用保険受給者初回説明会」の日程が案内されますので、それまでの期間は求職活動を行うことになるでしょう。

 

待期期間と受給開始時期

求職申込みと基本手当の申請を行ってから1週間は「待期期間」になります。

 

受給説明会を受ける

指定された日にハローワークに来所し「雇用保険受給者初回説明会」に参加します。このタイミングで、失業認定日が決まります。

なお、説明会には以下の持ち物を忘れないようにしましょう。

 

  • 雇用保険受給資格者のしおり
  • 印鑑
  • 筆記用具

 

失業認定と基本手当の受給

説明会を受けたあとは失業認定日まで求職活動をします。失業認定日までに就職できなかった場合は、基本手当を受給することになります。

 

 

まとめ

雇用保険とは、社会保険制度の1つで、失業や休業時の生活を守るための保障を受けることができます。正社員であれば基本的に加入義務があるものとお考え下さい。また、パートやアルバイトの非正規社員の方でも、加入条件を満たしていれば、会社は加入させなくてはなりません

 

適切な労務管理がされている会社であれば、入社時に雇用保険の加入手続きを行ってくれ、退職後や休業時にハローワーク等に申し出ることで給付金を受け取る手続きができます。

 

ただ、まれに雇用保険に未加入の会社があります。給与明細等で確認を行い、もし雇用保険の未加入がある状況であれば、早急に労働基準監督署など外部の機関に相談するようにしましょう。

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KL2020・OD・037

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