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会社支給の夏季・年末ボーナスの平均支給額は基本給の1〜1ヶ月半分といわれています。
2020年(令和2年)のボーナス平均支給額は、厚生労働省『毎月勤労統計調査』の結果によると、下記のうような数字になっています。
※年末の賞与はまだ確定ではない為、令和元年の数字
表:毎月勤労統計調査|令和2年夏季賞与の支給状況
産 業 |
支給事業所における労働者一人平均賞与額 |
||
|
令和2年 |
令和元年 |
前年比(%) |
調査産業計 |
383,431 |
381,343 |
0.5 |
鉱業,採石業等 |
483,785 |
575,709 |
-16.0 |
建設業 |
512,328 |
513,611 |
-0.2 |
製造業 |
491,999 |
515,635 |
-4.6 |
電気・ガス業 |
778,997 |
779,700 |
-0.1 |
情報通信業 |
671,221 |
679,098 |
-1.2 |
運輸業,郵便業 |
339,235 |
367,466 |
-7.7 |
卸売業,小売業 |
345,445 |
338,932 |
1.9 |
金融業,保険業 |
635,558 |
607,594 |
4.6 |
不動産・物品賃貸業 |
447,592 |
447,396 |
0.0 |
学術研究等 |
643,092 |
660,402 |
-2.6 |
飲食サービス業等 |
55,296 |
62,688 |
-11.8 |
生活関連サービス等 |
162,270 |
159,473 |
1.8 |
教育,学習支援業 |
518,523 |
505,637 |
2.5 |
医療,福祉 |
284,697 |
276,199 |
3.1 |
複合サービス事業 |
434,922 |
429,742 |
1.2 |
その他のサービス業 |
211,166 |
208,712 |
1.2 |
調査産業計 |
|||
500人以上 |
633,853 |
652,608 |
-2.9 |
100~499人 |
418,274 |
431,227 |
-3.0 |
30~99人 |
335,961 |
331,267 |
1.4 |
5~29人 |
274,523 |
261,268 |
5.1 |
30人以上 |
438,830 |
443,167 |
-1.0 |
※「支給事業所における労働者一人平均賞与額」とは、賞与を支給した事業所の全常用労働者(当該事業所で賞与の支給を受けていない労働者も含む)についての一人平均賞与支給額。
参考:厚生労働省
表:毎月勤労統計調査|令和元年年末賞与の支給状況
産 業 |
支給事業所における労働者一人平均賞与額 |
前年比(%) |
調査産業計 |
389,394 |
-0.1 |
鉱業,採石業等 |
492,973 |
-15.9 |
建設業 |
494,811 |
9.9 |
製造業 |
512,022 |
-1.2 |
電気・ガス業 |
778,952 |
3.8 |
情報通信業 |
660,962 |
-2.7 |
運輸業,郵便業 |
402,322 |
0.2 |
卸売業,小売業 |
337,163 |
-2.2 |
金融業,保険業 |
621,489 |
10.7 |
不動産・物品賃貸業 |
423,760 |
3.3 |
学術研究等 |
591,689 |
-6.2 |
飲食サービス業等 |
66,202 |
-6.0 |
生活関連サービス等 |
170,130 |
16.2 |
教育,学習支援業 |
540,447 |
-5.3 |
医療,福祉 |
317,351 |
2.5 |
複合サービス事業 |
454,434 |
-4.0 |
その他のサービス業 |
229,266 |
6.7 |
調査産業計 |
||
500人以上 |
639,294 |
-4.1 |
100~499人 |
447,375 |
-0.8 |
30~99人 |
350,683 |
1.9 |
5~29人 |
273,076 |
3.0 |
30人以上 |
454,048 |
-0.5 |
参考:厚生労働省
この記事では、ボーナスの平均金額を、業種別や会社規模などからご紹介していきます。
ボーナスは賞与とも呼ばれ、月毎に支給されている給与とは別途支給される賃金です。この記事では、ボーナス制度の概要についてご紹介します。
ボーナスの支給は会社の決算期前後といわれています。大手では、6〜8月に夏季賞与、10〜12月に冬季(年末)賞与として支給されることが多いでしょう。
ボーナスの支給金額を算定する際は【基本給 × ○ヶ月分】と考えます。手当を差し引いた基本給で考えるため、月給がそのまま反映されるわけではありません。
1回のボーナスの目安は、大企業は基本給の2.5か月分で中小企業は基本給の1か月としているところが多いようです。ただし、企業の方針や業績、個人の成績、在籍年数などにより大きく異なります。
例えば、ベンチャー企業など少数精鋭で大きな成績を上げている場合は、中小規模であっても大企業以上にボーナスを支給しているケースもあります。
ボーナスや賞与は法律で定められた制度ではないので、『ボーナスなし』でも違法ではありません。ボーナスはあくまでも任意制度なので、制度を採用していない会社もあるのです。
ここでは、2019年の厚生労働省による「令和元年の賃金構造基本統計調査」からボーナスの平均値を紹介します。こちらの数値は年間のボーナス額で基本的には企業規模10人以上の企業のデータを利用します。
また、令和2年は新型コロナウイルス感染症により、業種によっては大きく打撃を受けた産業もありますが、こちらのデータは新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前のものです。そのため、基本的なデータとして参考にしてください。
まず、年齢別のボーナス平均値を紹介します。
20代は後半になると大きくボーナス額が増えますが、全体の平均95万円を下回ります。ただし、男性の25~29歳で従業員数1,000人以上の企業の場合は92万5300円となり、大企業に勤めていれば20代後半で全体の平均に届きそうな水準になることがわかりました。
|
年間賞与その他特別給与額(男性) |
||||
年齢 |
企業規模計 |
1,000人以上 |
100~999人 |
100~999人 |
10~99人 |
20~24歳 |
430.9 |
504.5 |
23.0 |
430.1 |
295.5 |
25~29歳 |
755.0 |
925.3 |
27.5 |
715.4 |
473.3 |
30代後半で全体の平均ボーナス額95万円を超えます。ただし、大学・大学院卒者の場合は30~34歳で108万8600円なので、30代前半で全体の平均値を超えることができます。
40代になると、100~999人規模の企業のボーナス平均も99万6500円となり全体の平均を超えてきます(40~44歳)。
50代前半がボーナス支給額のピークとなります。従業員数1000人規模の企業だと51~55歳で189万3000円です。
男女別のボーナス平均値を紹介します。
女性は出産や子育てで会社を辞めて社会復帰までにブランクができてしまうと、再就職時に給与水準が下がります。その結果、女性の方がボーナス支給額は大幅に少なくなることが予想できます。
また、従業員数1000人以上の大企業に勤める大学・大学院卒者のボーナス平均は105万4400円と平均水準より高くなります。
同じく従業員数1000人以上の企業でも、中卒33万8400円、高卒51万8500円、高専・短大卒88万3900円なので学歴が高くないと大企業に勤めていてもボーナスが多く支給されないということもわかります。
こちらでは、民間事業の業界別ボーナスの平均値を紹介します。
こちらの結果、教育・学習支援業、金融・保険業、情報通信業のボーナス水準が高いことがわかります。ただし、金融・保険業は実態経済より株価が業績に影響するので、今後株価が低迷する局面では大きくボーナス水準を下げることになるでしょう。
また、電気・ガス・熱供給・水道業といったインフラは学歴によるボーナス額の差が少ないです。
安定したボーナスを求めるのであれば、インフラ業が最適といえるでしょう。
学歴別のボーナスの平均値も紹介しましょう。
大学・大学院卒者のボーナスが一番多いことから、学歴が高いほどボーナスが高いということがわかります。全体のボーナス平均は約95万円ですが、大学・大学院卒者は30代前半で108万8600円となります。
大学・大学院卒者の男性のボーナス平均は151万2600円です。50~54歳のレンジで一番ボーナスが多くなり、232万8500円となります。1回あたり100万円以上のボーナスを支給されていることがわかります。
従業員数1000人以上の企業の50~54歳のレンジでは290万3400円とさらに増えます。
大学・大学院卒者の女性のボーナスも89万7200円と、全体の平均値95万円0900円よりは低いですが女性全体の平均65万2100円より多いことがわかります。
そして、従業員数1,000人以上の企業では女性の大学・大学院卒者のボーナスは105万4400円と全体の平均より多くなります。
男性高専・短大卒者のボーナス平均は、98万6800円と全体のボーナス水準より高いです。また、高専・短大卒者の女性のボーナスは71万7500円で、男女全体の平均95万0900円よりは低くいですが、女性全体の平均65万2100円より多いです。
男性高卒者のボーナス平均は82万6300円です。男性高卒者の場合は、40~44歳で平均値104万4500円となり全体の平均値を超えます。
また、従業員数1000人以上の企業の高卒者の平均ボーナスは116万8700円なので、男性の場合は大企業に勤めれば高卒でも平均以上のボーナスが支給されることがわかります。
女性高卒者のボーナス平均は44万7600円です。従業員1000人以上の企業で51万8500円、100~999人の会社で46万4600円、10~99人の会社で35万0700円でした。
中卒者のボーナス平均値は学歴別で見ても低いです。男性中卒者のボーナス平均値は47万7400円ですが、女性の中卒者のボーナス平均値は27万8000円にとどまります。
ただし、中卒者であっても従業員数1,000人を超える大企業に勤めている場合のボーナス平均値は69万2800円でした。従業員数1,000人を超える建設業では116万0100円、電気・ガスなどのインフラ業は116万8700円と平均値より大幅に多い水準で、学力より「どの規模の企業に所属するか・どんな仕事をするか」によってボーナスの額が大きく変わることがわかります。
企業規模によってもボーナスの支給額に差はあるのでしょうか。
従業員数1,000人を超える大企業では、全体のボーナス額平均である95万0900円を大きく上回ります。男性の平均は、154万7500円、女性の平均は80万5700円です。
女性の平均額は全体の平均を下回りますが、40~44歳女性のボーナス額は100万0900円になっています。このように、大手企業に就職できれば学歴関係なく全体の平均より高いボーナス額がもらえる可能性があることもわかります。
従業員数100人~999人規模の企業の平均ボーナス額は、全体のボーナス額平均である95万0900円を下回ります。ただし、男性の場合は101万7600円なので平均額より上です。女性の平均額は63万0800円にとどまります。
従業員数が100人未満の企業のボーナス支給額は平均値の95万0900円を大きく下回ります。男性の平均ボーナス額は60万7000円、女性のボーナス平均額は47万8600円でした。
この規模の企業の場合、大・大学院卒の男性であってもボーナスの平均額は82万9000円で全体の平均95万0900円を上回ることはありません。
公務員の給料やボーナスは安定しているイメージがあるのではないでしょうか。実際のボーナス支給額はどのくらいなのでしょうか。
2020年冬期の管理職を除く一般行政職の平均支給額は65万3600円でした。この支給額は前年冬より3万4100円の減少です。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、民間企業のボーナス減に合わせた動きをしています。
ただし、年間で見ると平均120万円~130万円が支給されていることになり、やはり公務員は安定的にボーナス支給がされているといえるでしょう。
ボーナスは全体的に減少傾向にあります。1999年の冬季ボーナスと2019年の冬季ボーナスを比較すると88,441円下がっていました。
1999年…夏季440,665円、冬季477,805円
2004年…夏季405,462円、冬季430,278円
2009年…夏季363,104円、冬季380,258円
2014年…夏季370,550円、冬季375,431円
2019年…夏季381,520円、冬季389,394円
2008年にリーマンショック、2011年に東日本大震災があったことで日本経済は大きく低迷しました。しかし、アベノミクスで株価は上昇してきたことで2018年まではボーナスも上昇傾向にありました。
しかし、アベノミクスにより日経平均株価は大幅に値を上げたのにも関わらず、ボーナスに関しては過去の水準に戻っておらず、会社員は景気回復の恩恵を受けていないことになります。
また、足元では新型コロナウイルス感染症の影響を受けて実態経済は低迷しています。令和2年の夏季賞与は従業員数5人以上の事務所での統計では、平均38万円でした。
全体としては令和元年の36万円より増えてはいるものの、新型コロナウイルス感染症の被害が大きかった鉱業・採石業では▲16.0%、飲食サービス業では▲11.8%と大きく下がっています。
新型コロナウイルスが収束の兆しが見えず、令和2年冬季ボーナスは減った産業も多いと想像します。帝国データバンクの調査では、新型コロナウイルスの影響で2019年冬季ボーナスと比較して変化があったかという質問をしています。その結果
でした。
「減少する」と回答した業種は、「製造」が44.2%、「卸売」34.3%、「運輸・倉庫」33.3%です。
具体的な数字については厚生労働省の発表があるまでわかりませんが、冬季ボーナスが減少すると答える企業が3割に上ることから2019年度の冬季ボーナス平均より下がると予想できます。
そして、新型コロナウイルス感染症の収束せずに、外出や海外渡航に対する規制が続けば2021年以降も一部産業のボーナスは低迷が続くでしょう。倒産が増えて不景気感が漂えば、現在業績が堅調なの業種・業界を含め、国内産業全体のボーナス減少を加速させる恐れもあります。
参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査) 結果の概要
参考:帝国データバンク
ボーナスはすべての企業で支給されているわけではありません。ボーナスを支給している企業の割合やボーナス支給額が大きい企業を紹介します。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2019年の夏季ボーナスを支給した企業は67.9%で、冬季ボーナスを支給した企業は73.2%でした。このようにすべての企業でボーナスを支給しているわけではなく、冬季だけボーナスを支給している企業もあるということがわかります。
ボーナスを支給している企業は大企業の方が多い傾向にあります。従業員数が500人以上の会社では97.8%とほとんどの企業がボーナスを支給していますが、従業員数が5人~29人の会社では70.2%にとどまります。
特に小規模の企業は会社の業績がボーナスの支給に繋がりやすいです。そもそもボーナスに対する規定が定められておらず、会社の業績が良ければボーナスが支給され、悪ければ支給されないということもあるでしょう。
日本経済新聞社では、2020年冬季ボーナスが多い上場企業を発表しています。
新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年冬季はボーナス額を減らしている企業が多いと予想される中、1回のボーナスで100万円以上支給している企業があることがわかりました。
ボーナスは会社の任意制度なので、支給なしの場合も違法ではありません。
ただし、募集要項で『賞与あり』と書いてあったり、労働契約上は支給されることになっていたりする場合は支給しなければなりません。
もしも、『賞与あり』のはずなのに実際は支払われなかったという場合は、その分の賃金を会社に請求することもできます。その場合、転職とあわせて検討することをおすすめします。
ボーナスは会社に善意によって設定されている制度です。そのため、支給の有無や金額などは、会社次第になってしまうのが事実です。
「ボーナスがないから貯金ができない…」、「支給されているボーナスが低い…」という悩みを抱えている場合は、今よりも基本給やボーナスの支給額が多い会社に転職するのも1つの手段です。
ボーナスの支給額は各企業の業績や方針により異なります。ただし、全体的には従業員数1000人以上の大企業、大学・大学院卒者、男性が平均値を超える高い水準にあり、金融・保険、情報通信業、教育,学習支援業などの業種のボーナス水準も高いです。
ただし、新型コロナウイルスの影響を受けて2020年冬季のボーナスが減少していることが予想され、今後収束の兆しが見えなければ引き続き低迷は続くでしょう。
もともとボーナスが低い業種・業界の場合はさらに影響を受ける可能性があるので覚悟が必要ですし、就職や転職を考える場合にはもともとのボーナス水準が高い業界を選んだ方がいいといえるのではないでしょうか。
ボーナスは働く方にとって1つの活力にもなる賃金です。この記事を読んで、ご自身のボーナスが平均より低いと感じたら、よりよい条件の会社に転職するという方法もあるでしょう。
この記事で、ボーナスに関する疑問が解消されれば幸いです。
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